クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン

文字の大きさ
17 / 51

第17話 まだ終わってない

しおりを挟む
 フェリシアを目の前にした手下たちが色めき立つ。
 
「いい女ですよ、姉御ぉ!」
「透き通るような肌だぁ! 舐め回してぇーー!!」
「こういう女を壊れるぐらいまで、犯しまくるのがいいんだよなあ!!」
「お前たちこいつは私の獲物だよぉ! ちょっとアレを持ってきなぁー!」

 マデリーナは一人の男が持ってきたものを腰に装着する。
 そそり立った禍々しいものを目にしてフェリシアの嫌悪感が最高潮に達する。

「これで思う存分可愛がってやるからね。人生観変えて、私無しじゃいられないようにしてから売っぱらってあげるよぉ」
「あんたも姉様の良さ存分に味わってごらんなさぁい!」
「もう頭が快感でぶっ飛んじゃうんだからぁ!」

 髭面に化粧をした男たちがいう。
 ちらほらと変な人間がいるとは気づいてはいたが、そういうことなのか?

「あんたも男だったら前も後ろも攻め上げて上げるんだけどねぇ」
「黙れ!」
「あれ、もしかして生娘とか?」
「黙れぇ!!」

 斬りかかろうとしたフェリシアをまるで木の葉でも払うように、マデリーナは大斧で払う。
 
「がっは!」

 フェリシアは家屋の壁を突き破る。瓦礫を払い除けていると、間髪入れずにマデリーナの追撃をくらう。
 マデリーナにまた大斧で払われ、家屋の壁を突き破り、また違う家屋の壁に叩きつけられる。

「あーはっはっはっ! いいわぁ、いいわよぉ!! やっぱりこうじゃなくちゃね。おもちゃは壊れにくくないとぉ!」
「姉御ぉ、あんま傷物には……」
「分かってるわよ。私だってこの後、一晩中楽しむんだから。まあでも壊れた人形も愛おしいのよねぇ」
「黙れ、この変態ババア! 不特定多数を相手にこんな歪んだ喜びに浸るなんて、お前は人間の皮をかぶった獣だ!!」
「なぁに言っちゃってくれてんのぉ、この小娘ぇ!!」

 激昂したマデリーナが薙ぎ払いを放つ。
 今度の攻撃は躱したが、その一撃は一瞬で家屋を瓦礫の山に変えた。

「姉御、あんまりムキに……痛ててて」
「うるさいんだよぉ!!!!」

 マデリーナは手下の頭を掴む。
 
「うぎゃぁあああああああ!!」

 男の頭がトマトのようにひちゃげて血が周囲に飛び散る。

「ちっ、意見なんかするから殺っちまったじゃない。んで、なんだってこのア……」

 ぼとっと大斧が地面に落ちる。
 周囲の時間が止まったように無音になる。

 
 
 マデリーナはゆっくりと自分の右手に視線を向ける。
 右手は手首から先が綺麗に斬り落とされて、大斧と一緒に地面に転がっていた。
 手首からは鮮血がほとばしっている。

「いやぁああああああああああ!! 私のぉ、私の右手がぁああああああああああ!!!!」
「おい見ろよ! あの女の鎧の紋章を!」

 マデリーナの攻撃によってフェリシアの鎧に刻まれた、天穹騎士団の紋章が顕にされていた。

「なんで天穹騎士団がこんなところに」
「勝てるわけねえ!」

 盗賊たちは蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
 村の中心にはぽつんとフェリシアとマデリーナだけが取り残された。

「見で攻撃を受けていただけなのに、調子に乗って油断しすぎよ」
「ねぇ、あんた頼むよ。治癒魔法使えるんだろ? 魔法かけて血を止めておくれよぉ」
「……あなたのマンハント依頼書を読んだことがあります」

 フェリシアはまだ剣を鞘に納めていない。

「それがどうしたんだよぉ」
「手配書には少なくとも、30人以上の罪なき人々を殺しているとありましたよ」
「そりゃ、こんな稼業をしてればそうなるさ。ちっ、泣き落としは無理かい」
「どうですか、小娘にやられる気分は?」
「最悪に決まってんだろ、さっさとやりなこのアマぁ!!」

 フェリシアは剣を掲げ瞑目し、祈りを捧げる。

「罪なき人々の魂よ。これにて安息を得られることを願います」

 横払いの一閃――

 ぼとりとマデリーナの首が地面に転がった。
 

 

<ユウ視点>

 どうなることかとしばらくフェリシアと盗賊たちとの戦いを見守っていたが、フェリシアはやはり強い。
 天穹騎士団てんきゅうきしだんがどれほどのものかは分からないけど、きっと相当な実力者が集まっているのだろう。
 隠れる必要もなくなったので、俺は村の中へと入っていく。

「何よ」

 俺を見かけるなり、フェリシアがかけてきた言葉がそれだった。
 
「何よって何だよ」と売り言葉に買い言葉をはきそうになったがぐっと堪える。

「一応、様子を見に来たんだよ。それにさっきの借りを返さないといけないからな」
「何よ借りって? 借りなんて作った覚えなんてないんだけど」
「俺の獲物を横取りしただろ?」
「はあ!? まだ言ってるの?」
「そうやって、やった方はすぐ忘れるけど、やられた方は覚えてんだよ!」
「ふん、じゃあ残念だったわね。借りを返せなくて!」
「いや、まだ返せるぞ」
「はあ!? 一体、何の負け惜しみ? ちょっと私、忙しいから負け犬の遠吠えにかまってる暇はないの」

 フェリシアは俺にそう吐き捨てると、縛られた村民たちを解放していく。
 くそっ、負け犬の遠吠えだと?
 言うことに欠いてこの女は……。

「なんじゃもう終わってしまっとるのう」
「見せ場はもう終わったみたいっすね」
「お前がタラタラと立ちションなんかするからじゃぞ」
「方向間違えたのは師匠じゃないっすか」

 そこにエドワードとロイも到着した。
 二人には相変わらず緊張感の欠片もない。

「あなた方も来てくれたんですか? 別に助太刀は必要なかったんですが……」
「かぁー、可愛げないのう。ロイ、お前くらい可愛げがないわい」
「それは随分と可愛げないっすね」

 フェリシアはその抗議に唇を尖らせる。
 そこで俺は更に声をかける。

「まだ終わってないぞ」

 俺のその一言で、場とフェリシアの村民を縛ったロープを解く手が止まる。

「何言ってのあんたさっきから? 負け惜しみもほどほどに――」
「負け惜しみなんかじゃない」
「はいはい、分かりました分かりました。ちょっと村人を全員解放するまでまってくれる?」

 なんだよ、その子供を諭すような口調は。
 ぐぬぬぬぬ。もう彼女に対して進言するのは諦める。
 
「おい、お前、盗賊たちのボスだろ?」

 俺は村民の一人を指差す。
 それはぼろ衣をきた細身の男だった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー

すもも太郎
ファンタジー
 この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)  主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)  しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。  命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥ ※1話1500文字くらいで書いております

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

寿明結未
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~

aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」 勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......? お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

処理中です...