121 / 139
121≪尾てい骨骨折・1≫
しおりを挟む
新・ここは世田谷豪徳寺・24(さくら編)
121≪尾てい骨骨折・1≫
今日は、年に数回しかない不快な日だ。
小学校の頃から思ってんだけど、なんで日曜と祭日の間の日って休みにならないのかなあ。
太っ腹に三連休にして残りの日に集中してやった方が絶対効率がいい。
先週は敬老の日のハッピーマンデーの三連休だったことと、もう一つの事情で、余計そう感じる。
ここんとこ、由美(学級員の米井由美)と佐伯君のことで気を使ったせいかもしれない。
昨日は起きたら三時だった。午後の三時。あたしの日曜はどこへ行ったんだ!?って感じ。
それもすっきりした目覚めではなかった。なんだか頭がボーっとして、まだ寝たりない。
シャワーでも浴びてすっきりしようと思って階段を降りたら、下から二段目で踏み外した。
ウ……
しばらく声が出ないで、数秒たってから「アタタタ……」になった。
尾てい骨をしたたかに打ってしまったようで、あたしの遠いご先祖がお猿さんであったことを久々に思い出す。
「何やってんのよ、こんな時間に」
とパソコン見てたさつきネエが顔を出す。
「なによ、あれだけ寝といて、そのブチャムクレは!?」
「せっかくの休みだから寝ダメしてたの!」
「ハハ、ねだめカンタービレだ」
古いギャグを言う。
「お姉ちゃんだって、五十歩百歩の時間に起きたんでしょうが」
「昼には起きてたわよ。どうしたオケツ打ったか?」
「ちょっちね。ご先祖がお猿さんだってこと自覚した」
「さくらはマンマだけどね。それにしても痛そうだね、あたしが見たたげようか?」
「けっこうです!」
「尾てい骨骨折だったら、お医者さんに診てもらわなきゃダメだよ」
「大丈夫だったら!」
ふと、お医者さんに行ってお尻丸出しで診てもらってる様子が頭に浮かんで、どーしよと思ったけど、お姉ちゃんのニクソイ笑顔の前で弱みは見せられない。
平気な顔して浴室へ。
しだいに痛みが薄れてきたのでシャワー浴びてリフレッシュ! オーシ、残りの休日を取り戻さなきゃと思って着替えに手を伸ばす……と、パンツが無かった。寝ぼけて忘れたんだ。仕方ないんでバスタオル体に巻いて取りに行く。
階段の下までいくとパンツが降ってきた。
「さくら、あんた、もう高2なんだからキャラプリのおパンツなんかよしなよ」
「も-、取りに行くとこだったの!」
「タンスの前に落っことしてたのよ、あんた」
「お姉ちゃんに関係ないよ!」
アミダラ女王とレイア姫のは、あたしのラッキーアイテムなんだ。
スターウォーズは後から観たんだけど、メグ・キャボットの『プリンセスダイアリー』でハマってしまった。
主人公のミアは、このおパンツでジェノヴィアの王女になったんだ。あたしも、入試はこれで合格した。リラックスしたいときや、ここ一番の勝負のときは、これに決めている。あ、勝負たって、世間がいうとこの勝負とは違うので念のため。
部屋に戻ってパソコン起こして座ろうとしたら激痛!
「ウッ!!」
尾てい骨を忘れていた(-_-;)。
少し前かがみで座ると、痛みがない。その姿勢で『尾てい骨骨折』を検索。自然治癒を待つ以外に手が無いことを知り、安心したり落胆したり。
「そんな姿勢で見てると目わるくするよ。お医者さんに……」
「自然治癒しか手が無いの!」
「アハハ、明日から学校どうするつもりよ。タチッパで授業受けるわけにいかないでしょ……」
そうだ、学校で、こんなみっともない姿勢で座っているわけにはいかない。しばし研究の結果、座るときに気を付けることや、座っているときは左右どちらかに重心を寄せればヘッチャラということに気づく。
でも、慣れて忘れたころに姿勢を戻すと、また「ウッ!!」ということになる。
で、夕べは安静第一と、9時にはベッドに入った。
で、延べ10時間近く寝たというのに、まだ眠い。
豪徳寺で電車に乗ったら、奇跡的に目の前のシートが空いていた……が、座るわにわいかない。すると、なんという偶然、四ノ宮クンが横にやってきて、あたしが座る意思が無いとみて、さっさと座ってしまった。
「あ、やっぱさくらだ。良かった、おれ?」
「あ、いいですよ。今日から健康のために車内では立つことにしたんです」
「ふうん、でも、ホームで何回もアクビしてたけど、徹夜で勉強?」
「あ、まあ、そんなとこです」
本当のことなんか言えない。
こうして、あたしの『ねだめカンタービレ』が始まった。
121≪尾てい骨骨折・1≫
今日は、年に数回しかない不快な日だ。
小学校の頃から思ってんだけど、なんで日曜と祭日の間の日って休みにならないのかなあ。
太っ腹に三連休にして残りの日に集中してやった方が絶対効率がいい。
先週は敬老の日のハッピーマンデーの三連休だったことと、もう一つの事情で、余計そう感じる。
ここんとこ、由美(学級員の米井由美)と佐伯君のことで気を使ったせいかもしれない。
昨日は起きたら三時だった。午後の三時。あたしの日曜はどこへ行ったんだ!?って感じ。
それもすっきりした目覚めではなかった。なんだか頭がボーっとして、まだ寝たりない。
シャワーでも浴びてすっきりしようと思って階段を降りたら、下から二段目で踏み外した。
ウ……
しばらく声が出ないで、数秒たってから「アタタタ……」になった。
尾てい骨をしたたかに打ってしまったようで、あたしの遠いご先祖がお猿さんであったことを久々に思い出す。
「何やってんのよ、こんな時間に」
とパソコン見てたさつきネエが顔を出す。
「なによ、あれだけ寝といて、そのブチャムクレは!?」
「せっかくの休みだから寝ダメしてたの!」
「ハハ、ねだめカンタービレだ」
古いギャグを言う。
「お姉ちゃんだって、五十歩百歩の時間に起きたんでしょうが」
「昼には起きてたわよ。どうしたオケツ打ったか?」
「ちょっちね。ご先祖がお猿さんだってこと自覚した」
「さくらはマンマだけどね。それにしても痛そうだね、あたしが見たたげようか?」
「けっこうです!」
「尾てい骨骨折だったら、お医者さんに診てもらわなきゃダメだよ」
「大丈夫だったら!」
ふと、お医者さんに行ってお尻丸出しで診てもらってる様子が頭に浮かんで、どーしよと思ったけど、お姉ちゃんのニクソイ笑顔の前で弱みは見せられない。
平気な顔して浴室へ。
しだいに痛みが薄れてきたのでシャワー浴びてリフレッシュ! オーシ、残りの休日を取り戻さなきゃと思って着替えに手を伸ばす……と、パンツが無かった。寝ぼけて忘れたんだ。仕方ないんでバスタオル体に巻いて取りに行く。
階段の下までいくとパンツが降ってきた。
「さくら、あんた、もう高2なんだからキャラプリのおパンツなんかよしなよ」
「も-、取りに行くとこだったの!」
「タンスの前に落っことしてたのよ、あんた」
「お姉ちゃんに関係ないよ!」
アミダラ女王とレイア姫のは、あたしのラッキーアイテムなんだ。
スターウォーズは後から観たんだけど、メグ・キャボットの『プリンセスダイアリー』でハマってしまった。
主人公のミアは、このおパンツでジェノヴィアの王女になったんだ。あたしも、入試はこれで合格した。リラックスしたいときや、ここ一番の勝負のときは、これに決めている。あ、勝負たって、世間がいうとこの勝負とは違うので念のため。
部屋に戻ってパソコン起こして座ろうとしたら激痛!
「ウッ!!」
尾てい骨を忘れていた(-_-;)。
少し前かがみで座ると、痛みがない。その姿勢で『尾てい骨骨折』を検索。自然治癒を待つ以外に手が無いことを知り、安心したり落胆したり。
「そんな姿勢で見てると目わるくするよ。お医者さんに……」
「自然治癒しか手が無いの!」
「アハハ、明日から学校どうするつもりよ。タチッパで授業受けるわけにいかないでしょ……」
そうだ、学校で、こんなみっともない姿勢で座っているわけにはいかない。しばし研究の結果、座るときに気を付けることや、座っているときは左右どちらかに重心を寄せればヘッチャラということに気づく。
でも、慣れて忘れたころに姿勢を戻すと、また「ウッ!!」ということになる。
で、夕べは安静第一と、9時にはベッドに入った。
で、延べ10時間近く寝たというのに、まだ眠い。
豪徳寺で電車に乗ったら、奇跡的に目の前のシートが空いていた……が、座るわにわいかない。すると、なんという偶然、四ノ宮クンが横にやってきて、あたしが座る意思が無いとみて、さっさと座ってしまった。
「あ、やっぱさくらだ。良かった、おれ?」
「あ、いいですよ。今日から健康のために車内では立つことにしたんです」
「ふうん、でも、ホームで何回もアクビしてたけど、徹夜で勉強?」
「あ、まあ、そんなとこです」
本当のことなんか言えない。
こうして、あたしの『ねだめカンタービレ』が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
美人生徒会長は、俺の料理の虜です!~二人きりで過ごす美味しい時間~
root-M
青春
高校一年生の三ツ瀬豪は、入学早々ぼっちになってしまい、昼休みは空き教室で一人寂しく弁当を食べる日々を過ごしていた。
そんなある日、豪の前に目を見張るほどの美人生徒が現れる。彼女は、生徒会長の巴あきら。豪のぼっちを察したあきらは、「一緒に昼食を食べよう」と豪を生徒会室へ誘う。
すると、あきらは豪の手作り弁当に強い興味を示し、卵焼きを食べたことで豪の料理にハマってしまう。一方の豪も、自分の料理を絶賛してもらえたことが嬉しくて仕方ない。
それから二人は、毎日生徒会室でお昼ご飯を食べながら、互いのことを語り合い、ゆっくり親交を深めていく。家庭の味に飢えているあきらは、豪の作るおかずを実に幸せそうに食べてくれるのだった。
やがて、あきらの要求はどんどん過激(?)になっていく。「わたしにもお弁当を作って欲しい」「お弁当以外の料理も食べてみたい」「ゴウくんのおうちに行ってもいい?」
美人生徒会長の頼み、断れるわけがない!
でも、この生徒会、なにかちょっとおかしいような……。
※時代設定は2018年頃。お米も卵も今よりずっと安価です。
※他のサイトにも投稿しています。
イラスト:siroma様
初恋♡リベンジャーズ
遊馬友仁
青春
【第五部開始】
高校一年生の春休み直前、クラスメートの紅野アザミに告白し、華々しい玉砕を遂げた黒田竜司は、憂鬱な気持ちのまま、新学期を迎えていた。そんな竜司のクラスに、SNSなどでカリスマ的人気を誇る白草四葉が転入してきた。
眉目秀麗、容姿端麗、美の化身を具現化したような四葉は、性格も明るく、休み時間のたびに、竜司と親友の壮馬に気さくに話しかけてくるのだが――――――。
転入早々、竜司に絡みだす、彼女の真の目的とは!?
◯ンスタグラム、ユ◯チューブ、◯イッターなどを駆使して繰り広げられる、SNS世代の新感覚復讐系ラブコメディ、ここに開幕!
第二部からは、さらに登場人物たちも増え、コメディ要素が多めとなります(予定)
【完結】イケメンが邪魔して本命に告白できません
竹柏凪紗
青春
高校の入学式、芸能コースに通うアイドルでイケメンの如月風磨が普通科で目立たない最上碧衣の教室にやってきた。女子たちがキャーキャー騒ぐなか、風磨は碧衣の肩を抱き寄せ「お前、今日から俺の女な」と宣言する。その真意とウソつきたちによって複雑になっていく2人の結末とは──
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる