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続・モリガン一人旅(第5話)
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森の中ー。
東方の女剣士にして、紫の飛空鎧の乗り手・アサギは、日も暮れて暗闇と静寂に閉ざされつつある森の中に足を踏み入れていたー。
「あの飛空鎧自体は牽引された後のようだったが、この森に足を踏み入れた者がいる痕跡はあるな・・・おそらくそれが、あの飛空鎧の乗り手のはずだ」
あの飛空鎧が牽引されていった場所も気にはなるが、まずは、近場であるこの森の中を確認することにした。
「足跡・・・というか、魔力を帯びたものがここを通った形跡を感じる・・・これをたどっていけば、何かわかるかもしれない」
しばらく森の中を無言で歩く。もう日も落ちて、森は闇の中に閉ざされてしまった。アサギが道を歩く音と、風が木々の葉を揺らす音だけが、寂寥感を伴いながら響き渡る。
「こっちで方角は合っているはずだが・・・む」
森の中程まで来たところ、道が左右に分かれており、そしてその近くに何やら看板らしき板を発見した。だが、この暗闇の中では、何が書いてあるのか判別は難しい。
「痕跡は・・・こちらの方からのようだ・・・もう少し足を運んでみるか」
アサギは、魔力の痕跡をたどって、楓のアトリエの方へと足を向けた。
「このような森の中に足を踏み入れるとは・・・やはり何かあると見た」
上空から確認した時は、さほど大きな森とは言えなかった。ただ、一軒家があることだけは確認できた。そして、その方角に向かって、魔力の痕跡は続いている。
「飛空鎧は別な場所に牽引し、乗り手自身はこの森に一時的に避難したーこんなところだろう」
飛空鎧そのものよりも乗り手の方が重要だ。自分が唯一仕留めそこなった飛空鎧の、その乗り手ー。
おそらく、飛空鎧だけではなく、普通に生身で戦うことになったとしても食い下がってくるのではないかと思われる。
「先ほどの邪術師と、どちらの方が実力が上か・・・」
さっき戦った邪術師は、全くの互角と言ってもいい勝負だった。そして、その勝負の最中、アサギは実力が拮抗した者同士での戦いに愉悦を覚えたのだった。
「あのようなことが、そう何度も起こるとは思えんが・・・」
思い出しただけで、自然と笑みが浮かんでくる。やはり、自分にとって戦いは人生の一部と化しているのがよく実感できた。
アサギは、そのまま暗闇が支配する森の中を歩き続けた。この先に待っているであろう彼に会うためにー。
ーー
「来おったな・・・」
使い魔の目を通して、モリガンはアサギがついにこのアトリエの前までたどり着いたことを確認した。
「お、おい、本当に来ちまったのか・・・」
「ああ」
「ああって・・・」
東方の女剣士がついに自分の隠れ家を見つけたー。
そのことだけで焦り出す楓に対し、モリガンは何ら焦るそぶりも見せず、悠然と構えている。
「さっきも言ったであろう、まあ、大丈夫じゃよ」
焦る楓に対して、軽くウィンクして応えるモリガン。彼女には、何やら策があるようだったー。
東方の女剣士にして、紫の飛空鎧の乗り手・アサギは、日も暮れて暗闇と静寂に閉ざされつつある森の中に足を踏み入れていたー。
「あの飛空鎧自体は牽引された後のようだったが、この森に足を踏み入れた者がいる痕跡はあるな・・・おそらくそれが、あの飛空鎧の乗り手のはずだ」
あの飛空鎧が牽引されていった場所も気にはなるが、まずは、近場であるこの森の中を確認することにした。
「足跡・・・というか、魔力を帯びたものがここを通った形跡を感じる・・・これをたどっていけば、何かわかるかもしれない」
しばらく森の中を無言で歩く。もう日も落ちて、森は闇の中に閉ざされてしまった。アサギが道を歩く音と、風が木々の葉を揺らす音だけが、寂寥感を伴いながら響き渡る。
「こっちで方角は合っているはずだが・・・む」
森の中程まで来たところ、道が左右に分かれており、そしてその近くに何やら看板らしき板を発見した。だが、この暗闇の中では、何が書いてあるのか判別は難しい。
「痕跡は・・・こちらの方からのようだ・・・もう少し足を運んでみるか」
アサギは、魔力の痕跡をたどって、楓のアトリエの方へと足を向けた。
「このような森の中に足を踏み入れるとは・・・やはり何かあると見た」
上空から確認した時は、さほど大きな森とは言えなかった。ただ、一軒家があることだけは確認できた。そして、その方角に向かって、魔力の痕跡は続いている。
「飛空鎧は別な場所に牽引し、乗り手自身はこの森に一時的に避難したーこんなところだろう」
飛空鎧そのものよりも乗り手の方が重要だ。自分が唯一仕留めそこなった飛空鎧の、その乗り手ー。
おそらく、飛空鎧だけではなく、普通に生身で戦うことになったとしても食い下がってくるのではないかと思われる。
「先ほどの邪術師と、どちらの方が実力が上か・・・」
さっき戦った邪術師は、全くの互角と言ってもいい勝負だった。そして、その勝負の最中、アサギは実力が拮抗した者同士での戦いに愉悦を覚えたのだった。
「あのようなことが、そう何度も起こるとは思えんが・・・」
思い出しただけで、自然と笑みが浮かんでくる。やはり、自分にとって戦いは人生の一部と化しているのがよく実感できた。
アサギは、そのまま暗闇が支配する森の中を歩き続けた。この先に待っているであろう彼に会うためにー。
ーー
「来おったな・・・」
使い魔の目を通して、モリガンはアサギがついにこのアトリエの前までたどり着いたことを確認した。
「お、おい、本当に来ちまったのか・・・」
「ああ」
「ああって・・・」
東方の女剣士がついに自分の隠れ家を見つけたー。
そのことだけで焦り出す楓に対し、モリガンは何ら焦るそぶりも見せず、悠然と構えている。
「さっきも言ったであろう、まあ、大丈夫じゃよ」
焦る楓に対して、軽くウィンクして応えるモリガン。彼女には、何やら策があるようだったー。
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