1 / 30
1 わたくしのフィアンセ
しおりを挟む
今日は、わたくしの最愛の婚約者、ラファエル=フランソワ・ド・ブルボン王太子殿下とのデートの日ですの。
あぁ、楽しみでたまりませんわぁっ……!
「お嬢様、殿下がいらっしゃいました」
「すぐに参りますわ」
わたくし、冷静な顔を取り繕うのだけは上手いんですの。
狂喜乱舞する心の内を隠し、すまし顔をするのです。
そうすれば、ギーズ家の精鋭侍女ですら騙せるのですわ!
「オーホッホッホ!」
「お嬢様、デートが嬉しい気持ちはよくわかりますが、件の王太子殿下が下でお待ちになっているのもお忘れにならないでください」
なっ……わ、わたくしの取り繕いを見破ったですって?!
生意気ですわぁ……。
「早く上着を着てください」
「わかりましたわ……」
階下に下りていきますと……あぁ、あそこにいらっしゃるのは天使ですわっ。
わたくしの天使、ラフィ殿下ですの!
わたくしにはまだ、愛称呼びは許されてないのですけど――心の中ぐらい、いいはずですわよね?
「アリアンヌ嬢、おはよう」
「ラファエル殿下……ごきげんようっ!」
感極まって半分叫んでしまいましたわ、なんてお恥ずかしいこと……。
「じゃあ、行こう。アリアンヌ嬢、お手をどうぞ」
ラフィ殿下の手に……わたくしの手が……あぁ……!
嬉しすぎて、ちょっと涙が出てきてしまいましたわ。
どうしましょう……。
「アリアンヌ嬢、これを」
さすがはラフィ殿下、さっとハンカチを出せるだなんて、どこまでも紳士ですわ!
ラフィ殿下のエスコートで馬車に乗ったのですけれど……寂しすぎますわ……。
なんで……なんで……
「……なんで隣じゃなくて向かいに座るんですの?!」
「え?」
――はっ……やってしまいましたわ……。
わたくしは本当にお馬鹿すぎるんじゃありませんこと。
どうしてわざわざ口に出してしまうんですの?!
「ふ~ん、そうかそうか」
な、なんですの?
ちょっと、ラフィ殿下が、怖い、ですわ……。
「アリアンヌ嬢、隣に座っても?」
「……どうぞっ」
は、恥ずかしいですわぁ……。
ラフィ殿下の隣が、こんなにも照れてしまう場所だなんて、想像もしてみませんでしたわ……。
「アリアンヌ嬢、熱でもあるのかい?」
「あ、ありませんわ! 触らないでくださいましっ」
触られた日には、脳内がヒートして気絶してしまいますもの。
「……悪かった」
あぁぁぁぁ……!
ダメ、ダメ、ラフィ殿下が誤解されていらっしゃいますわ!
「ラフィ殿下、違いますわ! 恥ずかしいだけですの!」
「……」
お、おかしいですわ。
いつもは優しく返事をしてくださるラフィ殿下が――って、イヤアァァァァァ~ッ!
「も、申し訳ございませんっ!」
きょ、今日はいくらなんでも失言が多すぎではありませんこと?!
しかも、今度のはレベルが違いますわ、不敬罪ですわよ、不敬罪!
王族――それも王太子殿下に向かっての不敬ですわ、死刑になっても文句は言えないのですわよ……!
「……いや、大丈夫だ。そのままラフィと呼んでもらって構わない」
え?
これって、愛称呼びが許可されたということですの?
嬉しすぎて土に埋まってしまいそうですわ……!
「ただ、私もアリアンヌ嬢のことはアリアと呼ぶけど」
「それくらい、全然よろしいのですわ!」
ラフィ殿下の笑顔……麗しすぎますわ……。
この胸の高鳴りを抱いたまま、土に埋もれてしまおうかしら……?
あぁ、楽しみでたまりませんわぁっ……!
「お嬢様、殿下がいらっしゃいました」
「すぐに参りますわ」
わたくし、冷静な顔を取り繕うのだけは上手いんですの。
狂喜乱舞する心の内を隠し、すまし顔をするのです。
そうすれば、ギーズ家の精鋭侍女ですら騙せるのですわ!
「オーホッホッホ!」
「お嬢様、デートが嬉しい気持ちはよくわかりますが、件の王太子殿下が下でお待ちになっているのもお忘れにならないでください」
なっ……わ、わたくしの取り繕いを見破ったですって?!
生意気ですわぁ……。
「早く上着を着てください」
「わかりましたわ……」
階下に下りていきますと……あぁ、あそこにいらっしゃるのは天使ですわっ。
わたくしの天使、ラフィ殿下ですの!
わたくしにはまだ、愛称呼びは許されてないのですけど――心の中ぐらい、いいはずですわよね?
「アリアンヌ嬢、おはよう」
「ラファエル殿下……ごきげんようっ!」
感極まって半分叫んでしまいましたわ、なんてお恥ずかしいこと……。
「じゃあ、行こう。アリアンヌ嬢、お手をどうぞ」
ラフィ殿下の手に……わたくしの手が……あぁ……!
嬉しすぎて、ちょっと涙が出てきてしまいましたわ。
どうしましょう……。
「アリアンヌ嬢、これを」
さすがはラフィ殿下、さっとハンカチを出せるだなんて、どこまでも紳士ですわ!
ラフィ殿下のエスコートで馬車に乗ったのですけれど……寂しすぎますわ……。
なんで……なんで……
「……なんで隣じゃなくて向かいに座るんですの?!」
「え?」
――はっ……やってしまいましたわ……。
わたくしは本当にお馬鹿すぎるんじゃありませんこと。
どうしてわざわざ口に出してしまうんですの?!
「ふ~ん、そうかそうか」
な、なんですの?
ちょっと、ラフィ殿下が、怖い、ですわ……。
「アリアンヌ嬢、隣に座っても?」
「……どうぞっ」
は、恥ずかしいですわぁ……。
ラフィ殿下の隣が、こんなにも照れてしまう場所だなんて、想像もしてみませんでしたわ……。
「アリアンヌ嬢、熱でもあるのかい?」
「あ、ありませんわ! 触らないでくださいましっ」
触られた日には、脳内がヒートして気絶してしまいますもの。
「……悪かった」
あぁぁぁぁ……!
ダメ、ダメ、ラフィ殿下が誤解されていらっしゃいますわ!
「ラフィ殿下、違いますわ! 恥ずかしいだけですの!」
「……」
お、おかしいですわ。
いつもは優しく返事をしてくださるラフィ殿下が――って、イヤアァァァァァ~ッ!
「も、申し訳ございませんっ!」
きょ、今日はいくらなんでも失言が多すぎではありませんこと?!
しかも、今度のはレベルが違いますわ、不敬罪ですわよ、不敬罪!
王族――それも王太子殿下に向かっての不敬ですわ、死刑になっても文句は言えないのですわよ……!
「……いや、大丈夫だ。そのままラフィと呼んでもらって構わない」
え?
これって、愛称呼びが許可されたということですの?
嬉しすぎて土に埋まってしまいそうですわ……!
「ただ、私もアリアンヌ嬢のことはアリアと呼ぶけど」
「それくらい、全然よろしいのですわ!」
ラフィ殿下の笑顔……麗しすぎますわ……。
この胸の高鳴りを抱いたまま、土に埋もれてしまおうかしら……?
150
あなたにおすすめの小説
婚約破棄寸前、私に何をお望みですか?
みこと。
恋愛
男爵令嬢マチルダが現れてから、王子ベイジルとセシリアの仲はこじれるばかり。
婚約破棄も時間の問題かと危ぶまれる中、ある日王宮から、公爵家のセシリアに呼び出しがかかる。
なんとベイジルが王家の禁術を用い、過去の自分と精神を入れ替えたという。
(つまり今目の前にいる十八歳の王子の中身は、八歳の、私と仲が良かった頃の殿下?)
ベイジルの真意とは。そしてセシリアとの関係はどうなる?
※他サイトにも掲載しています。
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
【短編】誰も幸せになんかなれない~悪役令嬢の終末~
真辺わ人
恋愛
私は前世の記憶を持つ悪役令嬢。
自分が愛する人に裏切られて殺される未来を知っている。
回避したいけれど回避できなかったらどうしたらいいの?
*後編投稿済み。これにて完結です。
*ハピエンではないので注意。
【完結】仕方がないので結婚しましょう
七瀬菜々
恋愛
『アメリア・サザーランド侯爵令嬢!今この瞬間を持って貴様との婚約は破棄させてもらう!』
アメリアは静かな部屋で、自分の名を呼び、そう高らかに宣言する。
そんな婚約者を怪訝な顔で見るのは、この国の王太子エドワード。
アメリアは過去、幾度のなくエドワードに、自身との婚約破棄の提案をしてきた。
そして、その度に正論で打ちのめされてきた。
本日は巷で話題の恋愛小説を参考に、新しい婚約破棄の案をプレゼンするらしい。
果たしてアメリアは、今日こそ無事に婚約を破棄できるのか!?
*高低差がかなりあるお話です
*小説家になろうでも掲載しています
【短編】婚約解消を望もうとも、婚約者から言葉を聞かない限りは応じませんわ
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
伯爵令嬢のディアナ・アルヴィエは実家と絶縁し、婚約者であるアーレントの実家である辺境領の屋敷で暮らしていた。魔物討伐や結界の管理などを担う即戦力としていたディアナは、アーレンが成人したら結婚する。
はずだった。
王都に突如現れた黒竜討伐へと赴いた婚約者アーレンと様の部下だと名乗る使いから婚約解消の知らせが届く。それと同時に辺境地の結界に亀裂が入り、答え合わせは後回しとなるのだが、同時にカルト集団の奇襲を受けてしまい──!?
両親に愛されなかった令嬢が幸せを受け入れるまでのお話。
年下情緒不安定ヤンデレ騎士×自尊心の低い年上大魔法使いのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる