滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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2:カブキーフェスタへの道

160:龍脈の棟梁(シガミー)、神域の謎とオカワリ

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「やい、めしかみ……ひそひそ……目のまえに出された食いもんにだけ、手をつけろよ?」
 目のまえのフカフカな座布団ざぶとんに、うやうやしく鎮座ちんざましましておられるやつに――くぎを刺しておく。

「美の女神めがみたいして、ご無礼ぶれいが過ぎませんこと、シガミィ? けどゆるしてあげます。なぜなるぁー、いまのあたくしさまわぁー、ちょう機嫌ごきげんだっかっらっでーす♪」
 この〝さかさ鏡餅かがみもち〟がイオノファラーの〝うつ〟であることは、おれのウワサといっしょにひろまってたらしくて――

「こちらオカワリになります。イオノファラーさまに、シガミーさま♡」
 御神体いおのはらを、大事だいじあつかってくれている。
「ありがとう。遠慮えんりょわぁいらないわょぉう――じゃんじゃん持ってきてぇー♪」

 央都おうとのしゃらあしゃら具合ぐあいはとんでもなくて、調度品ちょうどひんは立派だし――
 給仕きゅうじ一人一人ひとりひとりが、リオレイニア並みに研ぎ澄まされていた。

「こちら水晶桃すいしょうももの、パイ生地包きじつつみです」
 コトリ。
「コチラの食器しょっき、お下げしますね」
 カチャッ。
 無くなるそばから、即座そくざ配膳はいぜんされる――大皿小皿おおざらこざら
 たおやかな一挙手いっきょしゅ一投足いっとうそくに、目をうばわれた。

「ありがとうごぜえます……だよわぜ」
 こちとら田舎武将いなかぶしょううたけにすら呼ばれたことのねえ、筋金入すじがねいりの田舎者いなかもんだ。
 どうしたって、気後きおくれすらぁ。

「おい、姫さんリカルルさまよぅ」
 となりにいる伯爵令嬢はくしゃくれいじょうに、聞かずには居られなかった。
「どうしたの、シガミー?」
 葡萄酒ぶどうしゅらしきものを、ほそヒゲの男給仕おとこきゅうじからいでもらってる。

「おれぁ、この手のせきにゃぁ似合にあわねぇーだろぉう?」
 あたまうごかすと、りょうこめかみでむすばれたかみがゆれる。
「……こくこくん、ぷはぁ♪ なに言ってるの? いまのシガミーは、どこに出しても恥ずかしくない、ちいさなレディーよ♪」
 しかもとんでもなく、しゃらあしゃらしたふく着替きがええさせられたから――超落ちょうおちつかねぇ。

「ゲラゲラプゲラッ――――もぐぎゅもぐっ、ほんへもはく、ははひーわよぉう、もぐもぐ、パクパク、むしゃり♪」
 行儀ぎょうぎわるすぎんだろ。

「いーから、食って……食べてから、しゃべろうなー」
 おれは、ちかくにあったかみで、御神体ごしんたい口元くちもとを拭いてやった。

 ふぉん♪
『イオノ>本当にかわいくて、お人形さんみたいよ
    >そのカラダは、アタシが作ってあげたんだから、
    >大切にしなさいね』
 よし、来たな・・・
 視界しかいすみに、文字もじがあらわれた。

 「まずは、ごはんをいただいてから。はなしはそれから」の一点張いってんばりで仕方しかたねぇから、宴会えんかいを受けたのだ。やっとはなしが聞ける。

 食ってるときは、食うことに集中しゅうちゅうしたいのか、耳栓越みみせんごしのこえじゃなくて――ビードロ経由けいゆ内緒話はなしになった――
 イオノってのはイオノファラーのりゃくで、そのうしろにはなし内容ないよう文字もじになってあらわれる。

「(へいへい、ソイツにかんしちゃマジ・・感謝かんしゃしてる。出来できたらおとこにして欲しかったが――ってそんなことはどうでも良い――さっきまで、どこ行ってやがった?)」

 ふぉん♪
『イオノ>そんなの、ガムラン町の女神像のリニューアルに決まってるでしょ?」
 乳有にゅうある? ――ねえだろうが・・・・・・御神体おまえのカラダのどこが、盛り上がってるんだ?
『>大々的な改築のことです』
 こっちの名無ななしの文字もじが、迅雷ジンライの声だ。

 聞きたいことは、みっつ。
 いま聞いておかねぇと、また絶対別ぜったいべつのもめごとが起きて、またわけわからなくなっちまうからな。

 まずは、ひとつめ。
 さかなの切り身に薬味やくみをのせた料理りょうりを、かじりながら聞く。
「(ルリーロのつえがオマエの兄神あにがみさまのつくった、輪或弩わあるどつながってたのはなぜだ?)」
 神域しんいき妖狐ようこのつながりが、かなり気になる。

 ふぉん♪
『イオノ>それわね、ルリーロちゃんがシガミーと同じ所から来たからよ』
 おなところ……やっぱりもとから来たので、間違まちがいいないらしい。

 ふぉん♪
『>更新されたライブラリーによれば、正確には日の本の常世の国です』
 それは……おれがココに居るのも死んだからだしな
 妖狐ルリーロもたぶん……江戸えどがどうとか言ってたから、江戸えど退治たいじでもされたんだろう。

「(けど、それがどうして輪或弩わあるどつながる? 死んだら、この世界せかい……あたらしい現世うつしよに呼ばれるんだろう?)」

 ふぉん♪
『イオノ>それすこしややこしいんだけど――まずシガミーのカラダは、あたくしさまが作ったでしょ?』
「(それはわかる。御神体ごしんたいを作った〝絵で板えでぃたぁ〟で、御前おまえさまがこしらえたんだろう?)」

 ふぉん♪
『イオノ>そー。けど、ルリーロちゃんわぁ、あたくしさまが作ったんじゃないのよねぇ』
 じゃあ、誰が?

 ふぉん♪
『>〝オノハラレン〟、〝イオノファラー〟の兄のようです』

 ふぉん♪
『イオノ>こら迅雷。上位権限を越えた類推は、今後禁止します』
 ふぉん♪
『>了解しました』

「(おまえらだけで納得なっとくしてんな。兄神あにがみさまがつくったルリーロのからだが、どうして御前おまえさまの現世わあるどに居るんだ?)」

 ふぉん♪
『イオノ>それは、あたくしさまが、〝オノハラレン〟のアカウントをもらったからです』
 〝うんと〟?

 ふぉん♪
『>忌み名や戒名などの、実名とお考え下さい』

 ふぉん♪
『イオノ>そーね。ソレがないと、アンタたちみたいな死んだ魂をFATSに取り込めないしねぇー』
 死んだたましいを取り込むだとっ……やっぱり五百乃大角こいつ惡神わるがみなんじゃ?

 ふぉん♪
『>量子的な連続性を維持しつつ、意識をデジタイズする事に、生者も死者も関係ありません』
 さっぱりわからん。
 ふぉん♪
『イオノ>さっぱりわからん』
 オマエはわかってないと、ダメだろうが。

「では、そろそろご登壇とうだんしていただきましょう♪ 魔剣まけんイヤーイの使つかい手にして、イオノファラーさまにえらばれし聖女せいじょさまっ!」

「――ほら、呼ばれてるわよ、シガミー?」
 へっ、はっ?
 ほんのりあかかおをしたリカルルが、貸してあげましょぉかぁー?
 なんて言って、豪奢ごうしゃけんを抜こうとしてる。

 いけねっ、文字もじ使つかった内緒話ないしょばなしは、〝はやい〟けど、まわりが〝おそく〟はならねぇんだな。

 ふぉん♪
『>耳栓を使った場合と、ほぼ同じです』
 こうなると、狐耳族きつねみみぞくとか貴族きぞくさまのまえでも、迅雷ジンライ五百乃大角いおのはら念話ねんわ使つかえるようにしときてぇな。
 いざってときに、こうして・・・・こまる。

 宴会場えんかいじょうつくられた、おおきなだん
「――――カカンッ!」
 やい迅雷ジンライ。なんで拍子木ひょうしぎなんて打ってんだ?

 ふぉん♪
『イオノ>いーじゃないの。わたくしさまも見たい♪』
 もぐもぐもぐもぐ、がつがつがつがつ、むしゃむしゃむしゃむしゃ、ごくごく――ぷっはぁーっ!
「ねぇコレぇ、おかわりちょうだぁーい?」
 すかさず、からさら山盛やまもりのさらが、入れ替えられた。
 給仕きゅうじのそつがなく連携れんけいされたうごきとか、御神体おまえさまの胃袋いぶくろほうがよっぽど――〝げい〟だとおもうんだが。

 壇上だんじょうには、よこにわたした角材かくざい
 ならべられたのは、鋳鍋いなべ酒瓶さかびん

 おくには、一番堅いちばんかたいいらしいたてまで置かれてた。

ーーー
常世の国/神々が棲まう永遠に続く世界。桃源郷や死後の世界も内包される。
デジタイズ/数値化や電子化を行い、デジタルデータ化すること。
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