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第一部
第10話 それぞれの思い
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わたしは、晩餐の場で失礼があってはいけない、マナーをちゃんと覚えているだろうか、と思い巡らせながらアイロンをかけたばかりの清潔なドレスに着替えた。
(……こんなに早く、ブランシュと話せるチャンスをもらえるとは思わなかった)
ブランシュと食卓が囲めると思うだけで、心が明るくなり、胸に暖かいものが、込み上げてくる。
今日、必ず成し遂げるべきミッションを、繰り返し、胸の中で反芻する。
「ご婚約、おめでとうございます」
今日こそ、必ず、言えますように。
固く願いながら、オウムのように何度も繰り返し、鏡の前で練習した。
§
その頃、ロンサール伯爵邸の使用人たちは、まるで前線の兵士のように、殺気立っていた。
この度、めでたくブランシュお嬢様の婚約者になられたアラン・ノワゼット公爵は、国王陛下の従兄弟であり、政治の中枢にありながら、王国第二騎士団の団長でもあらせられる。
愛しいブランシュ姫に会うため、足繁く通う公爵のお供である、付き人たちの数も半端なく、しかも公爵の付き人はほとんどが高位騎士である。
よって、ほとんどがしがない「まあまあ裕福だけど所詮、平民」で構成されている伯爵家の使用人としては、ものすごく気を遣う。
特に、公爵閣下とブランシュの料理を作るだけでなく、付き人達の軽食まで用意しなければならない、キッチン担当の使用人たちの慌ただしさは、尋常ではなかった。
よって、キッチンは今、多くの料理人とキッチン・メイドが入り乱れて怒号が飛び交う、まさに戦場さながらと化していた。
中でも料理長であるモーリーは、ディナーの責任者だけに誰よりも殺気立っていた。
ほぼ完璧に完成しているのだが、味見をすると、何か物足りない気がした。
口の肥えた公爵閣下に、ロンサール伯爵家の料理人はイマイチだなどと思われたくない。
皿洗いの見習いから始め、町のレストランで働いていた自分が、五年前、ロンサール伯爵家に雇われ、筆頭料理人にまで上り詰めた。
今では、あのノワゼット公爵閣下にお出しするコースまで任せられている。
その矜持が、中途半端な味のまま出すことを許せなかった。
「アリスタ! ちょっと畑まで行って、彩りや風味付けに良さそうな香草を見繕って、何種類か取ってきてくれ!」
「……わかりました」
ちょうど通りかかったアリスタは、一瞬不満そうな素振りをみせたが、手に持っていたナプキン類を別のメイドに託すと、開け放されたままのキッチンの勝手口から表に出て、畑に向かって歩き出した。
アリスタも目が回るような忙しさだったから、モーリーから突然言いつけられたときはむっとしたが、素直に従った。
今日は、なぜだか穏やかな気持ちでいられたから、いつもより不満に感じなかった。
お昼も猫の手も借りたいほどの忙しさで、リリアーナ様にお食事を運ぶだけで、お話できなかったのは残念だったけれど。
いつもスープとパンばかりだから、今日はキイチゴにヨーグルトをかけたデザートもお持ちしたら、とても喜んでもらえた。
明日も、何か付け足して持っていこう。
考え事をしながら、畑に向かっていると、遠目にも煌びやかな四頭立ての大きな馬車が、正門をくぐってやってくるのが見えた。
日が沈み、辺りを薄闇が包み込んでいた。
しかし、お共の騎士たちが乗る騎馬を引き連れた馬車の一団は、月の光をまとって煌びやかに光り輝き、まるでそこだけが、おとぎの世界にあるような、不思議な錯覚を起こさせた。
ノワゼット公爵閣下が、お着きになったらしい。
急がなければ、モーリーのヒステリーがもっとひどくなってしまうだろう。
アリスタは大急ぎで、畑から彩りや風味付けに良さそうなハーブなどの香菜類を何種類か、みつくろって収穫した。
その時、がさり、と音がして、背後の薄暗い茂みを何かが通ったような気配がした。
―― きっと、風のせいだろう。
急いでいたアリスタは、気に留めなかった。
§
アラン・ノワゼット公爵は、国王から贈られた豪奢な馬車から降りながら、出迎えの為に伯爵邸のホールに佇む、上品な水色のドレスに身を包んだブランシュの姿を見て、幸福な気持ちに包まれた。
ブランシュは、本当にすばらしい。
ゆるくウェーブしながら流れる髪は黄金の滝のようだ。肌は白雪のようになめらかに輝いている。
中でも、長いまつ毛に縁どられたその碧い瞳ときたら!
優しい海を思わせる瞳を一目見た時から、公爵はブランシュ・ロンサールの虜になった。
その完璧な優美さだけでなく、清らかな心根と、両親を早くに亡くしながらも気丈に振る舞う、芯の通った内面を知るにつれ、愛は更に深くなった。
紆余曲折を経て、数多の恋敵を蹴落とし、心身を捧げる想いで求婚した結果、ついに先日、彼女と気持ちを通じ合い、婚約を了承してもらえた時には、幸せすぎて天にも昇る気持ちだった。
その幸福感と愛は、今も、これからもずっと変わらないだろう。
(ブランシュを守るためなら、僕はどんなことでもやってみせる)
ほっそりした美しい右手をとって口づけながら、公爵は改めて、心に誓った。
§
目の前で、アラン・ノワゼットがブランシュ・ロンサールの右手に口づけている。
さも幸せそうな顔をして。
周りの連中は、それを微笑みながら見つめている。
「ほんと、お似合いよね」
「あたしたちも鼻が高いわ」
伯爵邸のメイドたちがそう囁き交わす声が聞こえてくる。
まったく、いい気なもんだな。
俺は知っている。
アラン・ノワゼット、貴様がどういう人間か。
貴様とその後ろで、涼しい顔をして立っているレクター・ウェインが、何をしたか。
貴様らが忘れても、俺は決して忘れない。
貴様らが、俺の家族にしたことを。
死をもってしても償えない行いを。
……だが、まあいい。
すべては計画通りに進んでいる。
今のところ、俺に注意を払っている者はいない。
これからだって、気付かれる筈はない。
もうすぐ、貴様らは思い知ることになる。
そのことを考えると、自然に頬が緩んだ。
周りの奴らは、俺が仲睦まじい二人の様子を見て、微笑んでいるとでも思っているだろう。
喉の奥から、くくっと漏れ出した嗤い声を、呑み込んだ。
せいぜい、今のうちに楽しんでおくといいさ。
そうやって笑っていられるのも、今のうちなのだから。
§
リリアーナは、何度も姿見を確認した。
おかしいところや、失礼なところはないだろうか。
黒髪は、丁寧に後ろに結い上げた。
ドレスだけは、この真っ黒なドレスしか持っていないので、仕方がない。
できるだけましに見えるように、幼い頃から持っているサテン地のリボンを腰のところで丁寧に蝶々結びで締める。
ウェストからふんわりとしたラインを描いてスカートが裾まで広がり、鴉の羽みたいに真っ黒いドレスもそれなりに見える、と願いたい。
柔らかい布のシューズを履き、時間ぴったりにダイニングホールに着くように屋根裏部屋を出て、廊下を進み階段を二階まで下り、また廊下を進んだところで、はっとして頭に手を伸ばした。
うっかり、帽子を被り忘れている。
あれほど、何度も鏡を見て、身嗜みを整えたのに、最後に絶対に欠かせないものを忘れるとは、ほんっとにもう、ぼんやりしすぎである。
――どうしよう、取りに戻っていたら、時間に遅れてしまう。
誰かに頼もうにも、使用人たちは皆、一階で、公爵一行を出迎える準備をしているのだろう。二階以上の廊下には、誰の姿も見えなかった。
『人を絶望させる髪と瞳は隠しておいておくれ』
父の声が、頭の中で響いた。
しばし逡巡したのち、踵を返し、屋根裏に戻る階段へと向かう。
この時は、このことで後に、とんでもない窮地に陥ることになろうとは、思ってもいなかった。
(……こんなに早く、ブランシュと話せるチャンスをもらえるとは思わなかった)
ブランシュと食卓が囲めると思うだけで、心が明るくなり、胸に暖かいものが、込み上げてくる。
今日、必ず成し遂げるべきミッションを、繰り返し、胸の中で反芻する。
「ご婚約、おめでとうございます」
今日こそ、必ず、言えますように。
固く願いながら、オウムのように何度も繰り返し、鏡の前で練習した。
§
その頃、ロンサール伯爵邸の使用人たちは、まるで前線の兵士のように、殺気立っていた。
この度、めでたくブランシュお嬢様の婚約者になられたアラン・ノワゼット公爵は、国王陛下の従兄弟であり、政治の中枢にありながら、王国第二騎士団の団長でもあらせられる。
愛しいブランシュ姫に会うため、足繁く通う公爵のお供である、付き人たちの数も半端なく、しかも公爵の付き人はほとんどが高位騎士である。
よって、ほとんどがしがない「まあまあ裕福だけど所詮、平民」で構成されている伯爵家の使用人としては、ものすごく気を遣う。
特に、公爵閣下とブランシュの料理を作るだけでなく、付き人達の軽食まで用意しなければならない、キッチン担当の使用人たちの慌ただしさは、尋常ではなかった。
よって、キッチンは今、多くの料理人とキッチン・メイドが入り乱れて怒号が飛び交う、まさに戦場さながらと化していた。
中でも料理長であるモーリーは、ディナーの責任者だけに誰よりも殺気立っていた。
ほぼ完璧に完成しているのだが、味見をすると、何か物足りない気がした。
口の肥えた公爵閣下に、ロンサール伯爵家の料理人はイマイチだなどと思われたくない。
皿洗いの見習いから始め、町のレストランで働いていた自分が、五年前、ロンサール伯爵家に雇われ、筆頭料理人にまで上り詰めた。
今では、あのノワゼット公爵閣下にお出しするコースまで任せられている。
その矜持が、中途半端な味のまま出すことを許せなかった。
「アリスタ! ちょっと畑まで行って、彩りや風味付けに良さそうな香草を見繕って、何種類か取ってきてくれ!」
「……わかりました」
ちょうど通りかかったアリスタは、一瞬不満そうな素振りをみせたが、手に持っていたナプキン類を別のメイドに託すと、開け放されたままのキッチンの勝手口から表に出て、畑に向かって歩き出した。
アリスタも目が回るような忙しさだったから、モーリーから突然言いつけられたときはむっとしたが、素直に従った。
今日は、なぜだか穏やかな気持ちでいられたから、いつもより不満に感じなかった。
お昼も猫の手も借りたいほどの忙しさで、リリアーナ様にお食事を運ぶだけで、お話できなかったのは残念だったけれど。
いつもスープとパンばかりだから、今日はキイチゴにヨーグルトをかけたデザートもお持ちしたら、とても喜んでもらえた。
明日も、何か付け足して持っていこう。
考え事をしながら、畑に向かっていると、遠目にも煌びやかな四頭立ての大きな馬車が、正門をくぐってやってくるのが見えた。
日が沈み、辺りを薄闇が包み込んでいた。
しかし、お共の騎士たちが乗る騎馬を引き連れた馬車の一団は、月の光をまとって煌びやかに光り輝き、まるでそこだけが、おとぎの世界にあるような、不思議な錯覚を起こさせた。
ノワゼット公爵閣下が、お着きになったらしい。
急がなければ、モーリーのヒステリーがもっとひどくなってしまうだろう。
アリスタは大急ぎで、畑から彩りや風味付けに良さそうなハーブなどの香菜類を何種類か、みつくろって収穫した。
その時、がさり、と音がして、背後の薄暗い茂みを何かが通ったような気配がした。
―― きっと、風のせいだろう。
急いでいたアリスタは、気に留めなかった。
§
アラン・ノワゼット公爵は、国王から贈られた豪奢な馬車から降りながら、出迎えの為に伯爵邸のホールに佇む、上品な水色のドレスに身を包んだブランシュの姿を見て、幸福な気持ちに包まれた。
ブランシュは、本当にすばらしい。
ゆるくウェーブしながら流れる髪は黄金の滝のようだ。肌は白雪のようになめらかに輝いている。
中でも、長いまつ毛に縁どられたその碧い瞳ときたら!
優しい海を思わせる瞳を一目見た時から、公爵はブランシュ・ロンサールの虜になった。
その完璧な優美さだけでなく、清らかな心根と、両親を早くに亡くしながらも気丈に振る舞う、芯の通った内面を知るにつれ、愛は更に深くなった。
紆余曲折を経て、数多の恋敵を蹴落とし、心身を捧げる想いで求婚した結果、ついに先日、彼女と気持ちを通じ合い、婚約を了承してもらえた時には、幸せすぎて天にも昇る気持ちだった。
その幸福感と愛は、今も、これからもずっと変わらないだろう。
(ブランシュを守るためなら、僕はどんなことでもやってみせる)
ほっそりした美しい右手をとって口づけながら、公爵は改めて、心に誓った。
§
目の前で、アラン・ノワゼットがブランシュ・ロンサールの右手に口づけている。
さも幸せそうな顔をして。
周りの連中は、それを微笑みながら見つめている。
「ほんと、お似合いよね」
「あたしたちも鼻が高いわ」
伯爵邸のメイドたちがそう囁き交わす声が聞こえてくる。
まったく、いい気なもんだな。
俺は知っている。
アラン・ノワゼット、貴様がどういう人間か。
貴様とその後ろで、涼しい顔をして立っているレクター・ウェインが、何をしたか。
貴様らが忘れても、俺は決して忘れない。
貴様らが、俺の家族にしたことを。
死をもってしても償えない行いを。
……だが、まあいい。
すべては計画通りに進んでいる。
今のところ、俺に注意を払っている者はいない。
これからだって、気付かれる筈はない。
もうすぐ、貴様らは思い知ることになる。
そのことを考えると、自然に頬が緩んだ。
周りの奴らは、俺が仲睦まじい二人の様子を見て、微笑んでいるとでも思っているだろう。
喉の奥から、くくっと漏れ出した嗤い声を、呑み込んだ。
せいぜい、今のうちに楽しんでおくといいさ。
そうやって笑っていられるのも、今のうちなのだから。
§
リリアーナは、何度も姿見を確認した。
おかしいところや、失礼なところはないだろうか。
黒髪は、丁寧に後ろに結い上げた。
ドレスだけは、この真っ黒なドレスしか持っていないので、仕方がない。
できるだけましに見えるように、幼い頃から持っているサテン地のリボンを腰のところで丁寧に蝶々結びで締める。
ウェストからふんわりとしたラインを描いてスカートが裾まで広がり、鴉の羽みたいに真っ黒いドレスもそれなりに見える、と願いたい。
柔らかい布のシューズを履き、時間ぴったりにダイニングホールに着くように屋根裏部屋を出て、廊下を進み階段を二階まで下り、また廊下を進んだところで、はっとして頭に手を伸ばした。
うっかり、帽子を被り忘れている。
あれほど、何度も鏡を見て、身嗜みを整えたのに、最後に絶対に欠かせないものを忘れるとは、ほんっとにもう、ぼんやりしすぎである。
――どうしよう、取りに戻っていたら、時間に遅れてしまう。
誰かに頼もうにも、使用人たちは皆、一階で、公爵一行を出迎える準備をしているのだろう。二階以上の廊下には、誰の姿も見えなかった。
『人を絶望させる髪と瞳は隠しておいておくれ』
父の声が、頭の中で響いた。
しばし逡巡したのち、踵を返し、屋根裏に戻る階段へと向かう。
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