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第12巻番外編
服が欲しい
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神の国にて、女神ガーベラはアシュランに呼び出されて、雲の上の神殿にやってきていた。
「用って何かしら?」
「実は、お前が今着てる服が欲しい。くれ」
アシュランは真面目に頼んでいた。
「はい?」
「服だ。着替えも用意してあるからどこかで着替えてくれ」
アシュランは黄色い布地の服らしきものを手に持っている。
ガーベラは眉間にしわを寄せていた。
「私の服なんてどうするのよ」
「私が楽しむんじゃない。お前のファンにやるんだ」
「いやよーだ」
ガーベラはくるりと体を回転させてすたすた歩いて行った。
「おーい、グレン、ガーベラの服をもらってこい」
アシュランは裏でひかえていたグレンに頼んだ。
「はい」
グレンは内心(えー)と思いながら、アシュランから着替えを受け取ってガーベラを追った。今は娘のライサは不在である。
グレンは神殿を出ようとしているガーベラに声をかけた。
「ガーベラ様、お願いですから服をください」
「えー」
「ガーベラ様に、この黄色い服も似合うと思うんですが」
「しょうがないわね」
ガーベラはグレンをちらりと見て言った。
「ありがとうございます」
グレンは黄色い服を差し出したが、ガーベラは受け取らなかった。
「ただし、あなたが服を脱がしてちょうだい」
「え?」
「来なさい」
ガーベラは神殿の中に入っていった。そして雲の上の神殿の中の一つの小部屋に入った。そこは物置のような部屋で、部屋の半分くらいは家具が重ねておいてあった。
「さ、どーぞ」
ガーベラは突っ立ったままグレンに向き合った。
「どうぞと言われましても」
「あなたが脱がせて」
「はあ」
グレンは仕方なく、ガーベラの腰帯を取ってガーベラの肩から布を降ろした。その下はすっかり裸である。豊満な胸が露わになったが、ガーベラは肌を隠そうともしない。
「私の服なんてどうするのかしら」
「多分、何かのご褒美でしょう。ガーベラ様の服が褒美となると、その者は結構な働きをしたんじゃないでしょうかね」
グレンはガーベラの裸から目をそらせていた。
「へーどんな働き?」
「わかりませんが、かなりの働きだと思いますよ」
「褒美でわかるの」
「わかりますよ」
ガーベラは服から足を抜いて、グレンは無事ガーベラのピンクがかった服を手に入れた。
「ありがとうございます。では」
グレンはそのまま行こうとしていたのでガーベラが「ちょっとまった。着せてよ」と言っていた。
「着せるんですかあ?」
「何その嫌そうな声。あのね、普通ならば、ここで私を倒すのが筋でしょうよ。『ああ。もう体の昂ぶりが我慢できない』とか言って」
「ここは雲の上の神殿ですから」
「だから何よ」
ガーベラは裸で腰に手を当てている。
「誰かがくるかもしれないですし」
グレンは横を向いたまま言った。
「それに早く持っていかないと……」
「じゃあ早くしましょ」
「ここにはベッドも何も」
「じゃあ立ったままとか~」
ガーベラはグレンのあごに手をかけて自分の方を向かせていた。
「んー」
ガーベラはグレンにぶちゅっとキスした。
しばらくしてから、黄色い服を着たガーベラが雲の上の神殿から出て来た。
「なかなかかわいいじゃない。ねえ、どう? この服」
ちょうど男の妖精が通りがかったのでガーベラは髪をかきあげて聞いてみた。
「さ、さいこうにステキです」
妖精はちょっと前屈みに通り過ぎて行った。
そしてガーベラの匂いをぷんぷんさせながらやってきたグレンにアシュランは、「ここでいちゃいちゃするなと言っただろ」などと怒っていた。
「すいません」
グレンは頭を下げている。
「まったくうらやましいやつめ」
アシュランはガーベラの服を受け取りつつ言っていたのだった。
「用って何かしら?」
「実は、お前が今着てる服が欲しい。くれ」
アシュランは真面目に頼んでいた。
「はい?」
「服だ。着替えも用意してあるからどこかで着替えてくれ」
アシュランは黄色い布地の服らしきものを手に持っている。
ガーベラは眉間にしわを寄せていた。
「私の服なんてどうするのよ」
「私が楽しむんじゃない。お前のファンにやるんだ」
「いやよーだ」
ガーベラはくるりと体を回転させてすたすた歩いて行った。
「おーい、グレン、ガーベラの服をもらってこい」
アシュランは裏でひかえていたグレンに頼んだ。
「はい」
グレンは内心(えー)と思いながら、アシュランから着替えを受け取ってガーベラを追った。今は娘のライサは不在である。
グレンは神殿を出ようとしているガーベラに声をかけた。
「ガーベラ様、お願いですから服をください」
「えー」
「ガーベラ様に、この黄色い服も似合うと思うんですが」
「しょうがないわね」
ガーベラはグレンをちらりと見て言った。
「ありがとうございます」
グレンは黄色い服を差し出したが、ガーベラは受け取らなかった。
「ただし、あなたが服を脱がしてちょうだい」
「え?」
「来なさい」
ガーベラは神殿の中に入っていった。そして雲の上の神殿の中の一つの小部屋に入った。そこは物置のような部屋で、部屋の半分くらいは家具が重ねておいてあった。
「さ、どーぞ」
ガーベラは突っ立ったままグレンに向き合った。
「どうぞと言われましても」
「あなたが脱がせて」
「はあ」
グレンは仕方なく、ガーベラの腰帯を取ってガーベラの肩から布を降ろした。その下はすっかり裸である。豊満な胸が露わになったが、ガーベラは肌を隠そうともしない。
「私の服なんてどうするのかしら」
「多分、何かのご褒美でしょう。ガーベラ様の服が褒美となると、その者は結構な働きをしたんじゃないでしょうかね」
グレンはガーベラの裸から目をそらせていた。
「へーどんな働き?」
「わかりませんが、かなりの働きだと思いますよ」
「褒美でわかるの」
「わかりますよ」
ガーベラは服から足を抜いて、グレンは無事ガーベラのピンクがかった服を手に入れた。
「ありがとうございます。では」
グレンはそのまま行こうとしていたのでガーベラが「ちょっとまった。着せてよ」と言っていた。
「着せるんですかあ?」
「何その嫌そうな声。あのね、普通ならば、ここで私を倒すのが筋でしょうよ。『ああ。もう体の昂ぶりが我慢できない』とか言って」
「ここは雲の上の神殿ですから」
「だから何よ」
ガーベラは裸で腰に手を当てている。
「誰かがくるかもしれないですし」
グレンは横を向いたまま言った。
「それに早く持っていかないと……」
「じゃあ早くしましょ」
「ここにはベッドも何も」
「じゃあ立ったままとか~」
ガーベラはグレンのあごに手をかけて自分の方を向かせていた。
「んー」
ガーベラはグレンにぶちゅっとキスした。
しばらくしてから、黄色い服を着たガーベラが雲の上の神殿から出て来た。
「なかなかかわいいじゃない。ねえ、どう? この服」
ちょうど男の妖精が通りがかったのでガーベラは髪をかきあげて聞いてみた。
「さ、さいこうにステキです」
妖精はちょっと前屈みに通り過ぎて行った。
そしてガーベラの匂いをぷんぷんさせながらやってきたグレンにアシュランは、「ここでいちゃいちゃするなと言っただろ」などと怒っていた。
「すいません」
グレンは頭を下げている。
「まったくうらやましいやつめ」
アシュランはガーベラの服を受け取りつつ言っていたのだった。
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