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2話
しおりを挟む「い、いえこちらこそ。」
我に返ったヒロインはそう言って謝る。
「もういいわ。
もう行きましょう。」
リーゼロッテはそう言うとメインヒーローを連れて踵を返す。
『あの人…どこかで』
『あの子は…』
ヒロインとメインヒーローはお互いにそんなことを思いながらその場を去る。
そして最初の出会いイベントが終わった。
ーーーーーーーーーー
「ねぇここ教えてくれない?」
「何よ?
そんなの自分で考えなさい。」
次のイベントはヒロインが私に話しかけるところから始まった。
勉強熱心な彼女は勉強仲間を作ろうとクラスの令嬢に話しかける。
その話しかけた令嬢第1号が私だった。
でもここで私はヒロインを冷たくあしらう。
そしてそこに…
「ちょっと!
私の友人に何か用?」
悪役令嬢リーゼロッテが登場する。
私ったらナイスアシスト。
「いえ、別に…」
「…」
「…?」
ヤバい。
まさかリーゼロッテよ。
セリフを忘れたのか?
嘘でしょ。
貴女は悪役令嬢じゃない。
はぁ。
私はさりげなくリーゼロッテの後ろにつく。
そして彼女の耳元に近づいてこう囁いた。
『いい度胸じゃない。
ちょっと貴女 裏庭に来てくださる?』
「…いい度胸じゃない。
ちょっと貴女 裏庭に来てくださる?」
無事悪役令嬢がセリフを言うことに成功。
ここでリーゼロッテが言わないと次の展開に持ってくことができない。
でも今回は私の頭の中に悪役令嬢のセリフが全て入っていたからできたこと。
油断は禁物。
暗記しといて良かった。
私はほっと安堵した。
ーーーーーーーーーーーー
ドンッ
「きゃッ…」
ドサッ
裏庭にてヒロインが悪役令嬢に押されて尻餅をつくシーン。
「ちょっと貴女、どんくさいわね。」
白々しい態度のリーゼロッテ。
泣きそうになるヒロイン。
そこに…
「リーゼロッテ!
すまない、怪我はないか?」
メインヒーロー登場。
まるで王子様が姫に手を差し伸べるかのよう…
って、本物ですから。
実はこのメインヒーロー本当に王子だった。
ラルーシュ王国の第一王子フランクはずっとある令嬢との思い出が忘れられないでいた。
公爵令嬢のリーゼロッテと婚約するより前にパーティーで出会った謎の令嬢。
それがヒロインの伯爵令嬢アンナだった。
当時第一王子として幼いながらに品行方正を求められていたフランク。
皇后である母親にも甘えられずどこか疲れ気味だった。
そんな彼がパーティーで出会ったのがアンナ。
木登りするアンナを見て驚くフランク。
何なんだ、この令嬢…
そんな彼女に興味を惹かれたフランクはアンナに話しかける。
『何してるの?』
彼女もそんなフランクに気付く。
しかし気付いた拍子にバランスを崩して木から落下。
フランクは何とかキャッチしようと彼女の下敷きに…
『ご、ごめんなさい!
…起きて!起きて!死なないで!』
頭を打って意識を失ったフランクが次に目を覚ますとさっきの令嬢はいなくなっていた。
そばには花柄のハンカチーフが。
その日からフランクはその令嬢のことが気になっている。
それがメインヒーローとヒロインの出会い。
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