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053『ブラウニーの右手と左足・2』
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やくもあやかし物語 2
053『ブラウニーの右手と左足・2』
朝から二回も妖怪をやっつけたやくもは敵の動きに付いていけないよぉ。
冬の体育で持久走ってやるじゃない。グラウンドを何周も走らされるやつ。たいてい十周以上だよね。
その持久走で、やっとゴールと思ったら勘違いで「小泉、あと一周!」って先生に言われた時の――ええ(;'∀')――って時の感じ。
数学の宿題やってて、終わったと思ったら、もう一ページあったときの感じ。
いいや、ナザニエル卿は「入り込んでいる妖は七種類」と言っていたから、ブラウニーの義手義足を入れて、まだ五匹はいるわけ。
夏休みの宿題を試しにやってみたら、けっこう大変で、一覧表見たら、まだまだあって尻餅付いた時の気分。
つまり、ハナから気持ちが負けてるんで、ミチビキ鉛筆は奮闘してくれるんだけど、なかなか有効な攻撃ができない。
ピシュ!
義手が手刀になって頬を掠める。
ブン!
義足が回し蹴りをかけてくる。
鉛筆のお蔭で、なんとかかわすけど、次は喰らってしまうかもしれない。
なまじシュガートーストをひと齧りしたものだから、かえって腹ペコが増幅されて目が回りそう。
『やくも、耳を貸せ……ゴニョゴニョ……』
鉛筆に耳を貸すと――そんなことをやったら敵の力が強くなるぅ!――と思ったけど、ミチビキ鉛筆というくらいだから効果があるのかも。
やくも:「ねえ、義手義足ぅ」
義手:『おれたちはそんな名前ではない』
やくも:「えぇ……じゃあ、なんて名前?」
義足:『プロセスティック、複数で言う時はプロセスティックスだ』
やくも;「うう……発音むつかしい……プロセス」
義手:『略すな』
義足:『まあ、愚かな東洋人には難しいんだろ』
義手:『そうだな、見ればまだ小学生のようだし』
義足:『子どもが、どうして王立魔法学校に入れるんだ?』
やくも:「小学生じゃないもん!」
義手:『じゃあ、チビだ』
義足:『そのチビが、なんの話だ?』
やくも:「チンタラ戦うのは面倒だから、まとまって向かって来なさいよ!」
義手・義足:『なんだとぉ?』
ヤバ……なんかチョー本気で怒ってる感じだよ(;゚Д゚)
グルングルン……二匹で回ったかと思うと、次に距離をとる。
エイ! ガチコーーン!
掛け声と共に合体して、そのまま旋回!
グァラングァラン……
ゆっくりした旋回は、少しずつ早くなっていく。助走をつけてる感じ。
ヤバイ、あのまま勢いを増して飛んでこられたら一巻の終わり!
ところが、ググァンと加速したとたん、空中を不規則に暴れるように飛ぶ。
義手:『ちょ、どこに行く!?』
義足:『お、お前こそ!?』
義手:『ちょ、停まれ!』
義足:『ちょ、お前こそ!』
バチコーーーン!!
義手義足、いやプロセス二匹は合体したまま結界にぶつかって穴をあけ、そのはずみで下に落ちていく。
「すごい、言った通り自滅していったよぉ(゚д゚)!」
『そうだろ、あいつら質量が違うからな、合体したらバランスが取れなくて暴走するんだ』
「さすが、ミチビキ鉛筆!」
開いた穴は、すぐに木の葉がいっぱい飛んできてワシャワシャと修復にかかる。
森との連携はますますよくなってきている感じ。
校舎に戻ると、二匹のプロセスはただの義手義足に戻って、ブラウニーの手足に戻った。
でも、やっぱり扱いにくそうなので、ティターニアがオーベロンに命じて新しいのを作ってあげることになった。
三匹も連続してやっつけた。森の住人たちも二匹やっつけて、残り二匹は逃げ出してしまったみたい(^_^;)。
とりあえず、めでたしめでたし。
☆彡主な登場人物
やくも 斎藤やくも ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生 ミチビキ鉛筆、おもいやり等が武器
ネル コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ
ヨリコ王女 ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師
メグ・キャリバーン 教頭先生
カーナボン卿 校長先生
酒井 詩 コトハ 聴講生
同級生たち アーデルハイド メイソン・ヒル オリビア・トンプソン ロージー・エドワーズ
先生たち マッコイ(言語学) ソミア(変換魔法) フローレンス(保健室)
あやかしたち デラシネ 六条御息所 ティターニア オーベロン 三方 少彦名 朝飯前のラビリンス くわせもの ブラウニー(家事妖精) プロセス(プロセスティック=義手・義足の妖)
053『ブラウニーの右手と左足・2』
朝から二回も妖怪をやっつけたやくもは敵の動きに付いていけないよぉ。
冬の体育で持久走ってやるじゃない。グラウンドを何周も走らされるやつ。たいてい十周以上だよね。
その持久走で、やっとゴールと思ったら勘違いで「小泉、あと一周!」って先生に言われた時の――ええ(;'∀')――って時の感じ。
数学の宿題やってて、終わったと思ったら、もう一ページあったときの感じ。
いいや、ナザニエル卿は「入り込んでいる妖は七種類」と言っていたから、ブラウニーの義手義足を入れて、まだ五匹はいるわけ。
夏休みの宿題を試しにやってみたら、けっこう大変で、一覧表見たら、まだまだあって尻餅付いた時の気分。
つまり、ハナから気持ちが負けてるんで、ミチビキ鉛筆は奮闘してくれるんだけど、なかなか有効な攻撃ができない。
ピシュ!
義手が手刀になって頬を掠める。
ブン!
義足が回し蹴りをかけてくる。
鉛筆のお蔭で、なんとかかわすけど、次は喰らってしまうかもしれない。
なまじシュガートーストをひと齧りしたものだから、かえって腹ペコが増幅されて目が回りそう。
『やくも、耳を貸せ……ゴニョゴニョ……』
鉛筆に耳を貸すと――そんなことをやったら敵の力が強くなるぅ!――と思ったけど、ミチビキ鉛筆というくらいだから効果があるのかも。
やくも:「ねえ、義手義足ぅ」
義手:『おれたちはそんな名前ではない』
やくも:「えぇ……じゃあ、なんて名前?」
義足:『プロセスティック、複数で言う時はプロセスティックスだ』
やくも;「うう……発音むつかしい……プロセス」
義手:『略すな』
義足:『まあ、愚かな東洋人には難しいんだろ』
義手:『そうだな、見ればまだ小学生のようだし』
義足:『子どもが、どうして王立魔法学校に入れるんだ?』
やくも:「小学生じゃないもん!」
義手:『じゃあ、チビだ』
義足:『そのチビが、なんの話だ?』
やくも:「チンタラ戦うのは面倒だから、まとまって向かって来なさいよ!」
義手・義足:『なんだとぉ?』
ヤバ……なんかチョー本気で怒ってる感じだよ(;゚Д゚)
グルングルン……二匹で回ったかと思うと、次に距離をとる。
エイ! ガチコーーン!
掛け声と共に合体して、そのまま旋回!
グァラングァラン……
ゆっくりした旋回は、少しずつ早くなっていく。助走をつけてる感じ。
ヤバイ、あのまま勢いを増して飛んでこられたら一巻の終わり!
ところが、ググァンと加速したとたん、空中を不規則に暴れるように飛ぶ。
義手:『ちょ、どこに行く!?』
義足:『お、お前こそ!?』
義手:『ちょ、停まれ!』
義足:『ちょ、お前こそ!』
バチコーーーン!!
義手義足、いやプロセス二匹は合体したまま結界にぶつかって穴をあけ、そのはずみで下に落ちていく。
「すごい、言った通り自滅していったよぉ(゚д゚)!」
『そうだろ、あいつら質量が違うからな、合体したらバランスが取れなくて暴走するんだ』
「さすが、ミチビキ鉛筆!」
開いた穴は、すぐに木の葉がいっぱい飛んできてワシャワシャと修復にかかる。
森との連携はますますよくなってきている感じ。
校舎に戻ると、二匹のプロセスはただの義手義足に戻って、ブラウニーの手足に戻った。
でも、やっぱり扱いにくそうなので、ティターニアがオーベロンに命じて新しいのを作ってあげることになった。
三匹も連続してやっつけた。森の住人たちも二匹やっつけて、残り二匹は逃げ出してしまったみたい(^_^;)。
とりあえず、めでたしめでたし。
☆彡主な登場人物
やくも 斎藤やくも ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生 ミチビキ鉛筆、おもいやり等が武器
ネル コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ
ヨリコ王女 ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁
ソフィー ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師
メグ・キャリバーン 教頭先生
カーナボン卿 校長先生
酒井 詩 コトハ 聴講生
同級生たち アーデルハイド メイソン・ヒル オリビア・トンプソン ロージー・エドワーズ
先生たち マッコイ(言語学) ソミア(変換魔法) フローレンス(保健室)
あやかしたち デラシネ 六条御息所 ティターニア オーベロン 三方 少彦名 朝飯前のラビリンス くわせもの ブラウニー(家事妖精) プロセス(プロセスティック=義手・義足の妖)
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