勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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そんな事を考えていると突然抱きしめられてしまいました。
それもかなり強く抱き締められて苦しかったですが、それ以上に嬉しかったので抵抗せずに身を任せることにしました。
それからしばらくの間そうしていましたがやがて解放されると、今度は正面から見つめられたので恥ずかしくなって顔を逸らそうとしたのですが、
その前に顎に手を添えられたと思ったら無理やり視線を合わせられました。
それでもなお抵抗しようと試みたのですがビクともしなかったので諦めるしかありませんでした。
それからしばらくしてようやく離してもらえた頃にはすっかり息が上がってしまっていました。
そんな私の様子を満足げに見つめながら微笑む彼女に見とれていると不意に声をかけられました。
「リュート、おめでとう! あなたの勝利を心から歓迎します」
そう言って拍手をしてくれるアリア達。
それを見て思わず泣きそうになってしまうがぐっと堪えることに成功した。
だってここで泣いたら情けない奴だと思われてしまうからな、そんなことになるくらいなら我慢した方がマシだろうと
判断した結果だったというわけだ。
「それでさ、一つ頼みがあるんだけど聞いてくれるかな?」
おずおずといった様子で尋ねてくる彼女に首を傾げつつも続きを促したところ、返ってきた答えは意外なものだった。
なんでも俺にお礼をしたいというのだ。別に気にしなくてもいいんだけどなぁと思いつつもせっかくの提案なので
素直に受け入れることにした。
「もちろん、何かお願いがあるなら聞かせてください」
と俺は彼女に向き直りながら答えました。
アリアは照れくさそうに微笑みながら言葉を紡ぎました。
「私の力で何かお手伝いができたら嬉しいです」
「ありがとう、アリア。君の言葉に感動してしまったよ。でも、君はもう十分な助けになってくれていたんだ。支え合って、冒険を楽しんでれば十分だよ」
「でも、私も何か特別なお礼をしたいんです。一緒に幸せで、信頼できる冒険仲間であるあなたに、私の感謝の気持ちを伝えてください」
「わかった、アリア。それなら受け取ってもらってよ。でも、特別なことはしなくてもいいんだよ。君と」
「貴方との冒険自体がすでに最高の贈り物だから」
彼女は優しく微笑んで、ささやかながらも心のこもったお礼を準備してくれました。 
その言葉を聞いて嬉しくなった俺は自然と笑顔になっていた。
(あぁ、アリアが喜んでくれるだけで、俺は幸せな気持ちになれる)
そう思ったのだった。
そして、俺は意を決して言った。
「アリア、君に伝えたいことがあるんだ」
真剣な眼差しを向けてそう言うと、アリアは少し戸惑った様子だったがすぐに真剣な表情になった。
そして、彼女の瞳をじっと見つめてから言葉を続けた。
「俺は、アリアのことが好きだ。俺と、付き合って欲しい」
俺の言葉にアリアはしばらく沈黙していたが、次第に頬が赤く染まっていったかと思うと俯いてしまった。
そして、消え入りそうな声で答えた。
「うれしいです、とても」
その言葉を聞けた瞬間、俺は心の中でガッツポーズをした。
ついに想いを伝えることができたのだ。
これであとは結ばれるだけだと思うと嬉しくてたまらなかった。
だが、同時に不安もあった。
もしも断られたらどうしよう、もし拒絶されたら立ち直れないだろうなと思ったからだ。
そんなことを考えているとアリアが顔を上げてこちらを見た。
その瞳からは涙が溢れており頬を伝って流れ落ちていたが、表情はとても穏やかだった。
そして、ゆっくりと頷くと、 俺の胸に飛び込んできたので受け止めるとそのままぎゅっと抱きしめてあげた。
すると彼女は泣きながら何度も頷いていた。
そんな彼女を見ていると愛おしくなってしまって思わず頭を撫でてしまった。
そうすると、彼女は嬉しそうに微笑んでくれたので俺も嬉しくなってしまった。
そうしてしばらく抱き合っていたのだが、ふと我に返ったアリアは慌てて離れると恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
そんな姿もまた可愛らしく思えてつい笑ってしまったのだが、それが気に入らなかったのか頬を膨らませてそっぽを向かれてしまったので謝ることにした。
すると彼女は許してくれたのかこちらを見て微笑んでくれたのだが、その笑顔があまりにも綺麗だったので見惚れてしまいそうになったがなんとか堪えることに成功した。
その後、俺たちは互いに見つめ合ったまま微笑み合っていたのだが、不意に扉が開いた音がしたので驚いてそちらを見ると、
そこにはルミナスの姿があった。
彼女はニコニコしながら部屋の中に入ってきたかと思えばこちらに近づいてきた。
そして、俺たちの姿を認めると満足そうに微笑んだ後で話しかけてきた。
「ふふ、お邪魔だったかしら?」
からかうような口調だったが、俺は特に気にならなかったのでスルーして用件を尋ねることにしたのだった。
すると彼女は少し困ったような表情をしてから口を開いた。
「あのね、実は二人に話したいことがあるの」
と言うと、真面目な顔になってこちらを見つめてきたので、 何かあったのだろうかと思って身構えると、衝撃的な言葉が飛び出してきたのである。
(今なんとおっしゃいましたか……?)
頭の中でその言葉を繰り返すと同時に混乱状態に陥ってしまっていたのだが、そんなことはお構いなしとばかりに話を続ける彼女。
(聞き間違いじゃないよね……うん、確かにそう言ってたよな)
あまりのことに思考が追い付かずにいたのだが、その間も容赦なく続けられる言葉に更に衝撃を受けることになった。
「あ、あのっ! それってどういう……」
慌てて聞き返すと、にっこりと微笑みながら答えてくれました。
それを聞いた瞬間、頭の中が真っ白になってしまったのですが、その直後には全身が燃えるように熱くなるのを感じました。
顔が真っ赤になっているのが自分でも分かるほどでしたが、それ以上に心臓がバクバクと脈打っているのが分かるほどでした。
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