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第4話 卒業を控えて
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卒業式が近づいてきたある日、久しぶりにチャーリーに呼び出された。
何か話があるのなら、教室に来てくれたら良いのに…セイラさんに私と一緒にいるところを見られたくなかったようだ…。
「久しぶり…。元気にしてたか?」
チャーリーも多少不義理にしていたという罪悪感はあったのか、気まずそうに話し始めた。
「ええ。こちらは変わらずよ。
もうすぐ卒業だけれど…チャーリーこそどう?仕事は決まった?」
もともと、この学園に来たのも騎士として仕事に就くのに有利にするためだ。
平民なのでお城務めは難しくても、王立学園卒業なら街の騎士団くらいは入れるだろう…。
騎士団の収入は平でも、農家で稼ぐ収入の倍にはなる。
お父様が学費を三年で返すように契約したのはそのためだ。
三年に分割して返せば十分手元にお金は残るし…この先得られる収入のことも考えたら、お父様に学費を借金してまで入学したことも決して悪い話ではなかった。
「ああ…。セイラのところに行くつもりだ…」
セイラさんのところ…?彼女の父のオズボーン子爵は宮廷貴族だから、特に領地などは持たず、騎士団もなかったと思うのだけれど…。
私が不思議に思って考えていると、それをどう勘違いしたのか、チャーリーは焦ったように話を続けた…。
「ごめん…。リアと婚約すると言っていたのに…。
でもリアのお父さんも悪い…。意地悪して借用書を書かせたり、タウンハウスに住ませてくれなかったから、俺は心に隙間が出来て…そこにセイラが入り込んでしまったんだ…。
でもこれは会うべくして会った運命の出会いだと思う。だから、リアには悪いけど…後悔はしていない…」
1人芝居のように話を続けるチャーリーに、何と突っ込めば良いのか迷ったけれど…
とりあえず、これだけは確認しておきたかった…。
「それでチャーリーは卒業後ちゃんと3年で学費を返す目処は立っているの?」
するとチャーリーは水を差されたと思ったのか、今までの芝居がかった表情から急に不機嫌になり…
「またお金の話?君達親子はいつもそうやって俺を金で縛りつけるんだね…。
でも、俺の気持ちは変わらないし、セイラと結婚するから!!」
私はチャーリーにどうしてそんな話をされるのか分からなかった…。
急に切れられるのも意味が分からない…。
「結局、何のために私は呼び出されたの…?」
呆気に取られて思わず呟くと、チャーリーも何のためにアメリアを呼び出していたのかを思い出したようだ…。
「その…実は卒業式後のパーティーの衣装を用意してほしくて…」
今さっき切れたところなのに、そんなお願いを言い出すのはバツが悪いと思ったのか、アメリアの顔色をうかがいながら、また遠慮がちに話し始めた…。
「パーティーは制服で参加しても良いし、学校で衣装の貸し出しもしていたと思うけれど…?」
この学園の生徒は、ほとんどがお金を持った貴族の子だけれど、中には優秀な平民の特待生やそう裕福ではない貴族の子達もいる。
だから…そういう生徒のために学園は、制服での参加も、卒業生が寄付した無償のレンタル衣装での参加も認めている。
実際、華美なことが嫌いだからと、家が裕福でも制服で参加する生徒もいる…。
私がそう述べると…
「そんな…セイラとの婚約を発表する華々しい席に、君は学園でレンタルした衣装で向かえというのか…?
それにそういったパーティーでは、パートナーに色を合わせた衣装をプレゼントするというじゃないか?
俺はセイラに俺とお揃いの衣装を贈ってあげたいんだ!!」
チャーリーの言うことは、さっぱり理解できなかった…。
「チャーリー…そういったパーティーに着る衣装って、どのくらいするか知っているの…?」
「知らないけれど…貴族はそんな衣装を年に何着も買うんだろ?なら、リアも俺とセイラが着る2着ぐらい簡単に買えるのじゃないか?」
「どうして、私がそれを用意しなきゃならないの?
なら同じ貴族のセイラさんに買ってもらえばいいんじゃない?」
私も段々腹が立ってきて投げやりに言うと、さすがのチャーリーも買ってもらうのは無理だと思ったようだ。
「じゃあ、この分も借用書を書く。だから出してもらえないだろうか…」
私はそこまで無理をして見栄をはる必要はないと思ったけれど、チャーリーは言い出したら聞かない性格なので、後日改めて正式な借用書をお父様に用意してもらい、貴族の衣装が揃えられるお店も紹介してあげた。
何か話があるのなら、教室に来てくれたら良いのに…セイラさんに私と一緒にいるところを見られたくなかったようだ…。
「久しぶり…。元気にしてたか?」
チャーリーも多少不義理にしていたという罪悪感はあったのか、気まずそうに話し始めた。
「ええ。こちらは変わらずよ。
もうすぐ卒業だけれど…チャーリーこそどう?仕事は決まった?」
もともと、この学園に来たのも騎士として仕事に就くのに有利にするためだ。
平民なのでお城務めは難しくても、王立学園卒業なら街の騎士団くらいは入れるだろう…。
騎士団の収入は平でも、農家で稼ぐ収入の倍にはなる。
お父様が学費を三年で返すように契約したのはそのためだ。
三年に分割して返せば十分手元にお金は残るし…この先得られる収入のことも考えたら、お父様に学費を借金してまで入学したことも決して悪い話ではなかった。
「ああ…。セイラのところに行くつもりだ…」
セイラさんのところ…?彼女の父のオズボーン子爵は宮廷貴族だから、特に領地などは持たず、騎士団もなかったと思うのだけれど…。
私が不思議に思って考えていると、それをどう勘違いしたのか、チャーリーは焦ったように話を続けた…。
「ごめん…。リアと婚約すると言っていたのに…。
でもリアのお父さんも悪い…。意地悪して借用書を書かせたり、タウンハウスに住ませてくれなかったから、俺は心に隙間が出来て…そこにセイラが入り込んでしまったんだ…。
でもこれは会うべくして会った運命の出会いだと思う。だから、リアには悪いけど…後悔はしていない…」
1人芝居のように話を続けるチャーリーに、何と突っ込めば良いのか迷ったけれど…
とりあえず、これだけは確認しておきたかった…。
「それでチャーリーは卒業後ちゃんと3年で学費を返す目処は立っているの?」
するとチャーリーは水を差されたと思ったのか、今までの芝居がかった表情から急に不機嫌になり…
「またお金の話?君達親子はいつもそうやって俺を金で縛りつけるんだね…。
でも、俺の気持ちは変わらないし、セイラと結婚するから!!」
私はチャーリーにどうしてそんな話をされるのか分からなかった…。
急に切れられるのも意味が分からない…。
「結局、何のために私は呼び出されたの…?」
呆気に取られて思わず呟くと、チャーリーも何のためにアメリアを呼び出していたのかを思い出したようだ…。
「その…実は卒業式後のパーティーの衣装を用意してほしくて…」
今さっき切れたところなのに、そんなお願いを言い出すのはバツが悪いと思ったのか、アメリアの顔色をうかがいながら、また遠慮がちに話し始めた…。
「パーティーは制服で参加しても良いし、学校で衣装の貸し出しもしていたと思うけれど…?」
この学園の生徒は、ほとんどがお金を持った貴族の子だけれど、中には優秀な平民の特待生やそう裕福ではない貴族の子達もいる。
だから…そういう生徒のために学園は、制服での参加も、卒業生が寄付した無償のレンタル衣装での参加も認めている。
実際、華美なことが嫌いだからと、家が裕福でも制服で参加する生徒もいる…。
私がそう述べると…
「そんな…セイラとの婚約を発表する華々しい席に、君は学園でレンタルした衣装で向かえというのか…?
それにそういったパーティーでは、パートナーに色を合わせた衣装をプレゼントするというじゃないか?
俺はセイラに俺とお揃いの衣装を贈ってあげたいんだ!!」
チャーリーの言うことは、さっぱり理解できなかった…。
「チャーリー…そういったパーティーに着る衣装って、どのくらいするか知っているの…?」
「知らないけれど…貴族はそんな衣装を年に何着も買うんだろ?なら、リアも俺とセイラが着る2着ぐらい簡単に買えるのじゃないか?」
「どうして、私がそれを用意しなきゃならないの?
なら同じ貴族のセイラさんに買ってもらえばいいんじゃない?」
私も段々腹が立ってきて投げやりに言うと、さすがのチャーリーも買ってもらうのは無理だと思ったようだ。
「じゃあ、この分も借用書を書く。だから出してもらえないだろうか…」
私はそこまで無理をして見栄をはる必要はないと思ったけれど、チャーリーは言い出したら聞かない性格なので、後日改めて正式な借用書をお父様に用意してもらい、貴族の衣装が揃えられるお店も紹介してあげた。
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