69 / 71
第69話 ダニー不動産
しおりを挟む
「これは、これは、ようこそお越しくださいました。私、ここの代表を勤めさせて頂いているダニーと申します。王都でも名の聞こえるラズエルデ様にお越しいただけるとは、このダニー、感無量でございます。して、今回はどういったご用件でしょうか?」
俺とラズエルデ先生は王都にある、不動産を扱っている場所を訪れた。受付で名前を名乗ると、応接室に通されて、代表を名乗る人が出てきた。ラズエルデ先生はなかなか名前が売れているいるようである。先生が優秀な冒険者であることを再確認した。
「うむ。今回はこちらのグリフィスの要望に叶う物件を探しに来たんじゃ」
「こちらの子供ですか?」
ダニーさんは懐疑的な目を俺に向ける。先生には俺をグリフィスとして紹介してもらえるようにあらかじめ伝えていた。王族の子供が不動産物件を見に来ているのがばれると、どこからか親の耳に入って俺が王都に繰り出しているのがばれてしまう。
「そうじゃ。グリフィスよ。希望を言うのじゃ」
「そうですね。6,7部屋があるような物件がいいんですけど、どれくらいしますかね」
「6,7部屋ですか………その大きさになりますと、王城の近くの貴族街の物件になりますが、あいにく空きがない状態ですねぇ。今は不祥事を起こした貴族様も出ていないので、こちらに回ってくる物件も少ないんですよ」
「ちなみに空きがあったとして、どれくらいの値段になりますか?」
「王城付近はそれなりのお値段がしますね。その規模ですと、賃貸で月金貨5枚、購入で金貨3000枚が目安になりますね」
賃貸で月500万円、購入だと30億円か。高すぎるな。
「王城から離れた場所だと、安くなるんですか?」
「そうですね。王城から離れた方が安くはなるのですが、その大きさの物件はなかなかないですからね」
漫画を描く人の作業部屋兼出版社として借りようと思ったが、流石に30億は高すぎる。
「そうじゃ。これはつまらないものなんじゃが」
ラズエルデ先生は持って来ていた袋をダニーさんに手渡す。
「こ、これは………まさか、幻の……ゴクリ」
「口に合えばいいんじゃが」
「いえいえ、【キングオブイモ】の二つ名を持つラズエルデ様の持ってきたエルフ印のサツマイモ、これを目にすることができるとは」
「それで、いい条件に合う物件は本当にないのかのぅ」
「う~む、そうですね。王立学園周りは今貴族向けに開発が進んでいますので、その中であれば、条件に合うものがあるかもしれませんが……」
まさかのイモで円滑な情報提供が可能だとは。どれだけ【キングオブイモ】の名は広まっているというのか。恐るべし【キングオブイモ】。ありがとう【キングオブイモ】。優秀な冒険者としてではなく【キングオブイモ】として知れ渡ってる、なんてことはないだろうな………
「ちなみに、その周りですとおいくらくらいなのですか?」
「そうですね。こちらは、学生向けとして賃貸を委託されているのと王城からは離れているために、少しお安くなっております。月金貨1枚程度で賃貸が可能になっております。また、この辺りは購入に制限がかけられているので、不可能になっております」
金貨1枚くらいなら、払えない額ではない。漫画という娯楽を発展させる投資だと思えば安いものである。
「ただしかし………この辺りの物件は基本的に学生向けにしか貸し出せないようになっておりまして………しかし、これを受け取ったからには………」
なるほど、それで最初は出してこなかったのか。こちらとしては、危ない橋を渡るつもりはないので、その近辺は保留だな。何か芋の力で危ない橋を渡ろうとしている人がいるが、そこまでするつもりはない。となると………俺は置かれた資料をぱらぱらとめくる。
そうすると、俺は気になる物件を見つけた。
「あのここって? この値段で購入できるんですか?」
「ここですか? ここは中心街から大きく外れておりますので、その値段で大丈夫なのですが。そこは部屋数は条件に合いますが、住むのには適していませんよ。もともと、宿屋を経営なさっている御夫婦が、王都を離れて余生を過ごせればということで、売りに出しているところなんですよ。そのため、この物件の場合一括で購入していただく必要もあります」
いや、確かに住むためには部屋の間取りが一列になっているのでおかしいが、漫画を描く作業場と考えればかなりいい物件なんではなかろうか。購入でも金貨50枚という俺の持ち金でもなんとかなる金額である。5000万円相当がなんとかなるっていうのも、金銭感覚がバグっている気もするが、ここは早めに購入を決めたいところである。
「この物件凄く気にいりました。購入します!!」
「!!」
「!!」
俺が購入を決定し、鞄から金貨を取り出し、机にぶちまけると、2人は驚愕の表情を見せる。
「馬鹿者!! 実物を見ずに決めるやつがあるか!! というかそんなにも金貨を持ち歩いておったのか?!」
たしかに、間取りと値段だけで決めてしまうとは、少々即決すぎたか。ダニーさんは金貨の山を見つめて呆然としている。
「この物件に興味があるんですけど、実際に見に行くことはできますか?」
「………では、これから見にいかれますか? わ、私が案内しますけど」
「是非お願いします」
俺達はダニーさんの案内で、件の物件へと連れて行ってもらう。かなり王都の中心からは外れたところではあるが、建物はレンガ造りのしっかりしたものである。
「ここが、その【時の歯車亭】になります。1階が住居兼食堂になっておりまして、2階には宿泊できる部屋が8部屋あります」
「中に入っても?」
「少々お待ちください。聞いてまいります」
ダニーさんは宿に入って、すぐに戻ってきた。
「大丈夫なようです。2階の部屋も空いてるところがあるので、ご案内できそうです」
「それはありがたいです。是非お願いします」
俺達は1階に入る。食堂はお昼を過ぎているので客は一人も入っていない。白髪混じりのおじいさんがダニーさんに話しかけてくる。
「こちらの方々が購入を希望されているのですか?」
「そうです。こちらの方が興味を持たれています」
「この子供さんが、ですか?」
やはり、俺みたいな子供が購入するとは思っていないのだろう。少し落胆の表情を見せる。
「そうですね。かなり気に入っていただいているので、一括で購入するという条件も問題ないそうですよ」
「おお、そうですか!! 年季の入った宿ですが、まだまだ補修を施せば、繁盛する宿にできると思いますよ。是非2階の宿泊部屋も見てください。一部屋の宿泊部屋ですが、ベッドを置いてもまだくつろぐスペースがありますから」
おじいさんは2階へと俺達を連れて行く。2階は廊下を挟んで、左右に4部屋づつある間取りになっていた。
「こちらが今空いています」
中にはベッドが窓際に置いてあり、鏡付きの化粧台がそのそばの壁際に置かれていた。トイレや風呂などは設置されておらず、1階に共用のトイレがあるようである。
ベッドを置いたままでも、作業部屋として使うスペースが十分にありそうな広さである。
「いいですね」
「!! そうですか。気に入ってもらえましたか。もし良ければ、2階の家具類は格安でお譲りしますよ
。私達はもう使いませんから」
「家具ですか………いや、宿屋をやるわけではないんで、大丈夫です」
「宿屋をするわけではないんですか?」
「そうですね。もしかして、宿屋をしないと購入できなかったりしますか?」
「いえ、そんなことはないですけど。間取り的に住居とするには、あまり良くはないと思いましたので。そうですか………宿屋を継続しないのですか………」
おじいさんはどこか歯切れが悪い感じがする。
「何かあるんですか?」
「いえ、奥の部屋にいるお客様なのですが、かれこれ2年ほど利用していただいてますので、出て行ってもらわないとならないなと思いまして」
そんなに泊るくらいなら、どこかに家を借りるか、購入した方がいいような気もするが、言えば他の宿屋に移ってくれるだろう。
「それは大丈夫でしょう。自分はこの物件が気にいりましたので、購入したいですね。いつから譲渡可能なんですか」
「そうですか!! ありがとうございます!! 引っ越しの準備等もありますけど、来週には明け渡せるかと思います」
かなりスピーディーだな。
「気に入っていただけて良かったです。諸々の手続きは事務所に帰って行いましょう。ダナ爺さん、いらない家具類は私どもが購入させていただきますので、持っていくものと、売却するものをわけておいてください」
「分かりました。いろいろとありがとうございました」
「いえいえ、一括で購入してくれる人が現れてくれて本当に良かったですね」
宿屋の爺さんはお礼を言って俺に頭を下げた。
俺はこの後、不動産で手続きを済ませて、この物件のオーナーとなることに成功した。必要な家具もダニーさんから格安で購入して、一週間後、新しくここを【時の歯車亭】改め【トキワ亭】に屋号を変えて、漫画への道の第一歩を踏み出したのだった。
早速、俺は取り掛かることにした。漫画への第一歩を。
奥の部屋を不法占拠している冒険者を追い出すという仕事を………
俺とラズエルデ先生は王都にある、不動産を扱っている場所を訪れた。受付で名前を名乗ると、応接室に通されて、代表を名乗る人が出てきた。ラズエルデ先生はなかなか名前が売れているいるようである。先生が優秀な冒険者であることを再確認した。
「うむ。今回はこちらのグリフィスの要望に叶う物件を探しに来たんじゃ」
「こちらの子供ですか?」
ダニーさんは懐疑的な目を俺に向ける。先生には俺をグリフィスとして紹介してもらえるようにあらかじめ伝えていた。王族の子供が不動産物件を見に来ているのがばれると、どこからか親の耳に入って俺が王都に繰り出しているのがばれてしまう。
「そうじゃ。グリフィスよ。希望を言うのじゃ」
「そうですね。6,7部屋があるような物件がいいんですけど、どれくらいしますかね」
「6,7部屋ですか………その大きさになりますと、王城の近くの貴族街の物件になりますが、あいにく空きがない状態ですねぇ。今は不祥事を起こした貴族様も出ていないので、こちらに回ってくる物件も少ないんですよ」
「ちなみに空きがあったとして、どれくらいの値段になりますか?」
「王城付近はそれなりのお値段がしますね。その規模ですと、賃貸で月金貨5枚、購入で金貨3000枚が目安になりますね」
賃貸で月500万円、購入だと30億円か。高すぎるな。
「王城から離れた場所だと、安くなるんですか?」
「そうですね。王城から離れた方が安くはなるのですが、その大きさの物件はなかなかないですからね」
漫画を描く人の作業部屋兼出版社として借りようと思ったが、流石に30億は高すぎる。
「そうじゃ。これはつまらないものなんじゃが」
ラズエルデ先生は持って来ていた袋をダニーさんに手渡す。
「こ、これは………まさか、幻の……ゴクリ」
「口に合えばいいんじゃが」
「いえいえ、【キングオブイモ】の二つ名を持つラズエルデ様の持ってきたエルフ印のサツマイモ、これを目にすることができるとは」
「それで、いい条件に合う物件は本当にないのかのぅ」
「う~む、そうですね。王立学園周りは今貴族向けに開発が進んでいますので、その中であれば、条件に合うものがあるかもしれませんが……」
まさかのイモで円滑な情報提供が可能だとは。どれだけ【キングオブイモ】の名は広まっているというのか。恐るべし【キングオブイモ】。ありがとう【キングオブイモ】。優秀な冒険者としてではなく【キングオブイモ】として知れ渡ってる、なんてことはないだろうな………
「ちなみに、その周りですとおいくらくらいなのですか?」
「そうですね。こちらは、学生向けとして賃貸を委託されているのと王城からは離れているために、少しお安くなっております。月金貨1枚程度で賃貸が可能になっております。また、この辺りは購入に制限がかけられているので、不可能になっております」
金貨1枚くらいなら、払えない額ではない。漫画という娯楽を発展させる投資だと思えば安いものである。
「ただしかし………この辺りの物件は基本的に学生向けにしか貸し出せないようになっておりまして………しかし、これを受け取ったからには………」
なるほど、それで最初は出してこなかったのか。こちらとしては、危ない橋を渡るつもりはないので、その近辺は保留だな。何か芋の力で危ない橋を渡ろうとしている人がいるが、そこまでするつもりはない。となると………俺は置かれた資料をぱらぱらとめくる。
そうすると、俺は気になる物件を見つけた。
「あのここって? この値段で購入できるんですか?」
「ここですか? ここは中心街から大きく外れておりますので、その値段で大丈夫なのですが。そこは部屋数は条件に合いますが、住むのには適していませんよ。もともと、宿屋を経営なさっている御夫婦が、王都を離れて余生を過ごせればということで、売りに出しているところなんですよ。そのため、この物件の場合一括で購入していただく必要もあります」
いや、確かに住むためには部屋の間取りが一列になっているのでおかしいが、漫画を描く作業場と考えればかなりいい物件なんではなかろうか。購入でも金貨50枚という俺の持ち金でもなんとかなる金額である。5000万円相当がなんとかなるっていうのも、金銭感覚がバグっている気もするが、ここは早めに購入を決めたいところである。
「この物件凄く気にいりました。購入します!!」
「!!」
「!!」
俺が購入を決定し、鞄から金貨を取り出し、机にぶちまけると、2人は驚愕の表情を見せる。
「馬鹿者!! 実物を見ずに決めるやつがあるか!! というかそんなにも金貨を持ち歩いておったのか?!」
たしかに、間取りと値段だけで決めてしまうとは、少々即決すぎたか。ダニーさんは金貨の山を見つめて呆然としている。
「この物件に興味があるんですけど、実際に見に行くことはできますか?」
「………では、これから見にいかれますか? わ、私が案内しますけど」
「是非お願いします」
俺達はダニーさんの案内で、件の物件へと連れて行ってもらう。かなり王都の中心からは外れたところではあるが、建物はレンガ造りのしっかりしたものである。
「ここが、その【時の歯車亭】になります。1階が住居兼食堂になっておりまして、2階には宿泊できる部屋が8部屋あります」
「中に入っても?」
「少々お待ちください。聞いてまいります」
ダニーさんは宿に入って、すぐに戻ってきた。
「大丈夫なようです。2階の部屋も空いてるところがあるので、ご案内できそうです」
「それはありがたいです。是非お願いします」
俺達は1階に入る。食堂はお昼を過ぎているので客は一人も入っていない。白髪混じりのおじいさんがダニーさんに話しかけてくる。
「こちらの方々が購入を希望されているのですか?」
「そうです。こちらの方が興味を持たれています」
「この子供さんが、ですか?」
やはり、俺みたいな子供が購入するとは思っていないのだろう。少し落胆の表情を見せる。
「そうですね。かなり気に入っていただいているので、一括で購入するという条件も問題ないそうですよ」
「おお、そうですか!! 年季の入った宿ですが、まだまだ補修を施せば、繁盛する宿にできると思いますよ。是非2階の宿泊部屋も見てください。一部屋の宿泊部屋ですが、ベッドを置いてもまだくつろぐスペースがありますから」
おじいさんは2階へと俺達を連れて行く。2階は廊下を挟んで、左右に4部屋づつある間取りになっていた。
「こちらが今空いています」
中にはベッドが窓際に置いてあり、鏡付きの化粧台がそのそばの壁際に置かれていた。トイレや風呂などは設置されておらず、1階に共用のトイレがあるようである。
ベッドを置いたままでも、作業部屋として使うスペースが十分にありそうな広さである。
「いいですね」
「!! そうですか。気に入ってもらえましたか。もし良ければ、2階の家具類は格安でお譲りしますよ
。私達はもう使いませんから」
「家具ですか………いや、宿屋をやるわけではないんで、大丈夫です」
「宿屋をするわけではないんですか?」
「そうですね。もしかして、宿屋をしないと購入できなかったりしますか?」
「いえ、そんなことはないですけど。間取り的に住居とするには、あまり良くはないと思いましたので。そうですか………宿屋を継続しないのですか………」
おじいさんはどこか歯切れが悪い感じがする。
「何かあるんですか?」
「いえ、奥の部屋にいるお客様なのですが、かれこれ2年ほど利用していただいてますので、出て行ってもらわないとならないなと思いまして」
そんなに泊るくらいなら、どこかに家を借りるか、購入した方がいいような気もするが、言えば他の宿屋に移ってくれるだろう。
「それは大丈夫でしょう。自分はこの物件が気にいりましたので、購入したいですね。いつから譲渡可能なんですか」
「そうですか!! ありがとうございます!! 引っ越しの準備等もありますけど、来週には明け渡せるかと思います」
かなりスピーディーだな。
「気に入っていただけて良かったです。諸々の手続きは事務所に帰って行いましょう。ダナ爺さん、いらない家具類は私どもが購入させていただきますので、持っていくものと、売却するものをわけておいてください」
「分かりました。いろいろとありがとうございました」
「いえいえ、一括で購入してくれる人が現れてくれて本当に良かったですね」
宿屋の爺さんはお礼を言って俺に頭を下げた。
俺はこの後、不動産で手続きを済ませて、この物件のオーナーとなることに成功した。必要な家具もダニーさんから格安で購入して、一週間後、新しくここを【時の歯車亭】改め【トキワ亭】に屋号を変えて、漫画への道の第一歩を踏み出したのだった。
早速、俺は取り掛かることにした。漫画への第一歩を。
奥の部屋を不法占拠している冒険者を追い出すという仕事を………
0
あなたにおすすめの小説
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる