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第22話 経験値稼ぎ
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古代ダンジョン『星詠の霊廟』の最奥にたどり着く。
星詠の霊廟は魔物は出現せず、特に得られるアイテムもない枯れた古代ダンジョンで、今では訪れる冒険者もいなかった。
その最奥の何の変哲もない壁の一部を押す。
するとただの石壁だった所が開き、小部屋が現れる。
その小部屋の中には転移装置があった。
転移装置は、部屋の中央に鎮座する円形の台座で、古代文字が刻まれた石板が周囲を取り囲んでいる。
台座の中心には青白い光を放つクリスタルが浮かび、静かに回転している。
俺はその転移装置に乗ると、一瞬で『星々の祭壇』と呼ばれる場所にワープした。
「すごいな……」
思わず感嘆の声がこぼれる。
そこは幻想的な光景が広がる神秘の地だった。
白い大理石の石畳には星の紋様が浮かび、輝く光が流れるように瞬いている。
空には無数の星が輝き、天の川が現実のもののように流れていた。
ここは本来ではかなり先で訪れることになる場所だ。
あるアイテムを携えてここを訪れることで新たな扉が開かれるのだった。
星屑のキングメタルはこの場所でしか出現せず、またここで敵は星屑のキングメタルしか出現しない。
更に更に、星屑のキングメタルの出現率は極端に低い。
なので、検証スレに最初目撃情報が上がった時にはこちらも釣りネタとして最初は扱われたくらいだ。
そこで役に立つのが――――そう、『魅惑の響笛』である。
『魅惑の響笛』で星屑のキングメタルを呼び寄せて命令することで、現レベルでは勝つのが難しいS級魔物の星屑のキングメタルを安全に美味しく倒すことができるのだ。
「よし! 早速いってみるか!」
『魅惑の響笛』を吹き鳴らすと、その美しい音色は宇宙の深淵へと吸い込まれていった。
すると、星屑のキングメタルは早速その姿を現した。
「止まれ!」
俺は出現と同時に命令する。
すると星屑のキングメタルはすぐにその動きを止めた。
ふー、これで一安心だ。
Sランクのこいつの攻撃を一撃でも食らうと今の自分では即死だからな。
星屑のキングメタルは全身が煌めく星屑のような金属で覆われている。
星々の輝きを宿したその姿は、まるで夜空の断片が具現化したかのようだった。
まるで、存在自体が至高の宝石のようで攻撃することをためらわれる。
とはいっても、結局攻撃はするんだけどね。
『闇竜の牙剣』を振るう。
――ギィィィン!
一撃目が体に当たると、激しい金属音とともに火花が散った。
まるで剣を極めて硬質な大理石に叩きつけたような手応えで、わずかな表面にしか傷をつけられなかった。
すると星屑のキングメタルの体表を覆う星屑が一瞬にして揺らぎ、こちらに攻撃の反撃を仕掛けてくる――――かと思ったが、響笛の効果がまだ続いているためか、身動き一つしない。
「やはり効いているな、魅惑の響笛……!」
俺は息を整えながら、『闇竜の牙剣』を再び構える。
星屑のキングメタルには通常の攻撃では、体力をミリほどしか削れない。
しかし、星屑のキングメタルにも自らの体力を犠牲にして攻撃する『命奪の刃』は有効だった。
『命奪の刃!!』
爆発的に増加したパワーをそのまま星屑のキングメタルにぶつける。
するとその硬質の体皮が大きく削れた。
俺は攻撃を連続する。
星屑のキングメタルは粒子となって離散していく。
止まって動かない相手なのに随分と時間がかかってしまった。
【レベルが35から36へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
【レベルが36から37へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
……
延々とレベルアップ通知が続いていく。
【レベルが66から67へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
レベルアップ通知がやっと止むが、その通知はまだリフレインして続いているかのような錯覚を覚える。
「一気にレベル30上げとかエグいなあ。ステータスはどれどれ……」
名前:グレイス・カイマン
年齢:16歳
身分:カイマン公爵家三男
レベル:67
体力:358
魔力:346
スキル:鑑定lv38、風操作lv20、微細操作lv1、精密風刃lv15、光屈折lv1、色彩操作lv1、幻影迷彩lv15、影踏みlv12、命奪《めいだつ》の刃lv15
ユニークスキル:コピーlv1、スキル融合lv1
保有スキルポイント:755
体力と魔力の上昇もエグい。
スキルポイントも溜まってきたし、とりあえず鑑定と命奪《めいだつ》の刃を後で目一杯上げとくか。
星屑のキングメタルの1体の経験値は破格の300万だ。
これはゲームに登場するボス以外の魔物で最高の経験値で、故に倒すのが不可能かと思われるような難易度となっている。
魅惑の響笛がゲームバランスを壊すチートアイテムとも呼ばれる所以だった。
或いは、DLCで300万の経験値すら、吹き飛ぶような強敵が先々出てくる為の布石である可能性はあるが……。
まあ、その辺りは検証スレでも随分と議論になっていたが、今考えてみてもしょうがない。
勇者との邂逅の日は近い。そうなればおそらく勇者とぶつかることになるだろう。
そのためにもレベルを上げておく必要がある。
勇者との激突は序盤の一大イベントだし、そこでその後の命運が決まると言っても過言ではない。
絶対に負けられない戦いだ。
俺は回復ポーションを一気飲みする。
そして、続けてレベリングをするために、また魅惑の響笛を吹き鳴らした。
星詠の霊廟は魔物は出現せず、特に得られるアイテムもない枯れた古代ダンジョンで、今では訪れる冒険者もいなかった。
その最奥の何の変哲もない壁の一部を押す。
するとただの石壁だった所が開き、小部屋が現れる。
その小部屋の中には転移装置があった。
転移装置は、部屋の中央に鎮座する円形の台座で、古代文字が刻まれた石板が周囲を取り囲んでいる。
台座の中心には青白い光を放つクリスタルが浮かび、静かに回転している。
俺はその転移装置に乗ると、一瞬で『星々の祭壇』と呼ばれる場所にワープした。
「すごいな……」
思わず感嘆の声がこぼれる。
そこは幻想的な光景が広がる神秘の地だった。
白い大理石の石畳には星の紋様が浮かび、輝く光が流れるように瞬いている。
空には無数の星が輝き、天の川が現実のもののように流れていた。
ここは本来ではかなり先で訪れることになる場所だ。
あるアイテムを携えてここを訪れることで新たな扉が開かれるのだった。
星屑のキングメタルはこの場所でしか出現せず、またここで敵は星屑のキングメタルしか出現しない。
更に更に、星屑のキングメタルの出現率は極端に低い。
なので、検証スレに最初目撃情報が上がった時にはこちらも釣りネタとして最初は扱われたくらいだ。
そこで役に立つのが――――そう、『魅惑の響笛』である。
『魅惑の響笛』で星屑のキングメタルを呼び寄せて命令することで、現レベルでは勝つのが難しいS級魔物の星屑のキングメタルを安全に美味しく倒すことができるのだ。
「よし! 早速いってみるか!」
『魅惑の響笛』を吹き鳴らすと、その美しい音色は宇宙の深淵へと吸い込まれていった。
すると、星屑のキングメタルは早速その姿を現した。
「止まれ!」
俺は出現と同時に命令する。
すると星屑のキングメタルはすぐにその動きを止めた。
ふー、これで一安心だ。
Sランクのこいつの攻撃を一撃でも食らうと今の自分では即死だからな。
星屑のキングメタルは全身が煌めく星屑のような金属で覆われている。
星々の輝きを宿したその姿は、まるで夜空の断片が具現化したかのようだった。
まるで、存在自体が至高の宝石のようで攻撃することをためらわれる。
とはいっても、結局攻撃はするんだけどね。
『闇竜の牙剣』を振るう。
――ギィィィン!
一撃目が体に当たると、激しい金属音とともに火花が散った。
まるで剣を極めて硬質な大理石に叩きつけたような手応えで、わずかな表面にしか傷をつけられなかった。
すると星屑のキングメタルの体表を覆う星屑が一瞬にして揺らぎ、こちらに攻撃の反撃を仕掛けてくる――――かと思ったが、響笛の効果がまだ続いているためか、身動き一つしない。
「やはり効いているな、魅惑の響笛……!」
俺は息を整えながら、『闇竜の牙剣』を再び構える。
星屑のキングメタルには通常の攻撃では、体力をミリほどしか削れない。
しかし、星屑のキングメタルにも自らの体力を犠牲にして攻撃する『命奪の刃』は有効だった。
『命奪の刃!!』
爆発的に増加したパワーをそのまま星屑のキングメタルにぶつける。
するとその硬質の体皮が大きく削れた。
俺は攻撃を連続する。
星屑のキングメタルは粒子となって離散していく。
止まって動かない相手なのに随分と時間がかかってしまった。
【レベルが35から36へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
【レベルが36から37へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
……
延々とレベルアップ通知が続いていく。
【レベルが66から67へ上がりました。ボーナススキルポイント20を取得しました】
レベルアップ通知がやっと止むが、その通知はまだリフレインして続いているかのような錯覚を覚える。
「一気にレベル30上げとかエグいなあ。ステータスはどれどれ……」
名前:グレイス・カイマン
年齢:16歳
身分:カイマン公爵家三男
レベル:67
体力:358
魔力:346
スキル:鑑定lv38、風操作lv20、微細操作lv1、精密風刃lv15、光屈折lv1、色彩操作lv1、幻影迷彩lv15、影踏みlv12、命奪《めいだつ》の刃lv15
ユニークスキル:コピーlv1、スキル融合lv1
保有スキルポイント:755
体力と魔力の上昇もエグい。
スキルポイントも溜まってきたし、とりあえず鑑定と命奪《めいだつ》の刃を後で目一杯上げとくか。
星屑のキングメタルの1体の経験値は破格の300万だ。
これはゲームに登場するボス以外の魔物で最高の経験値で、故に倒すのが不可能かと思われるような難易度となっている。
魅惑の響笛がゲームバランスを壊すチートアイテムとも呼ばれる所以だった。
或いは、DLCで300万の経験値すら、吹き飛ぶような強敵が先々出てくる為の布石である可能性はあるが……。
まあ、その辺りは検証スレでも随分と議論になっていたが、今考えてみてもしょうがない。
勇者との邂逅の日は近い。そうなればおそらく勇者とぶつかることになるだろう。
そのためにもレベルを上げておく必要がある。
勇者との激突は序盤の一大イベントだし、そこでその後の命運が決まると言っても過言ではない。
絶対に負けられない戦いだ。
俺は回復ポーションを一気飲みする。
そして、続けてレベリングをするために、また魅惑の響笛を吹き鳴らした。
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