6 / 82
クラスの女神の恋愛相談
女神と共に
しおりを挟む
晩御飯を食べ終え。
ベッドで天井を見上げる私。
正確には、上に掲げたスマホの中身を見上げていた。
……ラインの通知、130件。
既読を付けないように中は覗いていない。
けれど。返信しないと流石に可哀想なので、私はラインのアプリを立ち上げ、恐る恐る、【天崎心音】と一番上にある名前に触れた。
気持ち悪い程に連続するメッセージ。
とりあえず、一番上から目を通す。
『伊奈さん? 無視してますか?』
『もしかして、急に告白したからキモいとか思いましたか?』
『ごめんなさい。だけど、私はやっと想いを伝えられて嬉しかったから』
『あ。付き合ってとか、そういうおこがましい願いじゃないんですよ?』
『ただ、それを伝えたかっただけであって』
『それにしても。なんで無視してるのかな?』
『もしかしてブロックしましたか?』
『あ。晩御飯の可能性もありますよね』
『そんなラインを送って、こいつ暇人だなとか思ってます?』
『だけど。宿題も終わらせましたし、ラインは家族と伊奈さんしかいないので』
『暇というか、退屈なんですよね』
『あ! そういえば聞きたいことがあるんでした』
『伊奈さんは登下校の時、可愛い女の子と一緒に登校しているようですが』
『あれ……誰?』
『いや、別に深い意味があるとかないんですよ!』
『私は耳が悪いこともあって、いつも車で登下校しているのですが』
『その時に偶然、本当に偶然、目に伊奈さん達が目に入るんですよね』
『あ、でも、伊奈さんがいつも登下校をしている時間を狙って、送り迎えしてもらっているわけではないんですよ!』
(ry
『……』
『遅いですね』
『折角、ラインを交換できたからお話がしたかったのですが』
『ごめんなさい。ふて寝します』
『あなたを待てなかった私を罰してください』
……と。
すっごい面倒な彼女みたいなラインを寄越されていた。
それに……ライン、交換してないし。奪われただけだし。
けれどそれと同時に、私がこんなにも愛されていることを知れた。
それはかなり嬉しい……。……?
いや、嬉しさは勿論あるけど、なんか恐怖も三割ほど感じている。
まぁ。何か気の利いた言葉を返そう。
『ごめん。ご飯食べてた。私の家、ご飯中にスマホは禁止でさ』
『そうなんですね。私の方こそごめんなさい。取り乱してしまって』
送って数秒の間で、返信が来て、私の肩が少しビクッとなる。
……ふて寝してないんかい。
『いや。大丈夫大丈夫。気にしてないから』
『良かったです。それはそうと、明日はどうするんですか?』
どうする。と言われても。
なんて返せばいいのだろうか。
天崎さんは何を求めているのだろうか。
『どうするって……何が?』
『え? 聞いてないですか? あ。そもそも分からないですね』
独り言のようなそのメッセージに、私は疑問符しか浮かばない。
『……?』
『えっとですね! 私、相談部に入部することにしました!』
……ん?
…………んん?
………………んんんんんん⁇
『……まじ? なんで?』
『私、そもそも、伊奈さんと話すことができたら相談部に入ろうって決めてたんです!』
話してはいない。
けれど、ここはスルーしておこう。
『なるほど。私的には、廃部の危機だったし、かなりありがたいけど。……大丈夫? 耳が聞こえないって色々と大変じゃない?』
『スポーツ系の部活だったら入れなかったですけど、相談部ってめっちゃ楽そうじゃないですか!』
……さては舐めてやがるな。
相談が来ない日は、漫画アプリで暇とか潰したり、こっそり置いてあるポットで沸かしたお湯で、紅茶を飲んだりしているくらいで。
相談が来る日は、とても大変な部活なのだ。
うん。本当に大変だ。
『舐めない方がいいぞよ。……明日、妹の友達が来るらしい。その時は色々と手伝ってもらうからね!』
『はい! 宜しくお願いします! 伊奈さん!』
『うむうむ。良い返事だ』
かくして私は。
女神と共に、相談をすることとなった。
ベッドで天井を見上げる私。
正確には、上に掲げたスマホの中身を見上げていた。
……ラインの通知、130件。
既読を付けないように中は覗いていない。
けれど。返信しないと流石に可哀想なので、私はラインのアプリを立ち上げ、恐る恐る、【天崎心音】と一番上にある名前に触れた。
気持ち悪い程に連続するメッセージ。
とりあえず、一番上から目を通す。
『伊奈さん? 無視してますか?』
『もしかして、急に告白したからキモいとか思いましたか?』
『ごめんなさい。だけど、私はやっと想いを伝えられて嬉しかったから』
『あ。付き合ってとか、そういうおこがましい願いじゃないんですよ?』
『ただ、それを伝えたかっただけであって』
『それにしても。なんで無視してるのかな?』
『もしかしてブロックしましたか?』
『あ。晩御飯の可能性もありますよね』
『そんなラインを送って、こいつ暇人だなとか思ってます?』
『だけど。宿題も終わらせましたし、ラインは家族と伊奈さんしかいないので』
『暇というか、退屈なんですよね』
『あ! そういえば聞きたいことがあるんでした』
『伊奈さんは登下校の時、可愛い女の子と一緒に登校しているようですが』
『あれ……誰?』
『いや、別に深い意味があるとかないんですよ!』
『私は耳が悪いこともあって、いつも車で登下校しているのですが』
『その時に偶然、本当に偶然、目に伊奈さん達が目に入るんですよね』
『あ、でも、伊奈さんがいつも登下校をしている時間を狙って、送り迎えしてもらっているわけではないんですよ!』
(ry
『……』
『遅いですね』
『折角、ラインを交換できたからお話がしたかったのですが』
『ごめんなさい。ふて寝します』
『あなたを待てなかった私を罰してください』
……と。
すっごい面倒な彼女みたいなラインを寄越されていた。
それに……ライン、交換してないし。奪われただけだし。
けれどそれと同時に、私がこんなにも愛されていることを知れた。
それはかなり嬉しい……。……?
いや、嬉しさは勿論あるけど、なんか恐怖も三割ほど感じている。
まぁ。何か気の利いた言葉を返そう。
『ごめん。ご飯食べてた。私の家、ご飯中にスマホは禁止でさ』
『そうなんですね。私の方こそごめんなさい。取り乱してしまって』
送って数秒の間で、返信が来て、私の肩が少しビクッとなる。
……ふて寝してないんかい。
『いや。大丈夫大丈夫。気にしてないから』
『良かったです。それはそうと、明日はどうするんですか?』
どうする。と言われても。
なんて返せばいいのだろうか。
天崎さんは何を求めているのだろうか。
『どうするって……何が?』
『え? 聞いてないですか? あ。そもそも分からないですね』
独り言のようなそのメッセージに、私は疑問符しか浮かばない。
『……?』
『えっとですね! 私、相談部に入部することにしました!』
……ん?
…………んん?
………………んんんんんん⁇
『……まじ? なんで?』
『私、そもそも、伊奈さんと話すことができたら相談部に入ろうって決めてたんです!』
話してはいない。
けれど、ここはスルーしておこう。
『なるほど。私的には、廃部の危機だったし、かなりありがたいけど。……大丈夫? 耳が聞こえないって色々と大変じゃない?』
『スポーツ系の部活だったら入れなかったですけど、相談部ってめっちゃ楽そうじゃないですか!』
……さては舐めてやがるな。
相談が来ない日は、漫画アプリで暇とか潰したり、こっそり置いてあるポットで沸かしたお湯で、紅茶を飲んだりしているくらいで。
相談が来る日は、とても大変な部活なのだ。
うん。本当に大変だ。
『舐めない方がいいぞよ。……明日、妹の友達が来るらしい。その時は色々と手伝ってもらうからね!』
『はい! 宜しくお願いします! 伊奈さん!』
『うむうむ。良い返事だ』
かくして私は。
女神と共に、相談をすることとなった。
0
あなたにおすすめの小説
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
学園の美人三姉妹に告白して断られたけど、わたしが義妹になったら溺愛してくるようになった
白藍まこと
恋愛
主人公の花野明莉は、学園のアイドル 月森三姉妹を崇拝していた。
クールな長女の月森千夜、おっとり系な二女の月森日和、ポジティブ三女の月森華凛。
明莉は遠くからその姿を見守ることが出来れば満足だった。
しかし、その情熱を恋愛感情と捉えられたクラスメイトによって、明莉は月森三姉妹に告白を強いられてしまう。結果フラれて、クラスの居場所すらも失うことに。
そんな絶望に拍車をかけるように、親の再婚により明莉は月森三姉妹と一つ屋根の下で暮らす事になってしまう。義妹としてスタートした新生活は最悪な展開になると思われたが、徐々に明莉は三姉妹との距離を縮めていく。
三姉妹に溺愛されていく共同生活が始まろうとしていた。
※他サイトでも掲載中です。
小さくなって寝ている先輩にキスをしようとしたら、バレて逆にキスをされてしまった話
穂鈴 えい
恋愛
ある日の放課後、部室に入ったわたしは、普段しっかりとした先輩が無防備な姿で眠っているのに気がついた。ひっそりと片思いを抱いている先輩にキスがしたくて縮小薬を飲んで100分の1サイズで近づくのだが、途中で気づかれてしまったわたしは、逆に先輩に弄ばれてしまい……。
AV研は今日もハレンチ
楠富 つかさ
キャラ文芸
あなたが好きなAVはAudioVisual? それともAdultVideo?
AV研はオーディオヴィジュアル研究会の略称で、音楽や動画などメディア媒体の歴史を研究する集まり……というのは建前で、実はとんでもないものを研究していて――
薄暗い過去をちょっとショッキングなピンクで塗りつぶしていくネジの足りない群像劇、ここに開演!!
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる