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エピローグ
第2話 新選組の碑
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1879年9月初め、未だに残暑が厳しい中、多くの男たちが、京の町の一角で執り行われる1つの碑の除幕式に参列するために、三々五々と集まっていた。
その除幕式が無事に執り行われた後、更に、その男たちの多くが、思い思いにその碑に敬礼をする等した後で、近くの料理屋に移動した。
さすがに碑の傍で飲食するということは躊躇われたし、久々に旧交を温めたいと願う者も多かったからである。
男たちが座敷に上がると、料理や酒が運ばれてきた。
幹事を務めていた島田魁が立ち上がり、
「特に乾杯等はしない。無礼講で執り行う」
と発言して、思い思いに、そこに集っていた男たちの会話が始まった。
「あの新選組の碑の字は誰に依頼したのだ」
「北白川宮殿下に依頼して、揮毫してもらったらしいぞ」
「北白川宮殿下、ということは元の輪王寺宮殿下か。
あの人ならば、誰も何も言わないだろう。
近藤勇さんと土方歳三さん、他に亡くなった新選組の多くの面々を記念する碑の字を、依頼するのに最もふさわしい方だろうな」
「土方歳三さんに、海軍少将の地位が贈られたというのは本当か」
「戦死に伴う二階級特進措置(この当時、海軍(海兵隊)中佐という階級は無く、海軍少佐から二階級特進したら、海軍少将に昇進だった)ということでな。
他にも古屋佐久左衛門さんや滝川充太郎さんも海軍少将に特進された。
あの鬼の副長が、海軍提督とは。
土方さんは、あの世で聞いて苦笑いをしているだろうな。
俺が海軍提督になれるとは、とな」
「そういえば、相馬主計さんも、戦死に伴う特進措置で海軍少佐だしな。
他にも多くの面々が、偉くなって、あの世に旅立ったな」
「本当にそうだな」
そう話す男の目は、潤んでいて、涙を滴らせていた。
「全くだ」
そして、答えた男も同様だった。
「誠の旗が翻ったあの日から2年が経ったのか」
「本当に早いものだ。
そういえば、あの旗は、今はどこにあるのだ」
「海兵本部で保管されているらしい。
第1屯田兵中隊に還そうとしたが、土方提督の記念だからということで、逆に第1屯田兵中隊から、海兵本部で保管されたいと希望されてな」
「海兵局は無くなったのか」
その会話に1人の男が割り込んだ。
「海軍省の組織改革の一環でな。
海兵局は海兵本部になった」
「それは知らなかったな」
男たちの会話は、久々に会うこともあり、各所で弾んでいた。
料理がひとしきり進んだ頃、運ばれてきた料理に、男たちは目を見張った。
「これはあの時の」
男たちの1人に至っては、絶句した。
「料理屋の主に無理を言って作ってもらった。
そうしたら、料理屋の主が意固地になってな。
何としても皆をうならせる料理にしてみせる、と啖呵を切って作った。
味見してくれ、俺としては、美味すぎる味になった」
島田魁が言った。
「確かに肉とジャガイモ、野菜が入っているが」
そんなことを言いつつ、男たちは、思い思いに箸をつけた。
「確かに、これは美味すぎるな」
1人の男が涙を浮かべながら、つぶやいた。
「ああ全くだ」
別の男が相槌を打った。
「だが、何故かな。
鹿児島のあの時、あの場所で、土方さんと一緒に食べたあの料理の方が、俺は美味かった気がするな」
更に別の男が口をはさんだ。
「あの時は、ろくに調味料も吟味せずに、ある意味、適当に屯田兵の面々が、作っていたはずなのにな。
何故だろうか、俺も同じ気がしてきた」
「不思議な話だ。
だが、考えてみると、あの時が、最後の新選組の憩いの一時だったからかもしれんな」
「そういえば、そうだな」
そんな風に、その場に集っていた男達は、料理を食べながら、思い思いにひとしきり、かつての幕末からの数々の出来事を想い起こしつつ、各自の想いが尽きるまで語り合った。
その除幕式が無事に執り行われた後、更に、その男たちの多くが、思い思いにその碑に敬礼をする等した後で、近くの料理屋に移動した。
さすがに碑の傍で飲食するということは躊躇われたし、久々に旧交を温めたいと願う者も多かったからである。
男たちが座敷に上がると、料理や酒が運ばれてきた。
幹事を務めていた島田魁が立ち上がり、
「特に乾杯等はしない。無礼講で執り行う」
と発言して、思い思いに、そこに集っていた男たちの会話が始まった。
「あの新選組の碑の字は誰に依頼したのだ」
「北白川宮殿下に依頼して、揮毫してもらったらしいぞ」
「北白川宮殿下、ということは元の輪王寺宮殿下か。
あの人ならば、誰も何も言わないだろう。
近藤勇さんと土方歳三さん、他に亡くなった新選組の多くの面々を記念する碑の字を、依頼するのに最もふさわしい方だろうな」
「土方歳三さんに、海軍少将の地位が贈られたというのは本当か」
「戦死に伴う二階級特進措置(この当時、海軍(海兵隊)中佐という階級は無く、海軍少佐から二階級特進したら、海軍少将に昇進だった)ということでな。
他にも古屋佐久左衛門さんや滝川充太郎さんも海軍少将に特進された。
あの鬼の副長が、海軍提督とは。
土方さんは、あの世で聞いて苦笑いをしているだろうな。
俺が海軍提督になれるとは、とな」
「そういえば、相馬主計さんも、戦死に伴う特進措置で海軍少佐だしな。
他にも多くの面々が、偉くなって、あの世に旅立ったな」
「本当にそうだな」
そう話す男の目は、潤んでいて、涙を滴らせていた。
「全くだ」
そして、答えた男も同様だった。
「誠の旗が翻ったあの日から2年が経ったのか」
「本当に早いものだ。
そういえば、あの旗は、今はどこにあるのだ」
「海兵本部で保管されているらしい。
第1屯田兵中隊に還そうとしたが、土方提督の記念だからということで、逆に第1屯田兵中隊から、海兵本部で保管されたいと希望されてな」
「海兵局は無くなったのか」
その会話に1人の男が割り込んだ。
「海軍省の組織改革の一環でな。
海兵局は海兵本部になった」
「それは知らなかったな」
男たちの会話は、久々に会うこともあり、各所で弾んでいた。
料理がひとしきり進んだ頃、運ばれてきた料理に、男たちは目を見張った。
「これはあの時の」
男たちの1人に至っては、絶句した。
「料理屋の主に無理を言って作ってもらった。
そうしたら、料理屋の主が意固地になってな。
何としても皆をうならせる料理にしてみせる、と啖呵を切って作った。
味見してくれ、俺としては、美味すぎる味になった」
島田魁が言った。
「確かに肉とジャガイモ、野菜が入っているが」
そんなことを言いつつ、男たちは、思い思いに箸をつけた。
「確かに、これは美味すぎるな」
1人の男が涙を浮かべながら、つぶやいた。
「ああ全くだ」
別の男が相槌を打った。
「だが、何故かな。
鹿児島のあの時、あの場所で、土方さんと一緒に食べたあの料理の方が、俺は美味かった気がするな」
更に別の男が口をはさんだ。
「あの時は、ろくに調味料も吟味せずに、ある意味、適当に屯田兵の面々が、作っていたはずなのにな。
何故だろうか、俺も同じ気がしてきた」
「不思議な話だ。
だが、考えてみると、あの時が、最後の新選組の憩いの一時だったからかもしれんな」
「そういえば、そうだな」
そんな風に、その場に集っていた男達は、料理を食べながら、思い思いにひとしきり、かつての幕末からの数々の出来事を想い起こしつつ、各自の想いが尽きるまで語り合った。
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