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ジャルデインの執着
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■ 地下温室・禁じられた花園
夕陽すら届かない、閉ざされた温室。
外の世界から隔離されたこの場所で、
ジャルディンはただひとり、花に手を添えていた。
淡く、青白く光る。
彼の“狂気の花園”が脈打つように震えている。
第二段階――
自らの命をすり減らす、禁じられた増殖法。
愛が狂気になる、もっと深い層へ。
■ ジャルディン・モノローグ
なんて残酷なんだ、愛というものは。
与えても、与えても、
無関心で返される。
燃え上がるほど求めても、
報われない。
ならいっそ、
このまま狂ってしまいたい。
クリスティン。
君は、俺を壊すんだ。
壊すくせに、指一本触れてくれない。
囚えたい。
閉じ込めたい。
だけど――
花を汚したくないんだ。
君が触れたら、ここは聖域になる。
俺の欲望で汚してはいけない。
君を閉じ込められない理由が、
君自身だなんて。
なんて残酷なんだろう。
■ 禁断の“香りの苗床”
木の根元に、漆黒の球体が埋め込まれていた。
それは、香りの暴走を起こす“核”――
命を削る禁呪を組み合わせた、狂気の中心。
これを使えば、
街ごと香りに飲み込まれる。
最初に溺れるのは、
彼女だ。
でも、彼女は香りに強い。
狂気の香りを跳ね返す。
その度に、俺はさらに狂う。
ジャルディン
「……ああ、もう……
どうしてなんだよ……クリスティン……」
声が震えた。
胸の奥が焼けている。
■ ジャルディン
逃げられた。
花園を破られた。
力を見せつけられた。
そして――
あの男(ルシオン)に奪われそうだ。
あの人に……殺されそうだ。
あいつは、俺より強い。
彼女の「自由」を守ると言った。
俺の“閉じ込めたい愛”とは対極の男だ。
勝てる気がしない。
勝てる未来が見えない。
なのに、
君への想いは消えない。
ジャルディン
「……クリスティン……
いっそ、俺を殺してくれよ……」
それでも手を止めない。
花の苗床を育てる。
狂気を増幅させる。
愛を歪ませる。
壊れていくのは、俺の方だ。
ジャルディン・モノローグ
刹那に狂いそうだ。
息の仕方さえ忘れそうだ。
でも、次こそは――
君を捕まえる。
壊すんじゃない。
手に入れるんだ。
手に入れたあとで壊れるなら、それでいい。
愛が狂気で何が悪い。
これは俺の愛だ。
暗い花園が、
ジャルディンの心臓と同じリズムで脈打つ。
第二段階――完成。
狂い切れぬ愛が、花を咲かせる
――“黒香師”第二段階、発動。
朝。
街の広場に、ゆっくりと風が流れた。
最初に異変に気づいたのは、
クリスティンだった。
胸の奥がざわつく。
呼吸のリズムが狂う。
空気が…“重い”。
これは——香りが壊れている。
■ 街の異常
通りの端で、子供がしゃがみこんだ。
「……気持ち悪い……お腹……」
次に、店先の職人が額を押さえる。
「なんだ……頭がクラクラする……?」
さらに、レディが壁にもたれ、肩で息をしていた。
「息が……吸えない……苦しい……のどが焼ける……」
そして——
広場の真ん中で、男が突然倒れた。
バタン、と地面に響く音。
周囲の人々が悲鳴をあげる。
「ちょっと!誰か!倒れたわよ!」
「なんだ、この空気……重い……息が……」
人々の肌が赤く腫れ、
腕をかきむしるように痒がり始める。
「かゆ……かゆい……っ!」
「目が……しみる……なんだこれ……!」
じわじわと広がる不可視の香り。
街全体が、息苦しさに包まれていく。
<クリスティンの感覚>
(クリスティン視点)
風が……変だ。
普通、香りには輪郭がある。
甘い、辛い、苦い、爽やか、冷ややか——。
でも今は違う。
匂いが“形を失っている”。
香りが腐っている。
死んだ花のような匂い。
これは香りじゃない。
毒だ。
「……最悪ね。ジャルディン……やったわね」
足元の石畳が揺れるように感じた。
街が香りの膜で覆われている。
■ パニックの拡大
「おい!店の中でも息ができねぇぞ!」
「扉を閉めろ!風を入れるな!!」
「ダメよ、香りがもう蔓延してる!外も中も同じよ!」
衛兵たちも次々と倒れていく。
走り出した青年が、そのまま膝をつく。
「うっ……胸が……苦しい……っ」
周囲の人が彼を引き起こそうとするが、
触れた途端、触れた相手までも咳き込み出す。
人が多い場所ほど、被害は加速する。
香りの“波”が押し寄せている。
■ クリスティンの決意
クリスティンは、スカートの裾をつまんで走り出した。
「城の香防室(アロマ・シェルター)……!
急がないと……」
脳裏に浮かぶのはルシオンの顔。
彼は感覚が敏感すぎる。
彼の体なら、この毒の香りに真っ先にやられる。
「ルシオン!」
■ 一方その頃:ルシオン
城の屋上。
彼は既に空気の異常を察していた。
「……くそ……街が……始まったな……」
喉が焼けつくように痛い。
だが、耐える。
クリスティンを守るために、
ここまで鍛えてきた。
「来るなよ、クリスティン……!
この空気は……お前には危険すぎる……!」
でも、
彼女は必ず来る。
そう確信して、
ルシオンは城の扉へ走り込んだ。
■ そして――
街全体を覆う、不可視の香りの膜。
どこかでジャルディンが微笑んでいる。
「ようこそ……第二段階へ。
さあ、クリスティン。
次は君だ。」
街は混乱し、クリスティンはスカートを揺らして城へ走った。
だが、途中で足が止まる。
――空気の層が揺れた。
ほんの一瞬、白い霧のような香りが横切る。
次の瞬間、耳元で声がした。
■ ジャルディンの“幻香(まぼろしのかおり)”
「怒った君は……なんて美しいんだろうね、クリスティン」
(来たわね、最悪の男……!)
「こんな大惨事を起こすなんて——」
クリスティン、ブチギレ。
「ふざけるんじゃないわよ!
街を毒の香りで覆って、何考えてるの!?」
幻香の向こうで、ジャルディンが息を震わせて笑う。
「クリスティンが欲しいからだよ。
君だけがいれば、世界なんてどうでもいい。
俺はもう……狂い始めてる。止められない」
クリスティンは歯を食いしばった。
「狂ってるわよ、あんた!
平民だから私と結ばれないのに、何を考えて——」
そのとき。
■ ルシオン登場(幻香を斬るように現れる)
「……まだそこにこだわるのか?」
クリスティン「えっ?」
ルシオンは息を切らしながらも、鋭い眼光で彼女を見つめる。
「お前……命を狙われてるって自覚ある?
“身分の差”を気にしてる場合か?」
クリスティン「だって、平民よ? 結婚でき——」
ルシオン「いやいやいや!
まずそこツッコむ!?
どうでもいいだろ、そんなの!!」
ジャルディンの幻香が、くすりと笑う。
「ほらね、ルシオン。
彼女はまだ知らないんだよ。
“愛”が身分に勝つ世界もあるってことを」
クリスティン「私は知ってるわよ!?でも——」
ルシオン(呆れ)
「……鈍いって言われたこと、本当にないのか?」
クリスティン「ないと思うけど?」
幻香のジャルディンが甘く囁く。
「鈍くてもいいよ、クリスティン。
君は、そのままがいい……
俺だけが、全部わかっている」
クリスティン「いや、怖いわその愛!!」
■ 急転直下
ルシオンが彼女の腕を強く引いた。
「クリスティン、走るぞ!
あいつの香り、今はまだ“幻”だけど、すぐ本物が来る!」
幻香が風にちぎれながら、なおも囁く。
「逃げないでよ、クリスティン……
君が逃げるほど、俺は狂うんだ……」
クリスティン
「いや、狂ってほしくないし!
私、普通の恋愛がしたいの!」
ルシオン
「……普通の恋愛って、俺のことか?」
クリスティン
「違うわよ!!」
(ルシオンがちょっと傷ついた顔をした)
■ 最後に残るジャルディンの声
薄れゆく香りの中で、彼の声だけが残った。
「……でもね、クリスティン。
君が逃げれば逃げるほど、
俺は君の香りを追い続けるよ」
「君が“俺の運命の香り”だから。」
クリスティン
「知らないわよ!!」
ルシオン
「(ぼそ)……俺も運命くらい言わせろよ」
夕陽すら届かない、閉ざされた温室。
外の世界から隔離されたこの場所で、
ジャルディンはただひとり、花に手を添えていた。
淡く、青白く光る。
彼の“狂気の花園”が脈打つように震えている。
第二段階――
自らの命をすり減らす、禁じられた増殖法。
愛が狂気になる、もっと深い層へ。
■ ジャルディン・モノローグ
なんて残酷なんだ、愛というものは。
与えても、与えても、
無関心で返される。
燃え上がるほど求めても、
報われない。
ならいっそ、
このまま狂ってしまいたい。
クリスティン。
君は、俺を壊すんだ。
壊すくせに、指一本触れてくれない。
囚えたい。
閉じ込めたい。
だけど――
花を汚したくないんだ。
君が触れたら、ここは聖域になる。
俺の欲望で汚してはいけない。
君を閉じ込められない理由が、
君自身だなんて。
なんて残酷なんだろう。
■ 禁断の“香りの苗床”
木の根元に、漆黒の球体が埋め込まれていた。
それは、香りの暴走を起こす“核”――
命を削る禁呪を組み合わせた、狂気の中心。
これを使えば、
街ごと香りに飲み込まれる。
最初に溺れるのは、
彼女だ。
でも、彼女は香りに強い。
狂気の香りを跳ね返す。
その度に、俺はさらに狂う。
ジャルディン
「……ああ、もう……
どうしてなんだよ……クリスティン……」
声が震えた。
胸の奥が焼けている。
■ ジャルディン
逃げられた。
花園を破られた。
力を見せつけられた。
そして――
あの男(ルシオン)に奪われそうだ。
あの人に……殺されそうだ。
あいつは、俺より強い。
彼女の「自由」を守ると言った。
俺の“閉じ込めたい愛”とは対極の男だ。
勝てる気がしない。
勝てる未来が見えない。
なのに、
君への想いは消えない。
ジャルディン
「……クリスティン……
いっそ、俺を殺してくれよ……」
それでも手を止めない。
花の苗床を育てる。
狂気を増幅させる。
愛を歪ませる。
壊れていくのは、俺の方だ。
ジャルディン・モノローグ
刹那に狂いそうだ。
息の仕方さえ忘れそうだ。
でも、次こそは――
君を捕まえる。
壊すんじゃない。
手に入れるんだ。
手に入れたあとで壊れるなら、それでいい。
愛が狂気で何が悪い。
これは俺の愛だ。
暗い花園が、
ジャルディンの心臓と同じリズムで脈打つ。
第二段階――完成。
狂い切れぬ愛が、花を咲かせる
――“黒香師”第二段階、発動。
朝。
街の広場に、ゆっくりと風が流れた。
最初に異変に気づいたのは、
クリスティンだった。
胸の奥がざわつく。
呼吸のリズムが狂う。
空気が…“重い”。
これは——香りが壊れている。
■ 街の異常
通りの端で、子供がしゃがみこんだ。
「……気持ち悪い……お腹……」
次に、店先の職人が額を押さえる。
「なんだ……頭がクラクラする……?」
さらに、レディが壁にもたれ、肩で息をしていた。
「息が……吸えない……苦しい……のどが焼ける……」
そして——
広場の真ん中で、男が突然倒れた。
バタン、と地面に響く音。
周囲の人々が悲鳴をあげる。
「ちょっと!誰か!倒れたわよ!」
「なんだ、この空気……重い……息が……」
人々の肌が赤く腫れ、
腕をかきむしるように痒がり始める。
「かゆ……かゆい……っ!」
「目が……しみる……なんだこれ……!」
じわじわと広がる不可視の香り。
街全体が、息苦しさに包まれていく。
<クリスティンの感覚>
(クリスティン視点)
風が……変だ。
普通、香りには輪郭がある。
甘い、辛い、苦い、爽やか、冷ややか——。
でも今は違う。
匂いが“形を失っている”。
香りが腐っている。
死んだ花のような匂い。
これは香りじゃない。
毒だ。
「……最悪ね。ジャルディン……やったわね」
足元の石畳が揺れるように感じた。
街が香りの膜で覆われている。
■ パニックの拡大
「おい!店の中でも息ができねぇぞ!」
「扉を閉めろ!風を入れるな!!」
「ダメよ、香りがもう蔓延してる!外も中も同じよ!」
衛兵たちも次々と倒れていく。
走り出した青年が、そのまま膝をつく。
「うっ……胸が……苦しい……っ」
周囲の人が彼を引き起こそうとするが、
触れた途端、触れた相手までも咳き込み出す。
人が多い場所ほど、被害は加速する。
香りの“波”が押し寄せている。
■ クリスティンの決意
クリスティンは、スカートの裾をつまんで走り出した。
「城の香防室(アロマ・シェルター)……!
急がないと……」
脳裏に浮かぶのはルシオンの顔。
彼は感覚が敏感すぎる。
彼の体なら、この毒の香りに真っ先にやられる。
「ルシオン!」
■ 一方その頃:ルシオン
城の屋上。
彼は既に空気の異常を察していた。
「……くそ……街が……始まったな……」
喉が焼けつくように痛い。
だが、耐える。
クリスティンを守るために、
ここまで鍛えてきた。
「来るなよ、クリスティン……!
この空気は……お前には危険すぎる……!」
でも、
彼女は必ず来る。
そう確信して、
ルシオンは城の扉へ走り込んだ。
■ そして――
街全体を覆う、不可視の香りの膜。
どこかでジャルディンが微笑んでいる。
「ようこそ……第二段階へ。
さあ、クリスティン。
次は君だ。」
街は混乱し、クリスティンはスカートを揺らして城へ走った。
だが、途中で足が止まる。
――空気の層が揺れた。
ほんの一瞬、白い霧のような香りが横切る。
次の瞬間、耳元で声がした。
■ ジャルディンの“幻香(まぼろしのかおり)”
「怒った君は……なんて美しいんだろうね、クリスティン」
(来たわね、最悪の男……!)
「こんな大惨事を起こすなんて——」
クリスティン、ブチギレ。
「ふざけるんじゃないわよ!
街を毒の香りで覆って、何考えてるの!?」
幻香の向こうで、ジャルディンが息を震わせて笑う。
「クリスティンが欲しいからだよ。
君だけがいれば、世界なんてどうでもいい。
俺はもう……狂い始めてる。止められない」
クリスティンは歯を食いしばった。
「狂ってるわよ、あんた!
平民だから私と結ばれないのに、何を考えて——」
そのとき。
■ ルシオン登場(幻香を斬るように現れる)
「……まだそこにこだわるのか?」
クリスティン「えっ?」
ルシオンは息を切らしながらも、鋭い眼光で彼女を見つめる。
「お前……命を狙われてるって自覚ある?
“身分の差”を気にしてる場合か?」
クリスティン「だって、平民よ? 結婚でき——」
ルシオン「いやいやいや!
まずそこツッコむ!?
どうでもいいだろ、そんなの!!」
ジャルディンの幻香が、くすりと笑う。
「ほらね、ルシオン。
彼女はまだ知らないんだよ。
“愛”が身分に勝つ世界もあるってことを」
クリスティン「私は知ってるわよ!?でも——」
ルシオン(呆れ)
「……鈍いって言われたこと、本当にないのか?」
クリスティン「ないと思うけど?」
幻香のジャルディンが甘く囁く。
「鈍くてもいいよ、クリスティン。
君は、そのままがいい……
俺だけが、全部わかっている」
クリスティン「いや、怖いわその愛!!」
■ 急転直下
ルシオンが彼女の腕を強く引いた。
「クリスティン、走るぞ!
あいつの香り、今はまだ“幻”だけど、すぐ本物が来る!」
幻香が風にちぎれながら、なおも囁く。
「逃げないでよ、クリスティン……
君が逃げるほど、俺は狂うんだ……」
クリスティン
「いや、狂ってほしくないし!
私、普通の恋愛がしたいの!」
ルシオン
「……普通の恋愛って、俺のことか?」
クリスティン
「違うわよ!!」
(ルシオンがちょっと傷ついた顔をした)
■ 最後に残るジャルディンの声
薄れゆく香りの中で、彼の声だけが残った。
「……でもね、クリスティン。
君が逃げれば逃げるほど、
俺は君の香りを追い続けるよ」
「君が“俺の運命の香り”だから。」
クリスティン
「知らないわよ!!」
ルシオン
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