滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
217 / 752
2:カブキーフェスタへの道

217:ギルド住まいの聖女(研修中)、通路ブックメーカー

しおりを挟む
「シガミーの物置小屋ものおきごやくらいおっきくて、馬車ばしゃみたいにはしるゴーレムも居たけど――」
 それは、すごく便利べんりそうだな。

「――それにもやっぱり、おなじかおが付いてたわね……ふたつも」
 それは、どれだけ便利べんりだとしても、すごくいやだな。

「よくもこんなデザインを、王様おうさまゆるしてるわね……いえ、それ以前いぜんにギ術開発部じゅつかいはつぶのおえらいさんが止めるのが普通ふつうよね。まあ、あたくしさまには、す・べ・て・お見通みとおしなんだぁけどねぇー、ふふん
 なんだぁ、もったいぶりやがって。
 それに、おえらいさんって、ミャニラだろ――?
 モサモサ神官しんかんどもの、見た目にはまだ可愛げ・・・があった。

「ひょっとして…………ごぞんじ、なのですか?」
「まぁねぇん――えっへん♪」
 かくしてないで、とっととおしえろ。

「どういうわけで、こんなおそろしいものつくることを、ゆるしてるんだい?」
「それわぁ、あたくしさまのくちからわぁ言えませぇん。なぜなら恋愛相談れんあいそうだん契約けいやくにわぁ守秘義務しゅひぎむがぁあるかるぁーです――フフン♪」
 それを言ったら、青年ニゲルがらみ・・・だって白状はくじょうしてるも同然どうぜんだけどな。
 オルコのはなしじゃ、ゴーレムを相当嫌そうとうきらってるみたいだし。

恋愛れんあい……相談そうだん――?」
 ピクリとかたをふるわせる、あお麗鬼おに

「じゃあ、そっちは聞かないけど、さっきの頓知アイデアがどうこうってのは、なんなんでしょうか?」
 くさっても五百乃大角いおのはらは、女神めがみだからな。
 シガミーでも無けりゃ、うやまっとく。
「それなんだけどっさー、おにぎりちゃんとたたかいたいひとつのって、参加費さんかひ支払しはらってもらうのわぁ、どおかしらっ? そして、勝ったひとが総取そうどりって寸法すんぽう~よぉん♪」

「それはこまる。せっかく見つけた〝いどむにあたいする御仁ごじんとの勝負しょうぶ〟によこやりを入れようというのなら、ソレがたとえイオノファラーさまでも、容赦ようしゃ出来できかねます――ごきり♪」
 あーもう、物騒ぶっそうなヤツだな。かみさん相手あいてほねをならすなって。

「ち、ちちちち、ちがうのよ。けっして、おにっ子ちゃんの決闘けっとう邪魔じゃましようって言うわけじゃなくってねっ
 ふぉん♪
『イオノ>こら、アンタたち。あたくしさまをお助けしなさい!
     鬼っ子ちゃんの角が、ビリビリ光ってて怖いんだけど?』

「お師匠ししょうさまから聞いてるけど、女神めがみさまの御心みこころにしたがうって言ってたよ」
「なにっ!? て、天狗殿てんぐどのわぁー、ほかに、な、なにかいってなかったか?」
「いや、べつに」
 かたを落とし、一本角つののビリビリが消える。

「オルコトリアさんはさ、本気ほんきのお師匠ししょうさまと一騎討いっきうちちさえできれば、文句もんくはないんだよね?」
「それはそうだけど……ごにょごにょ」

「そう、そうなのっ! おまつりの出しものにしようって魂胆わけじゃなくってね、えっとね……」
 目をおよがすな。コッチみんな。
「にゃやーぅ?」
 おにぎりも、ときどきくちをはさんでるけど、だれかの真似まねしかえしてる・・・・・・だけだ。

午前ごぜんの部わねっ、みんなでおにぎりちゃんにいどんでもらってねっ、たおすかもしくはおにぎりちゃんに参った・・・させたらねっ、午後ごごの部に勝ちすすめるのよねっ!」

「午~後~の~部~ぅ?」
 ビキバキッ――ヴァチッ!
 雷光つのに照らされる、通路つうろ
「そうっ、午後ごご本戦ほんせんでわぁ、ちゃあんといとしの天狗テングさまと一騎討いっきうちをさせてあげるっ!」

「い、いとしの――!?」
 ぽふん――つのひかりが消えた。
「そうよ! その参加費用さんかひようをみこめば、一世一代いっせいちだいの晴れ舞台ぶたいにふさわしい決闘場けっとうじょう用意よういしてあげられるわ」
 やっと御神体かみさんくちが、まわってきたな。

「どれだけ大暴おおあばれしてもこわれない、すんごいのぉおー――この子たちに・・・・・・つくらせるわっ!」
 烏天狗ぼく一号おにぎりに――カシャ――『(Θ_<ばちーん♪)』
 〝浮かぶ玉なんたら〟が、片目かためを閉じてみせる。
 ギルド屋舎おくしゃなかに、むしは居ないだろうが?

「晴れの舞台ぶたい……い、いやいや、やっぱりダメだ! 決闘けっとう先客せんきゃくがいたら、まんいちということもかんがえられるわ」
「んー? おにぎりを切れるヤツ・・・・・なんて――ニゲル……さんくらいのもんだとおもうけどなー」
 つい、正直しょうじき感想かんそうがもれた。

「え? ニゲルが、あのさびたけんで!? ――ブッフフフッフフハハヒ♪」
 あれ? オルコトリアが、こういうことで他人ひと馬鹿ばかにするのは、めずらしいな。
 それに、こちとらおにぎりとほぼおな強化服ふくを着てたのに、現実げんじつなます切り・・・・・にされた。
 なんかちょっと――カチンと来ないでもないなー。

「じゃあ、ぼくは――ニゲル……さんに掛けようかな」
 画面がめんなかの、収納魔法具の中ファイリングシステム
 おおきな革袋かわぶくろに、シガミーの個人資産てもち
 その五分ごぶん一程度いちていどを、詰めこんだ。

 ヴッ――ゴッチャリン♪
 おにぎりのはらなかあずかかってる、オルコトリアの財布さいふばいくらいか。

「にゃみゃにゃぁ――♪」
 すぽん♪
 掛けきんくちはさむむ間もなく、おにぎりのはらおさまった。
 そして、くちからジジジジィィィ――ッと、吐き出されたのは――
 ニゲルがにぎりしめてた、『一日デート券』みたいな細長ほそながかみ

『最終日午前の部:掛け金 100,000パケタ
 投票 木さじ食堂所属/ニゲル』
 所属しょぞくが、木さじ食堂しょくどうになってるのは、早朝あさ仕込しこみの手伝てつだいはつづけているからかもしれない。

「あらぁん、いいわね、いいわぁねぇー♪ 勝敗予想しょうはいよそうの掛けきんも足せば、むこう一万年いちまんねんこわれない決戦場コロシアムがでぇーきぃーるぅーわぁー♪」
 ふぉん♪
『ヒント>コロシアム/円形の競技場』
 御前おまえさまは、一万年後いちまんねんご元気げんきはらを空かせてるんだろうなぁ……諸行無常しょぎょうむじょうとは。

「ふふ、これで賭けは成立せいりつだよ。ニゲル……さんに掛けるひとがすくなければ、結構けっこうなもうけも出るし♪」

「けどさ、カラテェーくんわぁさ、天狗てんぐさまに掛けないといけないんじゃなぁいのぉ?」
 は? そっか。烏天狗おれわぁ、天狗ししょうの弟子だったか――ややこしいにもほどがある。
 ひとりで何人分なんにんぶんやってんのか、わからなくなってくるな。

「いや、ぼくのかんだと、お師匠ししょうさまよりニゲルはつよい……かもしれないよ」
 ニゲルの実力ちから見誤みあやまってたのは、ぼくもおなじだけど、このさい鬼娘オルコをあおる。

「はぁぁぁぁっ!? わたしより、ましてや天狗殿てんぐどのよりニゲルのほうが、つよいっていうのっ?」
 ヴァチィ――!
 またひかりだすつの。まぶしい。

 ドガチャンッ――――♪
 おにふところから取りだされた、おおきな革袋かわぶくろ

「その掛け! 受けてあげようじゃないのっ!」
 よし、おにがまんまと乗ってきた。
「(シガミー)」
「(なんだ迅雷ジンライ?)」
「(ニゲルは最終日さいしゅうびにリカルルとのデートをひかえているので、決闘けっとう参加さんかしているひまはないのでは?)」
 あ、そうだった。

「(あーそれね、そーいうはなしならばわぁー大丈夫だいじょうぶよぉ。まかせてちょうだぁぁぁぁい♪)」
「(どう、大丈夫だいじょうぶなんだ?)」
「(おひめちゃんも、ぜったいに参加したがるから・・・・・・・・よ♪)」

「にゃみゃにゃぁ――♪」
 すぽん♪
 おに革袋かねも、おにぎりのはらおさまった。
 そして、くちからジジジジィィィ――ッと、吐き出されるのは――

『最終日午前の部:掛け金 累計124,703パケタ
 投票 ガムラン町ギルド支部職員/オルコトリア』
 やっぱりおなじ、細長ほそながかみだった。

ーーー
諸行無常/万物は流転し、一刻もとどまらないこと。仏教の基となる思想の一つ。俳句の初句のひとつ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

処理中です...