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第13話 剣術稽古
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今日はお兄様に連れられて、剣術の稽古の見学に行くことになった。俺も6歳になったら通う事になるらしい。
お兄様は6歳から剣術をされていたのだが、それも今日で終わるので、このタイミングで俺を見学に連れていくことにしたのだ。12歳になる年からハイゼンベルク王立学園というところに通う事になるので、そちらで剣術の稽古があるらしい。
このハイゼンベルク王立学園というのはお兄様の代が1期生になる新しい学園で、王族以外に優秀な貴族等が集まり、次代の王国を支えていく人材を教育する場所として新しく作られたそうである。
ここで王族やお互いの貴族との親交を深め、政治や軍事等を円滑にする狙いがあるという。
1期生の王族は第一王妃の長男であるヨハン兄さんだけしかいない。優秀な貴族達の中で舐められないためにも、6歳からいろいろなことを習っていたらしい。その一つがこの剣術の稽古というわけである。
当然俺も12歳になる年にその王立学園に通う事になるのだが、そのために剣術の稽古を俺もしておかねばならないのである。
屋敷から歩いて宮殿のような建物に向かって歩くと、その近くには修練場という建物があった。その中は体育館のような場所で、2階が観客席になっており、下でしていることを見学できるようである。体育館と少し違うのは地面がグラウンドのような土である事である。
「ここで見学しているといいよ」
お兄様に連れられて2階の観客席へ行くと、俺はその席の一つに座った。
「じゃあ行ってくるよ」
「頑張ってください。お兄様」
お兄様は下に降りて、誰か年上のおじさんと何か話した後、柔軟体操を始める。
たぶん、教官か何かであろう。
そして少しすると、もう一人、お兄様より一回り体の大きい少年が体育館に入って来た。たぶん、あれが第二王妃の長男レオンハルト=ハイゼンベルクであろう。お兄様から事前に聞いていた通り、その体格は筋肉質でお兄様より1歳年下とは思えない体つきである。その少年はお兄様の近くまで来ると無言で柔軟体操を始める。その後、2人は簡易な防具を身につける。
その時2階に一人の女の子が入って来て、俺の前にある観客席の一番前に座る。いかにもお嬢様というオーラを放ち、その髪色は金髪で顔の両横に見事にカールした毛が垂れ下がっている。アニメや漫画でしか見たことがない見事な縦ドリルというやつである。俺と同じように見学しに来たのであろう。
下では教官とヨハンお兄様とレオンハルトが中央に集まっていた。そしてそれぞれが間隔を取り、教官と向かいあう形で素振りを開始した。
2人の素振りは対照的なものであったが、そのそれぞれには目を奪わせる何かがあった。
レオンハルトの1回、1回の素振りはにここまで伝わってくる迫力があった。まるでヴォンという風圧がここまで聞こえてきそうである。地面にひかれている砂は一振りごとに舞い上がっているほどである。
それに対してヨハンお兄様の素振りは1回、1回の初動は捉えることができるのだが、振り下ろした瞬間手首から先が消えて全く目で追う事ができない。全く音を立てる事なく静寂すら感じさせる素振りである。どれだけの速さで剣を振るっているというのか。
俺が目を奪われていると、観客席にまた一人メイドを伴った子供がやってきた。
「今日は王族とその関係者しかいないはずじゃあ? おい、そこのデブ、今日はお前みたいな奴が来ていい日じゃないぞ!!」
入って来るなり、よく分からない事を言って憤ってらっしゃる。
「おい!! 無視するな!!」
俺は辺りを見回すがそれらしい太ったやつはいない。何か太った霊と交信していらっしゃるのだろう。危ないやつとは関わらないに限る。俺はお兄様の稽古に再び視線を戻す。
子供はメイドに窘められながら、俺とは距離をとって座る。何か納得がいっていなようで、ぶつぶつと文句を言っている。
しかし、1階で稽古をしている2人を見ると無言になって見入っている様子である。
素振りの後は型のような練習や教官の繰り出す木刀を躱したり、受けたり、いなしたりといういろいろなことをした後に、ヨハンお兄様とレオンハルトが中央で向かい合った。どうやら模擬試合のようなものを行うみたいである。
防具のようなものを着こんではいるが、あんな木刀が防具の隙間に当たればひとたまりもないような気がする。
俺はハラハラとして中央にいる2人を見る。
「開始」
教官が開始の合図を叫ぶと、レオンハルトがお兄様に突進しながら上段から木刀を振り下ろす。
危ない!! お兄様の兜が割られたのではと思うほどの豪快な一撃であったが、その一撃はお兄様のすぐ手前で空を切っていた。
「レオンハルト様の一撃も凄かったが、ヨハネス様はそれを上回っていたな。最小限の動きで見切っていたぞ」
俺から距離をとって座っていた子供が解説を始める。うむ、君はあれだな。アニメとか漫画で出てくる解説役というやつだな。
それからも、お兄様とレオンハルトの攻防を細かく解説してくれる。
「息をつかせぬレオンハルト様の4連撃だーッ!!」
「あれをも躱すとはヨハネス様には一体どこに隙があるのだ!!」
「なん……だと」
「ヨハネス様のあの足運びは、独特のリズムで相手を翻弄し、攻撃を誘いだしているぞ」
しまいにはメイドと見事なコンビネーションで解説を始める。
「今の動きは何だ?」
「あれは……」
メイドが何かを知っている事を匂わせる。
「知っているのか ポーラ!?」
「はい。あれは八王龍撃閃。今のすれ違いの最中、一撃を加えたように見えましたが、実際にはあの刹那に8連撃を繰り出していると思われます。私の目をもってしても3連撃までしか追いきれませんでしたが……」
ヨハンお兄様とレオンハルトが交差した後、お互いが背を向け合ったと思えば、レオンハルトの足が崩れ、地面に片膝をつける。どうやらヨハンお兄様が圧倒的勝利を収めたようである。俺にはすれ違い様の1撃すら見えなかったよ。
「お兄様~」
前の席で見学をしていた令嬢は席を立ちあがり、1階へと降りていく。令嬢は、地面に片膝をつけたレオンハルトの元にかけより、タオルを渡す。どうやらレオンハルトの妹のようである。たしかお兄様の話ではレオンハルトの1個下にエリザベートという妹がいると言っていたのを思い出す。
試合が終わり休憩となったようで、お兄様はレオンハルトに回復魔法をかけている。
俺はここぞとばかりに持って来たタオルを渡すために令嬢と同じ行動をとる。
「お兄様~」
俺はお兄様の元へと走り出す。
「は? 何だと?」
解説役の子供が後ろで驚きの声を上げる。振り返らなくても驚愕の顔をしているのがわかるな。うぷぷ。先ほどから凄い、凄いと言っていたヨハネスは俺のお兄様なのだよ。
俺はお兄様の近くに行くと、タオルを差し出した。
「ありがとう」
お兄様は俺にお礼を言う。そんな俺を見てエリザベートはとんでもない事を口走る。
「誰ですか? その養豚場から逃げ出した子豚は?」
なんて酷い事を言うんだ、この令嬢は。冗談は、その縦ドリルだけにしてくれよ。その時、お兄様から殺気か漏れる。
「僕の弟だよ。ジークフリートというんだ」
この令嬢は死んだな。俺の悪口をお兄様の前で言うとはな。お兄様と俺は大の仲良しなんだぞ。俺のために怒ってくれるなんて、流石はお兄様です。
「そ、そうなのね。勘違いだったわ。よく見ると可愛らしい子狸のようね」
何かを悟ったエリザベートは俺の例えを訂正をする。
「ふふふ。そうだね……」
お兄様の殺気は消える。そして俺は子豚から子狸に昇格を果たした。しかし何やら……まあいい。これから痩せていけばいいのだ。明日からだ。必ず明日から運動をして痩せてみせる。
休憩も終わり、俺とエリザベートは観客席へと戻る。
「おい、もしかして、お前、ヨハネス様の弟なのか?」
先程は霊と交信をしていた子供は、どうやら今度は俺に話しかけているらしい。
「そうだけど。何か?」
その子供は俺を見た後、1階の中央にいるお兄様を見て、再度、俺の方を見る。
「信じられん……」
何て失礼なやつだ、この解説野郎は。
この稽古の帰りに、この失礼な解説が大好きな男の子は第五王妃の長男であるミカエル=ハイゼンベルクで俺と同い年である事がお兄様に教えられ、判明した。
お兄様は6歳から剣術をされていたのだが、それも今日で終わるので、このタイミングで俺を見学に連れていくことにしたのだ。12歳になる年からハイゼンベルク王立学園というところに通う事になるので、そちらで剣術の稽古があるらしい。
このハイゼンベルク王立学園というのはお兄様の代が1期生になる新しい学園で、王族以外に優秀な貴族等が集まり、次代の王国を支えていく人材を教育する場所として新しく作られたそうである。
ここで王族やお互いの貴族との親交を深め、政治や軍事等を円滑にする狙いがあるという。
1期生の王族は第一王妃の長男であるヨハン兄さんだけしかいない。優秀な貴族達の中で舐められないためにも、6歳からいろいろなことを習っていたらしい。その一つがこの剣術の稽古というわけである。
当然俺も12歳になる年にその王立学園に通う事になるのだが、そのために剣術の稽古を俺もしておかねばならないのである。
屋敷から歩いて宮殿のような建物に向かって歩くと、その近くには修練場という建物があった。その中は体育館のような場所で、2階が観客席になっており、下でしていることを見学できるようである。体育館と少し違うのは地面がグラウンドのような土である事である。
「ここで見学しているといいよ」
お兄様に連れられて2階の観客席へ行くと、俺はその席の一つに座った。
「じゃあ行ってくるよ」
「頑張ってください。お兄様」
お兄様は下に降りて、誰か年上のおじさんと何か話した後、柔軟体操を始める。
たぶん、教官か何かであろう。
そして少しすると、もう一人、お兄様より一回り体の大きい少年が体育館に入って来た。たぶん、あれが第二王妃の長男レオンハルト=ハイゼンベルクであろう。お兄様から事前に聞いていた通り、その体格は筋肉質でお兄様より1歳年下とは思えない体つきである。その少年はお兄様の近くまで来ると無言で柔軟体操を始める。その後、2人は簡易な防具を身につける。
その時2階に一人の女の子が入って来て、俺の前にある観客席の一番前に座る。いかにもお嬢様というオーラを放ち、その髪色は金髪で顔の両横に見事にカールした毛が垂れ下がっている。アニメや漫画でしか見たことがない見事な縦ドリルというやつである。俺と同じように見学しに来たのであろう。
下では教官とヨハンお兄様とレオンハルトが中央に集まっていた。そしてそれぞれが間隔を取り、教官と向かいあう形で素振りを開始した。
2人の素振りは対照的なものであったが、そのそれぞれには目を奪わせる何かがあった。
レオンハルトの1回、1回の素振りはにここまで伝わってくる迫力があった。まるでヴォンという風圧がここまで聞こえてきそうである。地面にひかれている砂は一振りごとに舞い上がっているほどである。
それに対してヨハンお兄様の素振りは1回、1回の初動は捉えることができるのだが、振り下ろした瞬間手首から先が消えて全く目で追う事ができない。全く音を立てる事なく静寂すら感じさせる素振りである。どれだけの速さで剣を振るっているというのか。
俺が目を奪われていると、観客席にまた一人メイドを伴った子供がやってきた。
「今日は王族とその関係者しかいないはずじゃあ? おい、そこのデブ、今日はお前みたいな奴が来ていい日じゃないぞ!!」
入って来るなり、よく分からない事を言って憤ってらっしゃる。
「おい!! 無視するな!!」
俺は辺りを見回すがそれらしい太ったやつはいない。何か太った霊と交信していらっしゃるのだろう。危ないやつとは関わらないに限る。俺はお兄様の稽古に再び視線を戻す。
子供はメイドに窘められながら、俺とは距離をとって座る。何か納得がいっていなようで、ぶつぶつと文句を言っている。
しかし、1階で稽古をしている2人を見ると無言になって見入っている様子である。
素振りの後は型のような練習や教官の繰り出す木刀を躱したり、受けたり、いなしたりといういろいろなことをした後に、ヨハンお兄様とレオンハルトが中央で向かい合った。どうやら模擬試合のようなものを行うみたいである。
防具のようなものを着こんではいるが、あんな木刀が防具の隙間に当たればひとたまりもないような気がする。
俺はハラハラとして中央にいる2人を見る。
「開始」
教官が開始の合図を叫ぶと、レオンハルトがお兄様に突進しながら上段から木刀を振り下ろす。
危ない!! お兄様の兜が割られたのではと思うほどの豪快な一撃であったが、その一撃はお兄様のすぐ手前で空を切っていた。
「レオンハルト様の一撃も凄かったが、ヨハネス様はそれを上回っていたな。最小限の動きで見切っていたぞ」
俺から距離をとって座っていた子供が解説を始める。うむ、君はあれだな。アニメとか漫画で出てくる解説役というやつだな。
それからも、お兄様とレオンハルトの攻防を細かく解説してくれる。
「息をつかせぬレオンハルト様の4連撃だーッ!!」
「あれをも躱すとはヨハネス様には一体どこに隙があるのだ!!」
「なん……だと」
「ヨハネス様のあの足運びは、独特のリズムで相手を翻弄し、攻撃を誘いだしているぞ」
しまいにはメイドと見事なコンビネーションで解説を始める。
「今の動きは何だ?」
「あれは……」
メイドが何かを知っている事を匂わせる。
「知っているのか ポーラ!?」
「はい。あれは八王龍撃閃。今のすれ違いの最中、一撃を加えたように見えましたが、実際にはあの刹那に8連撃を繰り出していると思われます。私の目をもってしても3連撃までしか追いきれませんでしたが……」
ヨハンお兄様とレオンハルトが交差した後、お互いが背を向け合ったと思えば、レオンハルトの足が崩れ、地面に片膝をつける。どうやらヨハンお兄様が圧倒的勝利を収めたようである。俺にはすれ違い様の1撃すら見えなかったよ。
「お兄様~」
前の席で見学をしていた令嬢は席を立ちあがり、1階へと降りていく。令嬢は、地面に片膝をつけたレオンハルトの元にかけより、タオルを渡す。どうやらレオンハルトの妹のようである。たしかお兄様の話ではレオンハルトの1個下にエリザベートという妹がいると言っていたのを思い出す。
試合が終わり休憩となったようで、お兄様はレオンハルトに回復魔法をかけている。
俺はここぞとばかりに持って来たタオルを渡すために令嬢と同じ行動をとる。
「お兄様~」
俺はお兄様の元へと走り出す。
「は? 何だと?」
解説役の子供が後ろで驚きの声を上げる。振り返らなくても驚愕の顔をしているのがわかるな。うぷぷ。先ほどから凄い、凄いと言っていたヨハネスは俺のお兄様なのだよ。
俺はお兄様の近くに行くと、タオルを差し出した。
「ありがとう」
お兄様は俺にお礼を言う。そんな俺を見てエリザベートはとんでもない事を口走る。
「誰ですか? その養豚場から逃げ出した子豚は?」
なんて酷い事を言うんだ、この令嬢は。冗談は、その縦ドリルだけにしてくれよ。その時、お兄様から殺気か漏れる。
「僕の弟だよ。ジークフリートというんだ」
この令嬢は死んだな。俺の悪口をお兄様の前で言うとはな。お兄様と俺は大の仲良しなんだぞ。俺のために怒ってくれるなんて、流石はお兄様です。
「そ、そうなのね。勘違いだったわ。よく見ると可愛らしい子狸のようね」
何かを悟ったエリザベートは俺の例えを訂正をする。
「ふふふ。そうだね……」
お兄様の殺気は消える。そして俺は子豚から子狸に昇格を果たした。しかし何やら……まあいい。これから痩せていけばいいのだ。明日からだ。必ず明日から運動をして痩せてみせる。
休憩も終わり、俺とエリザベートは観客席へと戻る。
「おい、もしかして、お前、ヨハネス様の弟なのか?」
先程は霊と交信をしていた子供は、どうやら今度は俺に話しかけているらしい。
「そうだけど。何か?」
その子供は俺を見た後、1階の中央にいるお兄様を見て、再度、俺の方を見る。
「信じられん……」
何て失礼なやつだ、この解説野郎は。
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