俺とあいつら

第54話 ヤンキー姉ちゃん （５）

「うッ、ツぅ、い、いッ、痛い。痛い……。辞めて、辞めて……」

　俺は一瞬だが、暴漢が伯母さんへと荒らしい所業をおこなっている様子に目を奪われ呆然と佇んでしまう。

　すると伯母さんの悲痛な声音での嘆願……。自分の身体を蹴る、踏みする暴漢に対して命乞いをするのが聞こえ、俺は我に返ると。

「おっ、おい！　あんたぁ～！　何をしているのだよー！　いい加減にしろー！」と。

「俺の伯母さんから離れろー！」

　俺は今流行りのヤンキー仕様の女子高生仕様の暴漢へと怒声を吐いてやる……。

　そう家の学園にも沢山いる昭和の終わりを彩る風物詩……。

　学園物の映画やドラマに出演している高〇智子や渡〇典子、三〇順子のような、ヤンキー少女のヒロインさま達のように。自分の髪の色を茶色にオキシドールで脱色したカマチンカット仕様で、後ろ髪だけは長く残したタイプのオオカミカット仕様の怖い厚化粧のヤンキー姉ちゃん……。