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第67話 夜風に吹かれて
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「あー、気持ちいいな……」
俺は宴席から抜け出して、王城の裏にある庭で月を見上げていた。
酔いに火照った身体に当たる夜風が心地良い。
遠くの方で聞こえる音楽や人々の歓談の声もいい感じだった。
酒席の明るい雰囲気も嫌いではないけど、やっぱり俺は人が少ない静かな所の方がいいな。
今日は丁度満月で月は怪しく輝いていた。
その時――
「こんな所に一人でいたのか。探したよ」
俺は声がした方へ振り向く。
そして眉間にしわが寄ることになる。
なぜなら、そこにはセーイチだけでなく、アルフレッドもいたからだった。
「今日ここで決着をつけてやるよ」
アルフレッドはすでに剣を抜いていた。
セーイチも大きな鎌を持っている。
ここは王城の中だぞ。こいつら、正気か?
気持ち良い感じに酔っていたのに一気に覚める。
「なんなんだよ、お前らこんな所にまで。セーイチやっぱりお前、アルフレッドとつるんでいたのか。二人がかりで俺をどうにか……」
――と俺が立ち上がってそこまで話した所で、セーイチはその鎌をアルフレッドに対して突如、振る。
アルフレッドの頭部が鮮血を撒き散らしながら宙を舞い、ごろんと地面に落ちて転がった。
「…………」
俺は現実感がわかなくてその光景を呆然と見送る。
地面に転がっているアルフレッドの顔は、今にも話し出しそうな顔をしていた。
「お前、一体何を……」
「仲間なんかじゃねえからさ、こんな奴。どうだ、これでやる気になったか?」
前に会った時と目つきが違う。
俺にはその表情が狂気をはらんでいるように思えた。
「やる気にって、いきなり来て何なんだよお前。なんでアルフレッドを殺してんだよ……」
訳が分からない。
セーイチが今まで俺に見せていたのは仮初の姿でこれが本当の姿なのか?
「まだやる気にならねえなら、チートダイスで得たこの命を刈る鎌でやる気にさせてやるけど?」
セーイチはそう言うと、手に持った鎌を視線で指し示す。
「なんで俺がお前と戦わないといけなんだよ?」
「…………ふん、やる気にならないっていうならやる気にしてやるよ」
セーイチは命を刈る鎌を王城に向かって横に薙ぎ払う。
すると黒色のエネルギー波が王城を上下二つに斬り分けた。
凄まじい切れ味と範囲だ。
奥の宴席方向から悲鳴が上がる。
ここからは王城が邪魔になってその様子は分からないが、声から人々が逃げ惑い、大混乱している様子が見てとれた。
「お前ぇ!!」
宴席には罪のない善良な人々が集まっている。
カイマン家の人間、父やメイドたちもいるし、エリーゼにシオンもいる。
今の一撃で一体どれだけの人々の命が犠牲になったのか!
「やっと、やる気になったか?」
セーイチはニヤニヤとしている。
手に持った命を刈る鎌は禍々しいオーラを発するようになっていた。
「命を刈る鎌は多くの命を喰らって喜んでいるようだ。こいつは殺した魂を糧にしてより強くなるという……」
「黙れ、外道がぁあああ!!」
地面を蹴ってセーイチまでの間合いを一瞬で詰める。
蹴った地面はボコッと陥没が形成されている。
間合いを詰めた勢いとスピードそのまま、振り上げた剣を真っ直ぐ振り下ろす。
手応えはあった。
セーイチは綺麗に左右に分かれて、地面へと倒れた。
「…………」
殺人は気持ちがいいものではなかった。
だが、あんな人の命をゴミのように扱う人間など生きていても百害あって一利もないだろう。
剣を鞘に収めて、混乱の宴席の場へと向かう。
頼むエリーゼ、シオン……みんな、生きていてくれ!
そう強い願いを抱いた、その時のことだった――
後方へ気配を感じてパッと振り返る。
そこには命を刈る鎌を振りかざしているセーイチの姿があった。
「うぉっ!」
間一髪で振り下ろした命を刈る鎌の攻撃を躱す。
「ちっ、避けやがったか……絶好のチャンスだったんだけどな……」
「なんで生きて……確実に仕留めた……いや、真っ二つになったはずだぞ?」
「悪いな。チートダイスで得られるチートは一つじゃないんだ。それぞれ制限時間はあるんだけどな。今回はスキルの不死鳥の恩寵によって復活した。俺は不死身なんだよ。くっくっく。更に!」
その言葉の後、セーイチは一瞬で俺の後方へと移動した。
余裕の表情でその口元には笑みが浮かんでいた。
「今回のチートは当たりばかりで究極敏捷もある。せめて苦しまないように送ってやるよ!」
セーイチは目に止まらぬ速度で命を刈る鎌を振るって、アルフレッドと同じように俺の首も刈ろうとする。
だが、俺はそれも躱す。
「んな!? 避けた?」
セーイチは一瞬狼狽した様子を見せるが気を取り直したようで、続けざまに命を刈る鎌で攻撃をしかけてくる。
上下左右、ありとあらゆる方向から俺を切り刻もうとしてくれるが、俺はそれをすべて躱す。
「くぅそおおおお!! なんで躱せるんだよ! なんで俺の動きについてこれるんだよ! お前はこれで終わりのはずだろ!」
悪いが、冥府の終焉回廊にはもっと疾い音速の狼という魔物がいた。
セーイチは確かに疾いが、そいつに比べたら大したことはない。
問題は不死身のこいつをどうやって倒すかだ。
いや、そもそも無理に倒す必要はないのか。
だとしたら……。
『無限虚空!!』
俺は終焉回廊で習得していた融合スキルを発動する。
俺は魔力を全開に解放し、足元に展開された黒い魔法陣から空間が歪み始める。
巨大なブラックホールが形成され、周囲の物体を飲み込み始めた。
「な、なんだこれ!? 冗談だろ!」
セーイチは驚きながら必死に足掻くが引力は彼を確実に捕らえ、じわじわと吸い寄せていく。
俺はさらに魔力を注ぎ、ブラックホールの引力を強化する。
「俺は不死身なんだぞ! こんなもので俺が消えるわけねぇだろ!」
地面に足を踏ん張るが、その体はじわじわと浮き上がり始める。
「黙れ! そこでもがき続けろ!」
俺は魔力をさらに注いでブラックホールの力を強化。
セーイチは宙に浮き、引き寄せられていく。
「くっそ! やめろ、やめろぉおお!」
必死に空を掴むようにもがくが、ブラックホールは容赦なく彼を飲み込んでいく。
「こんな所で……の俺が、お前を…………」
最後セーイチは何事かを喚きながら、ブラックホールの深淵の闇へと消えていった。
空間は静かに収束し、ブラックホールは跡形もなく消滅した。
辺りに再び静寂が訪れ、月明かりが庭を照らす。
「グレイス!」
すると、俺たちの戦いを遠巻きに眺めていたのであろう、エリーゼがこちらに駆け寄って来た。
よかった、無事だったのか。
「大丈夫だった?」
「ああ、そっちは大丈夫か?」
「私たちは大丈夫だったけど、命を刈る鎌で市民の何人かは……」
「そうか、それは残念だな……」
沈痛が空気がしばらく辺りを支配する。
それを破ったのはエリーゼだった。
「……でも、不謹慎かもしれないけど、グレイスが無事でよかったわ! また世界を救っちゃったね」
「望むと望まざるとにかかわらず……な」
すると突如目の前にエンドロールが流れはじめる。
そして王国の音楽隊はそれっぽい音楽を演奏しはじめる。
「えっ!? なんだこれ」
おそらくゲームの制作陣たちの名前が列挙されて上から下へと流れていっている。
「どうしたの、グレイス?」
そしてどうやら、エリーゼの目にはエンドロールは映っていないようだった。
なんだ?
どういうことだ?
俺の頭の中を疑問が支配し、混乱は極まっていく。
俺は宴席から抜け出して、王城の裏にある庭で月を見上げていた。
酔いに火照った身体に当たる夜風が心地良い。
遠くの方で聞こえる音楽や人々の歓談の声もいい感じだった。
酒席の明るい雰囲気も嫌いではないけど、やっぱり俺は人が少ない静かな所の方がいいな。
今日は丁度満月で月は怪しく輝いていた。
その時――
「こんな所に一人でいたのか。探したよ」
俺は声がした方へ振り向く。
そして眉間にしわが寄ることになる。
なぜなら、そこにはセーイチだけでなく、アルフレッドもいたからだった。
「今日ここで決着をつけてやるよ」
アルフレッドはすでに剣を抜いていた。
セーイチも大きな鎌を持っている。
ここは王城の中だぞ。こいつら、正気か?
気持ち良い感じに酔っていたのに一気に覚める。
「なんなんだよ、お前らこんな所にまで。セーイチやっぱりお前、アルフレッドとつるんでいたのか。二人がかりで俺をどうにか……」
――と俺が立ち上がってそこまで話した所で、セーイチはその鎌をアルフレッドに対して突如、振る。
アルフレッドの頭部が鮮血を撒き散らしながら宙を舞い、ごろんと地面に落ちて転がった。
「…………」
俺は現実感がわかなくてその光景を呆然と見送る。
地面に転がっているアルフレッドの顔は、今にも話し出しそうな顔をしていた。
「お前、一体何を……」
「仲間なんかじゃねえからさ、こんな奴。どうだ、これでやる気になったか?」
前に会った時と目つきが違う。
俺にはその表情が狂気をはらんでいるように思えた。
「やる気にって、いきなり来て何なんだよお前。なんでアルフレッドを殺してんだよ……」
訳が分からない。
セーイチが今まで俺に見せていたのは仮初の姿でこれが本当の姿なのか?
「まだやる気にならねえなら、チートダイスで得たこの命を刈る鎌でやる気にさせてやるけど?」
セーイチはそう言うと、手に持った鎌を視線で指し示す。
「なんで俺がお前と戦わないといけなんだよ?」
「…………ふん、やる気にならないっていうならやる気にしてやるよ」
セーイチは命を刈る鎌を王城に向かって横に薙ぎ払う。
すると黒色のエネルギー波が王城を上下二つに斬り分けた。
凄まじい切れ味と範囲だ。
奥の宴席方向から悲鳴が上がる。
ここからは王城が邪魔になってその様子は分からないが、声から人々が逃げ惑い、大混乱している様子が見てとれた。
「お前ぇ!!」
宴席には罪のない善良な人々が集まっている。
カイマン家の人間、父やメイドたちもいるし、エリーゼにシオンもいる。
今の一撃で一体どれだけの人々の命が犠牲になったのか!
「やっと、やる気になったか?」
セーイチはニヤニヤとしている。
手に持った命を刈る鎌は禍々しいオーラを発するようになっていた。
「命を刈る鎌は多くの命を喰らって喜んでいるようだ。こいつは殺した魂を糧にしてより強くなるという……」
「黙れ、外道がぁあああ!!」
地面を蹴ってセーイチまでの間合いを一瞬で詰める。
蹴った地面はボコッと陥没が形成されている。
間合いを詰めた勢いとスピードそのまま、振り上げた剣を真っ直ぐ振り下ろす。
手応えはあった。
セーイチは綺麗に左右に分かれて、地面へと倒れた。
「…………」
殺人は気持ちがいいものではなかった。
だが、あんな人の命をゴミのように扱う人間など生きていても百害あって一利もないだろう。
剣を鞘に収めて、混乱の宴席の場へと向かう。
頼むエリーゼ、シオン……みんな、生きていてくれ!
そう強い願いを抱いた、その時のことだった――
後方へ気配を感じてパッと振り返る。
そこには命を刈る鎌を振りかざしているセーイチの姿があった。
「うぉっ!」
間一髪で振り下ろした命を刈る鎌の攻撃を躱す。
「ちっ、避けやがったか……絶好のチャンスだったんだけどな……」
「なんで生きて……確実に仕留めた……いや、真っ二つになったはずだぞ?」
「悪いな。チートダイスで得られるチートは一つじゃないんだ。それぞれ制限時間はあるんだけどな。今回はスキルの不死鳥の恩寵によって復活した。俺は不死身なんだよ。くっくっく。更に!」
その言葉の後、セーイチは一瞬で俺の後方へと移動した。
余裕の表情でその口元には笑みが浮かんでいた。
「今回のチートは当たりばかりで究極敏捷もある。せめて苦しまないように送ってやるよ!」
セーイチは目に止まらぬ速度で命を刈る鎌を振るって、アルフレッドと同じように俺の首も刈ろうとする。
だが、俺はそれも躱す。
「んな!? 避けた?」
セーイチは一瞬狼狽した様子を見せるが気を取り直したようで、続けざまに命を刈る鎌で攻撃をしかけてくる。
上下左右、ありとあらゆる方向から俺を切り刻もうとしてくれるが、俺はそれをすべて躱す。
「くぅそおおおお!! なんで躱せるんだよ! なんで俺の動きについてこれるんだよ! お前はこれで終わりのはずだろ!」
悪いが、冥府の終焉回廊にはもっと疾い音速の狼という魔物がいた。
セーイチは確かに疾いが、そいつに比べたら大したことはない。
問題は不死身のこいつをどうやって倒すかだ。
いや、そもそも無理に倒す必要はないのか。
だとしたら……。
『無限虚空!!』
俺は終焉回廊で習得していた融合スキルを発動する。
俺は魔力を全開に解放し、足元に展開された黒い魔法陣から空間が歪み始める。
巨大なブラックホールが形成され、周囲の物体を飲み込み始めた。
「な、なんだこれ!? 冗談だろ!」
セーイチは驚きながら必死に足掻くが引力は彼を確実に捕らえ、じわじわと吸い寄せていく。
俺はさらに魔力を注ぎ、ブラックホールの引力を強化する。
「俺は不死身なんだぞ! こんなもので俺が消えるわけねぇだろ!」
地面に足を踏ん張るが、その体はじわじわと浮き上がり始める。
「黙れ! そこでもがき続けろ!」
俺は魔力をさらに注いでブラックホールの力を強化。
セーイチは宙に浮き、引き寄せられていく。
「くっそ! やめろ、やめろぉおお!」
必死に空を掴むようにもがくが、ブラックホールは容赦なく彼を飲み込んでいく。
「こんな所で……の俺が、お前を…………」
最後セーイチは何事かを喚きながら、ブラックホールの深淵の闇へと消えていった。
空間は静かに収束し、ブラックホールは跡形もなく消滅した。
辺りに再び静寂が訪れ、月明かりが庭を照らす。
「グレイス!」
すると、俺たちの戦いを遠巻きに眺めていたのであろう、エリーゼがこちらに駆け寄って来た。
よかった、無事だったのか。
「大丈夫だった?」
「ああ、そっちは大丈夫か?」
「私たちは大丈夫だったけど、命を刈る鎌で市民の何人かは……」
「そうか、それは残念だな……」
沈痛が空気がしばらく辺りを支配する。
それを破ったのはエリーゼだった。
「……でも、不謹慎かもしれないけど、グレイスが無事でよかったわ! また世界を救っちゃったね」
「望むと望まざるとにかかわらず……な」
すると突如目の前にエンドロールが流れはじめる。
そして王国の音楽隊はそれっぽい音楽を演奏しはじめる。
「えっ!? なんだこれ」
おそらくゲームの制作陣たちの名前が列挙されて上から下へと流れていっている。
「どうしたの、グレイス?」
そしてどうやら、エリーゼの目にはエンドロールは映っていないようだった。
なんだ?
どういうことだ?
俺の頭の中を疑問が支配し、混乱は極まっていく。
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