6 / 71
第6話 お土産
しおりを挟む
俺は一人になるのを見計らって【ライト】の練習に励んだ。ライトと心の中で念じると、閃光のように眩い光が発せられてしまう。こんなものをスカートの中で使ってしまえば、何事かと大騒ぎになってしまう。それに明るすぎて、目的である物も拝むことが叶わない。
いろいろと試行錯誤を繰り返し光量の調節と持続時間の延長を試みていた。
俺がそんな事をしているとお兄様が実地訓練とやらから帰ってきたらしく出迎えようという事でメイドに抱えられ玄関へと連れていかれる。
お兄様は6歳の頃から剣術の稽古をしており、今回実践経験を積むためにどこかに出かけて3日間家にはいなかったのである。
旅立つ前にお母様は大変心配して、「まだ、行く必要なんてないわ」「まだ早すぎるんじゃないかしら」「ヨハンの身に何かあったらどうしましょう」なんて家では大騒ぎしていたので、自然とお兄様の動向を俺も知ることができた。
何度もお兄様を引き留めていたが、最後はお兄様の意思が固いことを悟り説得を諦めていた。
そんなお兄様が家に帰ってきたので、お母様も玄関までお出迎えだ。
「お帰りなさい。ヨハン」
「お帰りなさいませ」
お母さまに続きメイド達もお兄様の帰宅を歓迎する。
「おあいああい、にいに」
俺も皆に続く。
「ただいま」
お兄様は笑顔でご帰還し、まったく疲れた様子もなくいつもと変わらない。
「大丈夫だった? 怪我はない?」
お母様は心配そうにお兄様に近づいて怪我をしていないか確かめる。
「心配してくれてありがとう。けど、全然大丈夫だよ。ほら。ホコリ一つ、ついてないでしょ。安全に行動したからね。危険な事は一つもなかったよ」
手を挙げて、その場をくるりと回るお兄様。見たところ服にさえ汚れが一切ついていないご様子。ただその場で回転しただけなのに、その振る舞いは優雅で目を奪われてしまいます。
「そう。それなら良かったわ。けどヨハンなら大丈夫だって分かってたわ。魔法だけでなく、剣術も素晴らしいって聞いてたからね。そうだわ。今日は無事に帰ってきた事をお祝いして御馳走にしてもらいましょう」
行く前はあんなに心配していたというのに……
けどヨハン兄様は回復魔法も使えるから、滅多な事では傷つかないのではとも思う。そして剣術もできるなんて本当に隙がないな。
「そうだ。これをお母様に」
「これは何かしら?」
何やら宝石のような物体がはめ込まれたものをお母様に渡す。
「今回王都から離れた場所まで行けたから、せっかくだから何か買ってこようと思って。それはエスリム地方で採れる鉱石をはめ込んだ髪飾りだよ。お母様に似合うと思って」
「まあ!! 嬉しいわ。 わざわざ買ってきてくれるなんて、ヨハンは何ていい子なんでしょう」
お母様は早速、メイドに言ってとりつけ、「似合うかしら」なんて笑顔で聞いている。
「あとこれはメイドの皆さんに。いつも僕達の世話をしてくれてありがとう」
そう言って手鏡のようなものを皆に渡す。これもエスリム地方で採れる鉱石を装飾されているようでなかなかの代物の雰囲気がする。
「あ、ありがとうございます。こんな高価そうなもの貰っても宜しいんですか?」
マーレはそう言いながら、鏡に映った自分を見て、その後裏返して装飾品を確認すると、丁寧にハンカチに包みポケットにしまい込んだ。全く持って返却するそぶりは感じられなかったが、それもまたよしだろう。
他のメイドも礼を述べた後、お兄様のお土産に喜んだ。
「あと、ジークにもお土産があるんだ」
何ですと。流石です。お兄様。
「あいあおう、にいに」
俺は満面の笑みで喜びを表現した。
そして、取り出したのは飲み物を入れる水筒のようなものだった。
「これを手に入れるのにちょっと苦労したんだ」
お兄様が苦労をかけてまで手に入れてくれたなんて、一体何なんですか。
水筒からコップに注がれたのは白濁の液体だった。
「それは何かしら?」
お母様が尋ねる。
「ミルクですよ。絞ってから1日も経ってないですから新鮮ですよ」
「わざわざヨハンが絞ったの?」
「そうですね。なかなか難しかったです」
ヨハン兄様でも乳絞りには悪戦苦闘したのですね。しかし、俺のためにわざわざ絞って来てくれるなんて有難いですよ。お兄様が絞ってきたのであれば、たとえ新鮮でなくても、腐りかけであっても飲む所存ですよ。
「そうなのね。ジーク、良かったわね。わざわざヨハンがあなたのためにミルクをとって来てくれたみたいよ」
「だー」
俺はコップに手を伸ばす。お兄様はそんな俺の手にミルクの入ったコップを手渡した。
「ゆっくり飲むんだよ」
わざわざお兄様が絞ってきてくれたミルクです。一気に飲み干すなんてもったいない事はしませんよ。存分に味わわせてもらいますよ。
「んくっ、んくっ」
俺はコップを傾け、口の中に流し込む。その液体が俺の舌に触れた瞬間、脳裏に稲妻が走った。
……なんだコレはーーーッ!!
濃厚なミルクの味わいが俺の舌を刺激する。その凝縮された味は決して不快なものではなく、独特な甘みと旨味が絶妙に混ざり合い、ほんのりと漂う塩のような味がさらに甘味を増幅させる。それはまるで口の中でオーケストラを奏でているが如くそれぞれの味がお互いを高め合っているぅーーーッ。
口の中に流し込まれた液体は適度な粘度を持って舌に纏わりつき、旨味が口の中から鼻へと抜けていく。
俺はあと一口、あと一口と夢中で飲むと、いつの間にかコップの中にあったミルクは空っぽになっていた。
「あらあら、そんなに慌てて飲んじゃ駄目よ」
お母様が俺に注意をする。
いや、これは仕方ないですよ。こんなに美味いのですから。
というかこれは本当に牛乳か? これが牛乳と言うのなら前世の記憶にあるあの牛乳は何だったのだ。あれは水で薄められたしゃばしゃばのミルクだったのか。
そしてさっきから、何やら体温が上がって体中の血液が踊っているようなよく分からない感覚が全身を駆け巡る。
そこでハッ気付いた。このミルクは牛から採れたとは言っていない。苦労してとって来たとの事。この完璧なお兄様が苦労するなんて、一体このミルクは何から採れたものなのか。
「あうあうあ、あい、あい?」
俺はコップを突き出して、お兄様を問い詰めた。
「本当に気にいったみたいですね。お代わりをねだってますよ」
マーレはまたしても見当違いの翻訳をしてくる。この駄メイドが。
「それは良かったよ。苦労してとってきたかいがあった」
お兄様が笑い、お母様も、メイド達も微笑む。
俺はそこで冷静になった。
お兄様が苦労してとってきてくれたのだ。何の乳でもいいじゃないか。そもそも不味いならまだしも、美味しいのだから、今はこだわる必要なんてないのだ。
皆につられて俺も微笑んだ。
いろいろと試行錯誤を繰り返し光量の調節と持続時間の延長を試みていた。
俺がそんな事をしているとお兄様が実地訓練とやらから帰ってきたらしく出迎えようという事でメイドに抱えられ玄関へと連れていかれる。
お兄様は6歳の頃から剣術の稽古をしており、今回実践経験を積むためにどこかに出かけて3日間家にはいなかったのである。
旅立つ前にお母様は大変心配して、「まだ、行く必要なんてないわ」「まだ早すぎるんじゃないかしら」「ヨハンの身に何かあったらどうしましょう」なんて家では大騒ぎしていたので、自然とお兄様の動向を俺も知ることができた。
何度もお兄様を引き留めていたが、最後はお兄様の意思が固いことを悟り説得を諦めていた。
そんなお兄様が家に帰ってきたので、お母様も玄関までお出迎えだ。
「お帰りなさい。ヨハン」
「お帰りなさいませ」
お母さまに続きメイド達もお兄様の帰宅を歓迎する。
「おあいああい、にいに」
俺も皆に続く。
「ただいま」
お兄様は笑顔でご帰還し、まったく疲れた様子もなくいつもと変わらない。
「大丈夫だった? 怪我はない?」
お母様は心配そうにお兄様に近づいて怪我をしていないか確かめる。
「心配してくれてありがとう。けど、全然大丈夫だよ。ほら。ホコリ一つ、ついてないでしょ。安全に行動したからね。危険な事は一つもなかったよ」
手を挙げて、その場をくるりと回るお兄様。見たところ服にさえ汚れが一切ついていないご様子。ただその場で回転しただけなのに、その振る舞いは優雅で目を奪われてしまいます。
「そう。それなら良かったわ。けどヨハンなら大丈夫だって分かってたわ。魔法だけでなく、剣術も素晴らしいって聞いてたからね。そうだわ。今日は無事に帰ってきた事をお祝いして御馳走にしてもらいましょう」
行く前はあんなに心配していたというのに……
けどヨハン兄様は回復魔法も使えるから、滅多な事では傷つかないのではとも思う。そして剣術もできるなんて本当に隙がないな。
「そうだ。これをお母様に」
「これは何かしら?」
何やら宝石のような物体がはめ込まれたものをお母様に渡す。
「今回王都から離れた場所まで行けたから、せっかくだから何か買ってこようと思って。それはエスリム地方で採れる鉱石をはめ込んだ髪飾りだよ。お母様に似合うと思って」
「まあ!! 嬉しいわ。 わざわざ買ってきてくれるなんて、ヨハンは何ていい子なんでしょう」
お母様は早速、メイドに言ってとりつけ、「似合うかしら」なんて笑顔で聞いている。
「あとこれはメイドの皆さんに。いつも僕達の世話をしてくれてありがとう」
そう言って手鏡のようなものを皆に渡す。これもエスリム地方で採れる鉱石を装飾されているようでなかなかの代物の雰囲気がする。
「あ、ありがとうございます。こんな高価そうなもの貰っても宜しいんですか?」
マーレはそう言いながら、鏡に映った自分を見て、その後裏返して装飾品を確認すると、丁寧にハンカチに包みポケットにしまい込んだ。全く持って返却するそぶりは感じられなかったが、それもまたよしだろう。
他のメイドも礼を述べた後、お兄様のお土産に喜んだ。
「あと、ジークにもお土産があるんだ」
何ですと。流石です。お兄様。
「あいあおう、にいに」
俺は満面の笑みで喜びを表現した。
そして、取り出したのは飲み物を入れる水筒のようなものだった。
「これを手に入れるのにちょっと苦労したんだ」
お兄様が苦労をかけてまで手に入れてくれたなんて、一体何なんですか。
水筒からコップに注がれたのは白濁の液体だった。
「それは何かしら?」
お母様が尋ねる。
「ミルクですよ。絞ってから1日も経ってないですから新鮮ですよ」
「わざわざヨハンが絞ったの?」
「そうですね。なかなか難しかったです」
ヨハン兄様でも乳絞りには悪戦苦闘したのですね。しかし、俺のためにわざわざ絞って来てくれるなんて有難いですよ。お兄様が絞ってきたのであれば、たとえ新鮮でなくても、腐りかけであっても飲む所存ですよ。
「そうなのね。ジーク、良かったわね。わざわざヨハンがあなたのためにミルクをとって来てくれたみたいよ」
「だー」
俺はコップに手を伸ばす。お兄様はそんな俺の手にミルクの入ったコップを手渡した。
「ゆっくり飲むんだよ」
わざわざお兄様が絞ってきてくれたミルクです。一気に飲み干すなんてもったいない事はしませんよ。存分に味わわせてもらいますよ。
「んくっ、んくっ」
俺はコップを傾け、口の中に流し込む。その液体が俺の舌に触れた瞬間、脳裏に稲妻が走った。
……なんだコレはーーーッ!!
濃厚なミルクの味わいが俺の舌を刺激する。その凝縮された味は決して不快なものではなく、独特な甘みと旨味が絶妙に混ざり合い、ほんのりと漂う塩のような味がさらに甘味を増幅させる。それはまるで口の中でオーケストラを奏でているが如くそれぞれの味がお互いを高め合っているぅーーーッ。
口の中に流し込まれた液体は適度な粘度を持って舌に纏わりつき、旨味が口の中から鼻へと抜けていく。
俺はあと一口、あと一口と夢中で飲むと、いつの間にかコップの中にあったミルクは空っぽになっていた。
「あらあら、そんなに慌てて飲んじゃ駄目よ」
お母様が俺に注意をする。
いや、これは仕方ないですよ。こんなに美味いのですから。
というかこれは本当に牛乳か? これが牛乳と言うのなら前世の記憶にあるあの牛乳は何だったのだ。あれは水で薄められたしゃばしゃばのミルクだったのか。
そしてさっきから、何やら体温が上がって体中の血液が踊っているようなよく分からない感覚が全身を駆け巡る。
そこでハッ気付いた。このミルクは牛から採れたとは言っていない。苦労してとって来たとの事。この完璧なお兄様が苦労するなんて、一体このミルクは何から採れたものなのか。
「あうあうあ、あい、あい?」
俺はコップを突き出して、お兄様を問い詰めた。
「本当に気にいったみたいですね。お代わりをねだってますよ」
マーレはまたしても見当違いの翻訳をしてくる。この駄メイドが。
「それは良かったよ。苦労してとってきたかいがあった」
お兄様が笑い、お母様も、メイド達も微笑む。
俺はそこで冷静になった。
お兄様が苦労してとってきてくれたのだ。何の乳でもいいじゃないか。そもそも不味いならまだしも、美味しいのだから、今はこだわる必要なんてないのだ。
皆につられて俺も微笑んだ。
11
あなたにおすすめの小説
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる