『愛に狂う香り、愛を選ぶ香り ――離婚から始まる私の香り』

夢窓(ゆめまど)

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ジャルディンという男

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■ 黒香師ジャルディンの“仕事”

(クリスティンが戦うべき敵の正体)

〇 香りによる支配と破滅の技術者

ジャルディンは「黒香師」と呼ばれる闇の調香師。その技術は本来の香りの芸術とは正反対の、“支配”と“破滅”を目的とするものだ。

◆ .心を支配する揮発香
微量で相手の感情を操作する。
・不安
・恐怖
・執着
・嫉妬
といった負の感情を増幅させ、判断力を奪う。

◆ 恐怖に落とす“沈香毒”
香りに反応した瞬間、強烈なパニックと錯乱を引き起こす混合香。
標的は自分の意思では動けなくなり、
「逃げ出したくても逃げられない」
という地獄の状態に追い込まれる。

◆ 高位貴族との癒着と暗躍
ジャルディンを雇う貴族は多い。
気に入らない政敵、邪魔な妻、後継争いの相手……
彼は香りを使って「事故死」や「精神崩壊」を装い、
気づかれないまま標的を排除してきた。

◆ “香りの奴隷”の作成
香りを定期的に摂取させることで、
依存と快楽を植えつけ、自分の指示以外では動けなくする。
貴族の妾や従者を何人も支配してきたという噂がある。



■ ジャルディンの目的:

「クリスティンを手に入れること」

初恋のゆがんだ延長線。
• 誰にも渡したくない
• ずっと自分の香りに酔わせておきたい
• 美しさを劣化させたくない
• “僕だけが守れる”と思い込んでいる

その結果が、
昔、クリスティンを水に沈めた事件。

「愛しているから守った」などという歪んだ正義。
クリスティンからすれば、

『愛しているなら殺そうとしないで』

という恐怖と拒絶しかない。


■ 香りは“消せない”。けれど――“中和(ニュートラル化)”できる

クリスティンが気づく大原則:

香りは消せない。だが、無力化はできる。

黒香師の香りは毒のように作用する。
でも、香りの世界には昔から存在する秘術がある。



■ 排除(解除)の3つの方法

クリスティンの成長物語にも使えるようにしました。


 香りの“逆位”で中和する(王道)

香りには「調和」と「反発」の相性がある。
黒香師の恐怖香はだいたい以下のような“暗香系”:
• 沈香(ちんこう)
• 焦げた甘香
• 乾いたスパイス
• 冷たいミルラ
• 濃厚な樹脂

これらには“香りの反対”となる香を合わせると、
分子同士が打ち消し合い、効果が激減する。

クリスティンが作れる中和香の一例:
• 柑橘(ベルガモット)…脳の覚醒を戻す
• 透明な花香(ミュゲ)…恐怖の沈みを押し戻す
• 水の香(オゾン系)…重たい香りを引き上げる

→ こうして「黒香師の香」を“無害”にできる。



炎と水を使わない“脱香術”(ファンタジー要素)

古い調香書にしか書かれていない秘術。

香りは皮膚に染み込むが、
特定の蒸気(無香蒸留) で包むと、香りの分子だけを浮かせて落とす。

クリスティンが習得するのは:
• ハーブ蒸留水の“ゼロ芳香”
• 皮膚を刺激しない揮発成分
• 香りの層を押し出して剥がす技法

これは一般調香師にはできない技。
黒香師すら滅多に扱えない。



香りの“用途を上書きする”特殊調香(クリスティンの才能)

これはクリスティンだけの能力にしても良い。

黒香師が香りに込めた意図(インテント)――
恐怖、支配、依存――
それを「別の意図」で上書きする。

例:
• 恐怖 → 安心感
• 執着 → 自己肯定
• 暗闇 → 解放

香りは“気分を誘導する装置”だからこそ、
クリスティンが作る香りは、香りの意図をひっくり返す。

→ 黒香師の香りが効かなくなる。



■ クリスティンの気づき

こんなセリフが似合う:

「香りは消えない。でも、意味は変えられるのね」

「あなたの毒は、私の香りで無力化するわ」



■ ジャルディンの反応

激しく心を揺さぶられます。

「クリスティン……君はどこまで行く気だ」
「僕の香りを、中和した……? そんなことは誰にもできなかったのに」

→ 恐怖+愛+敗北感。



ルシオンの香り戦闘訓練

(まだ恋愛ではなく、じわじわ距離が縮まる段階)



静かな調香室。
黒香師対策用に作られた、完全無臭の白い部屋。

ルシオンは、金の瞳でクリスティンを見たまま、
淡々と語る。



■ ルシオン

「――まず理解してほしい。
香りにおいて“愛”は、最も危険な感情だ」



クリスティンは眉をひそめた。

■ クリスティン

「愛は……狂気よね。
愛されているって、思わなかったもの。
私には、ただの束縛にしか感じなかったわ」



ルシオンは少しだけ目を伏せ、
それから彼女の前に一瓶の香水を置いた。

淡い青色の液体。



■ ルシオン

「この香りを嗅いでみてください。
“依存”の香りです。
嗅いだ者は、自分の感情と相手の感情の区別がつかなくなる」

クリスティンはひやりとした。



■ クリスティン

「……ジャルディンの香り?」



■ ルシオン

「そう。あの男は“愛”という名で支配する。
香りを使う者の中でも、とりわけ危険な系統です」

ルシオンはクリスティンの手を取る。
触れたのは指先だけ。
でもそこには焦りも狂気もない。



■ ルシオン

「本物の愛の香りには、“自由”がある。
狂気ではなく、解放です」



クリスティンは息をのむ。

その手は優しく、
オーディンのような所有欲はなかった。
ジャルディンのような歪んだ独占もない。

ただ、寄り添う距離。



■ クリスティン

「……じゃあ、私は……
“本物”を嗅いだことがなかったのね」



■ ルシオン

「だからこそ、強くなれる。
狂気の香りに飲まれないために――
自分の香りを持てばいい」

彼は白い試香紙を差し出す。



■ ルシオン

「クリスティン。
あなた自身の“核となる香り”を作ってください。
それこそが黒香師に対抗する武器になります」



クリスティンの瞳に芯が宿る。



■ クリスティン

「……愛に殺されるのはもう嫌。
私は私の香りで、生きるわ」



ルシオンは微かに微笑む。
その微笑みは、彼女を利用する者の笑みではなかった。



■ ルシオン

「それでこそ、あなたです」
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