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3:ダンジョンクローラーになろう
377:龍脈の回廊、3パケタと3番コンテナ
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「ひひぃぃん?」
それは大きな子馬の頭上に、ぽこんと現れた。
ふぉん♪
『掛け金総額:3パケタ』
レイダやカヤノヒメよりも少ない、微妙な金額。
「なによこれ、迅雷?」
立体映像が、立体映像を訝しむように、睨みつける。
「照会完了。掛けたのは、ネネルド村のタターでス」
さっきまで子供と子馬の近くを、うろついていたメイドが一人、姿を消している。
「何してるのかしら、あの子はもう――?」
鳥の仮面の女性が給仕服をひるがえし、部屋を出て行く。
§
大道芸が通らねぇなら――
仕込み錫杖の〝滅の太刀〟しか、打つ手がねぇ。
けどさすがに、この鉄の体じゃ、打てる気がせん――
「くそウ、こウ言うトきに相談でキる奴ガ、居タ気がしたンだがぁ――ニャッ?」
何でも良いから、使えるものはねぇか?
あたりには何も無い。
全部ニゲルが更地にしちまった。
ふぉふぉん♪
『ヒント>仕込み直刀、作成できます』
この〝一言、文字が出る奴〟しか、今は居ねえらしい。
「(だめだ、錫杖は出会い頭に、かち割られちまってる)」
頭の中で話しかけてみた。
長い鉄の塊みたいな物じゃ、ニゲルの剣に阻まれる。
「勝負ありだよ、シガミー。降参してよ、イオノファラーさまたちが、きっと元の体に戻してくれるからさ――――あれ、抜けない?」
ニゲルが剣の柄をつかみ、おれの胸板に鉄下駄を突き立てる。
おまえさんは、そんな下駄を持ってたか?
そういや「靴が欲しい」っていわれて、「ひとまずそれ履いとけ」って出してやった気もするな。
けどそれを言ったのは、おれじゃねぇ気もするし……ほんとうに、この世はややこしくていけねぇや。
ふぉふぉん♪
『ヒント>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)、作成できます』
なんだ?
ふぉふぉふぉぉん♪
『ヒント>※CFWの導入が条件になります。女神像への物理的アクセスによりFWの入手が可能です』
わからん――が、ヒントの言うとおりにすりゃ、ニゲルに一太刀入れられそうなことだけは――わかった。
ドズズズズズゥゥゥウゥゥゥンッ――――!
光り輝く剣が抜け、倒れる巨体。
しかし鉄の鎧も、大したことねぇなぁ。
おれの腹の上に――――ガガァァンッ!
鉄下駄で立つ青年ニゲル。
その顔が、普段の兵六玉みてぇなのと比べて――
どこか精悍に見えた。
「その顔を、いつもしてりゃぁ――姫さんだって、おまえさんのことを見直すだろうによぉ――ニャァ♪」
「う、うるさいよシガミー? けどだいぶ記憶が、戻ってきてるんじゃ?」
ニゲルが、じっとコッチを見てる。
「(おい、おまえ――?)」
頭の中で呼んでみたが、返事がねぇ。
「(女神像ってのはなんだ――?)」
女神像なぁ……聞いたことはある、気がしないでもない。
ふぉん♪
『ヒント>直近の村、レイド村に一体の女神像を検出しました』
女神像までの地図が出た。
何をすればいいのかを聞いて、その答えを答えられるときだけ、返事をしやがるんだな。
まあ、使えるなら、それで良いやな。
「(何とか言うヤツを作るのに、この地図の矢印ん所まで行きゃぁ良いんだな?)」
ふぉふぉん♪
『ヒント>3番コンテナに、コンソールキットが格納されています』
わからん。
いまはひとまず、ニゲルから逃げて――
何とか村まで、たどり着かねぇといけねぇ……らしい。
さて、どうする?
ニゲルが光る刀を、鞘に納めた。
鉄下駄の刃の温度を正確に伝えてくる、この鉄の体は――
血も出ねぇし、もう何回かは切り結べそうだが。
ふぉふぉん♪
『▲▲▲』
『ヒント>動体検知、敵性有りません』
何かが近づいて来てることを、目のまえの画面が伝えてくる。
「御使いさまの、従者さまーぁ!?」
若い女の声だ。
そっちを見なくても、人の輪郭がわかった。
何か卵みたいな物を、大事そうに抱えてる。
ーーー
CFW/カスタムファームウェア。電子機器本体に組み込まれたシステムを非公式に改変したもの。ハードウェアに隠された機能や、拡張された機能を有効化する。
FW/ファームウェア。電子機器本体に組み込まれたシステムのこと。ソフトウェアよりもハードウェア寄りという意味で〝FIRM(堅固、固定された)〟と呼ばれる。
ホーミング/自動追尾。移動する目標を識別し、自律的に追尾する誘導方法。
それは大きな子馬の頭上に、ぽこんと現れた。
ふぉん♪
『掛け金総額:3パケタ』
レイダやカヤノヒメよりも少ない、微妙な金額。
「なによこれ、迅雷?」
立体映像が、立体映像を訝しむように、睨みつける。
「照会完了。掛けたのは、ネネルド村のタターでス」
さっきまで子供と子馬の近くを、うろついていたメイドが一人、姿を消している。
「何してるのかしら、あの子はもう――?」
鳥の仮面の女性が給仕服をひるがえし、部屋を出て行く。
§
大道芸が通らねぇなら――
仕込み錫杖の〝滅の太刀〟しか、打つ手がねぇ。
けどさすがに、この鉄の体じゃ、打てる気がせん――
「くそウ、こウ言うトきに相談でキる奴ガ、居タ気がしたンだがぁ――ニャッ?」
何でも良いから、使えるものはねぇか?
あたりには何も無い。
全部ニゲルが更地にしちまった。
ふぉふぉん♪
『ヒント>仕込み直刀、作成できます』
この〝一言、文字が出る奴〟しか、今は居ねえらしい。
「(だめだ、錫杖は出会い頭に、かち割られちまってる)」
頭の中で話しかけてみた。
長い鉄の塊みたいな物じゃ、ニゲルの剣に阻まれる。
「勝負ありだよ、シガミー。降参してよ、イオノファラーさまたちが、きっと元の体に戻してくれるからさ――――あれ、抜けない?」
ニゲルが剣の柄をつかみ、おれの胸板に鉄下駄を突き立てる。
おまえさんは、そんな下駄を持ってたか?
そういや「靴が欲しい」っていわれて、「ひとまずそれ履いとけ」って出してやった気もするな。
けどそれを言ったのは、おれじゃねぇ気もするし……ほんとうに、この世はややこしくていけねぇや。
ふぉふぉん♪
『ヒント>スマート仕込み直刀(ホーミング機能付き)、作成できます』
なんだ?
ふぉふぉふぉぉん♪
『ヒント>※CFWの導入が条件になります。女神像への物理的アクセスによりFWの入手が可能です』
わからん――が、ヒントの言うとおりにすりゃ、ニゲルに一太刀入れられそうなことだけは――わかった。
ドズズズズズゥゥゥウゥゥゥンッ――――!
光り輝く剣が抜け、倒れる巨体。
しかし鉄の鎧も、大したことねぇなぁ。
おれの腹の上に――――ガガァァンッ!
鉄下駄で立つ青年ニゲル。
その顔が、普段の兵六玉みてぇなのと比べて――
どこか精悍に見えた。
「その顔を、いつもしてりゃぁ――姫さんだって、おまえさんのことを見直すだろうによぉ――ニャァ♪」
「う、うるさいよシガミー? けどだいぶ記憶が、戻ってきてるんじゃ?」
ニゲルが、じっとコッチを見てる。
「(おい、おまえ――?)」
頭の中で呼んでみたが、返事がねぇ。
「(女神像ってのはなんだ――?)」
女神像なぁ……聞いたことはある、気がしないでもない。
ふぉん♪
『ヒント>直近の村、レイド村に一体の女神像を検出しました』
女神像までの地図が出た。
何をすればいいのかを聞いて、その答えを答えられるときだけ、返事をしやがるんだな。
まあ、使えるなら、それで良いやな。
「(何とか言うヤツを作るのに、この地図の矢印ん所まで行きゃぁ良いんだな?)」
ふぉふぉん♪
『ヒント>3番コンテナに、コンソールキットが格納されています』
わからん。
いまはひとまず、ニゲルから逃げて――
何とか村まで、たどり着かねぇといけねぇ……らしい。
さて、どうする?
ニゲルが光る刀を、鞘に納めた。
鉄下駄の刃の温度を正確に伝えてくる、この鉄の体は――
血も出ねぇし、もう何回かは切り結べそうだが。
ふぉふぉん♪
『▲▲▲』
『ヒント>動体検知、敵性有りません』
何かが近づいて来てることを、目のまえの画面が伝えてくる。
「御使いさまの、従者さまーぁ!?」
若い女の声だ。
そっちを見なくても、人の輪郭がわかった。
何か卵みたいな物を、大事そうに抱えてる。
ーーー
CFW/カスタムファームウェア。電子機器本体に組み込まれたシステムを非公式に改変したもの。ハードウェアに隠された機能や、拡張された機能を有効化する。
FW/ファームウェア。電子機器本体に組み込まれたシステムのこと。ソフトウェアよりもハードウェア寄りという意味で〝FIRM(堅固、固定された)〟と呼ばれる。
ホーミング/自動追尾。移動する目標を識別し、自律的に追尾する誘導方法。
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