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しおりを挟む「あなたが、ニヴェスね」
「え? そうですけど。あの、どちらさまでしょうか?」
学園でニヴェスは声をかけられた。見たことない女性だったが、マルチェッリーナたちよりも儚い感じの美人がいた。
「私は、ベアトリーチェ・スキャパレッリ。隣国から来た留学生よ。そういえば、わかりやすいはずよ。バッティスタの元婚約者よ」
「っ!?」
それを聞いて、ニヴェスは顔色を悪くさせた。ニヴェスが、勘違いしてこうなったのだ。
ニヴェスは、両親にもそのことを伝えた。苦情と抗議をした後で、勘違いさせてしまったのは確かだからとニヴェスは、彼女のところに謝罪の手紙を出していた。
その返事が来ないから、怒ったままなのだと思っていて、身構えずにはいられなかった。
「そんな風に身構えないで。私、あなたにお礼が言いたかったの」
「へ? お礼、ですか?」
「そうよ。私、ずっと婚約破棄したかったの」
どうやら、彼女の義母が勝手に婚約させたらしく、父親はベアトリーチェが気に入った子息と言って、そんなような嘘までついて婚約させたようだ。
「それは、あんまりですね」
「でしょ? なのにあの子息ったら、あの調子なんだもの」
「……」
どうにかして嫌われようとしても、素っ気なくされずきて、何の反応もなかったようだ。
それが、一変したのがニヴェスが婚約者の名前をド忘れてして指さしたおかげで、こんなことになったのを知ったからのようだ。いや、勘違いさせてしまったとは伝えたが、ど忘れうんねんまでは書いていないし、ニヴェスは両親にもしていない。
婚約者のアミールカレには、アダルジーザの厄介さを知っていて、うっかりと指さして回避しようとしたせいで、こんなことになったから、申し訳なかったと伝えた。
そのせいで、婚約が駄目になったのだと思い、ショックを受けて倒れたと思われてアミールカレには、心の音の優しい令嬢だとこれまた誤解されてしまったが。
彼だけでなく、彼の家族も、学園でも、ニヴェスは誤解されてしまった。
マルチェッリーナは、真実を知っているのに申し訳なかったとバッティスタの元婚約者に謝罪したと聞いて……。
「黙っていたって、バレやしないのに」
「でも、アダルジーザにあそこまで、色々言われていたから、私のせいだってバレないわ」
「……まぁ、確かにあなたの婚約者だから、取りたかったのもあったみたいだしね」
「え? なんで??」
「あなたが先に婚約するとは思ってなかったんじゃない?」
「……」
ニヴェスとて、そうなるとは思っていなかったが、そんなことで婚約者を取ろうとするとは思いたくなかった。
これは、喜んでいいことなのだろうか?
本気で、ニヴェスは複雑なものを感じずにはいられなかった。
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