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ゴーストライター
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マッドシティの異名を持つこの街は、若者の街としての認識が強いだろう。若者の街、とは言い方がソフトだが、要するに不良の街だ。
だが、もちろんこの街が不良たちで溢れ返り、アメリカのスラム街のように荒廃しているなんてことはない。ぼくのように、人畜無害なオタクだっているし、買い物目当ての主婦や、仕事に励むサラリーマンの姿だって見受けられる。要するにぼくがなにを言いたいのかというと、この街は多様な顔を持ち合わせているということだ。
その一つが、これ。
『コスプレに優しい街』
こんなスローガンを、街を歩いていると時々目にする。
市が推奨する宣伝ポスターが示す通り、街にある大きな市民文化会館では、定期的にコスプレイベントが開催されているらしく、駅から市民文化会館までの道を、明らかにコスプレ衣装を下に着込んでいるだろうというような出で立ちのコート姿の集団に出くわしたことが何度もある。オタク文化に敏い自負のあるぼくだが、コスプレに関しては未踏の地で、あまり詳しくない。
だから、不思議だな。
―――なんでぼく、こんな場所にいるんだろう?
周囲を見渡すと、ガッツリとコスプレ衣装に身を包んだ人の群れに囲まれていた。
友人同士で来ている人は当然だが、それぞれ、同じ作品のコスプレをしている初対面の相手とも気さくに話している様子を見ると、やはり趣味というのは初対面の垣根をすぐに取っ払ってくれるのだなと感心する。
そんな風に達観して見ていたぼくだが、それは言うまでもなく現実逃避だ。
ぼくはガスマスク越しに見る世界に、戸惑いを隠せずにいた。
コスプレイヤーたちは、さっきからちらちらとこちらを見てくる。わずかに聞こえる話声は、「あれってなんのコス? なんかのボスキャラ」というように、ぼくの風貌をなにかのキャラクターと勘違いしている声が大半を占めていたが、中には「線引屋のコスとか、チョイスが渋いな」と、この格好に気付く者もいる。オタクの中にも、線引屋を知っている人はいるんだなとあらためて認識する。相手もコスプレイヤーだというのに、何人かから、「一緒に写真お願いしていいですか?」と声をかけられた。
そう。ぼくは現在、線引屋の姿でこのコスプレ会場に立っていた。
やはり、いくら考えても納得がいかない。どうして、ぼくはここにいるのだろうと。
その元凶と言えるコスプレイヤーが、ぼくの肩を小突く。
「注目の的ですね、お兄さん」
ぼくをお兄さんと呼んだのは、エルフのコスプレに身を包んだ少女。
名前を宗田明都という、DQNの名を冠する美少女だ。
さらに補足するならば、彼女は『ティーンズティアラ』という三人組のアイドルグループのメンバーの一人で、ファンから『みんとす』の愛称で呼ばれるJCアイドルだ。
ちなみに、ぼくの心の中だけの友達、略して心の友であらせられる中西が熱狂的に応援しているアイドルグループのメンバーでもある。以前、クリスマスにライズビルで行われたミニライブを見たアイドルがこうして隣にいること自体驚きだが、さらに驚きだったのが、宗田さんの通う中学というのが、ぼくの妹と同じ中学だったことだ。
遡ること昨日の夜。学校から戻ったぼくは、玄関に妹とは別の女子用のローファーが置かれていることに気付いた。
友達でも来ているのだろう。そう思い、静かに自室待機したのは、兄としての思いやりだ。
―――まあ、本当は、妹の友達に開口一番『キモッ』とか言われたらガラスの心がこっぱみじんにされてしまうためである。
自己防衛のためとはいえ、妹的にもぼくのような根暗な兄を友人に見られたくはないだろうから、お互いにとってそれが良いこと、つまりWIN×WINの関係なのだ。
だから大人しくしていたというのに、ぼくの部屋の扉が乱暴にノックされた。その粗暴さから、妹の絵里加であることは明白だ。いったいなんの用だ? 首を捻りながら扉を開くと、そこには不機嫌そうな妹の姿があった。基本的に不遜な態度が彼女のデフォルトではあるのだが、それにしてもここまで明確に機嫌が悪いのは珍しい。なにか怒らせるようなことをしてしまったのだろうかと考えたぼくは、素直さこそ美徳という間久辺家の教育方針に倣って心当たりをすべてゲロった。
「絵里加が大事に取っておいたケーキ、あれ食べたの本当は母さんじゃなくてぼくなんだ。ごめん」
「は?」
「そのことじゃないの? じゃあ部屋に勝手に入って、石神さんが映ってる雑誌ときどき持ち出してごめん」
「あ?」
「これも違うの? じゃあ絵里加の部屋に置かれてる少女漫画勝手に読んでごめん。あんな、『オレ様系八頭身イケメン中学生存在するわけないじゃないかバーカ』ってツッコミ入れたくなるような偏った王子様が登場する少女漫画ばかり集めて、乙女思考まるだしだってことに気付いちゃってごめん」
すると、むんずと胸倉を掴まれる。
「謝りたいのかバカにしたいのか、どっち?」
絵里加の瞳から光が消えた。これはヤバい。
だが、すぐにぼくの服から手を放した絵里加は、深いため息を一回吐いた。
「別に、怒ってるわけじゃないし」
言ったあと、すぐにギロッと睨みを利かせ、
「後で話し合いはきっちりさせてもらうけどね」
と言い置いた。ぜんぜん怒ってらっしゃるじゃないか。
だが、絵里加がこの部屋を訪れたのは、事実ぼくの想像していたこととはまるきり違う理由だった。
「アニキ、宗田さんとどういう関係?」
宗田という姓に聞き覚えがなかったぼくは、首を横に振った。
「はあ? 知らないわけなくない? じゃあどうして、宗田さんアニキを紹介してって私に頼んできたのよ。学校でもほとんど話したことなかったのに、おかしいじゃん」
そんなこと言われても困ってしまう。実際、ぼくはその宗田という人物に心当たりがなかったのだ。
釈然としないまま、絵里加はよそ行きの態度を纏って、待たせているという友人の宗田さんをぼくの元に連れてきた。彼女には悪いが、見たときは、まさかアイドルをやっているとは思いもしなかった。もちろん見た目は整っているし、愛らしい声で挨拶されたが、私立中学の厳しい校則に準じた制服の着こなしからか、見た目に華やかさが感じられなかったのだ。当然、見覚えもない。
まあとにかく、妹の監視の下とはいえ恥ずかしそうに頬を赤く染めた女子中学生を前にすると、お兄さんドキドキしてしまう。
ぼくを紹介してほしいって、これ、あれか。これが世に言うモテキというやつなんだろうか。そんな風に思わず口元がにやけてしまうと、鬼教官よろしく、妹がわざとらしい咳払いをする。
ハッとして我に返ったぼくは、年長者としての意地から、口火を切る。
「あの、宗田さん、だっけ? ぼくに用があるみたいだけど、なに?」
「はい」
返事だけして、なかなか二の句を継がない宗田さん。
なにか言いづらいことなのだろうかと少し心配していると、意を決したのか、顔を上げてぼくの顔を真っ直ぐに見た。
「えっと、マクベスさん、ですよね!」
いきなり友達間のあだ名で呼ばれ、意表を突かれたぼく。
そのまま、宗田さんは矢継ぎ早に言葉を継いだ。
「あの、私、アニメとか結構好きで、ネットの掲示板とかちょくちょく見てるんです。ただ、プライベートであんまり時間取れないから、外れないアニメとか漫画のおすすめをよく質問するんですけど、マクベスってハンドルネームの人が、いつも親切に答えてくれてて」
ぼくはネットで書き込みをする際、無記名である必要性がなければ基本的にハンドルネーム、マクベスを名乗ることが多い。作品に対する感想とか、批判とか、無記名で好き勝手書くことに懐疑的な部分があるため、ハンドルネームとはいえ、一応名前を設定して書き込みするように心がけているのだ。
ちなみに、宗田さんの言っていることには心当たりがあった。
彼女の言うように、おすすめ作品について聞かれた場合、詳細におすすめポイントを書いた『マクベスのベスト・テン』を書き込むようにしている。作品愛が強すぎてウザがられることもときどきあるが、感謝されることの方が多い。彼女もその一人だったようだ。
「―――でも、どうしてぼくだってわかったの?」
それが不思議だった。ぼくはプロフィールとかネットに公開したことなんてないんだけどな。
「お兄さん、ネットに書き込むとき、ちょくちょく地元ネタ挟みますよね。アニメの聖地が最寄り駅の近くだとか、地元の人間ならなんとなくどの辺りか想像つきますよ。それに加えて、ハンドルネーム『マクベス』って、苗字の間久辺をもじったものですよね。同じ学年に間久辺って苗字の人がいて、もしかしたらって思って声をかけたら、お兄さんがいて、しかもオタクだって言うじゃないですか」
ネット社会の恐ろしさ。些細なことから正体がバレてしまうこともあるようだから、ネットに書き込むときは用心しようね、みんな。
「疑問の一つは解決した。それじゃあもう一つの疑問だ。ぼくがマクベスだとして、君はどうして会おうと思ったの?」
「わかりませんか?」
うお、艶っぽい瞳で見てくるな。中学生相手に思わずドキッとしてしまったじゃないか。
「そんなの、決まってます」
うむ。艶っぽい視線に、赤く染まった頬。こりゃ決まりだ。
いやあ、困るな。ぼくには石神さんという立派な彼女がいるというのに。
照れるぼくを他所に、宗田さんはぐっと距離を詰めてきた。
「―――サブカル知識豊富なマクベスさんと、二次元トークがしたかったんです!」
ですよねー。
わかってましたよ、こういうオチだってことくらい。
妹も、「なあんだ、そういうことか」と言ってため息を吐いた。
「そういうことなら、お二人でどうぞごゆっくり。私は自分の部屋にいるから、宗田さん帰るとき声かけて」
そう言って、立ち去ろうとする絵里加は、ぼくの部屋から一歩踏み出したところで足を止め、振り返った。
「一応言っておくけど、アニキに変なことされたら声あげてね。飛んでいくから」
せえへんわ。
「飛んでいくから、ナイフが」
怖いわ。
「ナイフを持った冴子ちゃんが、飛んでいくから」
激烈怖いわ。
なにその最強装備の石神さん。小動物なら一撃で命刈り取れるよ。
しっかり脅してから部屋を出て行く絵里加。そうなると必然、二人きりになる室内。初対面の女の子、しかも美少女と二人きりとなるとドキドキするものだと思ったのだが、これが意外と心は動じなかった。やはり、自分の妹と同じ学年というのが大きいのだろう。異性としての認識は薄かった。
それから、ぼくらはアニメや漫画の話で盛り上がった。普段こういう話は廣瀬と中西としているが、女の子の視点というのはかなり貴重で、同じ作品でもぼくら男子だったらアクションシーンに熱くなるところが、彼女はキャラクターの心理描写に重きを置くようだ。趣味の話になると時間はあっという間に過ぎ去り、時刻は既に夕方の六時半を回っていた。そのことを告げると、彼女は少し残念そうにしながら、帰る支度を始めた。
部屋を出る間際、連絡先を交換し、今度またお話ししましょうと言われ、ぼくは頷いた。さっきも言ったように、彼女に対しては異性としての認識が薄かったのと、同類としての意識から警戒心が完全に薄れていた。だから、完全に油断していたのだ。
「ねえ、お兄さん。あ、お兄さんって呼んでいいですよね?」
「うん。別に構わないよ」
「じゃあ、お兄さん。今度、街でコスプレイベントあるんですけどそれに二人で参加しませんか?」
「え、コスプレ? 参加って……」
「はい、コスプレするんです」
「いや、ぼく、そういうのはちょっと。絶対似合わないし、恥かくだけだもん」
「えー、そんなの、キャラへの愛となりきりでなんとかなりますよ」
「キャラへの愛は別として、なりきるなんてぼくには無理だよ。ぼくはただのオタクだから」
「えーそんなことありませんよ」
少女―――宗田さんは、そう言って自分の唇に人差し指を添える仕草を見せる。
それから、ニヤッと笑うと、こう言った。
「ただのオタクじゃないでしょう? お兄さん。いや―――」
―――線引屋さん。
さっきまで穏やかだった空気が一変、凍り付いた。いや、凍り付いたのはぼくの思考か。
彼女は、いま、なんと言った? なぜぼくが線引屋だということを知っている。
「わかりますよー。さっきも言ったじゃないですか。お兄さん、ネットへの書き込みは注意した方がいいですよ。線引屋と思われるグラフィティライターが初めて話題に挙がったのは、ストリートジャーナルの記事でした。過去ログにも残ってますけど、『スカイラーズ』っていう暴走族集団を壊滅させたグラフィティライターっていうのが、線引屋の最初の記事です」
随分と懐かしい話を持ち出したものだ。だけど、忘れるはずがない。あれがすべての始まりだったのだから。御堂とアカサビさん、あの二人に会ったのもあの日が初めてだ。
「私、線引屋に興味があったから行ってみたんです。潰された不良グループの縄張り、そこに描かれたというグラフィティを見に。見つけたときはびっくりしましたよ。だって、その場所はどう見てもアニメ『ドドメキ』第一話冒頭のシーンにそっくりだし、線引屋が描いたグラフィティは、アニメの魔方陣そのままでした」
あの魔方陣か。確かに、ガード下がアニメで描かれたシーンにそっくりだったからぼくもテンションが上がったのだったっけ。
「さっき、地元ネタをネットに書き込んでるからお兄さんがマクベスだってわかったと言いましたよね。私、その日も見たんです。アニメが放送された日の深夜、アニメのシーンにそっくりな場所を見つけたって書き込みをする、マクベスってハンドルネームを。ほら、そこの本棚に原作のラノベありますよね。そして同じ日に、後に不良たちから崇拝されるようになるグラフィティライターが、アニメに出てきた魔方陣の落書きを壁にした。これって偶然ですかね?」
偶然だ、と言い張りたいところだが、それは難しそうだ。彼女の問いかけは、疑問を投げかけているわけではないのだろう。ぼく自身に認めさせるための、あくまで形式としての疑問符だ。その証拠に、「お兄さんが高校で美術部に所属していることも妹さんから聞いてます」と言葉を足した。
偶然で押し通すには、あまりにも偶然の目がそろい過ぎている。
だが、ここで認めていいものか悩む。
そんなぼくの様子を見た彼女は、最後の一押しとばかりに言った。
「安心してください。こんなことに気付く人間は、私の他にいないと思いますから。アニメが好きで、ネットの書き込みをよく見てて、マクベスってハンドルネームを覚えてて、偶然学校に似た苗字の兄妹がいて、しかも線引屋に興味があった。これだけの条件が揃う人間、私以外はいませんよ」
確かにそうかもしれない。
だが、彼女に知られてしまったことに変わりない。完全に油断していたが、そもそも警戒心を解くべきではなかったのだ。ただ趣味の話をするためだけに、わざわざ会いにくる必要なんてない。繋がりが欲しいのなら、それこそネットの中でいいのだから。
線引屋の正体。彼女の興味はその一点に向いていたのだろう。
「お兄さん。もう一度聞きます。私の言うこと、聞いてくれますよね?」
ぼくは断ることができなかった。
そして、いまに至る。週末の土曜日、ぼくは宗田さんに連れられてここに来ていた。彼女がアイドル、『ティーンズティアラ』のメンバー、みんとすだとわかったいまでも、なぜこんな場所にいるのか理解できない。
ぼくは線引屋の衣装に身を包みながら、コスプレ会場にいた。そして、宗田さんは『ドドメキ』のヒロインのエルフのコスプレをしながら、自撮りのビデオカメラを回している。
彼女の話によると、アイドル活動をしながら、ネットで動画配信も行っているらしい。最初は趣味で始めたものだったらしいのだが、アイドル活動を始め、彼女の動画のチャンネル登録数が一気に増えたことで、いまではほぼ毎日動画配信を行っているらしい。今日はこのコスプレイベントに参加している様子を配信するつもりなようだ。
ぼくがこんな姿でいるのは、どうやら動画のタイトルに、『みんとすが噂の線引屋に遭遇!?』という釣り効果を狙ったものを付けようとしているためらしい。もちろん、ぼくの正体をばらすつもりはないらしく、実はこの場所はコスプレイベントで、線引屋のコスプレをしている人でした、というオチにするようだ。流石はアイドル戦国時代を生き抜く少女。したたかな心を持っているなと、むしろ関心してしまった。
夕方になり、コスプレイベントを終えると、ぼくはトイレの個室に入ってガスマスクと黒いパーカーを鞄に仕舞い、私服に着替えた。誰も気にしていないとは思うが、トイレに入る際、人に見られていないか注意を払った。さっさと着替えを済ませ、文化会館の入り口のベンチで時間を潰していたのだが、いくら待っても宗田さんはやってこなかった。一応はアイドルをやっているわけだし、声をかけられるようなこともあるのだろうが、それにしても遅い。女子の着替えに時間がかかることを差し引いても、少し時間がかかり過ぎだ。いつまで待たせるつもりなのだろう。彼女の様子を女子更衣室に覗きに行くわけにもいかずイラつきながら待っていたぼくは、我慢できなくなり、ベンチを離れて女子更衣室の方を見に行くことにした。
だが、いくら待っても宗田さんが女子更衣室から出てくることはなかった。
そして、待合室に戻ったぼくは、さらに驚きに目を剥く。
数分前までそこに置いてあったはずの荷物が、なくなっていたのだ。
その中には、ガスマスクと黒いパーカーが入っていた。
よく探したし、周りの人にも聞いてみたが、心当たりはないという。
そう、ぼくは油断していたのだ。
線引屋としての象徴。よもや、それが盗まれることになるなんて、考えもしなかった。
だが、もちろんこの街が不良たちで溢れ返り、アメリカのスラム街のように荒廃しているなんてことはない。ぼくのように、人畜無害なオタクだっているし、買い物目当ての主婦や、仕事に励むサラリーマンの姿だって見受けられる。要するにぼくがなにを言いたいのかというと、この街は多様な顔を持ち合わせているということだ。
その一つが、これ。
『コスプレに優しい街』
こんなスローガンを、街を歩いていると時々目にする。
市が推奨する宣伝ポスターが示す通り、街にある大きな市民文化会館では、定期的にコスプレイベントが開催されているらしく、駅から市民文化会館までの道を、明らかにコスプレ衣装を下に着込んでいるだろうというような出で立ちのコート姿の集団に出くわしたことが何度もある。オタク文化に敏い自負のあるぼくだが、コスプレに関しては未踏の地で、あまり詳しくない。
だから、不思議だな。
―――なんでぼく、こんな場所にいるんだろう?
周囲を見渡すと、ガッツリとコスプレ衣装に身を包んだ人の群れに囲まれていた。
友人同士で来ている人は当然だが、それぞれ、同じ作品のコスプレをしている初対面の相手とも気さくに話している様子を見ると、やはり趣味というのは初対面の垣根をすぐに取っ払ってくれるのだなと感心する。
そんな風に達観して見ていたぼくだが、それは言うまでもなく現実逃避だ。
ぼくはガスマスク越しに見る世界に、戸惑いを隠せずにいた。
コスプレイヤーたちは、さっきからちらちらとこちらを見てくる。わずかに聞こえる話声は、「あれってなんのコス? なんかのボスキャラ」というように、ぼくの風貌をなにかのキャラクターと勘違いしている声が大半を占めていたが、中には「線引屋のコスとか、チョイスが渋いな」と、この格好に気付く者もいる。オタクの中にも、線引屋を知っている人はいるんだなとあらためて認識する。相手もコスプレイヤーだというのに、何人かから、「一緒に写真お願いしていいですか?」と声をかけられた。
そう。ぼくは現在、線引屋の姿でこのコスプレ会場に立っていた。
やはり、いくら考えても納得がいかない。どうして、ぼくはここにいるのだろうと。
その元凶と言えるコスプレイヤーが、ぼくの肩を小突く。
「注目の的ですね、お兄さん」
ぼくをお兄さんと呼んだのは、エルフのコスプレに身を包んだ少女。
名前を宗田明都という、DQNの名を冠する美少女だ。
さらに補足するならば、彼女は『ティーンズティアラ』という三人組のアイドルグループのメンバーの一人で、ファンから『みんとす』の愛称で呼ばれるJCアイドルだ。
ちなみに、ぼくの心の中だけの友達、略して心の友であらせられる中西が熱狂的に応援しているアイドルグループのメンバーでもある。以前、クリスマスにライズビルで行われたミニライブを見たアイドルがこうして隣にいること自体驚きだが、さらに驚きだったのが、宗田さんの通う中学というのが、ぼくの妹と同じ中学だったことだ。
遡ること昨日の夜。学校から戻ったぼくは、玄関に妹とは別の女子用のローファーが置かれていることに気付いた。
友達でも来ているのだろう。そう思い、静かに自室待機したのは、兄としての思いやりだ。
―――まあ、本当は、妹の友達に開口一番『キモッ』とか言われたらガラスの心がこっぱみじんにされてしまうためである。
自己防衛のためとはいえ、妹的にもぼくのような根暗な兄を友人に見られたくはないだろうから、お互いにとってそれが良いこと、つまりWIN×WINの関係なのだ。
だから大人しくしていたというのに、ぼくの部屋の扉が乱暴にノックされた。その粗暴さから、妹の絵里加であることは明白だ。いったいなんの用だ? 首を捻りながら扉を開くと、そこには不機嫌そうな妹の姿があった。基本的に不遜な態度が彼女のデフォルトではあるのだが、それにしてもここまで明確に機嫌が悪いのは珍しい。なにか怒らせるようなことをしてしまったのだろうかと考えたぼくは、素直さこそ美徳という間久辺家の教育方針に倣って心当たりをすべてゲロった。
「絵里加が大事に取っておいたケーキ、あれ食べたの本当は母さんじゃなくてぼくなんだ。ごめん」
「は?」
「そのことじゃないの? じゃあ部屋に勝手に入って、石神さんが映ってる雑誌ときどき持ち出してごめん」
「あ?」
「これも違うの? じゃあ絵里加の部屋に置かれてる少女漫画勝手に読んでごめん。あんな、『オレ様系八頭身イケメン中学生存在するわけないじゃないかバーカ』ってツッコミ入れたくなるような偏った王子様が登場する少女漫画ばかり集めて、乙女思考まるだしだってことに気付いちゃってごめん」
すると、むんずと胸倉を掴まれる。
「謝りたいのかバカにしたいのか、どっち?」
絵里加の瞳から光が消えた。これはヤバい。
だが、すぐにぼくの服から手を放した絵里加は、深いため息を一回吐いた。
「別に、怒ってるわけじゃないし」
言ったあと、すぐにギロッと睨みを利かせ、
「後で話し合いはきっちりさせてもらうけどね」
と言い置いた。ぜんぜん怒ってらっしゃるじゃないか。
だが、絵里加がこの部屋を訪れたのは、事実ぼくの想像していたこととはまるきり違う理由だった。
「アニキ、宗田さんとどういう関係?」
宗田という姓に聞き覚えがなかったぼくは、首を横に振った。
「はあ? 知らないわけなくない? じゃあどうして、宗田さんアニキを紹介してって私に頼んできたのよ。学校でもほとんど話したことなかったのに、おかしいじゃん」
そんなこと言われても困ってしまう。実際、ぼくはその宗田という人物に心当たりがなかったのだ。
釈然としないまま、絵里加はよそ行きの態度を纏って、待たせているという友人の宗田さんをぼくの元に連れてきた。彼女には悪いが、見たときは、まさかアイドルをやっているとは思いもしなかった。もちろん見た目は整っているし、愛らしい声で挨拶されたが、私立中学の厳しい校則に準じた制服の着こなしからか、見た目に華やかさが感じられなかったのだ。当然、見覚えもない。
まあとにかく、妹の監視の下とはいえ恥ずかしそうに頬を赤く染めた女子中学生を前にすると、お兄さんドキドキしてしまう。
ぼくを紹介してほしいって、これ、あれか。これが世に言うモテキというやつなんだろうか。そんな風に思わず口元がにやけてしまうと、鬼教官よろしく、妹がわざとらしい咳払いをする。
ハッとして我に返ったぼくは、年長者としての意地から、口火を切る。
「あの、宗田さん、だっけ? ぼくに用があるみたいだけど、なに?」
「はい」
返事だけして、なかなか二の句を継がない宗田さん。
なにか言いづらいことなのだろうかと少し心配していると、意を決したのか、顔を上げてぼくの顔を真っ直ぐに見た。
「えっと、マクベスさん、ですよね!」
いきなり友達間のあだ名で呼ばれ、意表を突かれたぼく。
そのまま、宗田さんは矢継ぎ早に言葉を継いだ。
「あの、私、アニメとか結構好きで、ネットの掲示板とかちょくちょく見てるんです。ただ、プライベートであんまり時間取れないから、外れないアニメとか漫画のおすすめをよく質問するんですけど、マクベスってハンドルネームの人が、いつも親切に答えてくれてて」
ぼくはネットで書き込みをする際、無記名である必要性がなければ基本的にハンドルネーム、マクベスを名乗ることが多い。作品に対する感想とか、批判とか、無記名で好き勝手書くことに懐疑的な部分があるため、ハンドルネームとはいえ、一応名前を設定して書き込みするように心がけているのだ。
ちなみに、宗田さんの言っていることには心当たりがあった。
彼女の言うように、おすすめ作品について聞かれた場合、詳細におすすめポイントを書いた『マクベスのベスト・テン』を書き込むようにしている。作品愛が強すぎてウザがられることもときどきあるが、感謝されることの方が多い。彼女もその一人だったようだ。
「―――でも、どうしてぼくだってわかったの?」
それが不思議だった。ぼくはプロフィールとかネットに公開したことなんてないんだけどな。
「お兄さん、ネットに書き込むとき、ちょくちょく地元ネタ挟みますよね。アニメの聖地が最寄り駅の近くだとか、地元の人間ならなんとなくどの辺りか想像つきますよ。それに加えて、ハンドルネーム『マクベス』って、苗字の間久辺をもじったものですよね。同じ学年に間久辺って苗字の人がいて、もしかしたらって思って声をかけたら、お兄さんがいて、しかもオタクだって言うじゃないですか」
ネット社会の恐ろしさ。些細なことから正体がバレてしまうこともあるようだから、ネットに書き込むときは用心しようね、みんな。
「疑問の一つは解決した。それじゃあもう一つの疑問だ。ぼくがマクベスだとして、君はどうして会おうと思ったの?」
「わかりませんか?」
うお、艶っぽい瞳で見てくるな。中学生相手に思わずドキッとしてしまったじゃないか。
「そんなの、決まってます」
うむ。艶っぽい視線に、赤く染まった頬。こりゃ決まりだ。
いやあ、困るな。ぼくには石神さんという立派な彼女がいるというのに。
照れるぼくを他所に、宗田さんはぐっと距離を詰めてきた。
「―――サブカル知識豊富なマクベスさんと、二次元トークがしたかったんです!」
ですよねー。
わかってましたよ、こういうオチだってことくらい。
妹も、「なあんだ、そういうことか」と言ってため息を吐いた。
「そういうことなら、お二人でどうぞごゆっくり。私は自分の部屋にいるから、宗田さん帰るとき声かけて」
そう言って、立ち去ろうとする絵里加は、ぼくの部屋から一歩踏み出したところで足を止め、振り返った。
「一応言っておくけど、アニキに変なことされたら声あげてね。飛んでいくから」
せえへんわ。
「飛んでいくから、ナイフが」
怖いわ。
「ナイフを持った冴子ちゃんが、飛んでいくから」
激烈怖いわ。
なにその最強装備の石神さん。小動物なら一撃で命刈り取れるよ。
しっかり脅してから部屋を出て行く絵里加。そうなると必然、二人きりになる室内。初対面の女の子、しかも美少女と二人きりとなるとドキドキするものだと思ったのだが、これが意外と心は動じなかった。やはり、自分の妹と同じ学年というのが大きいのだろう。異性としての認識は薄かった。
それから、ぼくらはアニメや漫画の話で盛り上がった。普段こういう話は廣瀬と中西としているが、女の子の視点というのはかなり貴重で、同じ作品でもぼくら男子だったらアクションシーンに熱くなるところが、彼女はキャラクターの心理描写に重きを置くようだ。趣味の話になると時間はあっという間に過ぎ去り、時刻は既に夕方の六時半を回っていた。そのことを告げると、彼女は少し残念そうにしながら、帰る支度を始めた。
部屋を出る間際、連絡先を交換し、今度またお話ししましょうと言われ、ぼくは頷いた。さっきも言ったように、彼女に対しては異性としての認識が薄かったのと、同類としての意識から警戒心が完全に薄れていた。だから、完全に油断していたのだ。
「ねえ、お兄さん。あ、お兄さんって呼んでいいですよね?」
「うん。別に構わないよ」
「じゃあ、お兄さん。今度、街でコスプレイベントあるんですけどそれに二人で参加しませんか?」
「え、コスプレ? 参加って……」
「はい、コスプレするんです」
「いや、ぼく、そういうのはちょっと。絶対似合わないし、恥かくだけだもん」
「えー、そんなの、キャラへの愛となりきりでなんとかなりますよ」
「キャラへの愛は別として、なりきるなんてぼくには無理だよ。ぼくはただのオタクだから」
「えーそんなことありませんよ」
少女―――宗田さんは、そう言って自分の唇に人差し指を添える仕草を見せる。
それから、ニヤッと笑うと、こう言った。
「ただのオタクじゃないでしょう? お兄さん。いや―――」
―――線引屋さん。
さっきまで穏やかだった空気が一変、凍り付いた。いや、凍り付いたのはぼくの思考か。
彼女は、いま、なんと言った? なぜぼくが線引屋だということを知っている。
「わかりますよー。さっきも言ったじゃないですか。お兄さん、ネットへの書き込みは注意した方がいいですよ。線引屋と思われるグラフィティライターが初めて話題に挙がったのは、ストリートジャーナルの記事でした。過去ログにも残ってますけど、『スカイラーズ』っていう暴走族集団を壊滅させたグラフィティライターっていうのが、線引屋の最初の記事です」
随分と懐かしい話を持ち出したものだ。だけど、忘れるはずがない。あれがすべての始まりだったのだから。御堂とアカサビさん、あの二人に会ったのもあの日が初めてだ。
「私、線引屋に興味があったから行ってみたんです。潰された不良グループの縄張り、そこに描かれたというグラフィティを見に。見つけたときはびっくりしましたよ。だって、その場所はどう見てもアニメ『ドドメキ』第一話冒頭のシーンにそっくりだし、線引屋が描いたグラフィティは、アニメの魔方陣そのままでした」
あの魔方陣か。確かに、ガード下がアニメで描かれたシーンにそっくりだったからぼくもテンションが上がったのだったっけ。
「さっき、地元ネタをネットに書き込んでるからお兄さんがマクベスだってわかったと言いましたよね。私、その日も見たんです。アニメが放送された日の深夜、アニメのシーンにそっくりな場所を見つけたって書き込みをする、マクベスってハンドルネームを。ほら、そこの本棚に原作のラノベありますよね。そして同じ日に、後に不良たちから崇拝されるようになるグラフィティライターが、アニメに出てきた魔方陣の落書きを壁にした。これって偶然ですかね?」
偶然だ、と言い張りたいところだが、それは難しそうだ。彼女の問いかけは、疑問を投げかけているわけではないのだろう。ぼく自身に認めさせるための、あくまで形式としての疑問符だ。その証拠に、「お兄さんが高校で美術部に所属していることも妹さんから聞いてます」と言葉を足した。
偶然で押し通すには、あまりにも偶然の目がそろい過ぎている。
だが、ここで認めていいものか悩む。
そんなぼくの様子を見た彼女は、最後の一押しとばかりに言った。
「安心してください。こんなことに気付く人間は、私の他にいないと思いますから。アニメが好きで、ネットの書き込みをよく見てて、マクベスってハンドルネームを覚えてて、偶然学校に似た苗字の兄妹がいて、しかも線引屋に興味があった。これだけの条件が揃う人間、私以外はいませんよ」
確かにそうかもしれない。
だが、彼女に知られてしまったことに変わりない。完全に油断していたが、そもそも警戒心を解くべきではなかったのだ。ただ趣味の話をするためだけに、わざわざ会いにくる必要なんてない。繋がりが欲しいのなら、それこそネットの中でいいのだから。
線引屋の正体。彼女の興味はその一点に向いていたのだろう。
「お兄さん。もう一度聞きます。私の言うこと、聞いてくれますよね?」
ぼくは断ることができなかった。
そして、いまに至る。週末の土曜日、ぼくは宗田さんに連れられてここに来ていた。彼女がアイドル、『ティーンズティアラ』のメンバー、みんとすだとわかったいまでも、なぜこんな場所にいるのか理解できない。
ぼくは線引屋の衣装に身を包みながら、コスプレ会場にいた。そして、宗田さんは『ドドメキ』のヒロインのエルフのコスプレをしながら、自撮りのビデオカメラを回している。
彼女の話によると、アイドル活動をしながら、ネットで動画配信も行っているらしい。最初は趣味で始めたものだったらしいのだが、アイドル活動を始め、彼女の動画のチャンネル登録数が一気に増えたことで、いまではほぼ毎日動画配信を行っているらしい。今日はこのコスプレイベントに参加している様子を配信するつもりなようだ。
ぼくがこんな姿でいるのは、どうやら動画のタイトルに、『みんとすが噂の線引屋に遭遇!?』という釣り効果を狙ったものを付けようとしているためらしい。もちろん、ぼくの正体をばらすつもりはないらしく、実はこの場所はコスプレイベントで、線引屋のコスプレをしている人でした、というオチにするようだ。流石はアイドル戦国時代を生き抜く少女。したたかな心を持っているなと、むしろ関心してしまった。
夕方になり、コスプレイベントを終えると、ぼくはトイレの個室に入ってガスマスクと黒いパーカーを鞄に仕舞い、私服に着替えた。誰も気にしていないとは思うが、トイレに入る際、人に見られていないか注意を払った。さっさと着替えを済ませ、文化会館の入り口のベンチで時間を潰していたのだが、いくら待っても宗田さんはやってこなかった。一応はアイドルをやっているわけだし、声をかけられるようなこともあるのだろうが、それにしても遅い。女子の着替えに時間がかかることを差し引いても、少し時間がかかり過ぎだ。いつまで待たせるつもりなのだろう。彼女の様子を女子更衣室に覗きに行くわけにもいかずイラつきながら待っていたぼくは、我慢できなくなり、ベンチを離れて女子更衣室の方を見に行くことにした。
だが、いくら待っても宗田さんが女子更衣室から出てくることはなかった。
そして、待合室に戻ったぼくは、さらに驚きに目を剥く。
数分前までそこに置いてあったはずの荷物が、なくなっていたのだ。
その中には、ガスマスクと黒いパーカーが入っていた。
よく探したし、周りの人にも聞いてみたが、心当たりはないという。
そう、ぼくは油断していたのだ。
線引屋としての象徴。よもや、それが盗まれることになるなんて、考えもしなかった。
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