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カルミナとブラーナ(第5話)
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何とか、男どもをたたき起こしたカルミナとブラーナは、そのまま連れ立って操舵室へと戻った。
「ったく、しっかりしてよ、アンタたち。配達や害蟲駆除のお仕事はたくさん溜まってるんだからね」
多少呆れ顔になってカルミナがぼやく。そして、そんなカルミナを隣でブラーナが微笑ましく見ていた。
実際、このところ忙しくてろくに休息も取れない日々が続いていた。その原因が・・・。
「魔力乱流の影響だな。おかげで害蟲や魔物どもが発生しやすくなってやがる」
卓の言う通り、魔力乱流と呼ばれる現象により、天空世界では害蟲の発生が深刻化していた。
魔力乱流とは、読んで字のごとく魔力の乱れから生ずる魔法災害の一種で、魔力濃度が地上よりも極めて高い天空世界だからこそ起きうる現象でもあった。
天空世界に浮かんでいる惑星や浮遊大陸は、その魔力濃度の高さにより、重力の楔から離れ、上空を周回できている。したがって、天空世界では魔力に事欠くことはないのだ。
だが、その一方で様々な災害も同時に発生している。この魔力乱流もその一つだ。
まれに発生する魔力乱流は、魔力濃度が局所的に高まった空域に発生し、再び層流に戻るまで、かなり激しい魔力移動をもたらす。その際に、魔物や害蟲が、その魔力の残滓から生み出されてしまうことがある。
ゆえに、魔物や害蟲による被害は、実は大樹や地底世界以上のものになることがある。
チーム《ラピュタ》のような、元は空賊上がりのファミリアでも、害蟲駆除や魔物退治を請け負うのは、そういった事情からだった。前文明時代における「お金」に該当するものに「ポイント」と呼ばれるものがあるが、その「ポイント」の稼ぎが良いというのも請け負う理由の一つではある。実際のところ、建前上は本業である配達業よりも、よっぽど稼ぎが良かったりする。
「しっかし、このところ休み抜きで働いているからな~。多少寝坊したくらいは大目に見てほしいぜ」
翔が赤毛の頭をぼりぼりとかきながらぼやく。
・・・尤も、カルミナ自身も、実は寝坊するところだっただけに、あまり強くは言えないのだが。
操舵室の扉を開く。席でおとなしくしている黒羽と、操舵輪を握っている武人がいた。
「おう、ようやく起きたか、おめえら」
「うーす」
「武人さん、おはようございます」
二人が眠そうな顔で挨拶する。
「おはようございます、お二人とも」
黒羽が小声で丁寧に挨拶する。いつも、外に出る時はフードを目深にかぶり、その上黒のコートで身を包んだ彼女は、容姿にはあまり気を使うタイプではない。しかし、地顔は小綺麗だし、人形のような雰囲気もあった。
ゆえに、カルミナ達ばかりではなく翔たちも、彼女については
「かわいいけれどなんか残念」
と認識されている・・・。
「おーす、黒羽」
「おはよう」
とりあえず、挨拶を返す二人。黒羽がこの調子なのは、いつものことであった。
「ようやくこれでメンツが揃ったわね。さっそくだけど、これからお仕事の内容を確認するわよ」
全員が揃ったのを確認して、カルミナが場を仕切り始める。彼女のこういうところが、武人や他の男どもが「お嬢」と呼ぶ一因となっていたりするー。
「ったく、しっかりしてよ、アンタたち。配達や害蟲駆除のお仕事はたくさん溜まってるんだからね」
多少呆れ顔になってカルミナがぼやく。そして、そんなカルミナを隣でブラーナが微笑ましく見ていた。
実際、このところ忙しくてろくに休息も取れない日々が続いていた。その原因が・・・。
「魔力乱流の影響だな。おかげで害蟲や魔物どもが発生しやすくなってやがる」
卓の言う通り、魔力乱流と呼ばれる現象により、天空世界では害蟲の発生が深刻化していた。
魔力乱流とは、読んで字のごとく魔力の乱れから生ずる魔法災害の一種で、魔力濃度が地上よりも極めて高い天空世界だからこそ起きうる現象でもあった。
天空世界に浮かんでいる惑星や浮遊大陸は、その魔力濃度の高さにより、重力の楔から離れ、上空を周回できている。したがって、天空世界では魔力に事欠くことはないのだ。
だが、その一方で様々な災害も同時に発生している。この魔力乱流もその一つだ。
まれに発生する魔力乱流は、魔力濃度が局所的に高まった空域に発生し、再び層流に戻るまで、かなり激しい魔力移動をもたらす。その際に、魔物や害蟲が、その魔力の残滓から生み出されてしまうことがある。
ゆえに、魔物や害蟲による被害は、実は大樹や地底世界以上のものになることがある。
チーム《ラピュタ》のような、元は空賊上がりのファミリアでも、害蟲駆除や魔物退治を請け負うのは、そういった事情からだった。前文明時代における「お金」に該当するものに「ポイント」と呼ばれるものがあるが、その「ポイント」の稼ぎが良いというのも請け負う理由の一つではある。実際のところ、建前上は本業である配達業よりも、よっぽど稼ぎが良かったりする。
「しっかし、このところ休み抜きで働いているからな~。多少寝坊したくらいは大目に見てほしいぜ」
翔が赤毛の頭をぼりぼりとかきながらぼやく。
・・・尤も、カルミナ自身も、実は寝坊するところだっただけに、あまり強くは言えないのだが。
操舵室の扉を開く。席でおとなしくしている黒羽と、操舵輪を握っている武人がいた。
「おう、ようやく起きたか、おめえら」
「うーす」
「武人さん、おはようございます」
二人が眠そうな顔で挨拶する。
「おはようございます、お二人とも」
黒羽が小声で丁寧に挨拶する。いつも、外に出る時はフードを目深にかぶり、その上黒のコートで身を包んだ彼女は、容姿にはあまり気を使うタイプではない。しかし、地顔は小綺麗だし、人形のような雰囲気もあった。
ゆえに、カルミナ達ばかりではなく翔たちも、彼女については
「かわいいけれどなんか残念」
と認識されている・・・。
「おーす、黒羽」
「おはよう」
とりあえず、挨拶を返す二人。黒羽がこの調子なのは、いつものことであった。
「ようやくこれでメンツが揃ったわね。さっそくだけど、これからお仕事の内容を確認するわよ」
全員が揃ったのを確認して、カルミナが場を仕切り始める。彼女のこういうところが、武人や他の男どもが「お嬢」と呼ぶ一因となっていたりするー。
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