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農夫ゴーダと羊飼いマリオ
農夫ゴーダと羊飼いマリオ⑤
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カルロを伴い畑まで行くとダグマと先ほどの兄弟が話し込んでいるところだった。その周りで畑に生えた草を羊たちが無心に頬張っている。
「お待たせ。お二人さんはここに住むらしいね。俺はカルロだ」
カルロは母親譲りの物怖じしない性格で二人に笑顔で握手を求めていた。二人もそれに応じてはいたが、やや緊張しているのがアデリーにも伝わってくる。
「どうも、今羊小屋を作ってもらう計画をしていたんだよ」
二人のうち、弟のほうが話すタイプらしい。その横で兄のゴーダは握手を交わしてから頷くだけだった。見たところカルロと歳が近そうに感じる。親から農地を譲り受けられない次男や三男なのだろう。
「畑の端を潰して小さな小屋を建ててくれるか?」
ダグマが川を渡ってすぐ、階段の真横辺りを指定してカルロに問う。
「それは構わないけど、畑が狭くなっちまう」
確かに元々それほど広くない畑が潰れてしまう。そこで農夫ゴーダがボソボソと会話に加わった。
「畑なら川の反対側に新しく作ればいい」
川の反対側は手付かずの林になっている。切り拓かねば畑にはならないだろう。
「こっちの畑も手が回らなくて使えてなかったろ? だから畑を整えながら向こうも開拓するってことになったんだ。どうせ木も沢山必要になるしな」
ダグマはおおよそだがあの辺りからこの辺りまでと開拓したいところをカルロに示した。
「木を切り倒してその木を使っていいってことなら俺も手を貸しますけど」
彼らの言葉にダグマも「俺も手が空いてる時は切り拓くのを手伝うぞ」と請け負った。しかし、ここでアデリーがダメですと声をあげた。
「ダグマさん、忙し過ぎですよ! そんなに働いてばかりいたら病気になってしまいます」
そこで、ボソリとゴーダが口を挟む。
「案外、嫁さんの尻に敷かれるタイプか」
嫁だと勘違いされて、アワアワとアデリーの口が戦慄いて、それをカルロが見て爆笑した。
「アデリー、赤すぎるだろ」
「だって! あの、私、ダグマさんとは、そ、そういうんじゃないです」
恥ずかしさにしどろもどろになってると「嫁じゃないのか」と、またゴーダがポツリ。
そんなことよりアデリーはダグマの横顔を見上げて「すいません! なんか、出しゃばってしまって」と、謝る。ダグマは「気にすることはない。俺は俺のしたいようにするし、言いたきゃ言えばいいさ」とどこ吹く風だった。
「さて、じゃあまずは残っていた木でベッドを作るか。アデリーは藁を運んできてくれるかい?」
カルロが話を切り替えてくれたので心底ホッとした。
「ええ、もちろん。でもどこの部屋にするか決まってなくて」
そこでダグマが廃城を見上げて言う。
「浴場の真上のとこにしよう。悪いが二人で一つの部屋を使ってもらう。あの部屋ならベッドを二個置けるだろう」
ダグマが見ている先をカルロも見上げた。
「戸が残っているけど修理が必要か。戸より羊小屋が先かな」
「羊小屋で。俺達は屋根もあるし、冬までに戸がつけば構わない」
マリオがそう答えたことでやることの道筋が見えた。
「窮屈だが暫くは家畜部屋で羊たちには我慢してもらう他ないな」
ダグマはそう言うと、種を見せるとゴーダを連れて貯蓄部屋へと歩いていった。
「じゃあ、俺は牛と羊たちに餌を食べさせたら家畜小屋に連れてく。二人共この先よろしくな」
マリオは兄のゴーダと違ってハキハキと話すしが、二人とも独特のイントネーションだ。
「ずっと聞いてるとあの話し方が移りそうだな」
カルロは独り言を口にしながら板を取りに向かうのだった。
「お待たせ。お二人さんはここに住むらしいね。俺はカルロだ」
カルロは母親譲りの物怖じしない性格で二人に笑顔で握手を求めていた。二人もそれに応じてはいたが、やや緊張しているのがアデリーにも伝わってくる。
「どうも、今羊小屋を作ってもらう計画をしていたんだよ」
二人のうち、弟のほうが話すタイプらしい。その横で兄のゴーダは握手を交わしてから頷くだけだった。見たところカルロと歳が近そうに感じる。親から農地を譲り受けられない次男や三男なのだろう。
「畑の端を潰して小さな小屋を建ててくれるか?」
ダグマが川を渡ってすぐ、階段の真横辺りを指定してカルロに問う。
「それは構わないけど、畑が狭くなっちまう」
確かに元々それほど広くない畑が潰れてしまう。そこで農夫ゴーダがボソボソと会話に加わった。
「畑なら川の反対側に新しく作ればいい」
川の反対側は手付かずの林になっている。切り拓かねば畑にはならないだろう。
「こっちの畑も手が回らなくて使えてなかったろ? だから畑を整えながら向こうも開拓するってことになったんだ。どうせ木も沢山必要になるしな」
ダグマはおおよそだがあの辺りからこの辺りまでと開拓したいところをカルロに示した。
「木を切り倒してその木を使っていいってことなら俺も手を貸しますけど」
彼らの言葉にダグマも「俺も手が空いてる時は切り拓くのを手伝うぞ」と請け負った。しかし、ここでアデリーがダメですと声をあげた。
「ダグマさん、忙し過ぎですよ! そんなに働いてばかりいたら病気になってしまいます」
そこで、ボソリとゴーダが口を挟む。
「案外、嫁さんの尻に敷かれるタイプか」
嫁だと勘違いされて、アワアワとアデリーの口が戦慄いて、それをカルロが見て爆笑した。
「アデリー、赤すぎるだろ」
「だって! あの、私、ダグマさんとは、そ、そういうんじゃないです」
恥ずかしさにしどろもどろになってると「嫁じゃないのか」と、またゴーダがポツリ。
そんなことよりアデリーはダグマの横顔を見上げて「すいません! なんか、出しゃばってしまって」と、謝る。ダグマは「気にすることはない。俺は俺のしたいようにするし、言いたきゃ言えばいいさ」とどこ吹く風だった。
「さて、じゃあまずは残っていた木でベッドを作るか。アデリーは藁を運んできてくれるかい?」
カルロが話を切り替えてくれたので心底ホッとした。
「ええ、もちろん。でもどこの部屋にするか決まってなくて」
そこでダグマが廃城を見上げて言う。
「浴場の真上のとこにしよう。悪いが二人で一つの部屋を使ってもらう。あの部屋ならベッドを二個置けるだろう」
ダグマが見ている先をカルロも見上げた。
「戸が残っているけど修理が必要か。戸より羊小屋が先かな」
「羊小屋で。俺達は屋根もあるし、冬までに戸がつけば構わない」
マリオがそう答えたことでやることの道筋が見えた。
「窮屈だが暫くは家畜部屋で羊たちには我慢してもらう他ないな」
ダグマはそう言うと、種を見せるとゴーダを連れて貯蓄部屋へと歩いていった。
「じゃあ、俺は牛と羊たちに餌を食べさせたら家畜小屋に連れてく。二人共この先よろしくな」
マリオは兄のゴーダと違ってハキハキと話すしが、二人とも独特のイントネーションだ。
「ずっと聞いてるとあの話し方が移りそうだな」
カルロは独り言を口にしながら板を取りに向かうのだった。
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