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第10話 修羅の門
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お兄様が帰ってくるのを待つことができなかった俺はマーレにソフィーの事を聞く事にした。
「ソフィアって女の子の事何か知ってる?」
「何ですか? ジークフリート様!! もしかして気になるんですか? おませさんですね。でもあの方は第4王妃のご息女様ですよ。ジークフリート様にはまだ分からないかもしれませんが、腹違いの妹にあたるんですよ。だからその恋は残念ながら諦めなければなりませんよ」
「ち、違うよ!!」
マーレに聞いたのが間違いだった。一番年下で気軽に聞けると思ったが、お兄様が帰ってくるまで待つべきだったか。変な噂を流されてはかなわん。でも今ので聞きたいことの確認は全て終わった。マーレが知っているという事は、俺以外の皆は普通に知っていそうだな。
「またまた~。照れなくてもいいですよ。あんなに可愛らしいですもんね。気になるのも仕方ないですよ。どこで見かけたんですか? ソフィア様はジークフリート様と同い年なので、まだあまり外には出ないはずですけど……」
そうか同じ年か……あれ、何で俺の事お兄様って呼んでたんだろうか。まさか丸々としているので貫禄がにじみ出てしまっているのだろうか。しかし、3歳も4歳もそんなに変わらないか……今度ソフィーに訂正しておかなくてはな。それより目の前の勘違いメイドの認識を正さねばならぬ。
「さっき、いきなり訪ねて来てお兄様なんて呼ばれたから気になっただけだよ」
「ぷぷぷ。お兄様ですか? 同い年なのに。ジークフリート様は3歳には見えませんからね。いやっ、いい意味でですよ。貫禄があるっていうか、なんていうか。それにしても、付き添いもなく来るなんて何をしに来たんですか?」
俺のむっとした視線に気づいて、あわてた態度をとる。このマーレは俺とお兄様とで態度が露骨に違うような気がするからな。ここは、はっきりとしておかねばなるまい。
それにしても、確かに近いとはいえ、何で一人だったんだろうか。もしかしすると小鳥が怪我をして焦ってヨハン兄様のところへやってきてしまったというところだろうか。
「ペットの鳥の怪我をお兄様に治してもらおうと思って来たんだよ」
「そうですか。では、がっかりされたでしょう。ヨハネス様は今出かけてらっしゃいますし」
「いや、そうでもないよ。俺が治しておいたからね」
「えっ? えっ? ジークフリート様も魔法を使えるんですか? 治したって、もしかして治癒魔法を使えるんですか? 上級神官以上しか使えないんですよ。」
「まあね」
「ほえ~。流石は、ヨハネス様の弟ですね。伊達に王族の血が流れているだけあります。すいません。私、ジークフリート様の事をただの食いしん坊さんだとばかり思っていましたよ。私の勘違いだったみたいです~」
そんな認識だったか。しかし、分かればいいのだ。その時、またもや光の妖精リンネの声が俺に響き渡る。
『疲れたわ~』
パッと俺とマーレの間にその姿を現す。当然、マーレの視線はリンネには向かない。
『どうしたんだ? いきなり』
『さっき【聖なる癒し】を使ったじゃない。それが原因かしらね……』
頭を振って肩が凝っているようなアピールを見せるが、いたって元気そうである。しかし世の中はギブ&テイクだと言っていたのを思い出す。
『分かったよ……何かスイーツを作るよ』
『そ、そう?! 何か催促したみたいで悪いわね。ア、アンタが作った生クリームってやつの味がちょっと忘れられなくてね。い、いや、ちょっとよ。ま、毎日、呼ばれるの待っていたわけじゃないのよ』
これは結構呼ばれるのを待っていたのでは……最近、光魔法を使ってなかったからここぞとばかりに現れたのではなかろうか。
『じゃあ、ちょっと厨房に行くか……』
俺はマーレから欲しい情報は手に入ったので、厨房へと歩き出す。
「あれ? ソフィア様のことはもういいんですか?」
「そうだね。ちょっと今から厨房に行ってくるよ」
「あっ。またこの前の生クリームとやらを作るんですか? あれは美味しかったですからね。なんだかんだ言ってもやっぱりジークフリート様ですね。魔法が使えると聞いて遠い存在のように感じられましたけど、食いしん坊さんなのを見ていると安心します。あっ、味見役とか必要じゃないですか? その役は是非私にお任せください。こう見えて違いが分かる女なんですよ、私。キャベツとレタスなら目隠ししても当てる事ができますし、なんならジャガイモとサツマイモの違いも分かりますよ。私、料理には一家言あるんですよね」
キャベツとレタス等俺にも分かるわと思わないではないがやった事がないのでどうだろうかと考えさせられる微妙なラインである。しかし2つ目にあげたジャガイモとサツマイモは明らかにレベルが下がっとるな。どこの口が一家言なんて大層なことを言う事ができるのか。
俺が味見役を任せるとも言っていないのにマーレは後ろからついて来る。いいだろう。俺は子供だから明日から運動すればすぐに痩せてお兄様のようなイケメンな体を手に入れることができるが、果たしてマーレはどうかな。スイーツのカロリーを甘く見ているととんでもない事になるという事を分からせてやるしかないな。ククク。
お主が進もうとしている道は修羅の道ぞ。その行きつく終着点はたったひとつ、おデブちゃんへの道。
俺とマーレ、そして小さな妖精は、地獄への一歩を今踏み出したのだった。
「ソフィアって女の子の事何か知ってる?」
「何ですか? ジークフリート様!! もしかして気になるんですか? おませさんですね。でもあの方は第4王妃のご息女様ですよ。ジークフリート様にはまだ分からないかもしれませんが、腹違いの妹にあたるんですよ。だからその恋は残念ながら諦めなければなりませんよ」
「ち、違うよ!!」
マーレに聞いたのが間違いだった。一番年下で気軽に聞けると思ったが、お兄様が帰ってくるまで待つべきだったか。変な噂を流されてはかなわん。でも今ので聞きたいことの確認は全て終わった。マーレが知っているという事は、俺以外の皆は普通に知っていそうだな。
「またまた~。照れなくてもいいですよ。あんなに可愛らしいですもんね。気になるのも仕方ないですよ。どこで見かけたんですか? ソフィア様はジークフリート様と同い年なので、まだあまり外には出ないはずですけど……」
そうか同じ年か……あれ、何で俺の事お兄様って呼んでたんだろうか。まさか丸々としているので貫禄がにじみ出てしまっているのだろうか。しかし、3歳も4歳もそんなに変わらないか……今度ソフィーに訂正しておかなくてはな。それより目の前の勘違いメイドの認識を正さねばならぬ。
「さっき、いきなり訪ねて来てお兄様なんて呼ばれたから気になっただけだよ」
「ぷぷぷ。お兄様ですか? 同い年なのに。ジークフリート様は3歳には見えませんからね。いやっ、いい意味でですよ。貫禄があるっていうか、なんていうか。それにしても、付き添いもなく来るなんて何をしに来たんですか?」
俺のむっとした視線に気づいて、あわてた態度をとる。このマーレは俺とお兄様とで態度が露骨に違うような気がするからな。ここは、はっきりとしておかねばなるまい。
それにしても、確かに近いとはいえ、何で一人だったんだろうか。もしかしすると小鳥が怪我をして焦ってヨハン兄様のところへやってきてしまったというところだろうか。
「ペットの鳥の怪我をお兄様に治してもらおうと思って来たんだよ」
「そうですか。では、がっかりされたでしょう。ヨハネス様は今出かけてらっしゃいますし」
「いや、そうでもないよ。俺が治しておいたからね」
「えっ? えっ? ジークフリート様も魔法を使えるんですか? 治したって、もしかして治癒魔法を使えるんですか? 上級神官以上しか使えないんですよ。」
「まあね」
「ほえ~。流石は、ヨハネス様の弟ですね。伊達に王族の血が流れているだけあります。すいません。私、ジークフリート様の事をただの食いしん坊さんだとばかり思っていましたよ。私の勘違いだったみたいです~」
そんな認識だったか。しかし、分かればいいのだ。その時、またもや光の妖精リンネの声が俺に響き渡る。
『疲れたわ~』
パッと俺とマーレの間にその姿を現す。当然、マーレの視線はリンネには向かない。
『どうしたんだ? いきなり』
『さっき【聖なる癒し】を使ったじゃない。それが原因かしらね……』
頭を振って肩が凝っているようなアピールを見せるが、いたって元気そうである。しかし世の中はギブ&テイクだと言っていたのを思い出す。
『分かったよ……何かスイーツを作るよ』
『そ、そう?! 何か催促したみたいで悪いわね。ア、アンタが作った生クリームってやつの味がちょっと忘れられなくてね。い、いや、ちょっとよ。ま、毎日、呼ばれるの待っていたわけじゃないのよ』
これは結構呼ばれるのを待っていたのでは……最近、光魔法を使ってなかったからここぞとばかりに現れたのではなかろうか。
『じゃあ、ちょっと厨房に行くか……』
俺はマーレから欲しい情報は手に入ったので、厨房へと歩き出す。
「あれ? ソフィア様のことはもういいんですか?」
「そうだね。ちょっと今から厨房に行ってくるよ」
「あっ。またこの前の生クリームとやらを作るんですか? あれは美味しかったですからね。なんだかんだ言ってもやっぱりジークフリート様ですね。魔法が使えると聞いて遠い存在のように感じられましたけど、食いしん坊さんなのを見ていると安心します。あっ、味見役とか必要じゃないですか? その役は是非私にお任せください。こう見えて違いが分かる女なんですよ、私。キャベツとレタスなら目隠ししても当てる事ができますし、なんならジャガイモとサツマイモの違いも分かりますよ。私、料理には一家言あるんですよね」
キャベツとレタス等俺にも分かるわと思わないではないがやった事がないのでどうだろうかと考えさせられる微妙なラインである。しかし2つ目にあげたジャガイモとサツマイモは明らかにレベルが下がっとるな。どこの口が一家言なんて大層なことを言う事ができるのか。
俺が味見役を任せるとも言っていないのにマーレは後ろからついて来る。いいだろう。俺は子供だから明日から運動すればすぐに痩せてお兄様のようなイケメンな体を手に入れることができるが、果たしてマーレはどうかな。スイーツのカロリーを甘く見ているととんでもない事になるという事を分からせてやるしかないな。ククク。
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