【完結】悪役令嬢と自称ヒロインが召喚されてきたけど自称ヒロインの評判がとんでもなく悪い

堀 和三盆

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リリーside

10 大好きな人の色

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 それからの日々はあっという間だった。最初はギャル達とみんなで遊んでいたけれど、徐々にユージと二人で会うようになっていって――。

 ユージは複雑な家庭環境らしく母親と二人暮らしだ。でも、経済的には一切困ってないみたいで、住んでいるところも着ている物も高級品ばかりだった。

 学校から賠償金代わりの生活費が出てるから私も少しはお金を出そうとしたんだけど、デート代はいつもユージが出してくれた。お陰で、余った生活費は化粧品や洋服を思う存分買うことができた。

 かっこいいユージの横に立つんだもの。やっぱり、自分も可愛くありたいじゃない。ダイエット食品も山ほど買って、体型維持にも勤しんだ。ユージは、そのままでかわいいよ、と言ってくれるけど。

 第一王子とは山ほどデートをしたけれど、所詮は異世界。デートスポットも限られる。買い物か、食事か、観劇か。

 それに比べてユージとのお出掛けは多種多様だった。遊園地に映画にプラネタリウムにetcetc……。

 異世界と現代じゃ娯楽の幅が違いすぎる。一緒に行きたいところが多すぎて、何をしても楽しくて。でも時間が足りなくて。
 とにかくユージと一緒にいたくて、学校もサボりがちになった。

 それくらい一緒にいたけれど、ユージとは付き合っているわけではなかった。だから、とっても清い関係。友達以上、恋人未満……そんな微妙な関係が甘酸っぱくてドキドキした。

 ユージ以外と過ごす時間がもったいなくて、イケメンランキング1~4の彼らとはとっくにサヨナラした。
 誤解されたくないし。それに。……それに。

 もう少ししたら会えなくなっちゃうんだもの。


 大好きな金髪に、大好きな紫の目。


 最初は第一王子に似ているから魅かれたのかと思ってたけど。今は、それを見てもユージのことしか考えられない。ユージの色だから好きなのよ。

 だけど、今更だけど、不思議に思った。この世界の人は黒髪黒目が多い。他の国の人は色んな髪色や目の色をしてるけど、ユージは顔つきもこの国の人なのに。

「ねえ、ユージの髪や目はキレイだけど、もしかして魔法で染めてる?」

 そう聞いたら天然ちゃんだって笑われた。こっちには魔法使える人がいないんだって。なるほど。確かに前世の世界でも魔術染めできる美容師さんは少なかった。そしてどうやらこっちには、その魔法すらないみたい。

 と、言うことは、ユージの髪の色と目の色は天然なのね。

 すごい。なんていう偶然。まさに、運命だわ。


 前世とあまりにも世界観が似てたから。文化が似てたから。そんな風にあまりよく考えずに判断してしまった。

 そのせいであんなことになるなんて。この時の私は想像すらできなかった。



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