勇者パーティーを追放された俺は辺境の地で魔王に拾われて後継者として育てられる~魔王から教わった美学でメロメロにしてスローライフを満喫する~

一ノ瀬 彩音

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「ああ、これ?実はさっき採って来た薬草が入っているのよ」
そう言って見せてくれた箱の中には、緑色の葉が大量に入っていたのだがどれも同じような形をしており一見すると
区別がつかなかったもののよく見るとそれぞれに特徴があるようで、その一つを手に取ってじっくり観察してみるとどうやら毒消しに使われるもののようだった。そこで気になったことがあったので尋ねてみる事にした。
「あの、これってどこで手に入れたんですか?」
そう尋ねると彼女は快く教えてくれただけでなく、場所まで教えてくれると言ってくれたためお礼を言って別れた後で行ってみる事にした。
それからしばらく歩いて行くとやがて小さな村が見えてきたのだがそこには寂れた雰囲気が漂っていたものの特に変わった様子もなく至って
普通の風景にしか見えなかった為、本当にここがそうなのかと思ったが、念の為誰かに聞いてみる事にしたのだ。
近くにいた村人らしき人物に話しかけてみると快く応じてくれたのでホッとしたのも束の間、すぐに用件を伝える事にしたのである。
その目的とは勿論、先程聞いた薬草の入手場所について聞くためなのだが、果たして答えてくれるだろうか?
そう思いながら尋ねてみると、意外にもあっさりと答えてくれたばかりか、わざわざ案内してくれるというのだ。
渡りに船とはこのことかと思いながら付いて行く事にしたのだった。
そうして到着した先は一軒の家であり、中に入ってみると意外な事に人の気配があった事から誰かいるのは間違いないと
思ったのだがその人物の姿はどこにも見当たらない。
不思議に思っていると背後から声が聞こえてきたのである。
「あれ? どうしたのこんな時間にこんなところで……って、もしかしてあなた人間じゃない!?」
振り返るとそこには一人の女性が立っており、こちらを指差しながら驚いていた。
突然の事で動揺していた俺だったが相手が敵意を持っているわけではなさそうであることを確認して安堵していると、
その女性は恐る恐るといった感じで話しかけて来た。
「あ、あのさ、キミって何者なのかな?」
その問いにどう答えたものか迷っていると、その様子を見ていた彼女の表情が徐々に険しいものに変わっていくことに気がついた。
まずいと思った俺は慌てて答えようとしたところでふとあることを思い出した。
そういえば、まだ自己紹介していなかったなと思い至ったからである。
「おっと、ごめんよ。すっかり忘れていたけど、そう言えばお互いの名前すら知らないままだったね」
そう言うと納得したように頷いてくれたので助かったと思った矢先、今度は逆に彼女の方から名前を尋ねられたので素直に答えることにしたのだ。
その後お互いに簡単な自己紹介を済ませたところで改めて事情を説明したところ納得してくれたようであった。
そして彼女は俺をまじまじと見つめながら言ったのである。
確かにその通りだなと思ってしまった俺は反論することもできずに押し黙ることしかできなかったんだが、
しかしその直後、不意に耳元で囁かれた言葉によって現実に引き戻されることとなったのだ。
(ほら、もっと集中しなきゃダメじゃないか)
その言葉を聞いた途端ビクッと身体が跳ね上がるのを感じた俺は反射的に後ろを振り返ろうとしたもののそれよりも先に押さえつけられてしまった
せいで身動きが取れなくなってしまった上に首筋に舌を這わせられてしまい変な声が出てしまった。
挙げ句力が抜けて崩れ落ちそうになるところを支えられてしまう羽目になったのだがそれでも必死に堪えようとしていると
今度は耳に息を吹きかけられてしまい背筋がゾクゾクとするような感覚に襲われた直後だったろうか突然口の中に指を突っ込まれてしまったのだ。
「むぐっ!? んんっ……!」
驚きのあまり目を見開いているとさらに奥へと入り込んできた。
それが舌の上を這い回る感覚に耐えきれずに嘔吐いてしまったのだが全く意に
介さないといった様子でひたすら弄ばれ続けてしまったのだ。
結局されるがままになっていることしかできずにいるうちに段々と頭がボーッとしてきて何も考えられなくなった頃になって
ようやく解放された時には全身汗まみれになっており呼吸も乱れてしまっていた。
そんな状態でぐったりと横たわっている俺に微笑みかけてきた彼女が言った一言を聞いて俺は愕然とした。
どうやら本気らしいということが分かってしまった以上もう諦めるしかないと判断した俺は仕方なく従うことにするしかなかったんだ。
くそっ、なんでこんなことになったんだろうなぁ?
そんな事を考えながら溜息をついていると、いきなり抱きつかれてしまったので驚いて声を上げてしまったのだがそんな俺のことなど、
お構いなしと言った感じで頬ずりを始めた彼女に戸惑ったものの、とりあえず好きにさせておくことにしたのだった。
それにしても何だかやけに嬉しそうな表情をしてるように見えるんだけど気のせいか?
まあいっか、こうしてしばらくの間抱き合っていた俺達だったのだがその間中ずっと頭をナデナデされ続けていたせいか妙に
照れ臭くなってしまって顔を背けていると何故か笑われてしまってますます恥ずかしくなったんだがそれも
これも全部こいつのせいだと思うと腹が立ってきたぞ!
ちくしょうめ!
だが、それと同時に妙な気分になってくるというかなんというか、よく分からんが兎に角このままじっとしていても始まらないし
覚悟を決めるとするか!
そう思った俺は意を決して声をかけたのだった。
だが、やはり怖いものは怖いので恐る恐る手を伸ばしてみると指先に柔らかい感触が伝わってきた。
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