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オマケ
ルードリアのあばら屋2
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ソフィアは夫妻が馬車から下りるのを待って、奥さんに抱きついた。
「お久しぶりでございます。その節は本当にお世話になりました」
まさか抱きつかれると思っていなかった奥さんも驚いていたが、その横で質屋の旦那さんが仰け反っていた。侯爵夫人が単なる庶民にそこまでするのは想定外だったのだ。
「まぁ、ソフィア様。お招きくださったなんて夢のようなのに身に余るお言葉を……」
奥さんはソフィアの背に手を回しキュッと抱きしめ返す。それから二人は体を離し、お互いの顔を見つめて笑みを交わしあった。
次は自分かとソワソワしだす質屋の旦那さんには、ソフィアは軽く腰を落とす丁寧な挨拶をするのみだった。
「その節は本当にありがとうございました」
肩透かしを食らった旦那さんも慌てて頭を下げた。
「ソフィア」
三人のもとにヴィンセントがやって来たが、急に奥さんがソフィアを自分の背に隠す。
「あなたがあの!」
好戦的な奥さんにソフィアは慌てて奥さんの前に舞い出て、二人の間に割って入った。
「あの、誤解だったのです。ヴィンセントはルードリアの家に私が行かされたことを知らなかったの。あの時質に入れたネックレスもヴィンセントが出してくれて今は手元にありますし──」
ヴィンセントも眉尻を下げ「そうか、誤解を与えたままのようだ。今はソフィアを愛しているし、苦労などさせないよう心がけている。ソフィアが君たちにとても感謝しているというので、私からも礼を言わせてもらいたい。苦しかった時、支えてくれた恩人らしいな。礼を言う」と、丁寧に頭を下げた。
質屋夫婦は顔を見合わせて、それから二人の視線はソフィアへと向かう。ソフィアは微笑んで頷き「私は今、とても幸せなので心配なさらないで」と二人の顔を交互に見ていく。そして続ける。
「それで、お二人に提案があるのです。私が住んでいたルードリアの家を管理していただけませんか? もちろんお金はお支払いします。どなたかあの辺りの方を雇って庭木の手入れと家の空気の入れ替えをお願いしてもらえないでしょうか。その賃金も私たちで持ちますので」
実質それは質屋夫婦には得にしかならない話だった。半信半疑の質屋夫婦にヴィンセントがソフィアの腰を抱きながら伝える。
「ソフィアがどうしても恩返しをしたいと言うし、あの家は思い出の地だから残したいと言うのだ。それならこうしたらいいと私が進言したのだが、気が乗らないようだな。私たち夫婦が使わない時は君たちが使っても構わないのだが──」
先に口を開いたのは旦那さんのほうだった。
「気乗りしないわけではありませんよ! ただ驚いただけです。ええ、びっくりしました」
「使ってもいいなんて……そりゃ、私ら庶民からしたら驚きですもん。ね、あんた」
「ああ」
成り行きを見守っていたソフィアが安堵してヴィンセントに寄りかかる。
「良かったわ。あそこはラズベリーがたくさん採れるの。お二人もどんどん採ってくださいね。私も時々ヴィンセントと採りに行きたいと思っているので」
それを受け奥さんが「たくさん採ってジャムにして届けに来ましょう」と言ったので、ソフィアはとても喜んだ。
「おっと、立ち話ですまなかったな。中で皆が手ぐすねを引いて待っている。ゆっくりしていってくれ」
ヴィンセントはそう告げるとソフィアの頭にキスをし、先に屋敷に戻っていった。
三人はヴィンセントを見送り、ヴィンセントが見えなくなってから奥さんがソフィアに近づいて小声で言う。
「迎えに来てほしいという連絡かもしれないと思ってたんですよ。幸せなら幸せだって手紙に書いてもらわなきゃ」
ソフィアは目を丸くしてから、奥さんにまた抱きついた。
「幸せです。またこうしてお二人と会えたことも、お礼をできることも!」
微笑みあって抱き合う二人を見て、質屋の旦那さんが羨ましそうに横でもじもじしていることをソフィアは知る由もなかった。
※以上を持ちましてオマケも終了になります。ありがとうございました
「お久しぶりでございます。その節は本当にお世話になりました」
まさか抱きつかれると思っていなかった奥さんも驚いていたが、その横で質屋の旦那さんが仰け反っていた。侯爵夫人が単なる庶民にそこまでするのは想定外だったのだ。
「まぁ、ソフィア様。お招きくださったなんて夢のようなのに身に余るお言葉を……」
奥さんはソフィアの背に手を回しキュッと抱きしめ返す。それから二人は体を離し、お互いの顔を見つめて笑みを交わしあった。
次は自分かとソワソワしだす質屋の旦那さんには、ソフィアは軽く腰を落とす丁寧な挨拶をするのみだった。
「その節は本当にありがとうございました」
肩透かしを食らった旦那さんも慌てて頭を下げた。
「ソフィア」
三人のもとにヴィンセントがやって来たが、急に奥さんがソフィアを自分の背に隠す。
「あなたがあの!」
好戦的な奥さんにソフィアは慌てて奥さんの前に舞い出て、二人の間に割って入った。
「あの、誤解だったのです。ヴィンセントはルードリアの家に私が行かされたことを知らなかったの。あの時質に入れたネックレスもヴィンセントが出してくれて今は手元にありますし──」
ヴィンセントも眉尻を下げ「そうか、誤解を与えたままのようだ。今はソフィアを愛しているし、苦労などさせないよう心がけている。ソフィアが君たちにとても感謝しているというので、私からも礼を言わせてもらいたい。苦しかった時、支えてくれた恩人らしいな。礼を言う」と、丁寧に頭を下げた。
質屋夫婦は顔を見合わせて、それから二人の視線はソフィアへと向かう。ソフィアは微笑んで頷き「私は今、とても幸せなので心配なさらないで」と二人の顔を交互に見ていく。そして続ける。
「それで、お二人に提案があるのです。私が住んでいたルードリアの家を管理していただけませんか? もちろんお金はお支払いします。どなたかあの辺りの方を雇って庭木の手入れと家の空気の入れ替えをお願いしてもらえないでしょうか。その賃金も私たちで持ちますので」
実質それは質屋夫婦には得にしかならない話だった。半信半疑の質屋夫婦にヴィンセントがソフィアの腰を抱きながら伝える。
「ソフィアがどうしても恩返しをしたいと言うし、あの家は思い出の地だから残したいと言うのだ。それならこうしたらいいと私が進言したのだが、気が乗らないようだな。私たち夫婦が使わない時は君たちが使っても構わないのだが──」
先に口を開いたのは旦那さんのほうだった。
「気乗りしないわけではありませんよ! ただ驚いただけです。ええ、びっくりしました」
「使ってもいいなんて……そりゃ、私ら庶民からしたら驚きですもん。ね、あんた」
「ああ」
成り行きを見守っていたソフィアが安堵してヴィンセントに寄りかかる。
「良かったわ。あそこはラズベリーがたくさん採れるの。お二人もどんどん採ってくださいね。私も時々ヴィンセントと採りに行きたいと思っているので」
それを受け奥さんが「たくさん採ってジャムにして届けに来ましょう」と言ったので、ソフィアはとても喜んだ。
「おっと、立ち話ですまなかったな。中で皆が手ぐすねを引いて待っている。ゆっくりしていってくれ」
ヴィンセントはそう告げるとソフィアの頭にキスをし、先に屋敷に戻っていった。
三人はヴィンセントを見送り、ヴィンセントが見えなくなってから奥さんがソフィアに近づいて小声で言う。
「迎えに来てほしいという連絡かもしれないと思ってたんですよ。幸せなら幸せだって手紙に書いてもらわなきゃ」
ソフィアは目を丸くしてから、奥さんにまた抱きついた。
「幸せです。またこうしてお二人と会えたことも、お礼をできることも!」
微笑みあって抱き合う二人を見て、質屋の旦那さんが羨ましそうに横でもじもじしていることをソフィアは知る由もなかった。
※以上を持ちましてオマケも終了になります。ありがとうございました
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沢山感想いただき、ありがとうございました
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最後までお読みいただきありがとうございました😊
そうですね
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