見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます

珠宮さくら

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そんなことがあったのを知ったオリフィエルと一緒に着いて来ることになった2人の護衛は、何とも言えない顔をした。

三男坊がヒルベルトで、次男坊はラウレンスというのだが、この2人はこんなことを言った。


「エデュアルド様が、そんなこと言うとは……」
「信じられないな。そんなことしたら、侍女殿が、萎れるのに」
「え?」


アンネリースは、それにおや?と思った。驚いた声を出したのは、フェリーネだ。


「そうだよな。アンネリース様の側だから輝いてんのにそれをやめろなんて、何見てたんだか」


何気によく見ていたようだ。アンネリースは、面白そうにそれを聞いていた。


「何かと応援してたのに無駄になったな」
「そうだな。全然、侍女殿のことを理解できてなかったとは、がっかりだ。俺ら、見る目ないな」


もう、上司ではなくなったから、言いたい放題していた。


(面白いわね)


「まぁ、モテてたみたいだけど、女性と付き合ってるって聞いたことなかったから、そういうことかもな」


アンネリースは、それを聞いて首を傾げた。この2人は、こういう性格のようだ。だとしたら、勘違いしていたかもしれない。


「ねぇ、どうして、誘拐するのに手引きしようなんてしたの? そんなにお金に困っていたの?」
「いや、俺たち金がほしくてやったわけじゃないですよ」


(ん?)


お金のためではなかったようだ。アンネリースは、きょとんとした。


「あー、いや、あの速度からして、王女様のためって言うより、別の何かがある気がして、つい」
「ついで、誘拐の手引すんなよ」


そんなことを言ったのは、それまで黙っていたオリフィエルだ。


「あー、なんか、やる気のない護衛ばっかだったから、あれで長い道中、護衛たちに気合が入るかなと」
「……そう、あなたたち、私のために死のうとしたのね」
「いや、そこまでの覚悟があったわけでは……」
「いや、普通は姫さん、誘拐すんのに加担したら死んでんぞ」
「そうみたいですね」
「……」


(うん。ちょっと、足りないのか。それとも、終わったことだなら、こうなのか)


つまりは、そういう感じで、護衛たちの心を一つにしてくれようとしたきっかけは、この2人のなんか妙だと思ったことが始まりだったようだ。

それを無意識に身ぐるみ剥がされた人とか、色々誤解して殺されないようにしたのも、何かしらあったのだろう。


(見る目がないと思っていたけど、こっちを育てるのに護衛長を使ってしまったみたいね)


アンネリースは、結果を見てそんなことを思ってしまった。


「姫さん。何気にすげぇ奴らを助けたな」
「そうね」


(有耶無耶にせずに聞けばよかったのに馬鹿なことしてしまったわ。まぁ、それで、この国の誰にも、将来性ないと思われたから、あっさりと私の側にいてくれるのだから、結果オーライね)


アンネリースは、そんなことを思った。


「2人共、ありがとう」
「いや、こっちこそ、命取られずに済んで助かりました」
「あー、俺ら、勘で動いてばっかなんで、迷惑かけるかと」
「その時は、私が何とかするわ。でも、動く前に話をしてくれると助かるわ。急なことだとあなたたちの命が危うくなっても、何もしてあげられなくて後悔してしまうもの」


アンネリースが、そう言うと2人は、絶対にしないようにすると誓ってくれた。


(しないではなくて、しないようにするね。この2人、バカっぽく見せるのが癖になっている気がするわ)


それをフェリーネとオリフィエルは、微笑ましそうに見ていた。

オリフィエルは気づいていないようだが、この2人は次男坊、三男坊として、それなりに見えるように動いていただけだったのだ。本心を上手に隠して、同じような境遇で生まれ育ったことで、意気投合して血の繋がらない兄弟のようになっているのだが、どうにも見せないようにするのに慣れすぎているようだ。

でも、アンネリースはそれを正しく理解した。だから、この2人はアンネリースの側にいることにしたのだが、この時はアンネリースですら、それに気づけずにいた。


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