勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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「ところでリュート様は、これからどうするつもりですか?」
そう聞かれて考える。
(うーん、とりあえずは、この世界を見て回りたいかな)
そう伝えるとアリアは言った。
「そうですか、なら、私も一緒に行っても良いですか?」
そう聞かれたので、もちろんと答えると嬉しそうにしていた。
すると、扉が開き、久々に、ルーティアが入ってきたのだ。
「これは、これは、ルーティア様ですわ」
そう言って挨拶をする彼女に続いて挨拶をしたのだが無視されてしまった。
そのまま無言で通り過ぎようとした彼女だったが、途中で立ち止まってこちらを振り向いたかと思うと口を開いた。
何を言われるのかと身構えていると予想外の言葉が飛び出してきた。
「ごめんなさいね、貴方のこと勘違いしてたわ」
いきなり謝られて困惑していると続けて言ってきた。
「さっき、聞いたんだけど、貴方が魔族になったのって、私のせいだったみたいね……」
そう言われて更に困惑する俺に彼女が言った。
「本当にごめんね、でも、もう大丈夫!これからは私が守ってあげるから!」
俺は溜息をつくとアリアに
「ごめん、姉様と話をしたいんだけど、アリアは外してくれる」
その言葉にうなずくと出て行った。
扉が閉まるとルーティアを無言で見つめる。
「あまりいい趣味とは、言えませんよ、父さん」
ルーティアである父親は、悪気が無いのか始終にこやかだ。
「ねぇ、父さんもさっきの言葉は何」
先程の発言について尋ねると返ってきた答えは予想していないものだった。
「何って、真実でしょう、ちゃんと責任をもって、守ってあげると言いに来たのよ」
そんなこと聞いてないと言いたげに俺は言った。
「いや、そうじゃなくて、何であんなこと言う必要があったの」
そう聞くと父さんは答えた。
「ん? ああ、あれか、それはな、お前があまりにも不甲斐ないからだ」
それを聞いてやっぱりかと思った。
(まぁ、確かに、さっきのは酷かったけどさぁ)
そう思いながらも一応抗議する。
「だとしてもさ、あれは言い過ぎだと思うよ」
そう言うと父さんは笑いながらこう言った。
「そうか? だが、これで分かっただろう、お前は弱い、だから、俺が守ってやろうと、父として当然では無いか?」
その姿で父と言われても、もう違和感はない。
(はぁ~仕方ないな)
そう思って諦めることにした。
(それにしても、この姿は一体どういうことなんだろう)
疑問に思っているとルーティアが微笑むと
「頼りになる姉が居た方が、お前も安心できるだろう?」
「お父さんの心遣いは感謝するけど、どうせ、あの、シエルって人も父さんなんでしょ?」
そう尋ねるとあっさり認めてしまった。
「ああ、その通りだ」
その答えを聞いて呆れてしまう。
(まったく、この人はいつもそうだ)
昔から何を考えているのかが分からない人だったが、まさかこんな形で出てくるとは思わなかった。
そう思っていると、父さんが言ってきた。
「さて、それじゃあ早速行くぞ」
そう言って転移魔法を発動すると次の瞬間には、見知らぬ場所に立っていた。
そこは、何処までも続く荒野だった。
そして、そこには、大きな城があった。
「ここが新しい家だ」
そう言われて見回してみると、戸惑う。
「ここには二人だけ、父親らしいことがたまにはしたくてな」
「アリアを排除して、ただ単に、自己満足がしたいだけ?」
そう言った瞬間ルーティアの身体から圧が放たれる。
それを受けて身体が硬直してしまう。
(怖い……これが本当の魔王の力なのか!?)
そんなことを考えているうちに意識が薄れていくのを感じた……。
~数時間後~ 目が覚めるとベッドの上に寝かされていた。
(ここは……?)
起き上がろうとすると全身に激痛が走る。
(痛いっ!!)
そんな痛みに悶えていると部屋の扉が開いた。
そこにいたのはルーティアだった。
彼女は俺を見ると駆け寄ってきて言った。
「目が覚めたのね、良かったわ」
そう言いながら俺の頭を撫でてくる彼女に戸惑いながらも尋ねた。
「ねぇ、父さん、何時までその格好なの? 言えばいいじゃん、最近態度が目に余るから、教育し直すのが目的だと」
そう言うと彼女は少し驚いたような顔をした後で笑い出した。
それを見て少しムッとしていると彼女は言った。
「ふふ、そうね、そうだったわね、でもね、それだけじゃないのよ」
そう言って近付いてくると耳元で囁いた。
それを聞いた俺は愕然とした。
何故なら彼女の言葉は、俺を絶望させるには十分だったからだ。
呆然としている俺を見て微笑みながら部屋を出ていく彼女を見送ることしか出来なかった。
それからしばらくして、ようやく落ち着いた俺は考えた。
(これからどうしようか?)
正直言って不安しかない。
それに何より、あの話が本当なら、俺は、勝手に、コノシロで永遠とルーティアと過ごさなくてはならない。
魔族同士の家族婚は魔族の中ではよくあるという事、だから、父親がこのタイミングでここに移したのは、俺を無理やり娶る為だろう。
しかし、そうなると問題なのはどうやってここから出るかだ。
そんな事を考えていると扉がノックされたので返事をするとルーティアが入ってきた。
そしてベッドに腰掛けると話しかけてきた。
「具合はどうかしら?」
それに対して問題ない事を伝えると安心したようだった。
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