双子の片割れと母に酷いことを言われて傷つきましたが、理解してくれる人と婚約できたはずが、利用価値があったから優しくしてくれたようです

珠宮さくら

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親が離婚した時に縁を一切切っているから、アレクサンドラとは双子の姉妹でも、今は赤の他人なのだ。

アレクサンドラは、ベルティーユのみならず、王女にまで罵詈雑言を浴びせかけて、その後、大暴れした。

どこにそんな力があるのかというほど、馬鹿力で暴れて取り押さえられた。

ベルティーユの父は、それを知って、元妻に手紙で知らせたのだが、母は再婚していて、アレクサンドラの病気がわかり、婚約破棄となって行方不明となっていても探しもせず、傷物となったアレクサンドラに用はなくなったかのように勘当しているから、謝罪する気もなければ、身元引受けに来る気もないから、そっちでどうにかしろという手紙が来ただけだった。

それをアレクサンドラに伝えたが……。


「そんなわけないわ! お母様が、私が勘当されるのを黙ってるわけないわ!!」


アレクサンドラは、ベルティーユのみならず、エルヴィールに謝罪することもなく、母のところに帰ると言うのを聞いて、父はその通りにした。


「お父様」
「あっちには、あいつに優しい祖父母がいる。母親と再婚相手が構わなくとも、ほっときはしないはずだ」
「……」


父は、縁を切ったとは言え、ベルティーユの双子の片割れということもあり、国王たちやエルヴィールに謝罪していた。ベルティーユも、同じく一緒になって謝罪した。

エルヴィールを巻き込んでしまったのは、ベルティーユなのだ。一体、どうやってここまで入って来れたのかと思っていたが、ベルティーユの友達と言われて、王女を迎えに来たと思ったようだ。


「ベルティーユも、大変ね」
「え?」
「私も、人のこと言えないけど」
「エルヴィール様……?」
「明日から、部屋に迎えに来なくていいわよ」
「っ、」


それを聞いて、ベルティーユは泣きそうな顔をした。それに国王と王妃は、王女を見た。ずっと、部屋まで迎えに行っているのを聞いていたのだ。

ここにレオンスがいたら、怒っていそうだが、いなくてよかった。


「ちょっ、そんな顔しないでよ。部屋まで来たらベルティーユは大変でしょ? どうせ、学園に行くんだから、ここまで来なくていいって言ってるだけよ」
「え? それじゃぁ、学園に……?」
「行くわ。だいぶ休んじゃったけど。それにベルティーユとは学年が違うから授業は一緒無理でも、ランチを一緒に食べましょ」
「ランチですか?」
「そうよ。友達って、ランチを一緒にしたり、買い物に行ったりするものよ。レオンスお兄様がいるから、毎日は無理だろうけど」


それを聞いてベルティーユは、嬉しそうな笑顔になった。リハビリに忙しくしていたのもあり、婚約してからはお妃教育などが忙しかったからとレオンスとはどこにも出かけたことがないのだ。


「嬉しいです! でも、レオンス様とは最近会えてませんし、ランチも、買い物も、そもそも一緒に取ったことも、出かけたことすらないので、お友達と出かけられるなんて嬉しいです!」
「「「は?」」」


ベルティーユは、何でもないように爆弾を投下してやった。


「?」
「ベルティーユ。第2王子とランチどころか。買い物にせら出かけていないと言ったか?」
「えぇ、言いました」
「……おかしいわ。レオンスお兄様、ベルティーユと会うのに忙しいって、執務も側近たちがしているはずよ」
「え?」


エルヴィールの言葉にベルティーユは、目をパチクリした。なにせ、それは初耳だったからだ。


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