悪役令嬢の烙印を押され追放されましたが、辺境でたこ焼き屋を開業したら、氷血公爵様が常連になりました

緋村ルナ

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第一章:偽りの断罪、ソースの香りは反逆の狼煙

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 きらびやかなシャンデリアが眩い王妃主催の夜会。その中心で、私の夫である王太子クラウス殿下が、美しい聖女リリアナ様を庇うように抱き寄せ、高らかに叫んだ。
「オリヴィア・フォン・クライネルト! 貴様の罪は明白だ! 聖女リリアナ様への嫉妬に狂い、数々の嫌がらせを行ったこと、断じて許しはしない!」
 ……はい?
 一瞬、何を言われたのか理解できなかった。集まった貴族たちの視線が、好奇と侮蔑の色を帯びて私に突き刺さる。ドレスの裾を握りしめる私の隣で、侍女は真っ青になって震えていた。
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「まだ言い逃れをするか! リリアナが、貴様に階段から突き落とされそうになったと、涙ながらに訴えているのだぞ!」
「そんな……」
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 ああ、そういうことか。
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 周囲を見渡せば、助け舟を出してくれそうな者は誰一人いない。彼らにとって私は、政略のために王家に嫁いできたクライネルト公爵家の駒。美しく、完璧な王太子妃という飾り物。そこに感情はなく、ただただ、このスキャンダルを面白がっているだけ。
 絶望が、冷たい霧のように心を覆っていく。もう、何を言っても無駄なのだ。
 そう悟った瞬間だった。
 ゴーン、と大きな鐘を頭の中で打ち鳴らされたような、強烈な衝撃が走った。
 ――『え、ちょ、マジで!? この展開、ラノベで百回は見たやつやん! てか、うわ、イケメンやな王太子! まあ、見る目ないアホやけど!』
 ――『てか、お腹すいたわー。昨日食べた、道頓堀の「わなか」のたこ焼き、最高やったなァ……』
 脳内に、全く別の、やかましくて、能天気で、そして何よりたくましい人格の声が響き渡る。
 そうだ。私……いや、わいは、『小田みどり』。享年二十八歳、大阪の食品メーカーで働く、ごく普通のOLやった。たこ焼きとビールをこよなく愛し、仕事帰りの一杯を楽しみに生きていた、しがない会社員。そう、これは、私がハマっていた乙女ゲームか何かの世界で、私はよりによって悪役令嬢に転生してしもたんや!
「オリヴィア! 何か言うことはないのか!」
 クラウス殿下の怒声で、私はハッと我に返る。
 絶望に染まっていた心が、すっと晴れていくのを感じた。目の前の光景が、途端に色褪せて見える。深刻な悲劇の舞台が、安っぽい学芸会にしか思えなくなってきた。
 そうだ。何を悲しむ必要がある?
 家柄と美貌だけで選ばれ、愛されることもなく、ただ完璧な人形であることを求められる日々。そんな息の詰まる生活、こっちから願い下げだ。
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 こんなアホな王子と、腹黒い聖女に振り回される人生なんて、まっぴらごめんや!
 私は、すっと背筋を伸ばした。涙一つ見せず、まっすぐにクラウス殿下を見据える。
「申し開きはございません。殿下がそうおっしゃるのでしたら、それが真実なのでしょう」
 私の毅然とした態度に、クラウス殿下も、周りの貴族たちも、そしてリリアナ様でさえも、一瞬虚を突かれた顔をした。もっと泣き喚き、見苦しく命乞いでもするとでも思っていたのだろう。
「よかろう。貴様との婚約は破棄! クライネルト公爵家もこれに同意している。貴様は、この場で王太子妃の地位を剥奪し、王国から追放する!」
「謹んで、お受けいたします」
 私は優雅にカーテシーを決めた。もう未練など、欠片もなかった。
 その時、ふと視線を感じて会場の隅に目をやると、一人の男性がこちらを冷徹な目で見つめていた。黒髪に、鋭い氷のような灰色の瞳。他の貴族たちとは一線を画す、近寄りがたい雰囲気を纏ったその男は、確か……北の辺境を治める「氷血公爵」、レオニール・フォン・ヴァルテンベルク様。国の汚れ仕事を一手に引き受ける、王家も迂闊に手出しできない実力者だ。彼はただ静かに、この茶番劇の結末を見届けていた。
 すぐに衛兵に連行され、私は質素な馬車に押し込められた。ガタガタと揺れる馬車の中、一人になって、ようやく緊張の糸が切れる。
 涙が……出るわけもなかった。
 代わりに、ぐぅぅぅ、と盛大にお腹が鳴った。そういえば、夜会では何も口にしていなかった。
 途端に、私の頭は一つの食べ物でいっぱいになる。
(……たこ焼き、食べたい)
 前世で、嬉しい時も、悲しい時も、いつも私を慰めてくれた、あの熱々で、外はカリッと、中はトロトロの、ソースとマヨネーズと青のりが絶妙に絡み合った、庶民のソウルフード。
 この世界に、たこ焼きは、ない。
 だったら。
「……絶対に、この世界で作ったるわ」
 馬車の窓から見える遠ざかっていく王都の灯りを背に、私は固く誓った。これは追放じゃない。新たな人生の、輝かしい幕開けだ。私の武器は、前世の知識と、大阪人のど根性!
 かくして、元悪役令嬢オリヴィア改め、小田みどりの、たこ焼きによる異世界逆転劇が、今、始まろうとしていた。
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