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第5章 新選組の再集結
第5話
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長崎に着いて、早めに寝入っていた島田魁が完全に目を覚ました時は、夜明け直前だった。
昨日、23日に長崎に到着してから海兵隊の志願兵採用面接を受けたり、当座の給料を受け取ってそれを妻に送金したりと忙しく、更に船旅の間、意外と熟睡もできていなかったのか、夕食後、仮宿舎で横になるとすぐに睡魔に襲われてしまい、島田は寝入ってしまっていたのだ。
余りにも早く寝てしまったせいか、目覚めた時には、眠気が全く無くなっていて、寝具の中でごろごろ転がっているのもどうかと思い、島田は仮宿舎の外に出て散歩でもすることにした。
島田が、宿舎の外に出て体を伸ばした瞬間、
「島田か、島田魁か」
と声が掛けられた。
誰だろうか、と島田が周囲を見回すと旧知の顔があった。
「斎藤一さん?」
「やはり島田だったか。
わしも早く目が覚めてしまって、これから散歩しようと思っていたところだ」
斎藤一が笑っていた。
「一体どうしてというか。どこにおられたのです?」
島田は歩きながら斎藤に尋ねた。
「島田と別れたのは会津でだったかな」
斎藤は、反問した。
「そのとおりです。
私は土方さんと共に仙台に向かい、斎藤さんは会津を見捨てられないと言って、会津に残られたと覚えています」
島田の答えを聞いた後、斎藤は半ば自分に対して呟いた。
「あの後、会津藩の面々と共に戦って、結局は斗南まで、わしは行ったよ。
だが、やはり食うに困ってしまってな。
3年前に東京に出て、警視庁に勤めていた。
そして、土方さんの消息や新選組の旗の事を新聞記事で知ってな。
今回の事態を知って、逡巡するところが自分にはあったが、妻の時尾に背を押された。
『もう会津のことを引きずらないで下さい。
あの新選組の旗の下に行って下さい。
あなたは、心の奥底では、そうしたいのでしょう』
その妻の言葉を聞いて、自分でも踏ん切りがついたよ。
警視庁の上司も妙に理解があってな。
わしが休職して長崎に行きたいと言ったら、認めてくれたよ。
そういうお前はどうしていたんだ?」
斎藤の問いかけに、島田は答えた。
「戊辰戦争が終わった後、妻子と合流して京都に行きました。
それで、甘い物屋をやったのですが、上手く行かずにすぐに店を畳んで、京都で貧乏剣道場主をやっています」
「成程な、島田らしいといえば、島田らしいな」
斎藤は、ぼそっと呟いた。
他にも色々と、2人で話しながら歩くうちに、木刀を振る音に共に気づき、2人してそちらに向かって行った。
そして、30代前半の男が木刀を振るっているのが、2人の視界に入った。
その男の木刀の素振りを、2人して暫く見つめていると、
「ほう、中々の腕と見えるな」
斎藤が、ため息を吐きながら小声で言った。
「そこまでの腕ですかね」
島田には、いわゆるピンと来なかったが。
「何を言っている、わしらの上司になる方だぞ」
「えっ」
「見て分からないのか。
元請西藩藩主でもある、林忠崇海兵大尉だ。
新編の第3海兵大隊の副大隊長、つまり土方大隊長の副長になられる方だ。
お前も最終面接で会った際に、そう自己紹介された筈だぞ」
「すみません、私には分かりませんでした」
そんな風に、斎藤と島田が、小声でやり取りをしている内に。
2人が見ているうちに、林大尉は素振りを止め、模擬戦闘を始めた。
正眼に構え、突き技を繰り出す。
その動きは、2人の目を釘付けにした。
「沖田総司さんを思い出しますね。
色々と違うのが、分かっているのに」
「全くだな、なぜか沖田総司を思い出すな」
その突き技を見ながら、思わず、2人は声を大きくしてしまっていた。
その声が耳に入った林大尉は刀を動かすのを止めて、周囲を見回した。
林大尉の視界に、島田と斎藤の姿が入り、更に目があった。
昨日、23日に長崎に到着してから海兵隊の志願兵採用面接を受けたり、当座の給料を受け取ってそれを妻に送金したりと忙しく、更に船旅の間、意外と熟睡もできていなかったのか、夕食後、仮宿舎で横になるとすぐに睡魔に襲われてしまい、島田は寝入ってしまっていたのだ。
余りにも早く寝てしまったせいか、目覚めた時には、眠気が全く無くなっていて、寝具の中でごろごろ転がっているのもどうかと思い、島田は仮宿舎の外に出て散歩でもすることにした。
島田が、宿舎の外に出て体を伸ばした瞬間、
「島田か、島田魁か」
と声が掛けられた。
誰だろうか、と島田が周囲を見回すと旧知の顔があった。
「斎藤一さん?」
「やはり島田だったか。
わしも早く目が覚めてしまって、これから散歩しようと思っていたところだ」
斎藤一が笑っていた。
「一体どうしてというか。どこにおられたのです?」
島田は歩きながら斎藤に尋ねた。
「島田と別れたのは会津でだったかな」
斎藤は、反問した。
「そのとおりです。
私は土方さんと共に仙台に向かい、斎藤さんは会津を見捨てられないと言って、会津に残られたと覚えています」
島田の答えを聞いた後、斎藤は半ば自分に対して呟いた。
「あの後、会津藩の面々と共に戦って、結局は斗南まで、わしは行ったよ。
だが、やはり食うに困ってしまってな。
3年前に東京に出て、警視庁に勤めていた。
そして、土方さんの消息や新選組の旗の事を新聞記事で知ってな。
今回の事態を知って、逡巡するところが自分にはあったが、妻の時尾に背を押された。
『もう会津のことを引きずらないで下さい。
あの新選組の旗の下に行って下さい。
あなたは、心の奥底では、そうしたいのでしょう』
その妻の言葉を聞いて、自分でも踏ん切りがついたよ。
警視庁の上司も妙に理解があってな。
わしが休職して長崎に行きたいと言ったら、認めてくれたよ。
そういうお前はどうしていたんだ?」
斎藤の問いかけに、島田は答えた。
「戊辰戦争が終わった後、妻子と合流して京都に行きました。
それで、甘い物屋をやったのですが、上手く行かずにすぐに店を畳んで、京都で貧乏剣道場主をやっています」
「成程な、島田らしいといえば、島田らしいな」
斎藤は、ぼそっと呟いた。
他にも色々と、2人で話しながら歩くうちに、木刀を振る音に共に気づき、2人してそちらに向かって行った。
そして、30代前半の男が木刀を振るっているのが、2人の視界に入った。
その男の木刀の素振りを、2人して暫く見つめていると、
「ほう、中々の腕と見えるな」
斎藤が、ため息を吐きながら小声で言った。
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島田には、いわゆるピンと来なかったが。
「何を言っている、わしらの上司になる方だぞ」
「えっ」
「見て分からないのか。
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林大尉の視界に、島田と斎藤の姿が入り、更に目があった。
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