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しおりを挟むでも、ベルナルダンお兄様、そんな事はないのですよ。
冷静に考えてみてください。
婿養子も必要としない伯爵家の娘で、これと言って魅力もない私なんて、誰も欲しがりません。
それに加えて私は…。
「言い難いのですが、婚約破棄をされた事で世の中の私の印象は傷物です。ですから、結婚の申し込みなど無いと思います。グレン様だってベルナルダン様だって、なんの利益にもなりませんから、どうぞこの話は聞かなかった事にしますのでご安心ください。」
目を伏せ、わざと冷たく突き放すように言う自分に悲しくなります。
でも、これでベルナルダンお兄様がお帰りになってくれたら…。
「…伯爵家に伺った時に、アルバン様に会ったよ。グレン次期宰相殿を拒絶しなかった、と聞いた。…昔からアルバン様にはケンカを吹っ掛けられて、それを避けるのに苦労したよ。僕としては仲良くしたいと思っていたんだけどね。でも、今回は僕にちゃんとしろって発破を掛けていると感じたから、受けて立つよ。負ける訳にはいかない。」
アルバンお兄様はベルナルダンお兄様たちをお好きではない、と聞いたのはついこの間の事。
まさか、アルバンお兄様がケンカを仕掛けていたなんて知らなかった。
それにグレン様と会った事を言うなんて、まるでベルナルダンお兄様をけし掛けるような事をして…。
アルバンお兄様はグレン様を薦めていたのではなかったのかしら?
ベルナルダンお兄様は、一呼吸おいて静かに話を続けます。
「婚約破棄をされた、という札は付いたけど、誰も傷物だなんて思っていない。エミリ、君は侯爵家に嫁ぐ為にとても努力していたよね。そして、どこへ出ても恥ずかしくない侯爵家の婚約者となった。…君の努力をみんなが見ていたんだよ。新たに教える事もない、即貴族の婚約者として表に出せる君をみんなが欲しがっている。」
本当に?
確かに努力はしてきました。
ティーシルを含めてルゥグホン侯爵家の名に恥じないように、教えていただける事はすべて、学べる事はすべて…。
小さい頃からしてきた事だから当たり前と言えば当たり前の事だったけど。
そんな風に評価していただける事はとても嬉しく思いますし、少し驚きも感じます。
「それに、ティーシルも早々と留学していたから、実質的にも傷はついていない、とみんなそう睨んでいるみたいだしね。…僕も、そう思っているけど、違わないだろ?」
実質的?
実質というと本当に身体に付く傷の事?
ティーシルに叩かれた事もないから傷なんてないけど…。
「…え!!」
それってもしかして…と思った瞬間に声に出てしまいました。
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