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続編
3 逃走! 自称ヒロイン
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自称ヒロインは相変わらず愛らしかった。手入れをされた艶のあるピンク色の髪に、輝くような白い肌。しかし幼さの残る顔には僅かに陰のようなものが見え、妙な色気を振りまいている。
同窓会会場に感嘆のため息と、マジかよ、本当に来たよという引きつったため息が響き渡る。
前者は付き合いの浅かった者や、十年たって、喉元過ぎた女子。後者は運悪くイケメンぶら下がり健康器の被害に遭い、恋人や彼女と別れることになった者たちだ。
世話係だった委員長は無邪気に手を振って喜んでいる。
初めて目にする召喚の様子にクラスメイト達は驚いていた。
しかし、何よりのサプライズだったのは。
「今日は私のために同窓会を開いてくれてありがとう! 会えてうれしいわ。でも――」
舞台上で。挨拶もそこそこに。
「ごめんね、みんな! 私、真実の愛にようやく気付いたの。だから、さよならっ!」
そう言ってドレスを翻し、全速力で同窓会会場から逃走する、自称ヒロインの姿だった。
「ちょ、待ってくれリリー! 約束が違う!」
金髪・紫目のイケメン王子様は慌てて自称ヒロインの後を追いかけて行った。
会場に、何とも言えない沈黙が漂う。
一時間がたったころ。ようやく王子は戻ってきた。見事な衣装は着崩れて、唇から血を流し全身ボロボロの傷だらけになっていた。
あちこち殴られたのだろう。足取りはフラフラしている。見るからに大ケガだ。
「くそう、平民の分際で。会場へ道案内をせよと言っただけなのに、こんな」そんなことをブツブツと言っているから色々と察した。
自称ヒロインを捜しているうちに道に迷い、帰れなくなったのだろう。それでよろしくない連中に道を聞き、この態度でボコられたと。
とりあえず救急車を呼ぶか、と相談していたら後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「遅れて申し訳ありませ……殿下!? どうしたのですか、そのお姿は!」
遅れてきた悪役令嬢だ。悪役令嬢は第一王子に駆け寄ると、そっと両手をかざす。
そして。
『癒しの光よ……!』
そのつぶやきと共に、第一王子の傷が、服が、何事もなかったかのように元のきらびやかな状態に戻っていく。
腫れあがって傷だらけだった顔が元のイケメンに戻っていく様を見ていて、同時に俺は見たくもないものを見てしまった。
第一王子の目に、驚愕と、そして明らかな恋情がよみがえる様を。
「ヴィーナ……ああ、ヴィーナ。君は、まだ癒しの力を、聖女の力を維持していたんだね」
「はい。お治しすることができて良かったです」
そう言って微笑む悪役令嬢を第一王子は泣きそうな顔で見つめ。
「十年もの間、僕のために純潔を守ってくれていたのか。ああ、許してくれヴィーナ。リリーとのことは間違いだった。あの女に騙されたんだ」
そして、震える手を伸ばし。
「ヴィーナ! 僕の真実の愛は君だった。迎えに来たんだ、結婚しよう」
悪役令嬢を両手で抱きしめ――
「俺の嫁に触るな」
……る前に、俺が力いっぱい突き飛ばした。
同窓会会場に感嘆のため息と、マジかよ、本当に来たよという引きつったため息が響き渡る。
前者は付き合いの浅かった者や、十年たって、喉元過ぎた女子。後者は運悪くイケメンぶら下がり健康器の被害に遭い、恋人や彼女と別れることになった者たちだ。
世話係だった委員長は無邪気に手を振って喜んでいる。
初めて目にする召喚の様子にクラスメイト達は驚いていた。
しかし、何よりのサプライズだったのは。
「今日は私のために同窓会を開いてくれてありがとう! 会えてうれしいわ。でも――」
舞台上で。挨拶もそこそこに。
「ごめんね、みんな! 私、真実の愛にようやく気付いたの。だから、さよならっ!」
そう言ってドレスを翻し、全速力で同窓会会場から逃走する、自称ヒロインの姿だった。
「ちょ、待ってくれリリー! 約束が違う!」
金髪・紫目のイケメン王子様は慌てて自称ヒロインの後を追いかけて行った。
会場に、何とも言えない沈黙が漂う。
一時間がたったころ。ようやく王子は戻ってきた。見事な衣装は着崩れて、唇から血を流し全身ボロボロの傷だらけになっていた。
あちこち殴られたのだろう。足取りはフラフラしている。見るからに大ケガだ。
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自称ヒロインを捜しているうちに道に迷い、帰れなくなったのだろう。それでよろしくない連中に道を聞き、この態度でボコられたと。
とりあえず救急車を呼ぶか、と相談していたら後ろから聞き慣れた声が聞こえた。
「遅れて申し訳ありませ……殿下!? どうしたのですか、そのお姿は!」
遅れてきた悪役令嬢だ。悪役令嬢は第一王子に駆け寄ると、そっと両手をかざす。
そして。
『癒しの光よ……!』
そのつぶやきと共に、第一王子の傷が、服が、何事もなかったかのように元のきらびやかな状態に戻っていく。
腫れあがって傷だらけだった顔が元のイケメンに戻っていく様を見ていて、同時に俺は見たくもないものを見てしまった。
第一王子の目に、驚愕と、そして明らかな恋情がよみがえる様を。
「ヴィーナ……ああ、ヴィーナ。君は、まだ癒しの力を、聖女の力を維持していたんだね」
「はい。お治しすることができて良かったです」
そう言って微笑む悪役令嬢を第一王子は泣きそうな顔で見つめ。
「十年もの間、僕のために純潔を守ってくれていたのか。ああ、許してくれヴィーナ。リリーとのことは間違いだった。あの女に騙されたんだ」
そして、震える手を伸ばし。
「ヴィーナ! 僕の真実の愛は君だった。迎えに来たんだ、結婚しよう」
悪役令嬢を両手で抱きしめ――
「俺の嫁に触るな」
……る前に、俺が力いっぱい突き飛ばした。
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