41 / 464
吾妻晶と清野早苗(第4話)
しおりを挟む
というわけで、神社の巫女さんに確認してみることにした。晶たちよりも年上で、右目の下に小さなほくろがあり、なかなか可愛らしい巫女さんである。
巫女さんの名前は春奈といった。チームメンバーに例えれば、大体薬師寺咲那や和泉鏡香と同じくらいの年齢だろう。優しそうなお姉さんといった感じで、周囲の蟲達にも好かれているようだった。
それにしても、小さなものから等身大のものまでさまざまな蟲がこの神社に集まっていた。もちろんここに集まっているのは益蟲ばかりだ。害蟲であれば、他者を害する意図を示す特殊な波動を放っている。こいつらには、そういった邪気はないので人に害を及ぼす心配はなさそうだ。
「うわあ、可愛いねえ」
なんとも気の抜けるような間延びした声で、早苗は近くにいる犬によく似た蟲を抱きかかえた。適応力が高い彼女は、すぐに誰とでも仲良くなろうとする・・・もちろん害蟲は別だが。
その犬・・・というか、目が点状態の着物(このサイズの着物があるとは)を着た蟲だ。頭に角が1本あるが、それ以外は子犬のようにも見える。早苗に抱きかかえられて、まんざらでもないのか、ハアハアと息をしながら盛んに尻尾を振って喜んでいる・・・まあ、単なるスケベ犬ではないと思いたいが。
「お嬢さん。もっとなでなでして」
・・・こいつはどうやら人間の言葉を理解できるらしいが、その会話の内容から、人間に例えれば多分セクハラ親父といったところだろう・・・。
「ここに来る蟲さん達はみんないい子ばかりですよ」
春奈が優しく微笑みながら、晶たちに応対する。さすがに鏡香や咲那ほどの美人ではなかったが、その笑顔は十分魅力的で、話し方もどことなく鏡香を連想させるものがあった。
彼女の頭の上に小さな蟲が飛びついた。前文明時代、RPGと呼ばれるゲームがあったが、そこでメジャーな敵としてよく使用されていた「スライム」によく似た形状の蟲だ。やはり目が点状態で、なんとも締まりのない口をしており、まるで敵意を感じない容姿をしている。実際に友好的な種族なのは、その気配から察することもできた。
多分、ここにいる蟲達は、頻繁にこの神社に集まっているのだろう。窺ってみたところ、ほとんどが春奈の顔見知りのようだった。
さっそく、この神社で少し舞を披露したいとの旨を春奈に伝える。舞といっても、晶も早苗も即興で行うだけで、別に伝統芸能を意識した本格的なものをやるわけではない。晶の笛の音に併せて早苗が2枚の扇を使って自由に踊るーこんなところだ。
「あら、楽しそうですね。いいですよ、蟲さん達もみんな喜ぶでしょうから」
春奈の返事に、蟲達も歓喜の声を上げた。どうやら、ここに集まっている蟲達は気のいい連中ばかりのようだ。
なんにせよ、相手に喜んでもらえるのなら、こちらとしてもやりがいがあるというものだ。春奈が蟲を一か所に集めて、晶や早苗が舞を披露できるスペースを確保する。
さて、久しぶりの「野外公演」だー害蟲駆除業者が蟲相手に公演というのもおかしな気がするが、これはこれで悪くはない。晶は笛を取り出すと、自身の唇に当てがったー。
巫女さんの名前は春奈といった。チームメンバーに例えれば、大体薬師寺咲那や和泉鏡香と同じくらいの年齢だろう。優しそうなお姉さんといった感じで、周囲の蟲達にも好かれているようだった。
それにしても、小さなものから等身大のものまでさまざまな蟲がこの神社に集まっていた。もちろんここに集まっているのは益蟲ばかりだ。害蟲であれば、他者を害する意図を示す特殊な波動を放っている。こいつらには、そういった邪気はないので人に害を及ぼす心配はなさそうだ。
「うわあ、可愛いねえ」
なんとも気の抜けるような間延びした声で、早苗は近くにいる犬によく似た蟲を抱きかかえた。適応力が高い彼女は、すぐに誰とでも仲良くなろうとする・・・もちろん害蟲は別だが。
その犬・・・というか、目が点状態の着物(このサイズの着物があるとは)を着た蟲だ。頭に角が1本あるが、それ以外は子犬のようにも見える。早苗に抱きかかえられて、まんざらでもないのか、ハアハアと息をしながら盛んに尻尾を振って喜んでいる・・・まあ、単なるスケベ犬ではないと思いたいが。
「お嬢さん。もっとなでなでして」
・・・こいつはどうやら人間の言葉を理解できるらしいが、その会話の内容から、人間に例えれば多分セクハラ親父といったところだろう・・・。
「ここに来る蟲さん達はみんないい子ばかりですよ」
春奈が優しく微笑みながら、晶たちに応対する。さすがに鏡香や咲那ほどの美人ではなかったが、その笑顔は十分魅力的で、話し方もどことなく鏡香を連想させるものがあった。
彼女の頭の上に小さな蟲が飛びついた。前文明時代、RPGと呼ばれるゲームがあったが、そこでメジャーな敵としてよく使用されていた「スライム」によく似た形状の蟲だ。やはり目が点状態で、なんとも締まりのない口をしており、まるで敵意を感じない容姿をしている。実際に友好的な種族なのは、その気配から察することもできた。
多分、ここにいる蟲達は、頻繁にこの神社に集まっているのだろう。窺ってみたところ、ほとんどが春奈の顔見知りのようだった。
さっそく、この神社で少し舞を披露したいとの旨を春奈に伝える。舞といっても、晶も早苗も即興で行うだけで、別に伝統芸能を意識した本格的なものをやるわけではない。晶の笛の音に併せて早苗が2枚の扇を使って自由に踊るーこんなところだ。
「あら、楽しそうですね。いいですよ、蟲さん達もみんな喜ぶでしょうから」
春奈の返事に、蟲達も歓喜の声を上げた。どうやら、ここに集まっている蟲達は気のいい連中ばかりのようだ。
なんにせよ、相手に喜んでもらえるのなら、こちらとしてもやりがいがあるというものだ。春奈が蟲を一か所に集めて、晶や早苗が舞を披露できるスペースを確保する。
さて、久しぶりの「野外公演」だー害蟲駆除業者が蟲相手に公演というのもおかしな気がするが、これはこれで悪くはない。晶は笛を取り出すと、自身の唇に当てがったー。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
異世界亜人熟女ハーレム製作者
†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です
【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる