テキトーすぎな《ユグドラシル》の皆さん

ミケとポン太

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モリガン一人旅(第11話)

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 しばらくの間、東方の娘の方に注意を向けることにした。

「あの女・・・明らかに邪術師を狙っておるしな・・・そのうち何か動きがあるじゃろ」

 容姿端麗だが、どこか近寄りがたい雰囲気の東方の娘ー彼女は、ゼルキンス村の門の辺りまで疾走すると、そこでふと立ち止まった。

「お」

 モリガンがにやりと唇の端を歪めた。

「あれに気づきおったか・・・さすがじゃな」

 村の門には、黒翼鳥から抜け落ちたような黒い羽根が突き刺さっていた。あの邪術師の魔力が実体化したものだ。邪術師を狙っている東方の娘は、どうやらその黒い羽根から微弱な魔力が放たれていることに気が付いたようだった。

 東方の娘が、その黒い羽根に向かって何やら叫び続けている。その光景は、傍から見ればこの娘の気が触れて、何やら一人で喚き散らしているようにも見えるが・・・。

「あの黒い羽根から、どうやら東方の娘の頭に直接声を送り込んでおるようじゃの」

 黒い羽根からの声は、東方の娘にしか届かない。だが、東方の娘の話す内容から、大体のことは推測できるー。

「なるほど、あの邪術師とこの娘の一騎打ち・・・といったことになりそうじゃの」

 東方の娘の周囲を飛び回らせていた使い魔に、周囲の様子も映像化して送らせることにする。

 この村から少し離れた場所に、小高い丘がある。どうやら、二人はそこでやり合うつもりのようだった。

「東方の娘と邪術師ー狩る者と狩られる者か」

 尤も、邪術師の方とておとなしく狩られるつもりはないだろう。果たして、この二人が戦えばどちらが勝つのかー。

「まあ、わしの方は、文字通りの高見の見物となりそうじゃの」

 モリガンの乗る飛空船は、未だ雲海の上ーさらに、使い魔も彼女らの上を飛び回っているとくれば、確かに文字通りの高見の見物である。

 普段、なかなか見られる戦いでないだけに、なんとも言えぬ緊張感と期待の入り混じったような感覚を覚えるモリガン。

「前文明時代の昔の映画よりも見ものかもしれん」

 モリガンは、先ほどまで分裂させていた使い魔を、再び1体に融合させて元の姿に戻し、そのまま東方の娘の後を追わせた。

「まあ、東方の技をこの目で拝めるよい機会じゃ。逃す手もないじゃろう」

 邪術師の方は、モリガン自身が魔女であることからもわかる通り、多少なりともその能力については推測できる。

 問題は、東方の娘の方だった。今後のためにも、ぜひその実力を見ておきたい。

「あやつが腰に差しているのは太刀かーとはいっても、咲那の天元一刀流とはまた違うようじゃしのう」

 案外、咲那と勝負させれば食い下がるやもしれないーなどと、思わず苦笑しながら映像を見つめるモリガンだったー。
 
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