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151 竜をダメにする枕2
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王子がビーズクッション(大)を使って。
私がビーズクッション(小)を使って。
クラフト系ゲームでの二人建築の時の必需品になっていたクッションだけど、あるから使っていただけで、実は小さい方も改めて大きいサイズにして買い直したいと思っていた。
だって。王子と私の身長差がありすぎて、クッションの大きさにまで差があると、二人建築の際にちょっとだけ王子にくっつきづらい。
王子所有の3D酔い防止機能付きのセイレーンの魅了眼鏡の恩恵を、同じゲームをやりながら横並びで二人して受けるためには、眼鏡をかけた王子と私が腕を組む必要があるのだ。それが一番効率がいい。
なのに、この腕を組む体勢にちょっと無理がある。
最初はあまり気が付かなかったけど、ゲームをやる以上どうしても長時間になるし、実際やっている間に不具合に気が付いた。
お互いが別々のゲームやるときは、方向を変えて私が軽く寄っかかっちゃえばそれなりの接触率も保てるし問題ないと思っていたけれど、同じゲームをやる場合はそうもいかなかったのだ。
王子と私の間に立ちはだかる身長差の壁。
若干、私がぶら下がる形になるので王子に負担がかかっている。
これはいただけない。と、いうよりもうちょい改良の余地がある。
使うクッションを逆にするのも考えたけど、流石に王子には私の使っている小さい方だと窮屈過ぎる。
いっそのこと床に直に座っちゃえば段差はそこまででもないのだけれど……座り心地の良いクッションを今更手放すのも嫌だ。
――そういう訳で。
新しくクッションを買い直して、段差を無くした方が接触面も増えるだろうし、もう少し腕を組むのも楽になると思うんだよね……。
……そう、思うだけで購入に踏み切れなかったのは、ビーズクッション(小)が勿体なかったから。
だって買ったばかりだし、捨てるなんてとんでもない。
何より捨て方も分からない。
だから。もし竜が引き取ってくれるなら、無駄にしないで済むし、それはお互いにとって素晴らしいのではないか。
その上で王子が使っているのと一緒のビーズクッション(大)をもう一つ買えば、身長差も緩和されて、腕を組みながらゲームするのも楽になる。座り心地の良さも保たれる。
何より、品質はお試し済みですからね。安心して買える。
そう説明して王子にビーズクッション(小)をあっちに持って行ってもらったわけだけど、竜に気に入ってもらえたのだろうか。
「ああ……なんか、クマちゃんと同じように、すごくすごーく気に入ったらしい。つが……いや、幸せな気配がするそうだ。夢見がいいらしく、もうずっと新しい枕に顎を乗せて眠っている。声をかけても起きないし、ニヤニヤしている顔が気に食わない。いったいどんな夢を見ているのか……」
何故か少し不機嫌な王子様。気に入ってもらえたならいいと思うんだけど。
何だかんだ構ってちゃんな王子のことだ。せっかくアチラで気楽に話せる相手ができたというのに、眠っているせいで相手にしてもらえなくて、拗ねているのかもしれない。
でも、まあ、話を聞く限りは随分と気に入ってもらえたようだ。そして、なんとなくいつもお疲れの腹黒さんがクッションに体を沈めて寝落ちしていた姿を思い出す。
あの人もアレ随分と気に入っていたもんね。座り心地の良いクッションは万国共通らしい。気に入ってもらえてよかったです。
「良かった。じゃあ、返品されることもなさそうだし、新しいクッションを買っちゃおう。きっと、段差が無くなればもう少し楽に王子とくっつけると思うのよ。長時間ゲームするには体勢も楽な方がいいものね。そろそろ私も一緒にゲームをやりたいし、明日にでも買ってくるわ」
明日、明後日と講義の都合で召喚もバイトもお休みだし、買い物に行くには丁度いい。次の召喚までにはしっかりとゲーム環境が整えられるだろう。
そんなことを説明すれば。
「そうか! そうだな!! それは楽しみだ!!」
私の言葉に即機嫌を直す王子。満面の笑みだ。
クッションが一つしかないから二人建築はお休みしていて、映画を見終わった後の王子は昼寝以外、一人でコツコツとゲームをやっていた。
それはそれで楽しそうではあったんだけど。今の反応を見るに、物足りなかったらしい。
まあ、クラフト系ゲームはアレコレ人に見せたくなるもんだしねえ。早く私に建築の成果を見せたいのだろう。
どこまで案内したっけな、とウキウキしている姿が微笑ましい。
うん。やっぱり王子には映画よりゲームがいいようだ。ウチのゲーミング王子は本当に分かりやすいよね!
私がビーズクッション(小)を使って。
クラフト系ゲームでの二人建築の時の必需品になっていたクッションだけど、あるから使っていただけで、実は小さい方も改めて大きいサイズにして買い直したいと思っていた。
だって。王子と私の身長差がありすぎて、クッションの大きさにまで差があると、二人建築の際にちょっとだけ王子にくっつきづらい。
王子所有の3D酔い防止機能付きのセイレーンの魅了眼鏡の恩恵を、同じゲームをやりながら横並びで二人して受けるためには、眼鏡をかけた王子と私が腕を組む必要があるのだ。それが一番効率がいい。
なのに、この腕を組む体勢にちょっと無理がある。
最初はあまり気が付かなかったけど、ゲームをやる以上どうしても長時間になるし、実際やっている間に不具合に気が付いた。
お互いが別々のゲームやるときは、方向を変えて私が軽く寄っかかっちゃえばそれなりの接触率も保てるし問題ないと思っていたけれど、同じゲームをやる場合はそうもいかなかったのだ。
王子と私の間に立ちはだかる身長差の壁。
若干、私がぶら下がる形になるので王子に負担がかかっている。
これはいただけない。と、いうよりもうちょい改良の余地がある。
使うクッションを逆にするのも考えたけど、流石に王子には私の使っている小さい方だと窮屈過ぎる。
いっそのこと床に直に座っちゃえば段差はそこまででもないのだけれど……座り心地の良いクッションを今更手放すのも嫌だ。
――そういう訳で。
新しくクッションを買い直して、段差を無くした方が接触面も増えるだろうし、もう少し腕を組むのも楽になると思うんだよね……。
……そう、思うだけで購入に踏み切れなかったのは、ビーズクッション(小)が勿体なかったから。
だって買ったばかりだし、捨てるなんてとんでもない。
何より捨て方も分からない。
だから。もし竜が引き取ってくれるなら、無駄にしないで済むし、それはお互いにとって素晴らしいのではないか。
その上で王子が使っているのと一緒のビーズクッション(大)をもう一つ買えば、身長差も緩和されて、腕を組みながらゲームするのも楽になる。座り心地の良さも保たれる。
何より、品質はお試し済みですからね。安心して買える。
そう説明して王子にビーズクッション(小)をあっちに持って行ってもらったわけだけど、竜に気に入ってもらえたのだろうか。
「ああ……なんか、クマちゃんと同じように、すごくすごーく気に入ったらしい。つが……いや、幸せな気配がするそうだ。夢見がいいらしく、もうずっと新しい枕に顎を乗せて眠っている。声をかけても起きないし、ニヤニヤしている顔が気に食わない。いったいどんな夢を見ているのか……」
何故か少し不機嫌な王子様。気に入ってもらえたならいいと思うんだけど。
何だかんだ構ってちゃんな王子のことだ。せっかくアチラで気楽に話せる相手ができたというのに、眠っているせいで相手にしてもらえなくて、拗ねているのかもしれない。
でも、まあ、話を聞く限りは随分と気に入ってもらえたようだ。そして、なんとなくいつもお疲れの腹黒さんがクッションに体を沈めて寝落ちしていた姿を思い出す。
あの人もアレ随分と気に入っていたもんね。座り心地の良いクッションは万国共通らしい。気に入ってもらえてよかったです。
「良かった。じゃあ、返品されることもなさそうだし、新しいクッションを買っちゃおう。きっと、段差が無くなればもう少し楽に王子とくっつけると思うのよ。長時間ゲームするには体勢も楽な方がいいものね。そろそろ私も一緒にゲームをやりたいし、明日にでも買ってくるわ」
明日、明後日と講義の都合で召喚もバイトもお休みだし、買い物に行くには丁度いい。次の召喚までにはしっかりとゲーム環境が整えられるだろう。
そんなことを説明すれば。
「そうか! そうだな!! それは楽しみだ!!」
私の言葉に即機嫌を直す王子。満面の笑みだ。
クッションが一つしかないから二人建築はお休みしていて、映画を見終わった後の王子は昼寝以外、一人でコツコツとゲームをやっていた。
それはそれで楽しそうではあったんだけど。今の反応を見るに、物足りなかったらしい。
まあ、クラフト系ゲームはアレコレ人に見せたくなるもんだしねえ。早く私に建築の成果を見せたいのだろう。
どこまで案内したっけな、とウキウキしている姿が微笑ましい。
うん。やっぱり王子には映画よりゲームがいいようだ。ウチのゲーミング王子は本当に分かりやすいよね!
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