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第1話
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「お前みたいなビッチなんかとは結婚できない!!お前とは婚約を破棄させてもらう!!」
私、マリア・リネーラの婚約者であるアドリード公爵家の次男、マドラー・アドリード様は両家の家族全員が集まった部屋でそう叫びました。自分の横に栗色の髪と赤色の瞳を持つ可愛らしい令嬢を従えて。
私の家であるリネーラ侯爵家とアドリード公爵家は、3ヶ月に1度両家の家族全員で集まってお茶会を行います。婚約して6ヶ月が経った今日、リネーラ家でお茶会が行われていました。
この台詞は、お茶会が始まって30分が経ち、遅れてきたマドラー様の一言目でした。遅れてきた事に対する謝罪でない事はもちろん、突拍子もない事を言い出した驚きも相まって、変な声が出てしまいました。
「へ?」
慌てて口を閉じますが、全員が唖然としていて、聞いていなかった様なので良かったです。
「……お前は何を言っている?」
絞り出すような声で、アドリード家当主のサム・アドリード公爵が尋ねました。
「何って、父さん、聞いていなかったの?こいつがビッチでどうしようもないクズ野郎だから、婚約破棄するって言ってるんだよ」
「そんな訳がないだろう!!!」
アドリード公爵がすごい剣幕で怒鳴ったので、私はびっくりして飛び上がりそうでしたが、私の両親はアドリード様に負けず劣らずの勢いでマドラー様を睨みつけています。
「大体、お前の横にいる方は誰なんだ」
先程怒られた事で固まっていたマドラー様は、アドリード公爵の一言で再び動きます。
「あ、ああ、この子はピーター・マーガレット。ピーター男爵家の養子だよ。この子が、そいつがビッチだって事を教えてくれたんだ」
「とりあえず、マーガレットさんに話を聞いてみようか」
苦虫を噛み潰したような顔をして、私の父が尋ねました。
「なぜそう思ったんだい?」
「だってぇ、私、見てしまったんだもの。マリアさんが男の人とあんな事やこんな事を…これ以上は私の口からは言えませんわっ」
何をもったいぶっているのか知りませんが、私は全く身に覚えがないので何とも言えません。
「では聞こう。マリア」
「はい」
「お前はマドラー君ではない人と、みだらな行為をしていたのかい?」
「いいえ。断じてしておりません」
「という事は、君が嘘を言っている事になるね」
お父様がそう断言すると、マーガレット様は意味が分からない、というような顔になりました。
「え?なんで私の言う事を信じてくれないんですか!?」
「逆に聞きたいのだが、初対面で人の婚約者にべたべたとくっ付いているような常識のない人のどこを信用できるというんだい?」
私、マリア・リネーラの婚約者であるアドリード公爵家の次男、マドラー・アドリード様は両家の家族全員が集まった部屋でそう叫びました。自分の横に栗色の髪と赤色の瞳を持つ可愛らしい令嬢を従えて。
私の家であるリネーラ侯爵家とアドリード公爵家は、3ヶ月に1度両家の家族全員で集まってお茶会を行います。婚約して6ヶ月が経った今日、リネーラ家でお茶会が行われていました。
この台詞は、お茶会が始まって30分が経ち、遅れてきたマドラー様の一言目でした。遅れてきた事に対する謝罪でない事はもちろん、突拍子もない事を言い出した驚きも相まって、変な声が出てしまいました。
「へ?」
慌てて口を閉じますが、全員が唖然としていて、聞いていなかった様なので良かったです。
「……お前は何を言っている?」
絞り出すような声で、アドリード家当主のサム・アドリード公爵が尋ねました。
「何って、父さん、聞いていなかったの?こいつがビッチでどうしようもないクズ野郎だから、婚約破棄するって言ってるんだよ」
「そんな訳がないだろう!!!」
アドリード公爵がすごい剣幕で怒鳴ったので、私はびっくりして飛び上がりそうでしたが、私の両親はアドリード様に負けず劣らずの勢いでマドラー様を睨みつけています。
「大体、お前の横にいる方は誰なんだ」
先程怒られた事で固まっていたマドラー様は、アドリード公爵の一言で再び動きます。
「あ、ああ、この子はピーター・マーガレット。ピーター男爵家の養子だよ。この子が、そいつがビッチだって事を教えてくれたんだ」
「とりあえず、マーガレットさんに話を聞いてみようか」
苦虫を噛み潰したような顔をして、私の父が尋ねました。
「なぜそう思ったんだい?」
「だってぇ、私、見てしまったんだもの。マリアさんが男の人とあんな事やこんな事を…これ以上は私の口からは言えませんわっ」
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「では聞こう。マリア」
「はい」
「お前はマドラー君ではない人と、みだらな行為をしていたのかい?」
「いいえ。断じてしておりません」
「という事は、君が嘘を言っている事になるね」
お父様がそう断言すると、マーガレット様は意味が分からない、というような顔になりました。
「え?なんで私の言う事を信じてくれないんですか!?」
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