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22 外交の成果
しおりを挟む伯爵家で学んだこと。
王女との交流で知ったこと。
次期公爵として教えられたこと。
それらすべてを使ってデュナミスは両国の橋渡しを行った。
両国は距離がかなり離れているため、輸送の経路やコストなど解決しなければならない問題も多かったが、その辺についてはアルテサーノ伯爵が協力をしてくれた。彼は大商会をいくつも経営しているだけあって顔が広く、交渉がスムーズに進むようにと、各国の要人に根回しをしてくれたのだ。
経験不足でなんの信用もないデュナミス一人では、これほどすんなりとはいかなかっただろう。
それについて伯爵に感謝の気持ちを伝えると。
「フン、別に貴様のために動いたのではない! ……愛する番のためだ」
……と、デュナミスを苦々しく睨みつけながら伯爵夫人に甘く愛の言葉を囁くというとんでもなく器用な芸当を披露してくれたので、それが彼の本心だったのだと思う。
獣人たちは運命の番のためなら努力を惜しまない。出費を惜しむことも無い。
その結果、ほぼ全ての事業を軌道に乗せることができたのだ。
その中で少し意外だったのは、騒音に配慮した魔石ミシンの普及とともに、番以外の夫婦や婚約者の間でもパートナーに愛のこもった手作りドレスを贈る流行が広がったこと。
この国にとって運命の番は憧れの対象でもあるので、皆がこぞって彼らの真似をしたのだ。
お互いの種族を表す刺繍をしたり。
高価なレースを縫い付けたり。
分かりやすくパートナーへの愛情を示せると好評だし、夜会参加者の服装がある程度平均化したおかげで、伯爵夫人のように運命の番から重めの執着をされる者が夜会で悪目立ちすることも無くなった。
あまりの需要の高まりに、利益だけを追い求めて無理矢理子供を働かせる輩が出るのでは……とそれだけが心配だったが、感覚の鋭い獣人はマイナス感情が乗せられた品は本能で分かるらしく、そういった品は買い取りを拒否されるせいで、悪徳業者が蔓延ることも無かった。幸せな環境で作られた品はその分高く買い取られるので、働かざるを得ない貧しい子供たちの労働環境まで改善したのだ。
そうやって毎日忙しく働いている間に、デュナミスの外交官としての任期はあっという間に過ぎて行った。
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