見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます

珠宮さくら

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第1王子は王太子を第2王子に変更してから、アンネリースのところに何の前触れもなく現れるようになった。新しく王太子になった方ではない。元王太子の方だ。

全くこりていない。彼も、あの元婚約者に感化されたのか。元からなのかがアンネリースにはわからないが、頭が悪いのだけはよくわかった。

護衛も、王太子でなくなっても、この国の王子なのだ。無下にはできない。

アンネリースが会いたくないと言えば、是が非でも通さないのは、数名しかいない。

全然、護衛の仕事がわかっていないようだ。そんな厄介な王子の相手は、給料に入っていないかのようにしていて、それにも困ってしまう。


(凄く嫌な予感がする。あの王子、私と婚約できたら、王太子に戻れるとか思ってないわよね?)


やたらと会いに来る王子に流石にそれはありえないと思いたかったが、アンネリースが思っていた通りに安直にも、そんなことを思っていたようだ。

そもそも、自己紹介もせずにアンネリースのことを馬鹿にした王子だ。婚約者になりたいとアンネリースが思うわけがないが、そのためにこの国に来たから、そうなることで丸くおさまるとでも思っているのかもしれない。

アンネリースにも、選ぶ権利くらいあるはずだ。それに嫁いで来るほどの何かが、この国にあるかというと王宮に来るまでの道中ではいい人たちが多かったが、王宮で会う人たちにそういった人たちは、少ない。


「アンネリース様」
「……またなの?」
「はい」


フェリーネが、王子が来たと言うのを聞いて、ため息がでた。こりもせず、この部屋に訪れるのをやめないのに我慢の限界を迎えるのは、早かった。

そもそも、アンネリースが我慢させられることではない。

そんなのがうろちょろしているのを国王に知らせてからは来なくなった。

国王とて、知っているはずなのに面倒なことをアンネリースに押し付けていたのは明らかだ。だが、それをなぜやっていたのかが、アンネリースにはわからなくて首を傾げていた。


(あんなのを野放しにしているのも、私がどう反応するかを見定めるためだとしたら、残念な王子を放置しているって周りに思われることまで、考慮しているのかしらね。どっちもダメージが半端ないのに。だとしたら、考えすぎってことになるのかな。面倒なことはしたくないだけ。でも、自分の評判は気にする。……それに利用されていた気がプンプンするわ)


するとついには第1王子でもなくなってしまったようだ。あんなのを王族の一員にしたままでは、共倒れになると思ったのだろう。既に手遅れな気しかしないが。


(もっと早くしていなかったのは、親心ってやつかしらね。……それか、あれより自分の方が凄いことを見せつけるため、とか? なんか、あの国王に会ってみたら、ゆっくりの移動も私のことを呼び寄せた国王として、牽制するのに使われた気がするのよね)


なにはともあれ、煩わしい思いをしなくなったことにアンネリースは心からホッとした。厄介ごとが1つ片付いたにすぎないが、減るのはいい。増えるより断然いい。

 
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