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第6話 あめ欲しい!
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どうして──そんな言葉も出せずに動揺しながら頼寿を見つめるも、頼寿は例によってあの冷たい目で俺を見返しているだけだ。
「………」
分からない。さっきまで対等に喋っていたのに、何でこの目に見られると反論できなくなってしまうんだろう。
「二度言わせるなよ?」
ゾッとするような低い声で言われ、俺は何も考えられず開いた唇の間から舌を伸ばした。
「……は……」
掠れた息が漏れる。舌の上に甘い味が広がる。アメを舐めているだけなのに恥ずかしいのは、頼寿が真顔で俺を見つめているせいだ。
一体何がしたいのか。こんなことをさせたって何の意味もないのに。
「……ふう」
「勝手に止めるなよ、タマ」
「だ、だって涎出たから……拭いただけだし」
「誰が許可した?」
カッと頬が熱くなったのは怒りではなく焦りからだ。自分でもよく分からないがとにかく「頼寿の命令に背いてしまった」という気持ちでいっぱいになり、瞬時にして脳内に謝罪の言葉や言い訳が浮かんでしまう。
俺はそんな自分に焦っていた。頼寿の物言いに気分が悪くなるどころか、ごめんなさいなんて言いそうになっていることが信じられなかった。
「は、あ……」
仕方なく再び舌を伸ばしてアメを舐めようとすると、頼寿がアメを持つ手をゆっくりと俺の目線より高くさせた。
必然的に上を向いて舐める恰好になり、唇から垂れた涎が肌を伝っていくのが分かる。この時点ではもう何も考えられなくなっていた。ただただ頼寿が次のリアクションをするまで、俺はアメを舐めることだけに専念していた。
「んぁ……は、あぁ……」
「美味いか?」
「ん、は……おいひ、……」
上を向いているせいでまともな発音ができないが、頼寿が満足そうに微笑んだのを見て少し安心してしまった。
「いい子だ」
頼寿がアメを持つ手を下ろし、反対の手で俺の頭を優しく撫でてくる。それから涎塗れの俺の口元を躊躇なく指で拭い、ついでに若干潤みかけていた目元も拭ってくれた。
「ふあ」
まるで顔をマッサージされているかのような心地好い指使い。俺はされるがままの状態でうっとりと目を細め、頼寿の大きな手のひらに頬を寄せた。
「……ん」
頼寿の親指が唇の隙間に触れ、そのまま緩く押し付けられる。
……俺は何の抵抗もなく、その指に舌を絡めていた。
「はぁ、……」
自分でも分かるほどとろけた顔になっている俺を、頼寿が至近距離で見つめている。──そうして指が抜かれたのと同じタイミングで、今度は頼寿自身の唇で口を塞がれた。
「んっ……」
初めて、頼寿とキスをした。
「ふ、ぁ……」
無意識に舌を絡ませて、無意識に頼寿のシャツを掴んでいて、無意識に……もっと欲しくなっていて。
「……は」
顔を離した頼寿が、さっきと同じように唾液で濡れてしまっていた俺の口元を指で拭った。
「もっと欲しいか?」
「……ん」
「どこに欲しい」
「どこって……?」
口元に触れていた頼寿の指が、今度はゆっくりと俺の体に下りてくる。胸元、腹、そして──
「どこでも。好きな所にディープなヤツしてやるよ」
「あ、あ……」
指先が押し付けられた下半身から、ビリビリとした刺激が広がっていく。
「頼、寿……」
欲しい。疼いて堪らない俺のここに、エロくてディープなキス、して欲しい……。
「………」
分からない。さっきまで対等に喋っていたのに、何でこの目に見られると反論できなくなってしまうんだろう。
「二度言わせるなよ?」
ゾッとするような低い声で言われ、俺は何も考えられず開いた唇の間から舌を伸ばした。
「……は……」
掠れた息が漏れる。舌の上に甘い味が広がる。アメを舐めているだけなのに恥ずかしいのは、頼寿が真顔で俺を見つめているせいだ。
一体何がしたいのか。こんなことをさせたって何の意味もないのに。
「……ふう」
「勝手に止めるなよ、タマ」
「だ、だって涎出たから……拭いただけだし」
「誰が許可した?」
カッと頬が熱くなったのは怒りではなく焦りからだ。自分でもよく分からないがとにかく「頼寿の命令に背いてしまった」という気持ちでいっぱいになり、瞬時にして脳内に謝罪の言葉や言い訳が浮かんでしまう。
俺はそんな自分に焦っていた。頼寿の物言いに気分が悪くなるどころか、ごめんなさいなんて言いそうになっていることが信じられなかった。
「は、あ……」
仕方なく再び舌を伸ばしてアメを舐めようとすると、頼寿がアメを持つ手をゆっくりと俺の目線より高くさせた。
必然的に上を向いて舐める恰好になり、唇から垂れた涎が肌を伝っていくのが分かる。この時点ではもう何も考えられなくなっていた。ただただ頼寿が次のリアクションをするまで、俺はアメを舐めることだけに専念していた。
「んぁ……は、あぁ……」
「美味いか?」
「ん、は……おいひ、……」
上を向いているせいでまともな発音ができないが、頼寿が満足そうに微笑んだのを見て少し安心してしまった。
「いい子だ」
頼寿がアメを持つ手を下ろし、反対の手で俺の頭を優しく撫でてくる。それから涎塗れの俺の口元を躊躇なく指で拭い、ついでに若干潤みかけていた目元も拭ってくれた。
「ふあ」
まるで顔をマッサージされているかのような心地好い指使い。俺はされるがままの状態でうっとりと目を細め、頼寿の大きな手のひらに頬を寄せた。
「……ん」
頼寿の親指が唇の隙間に触れ、そのまま緩く押し付けられる。
……俺は何の抵抗もなく、その指に舌を絡めていた。
「はぁ、……」
自分でも分かるほどとろけた顔になっている俺を、頼寿が至近距離で見つめている。──そうして指が抜かれたのと同じタイミングで、今度は頼寿自身の唇で口を塞がれた。
「んっ……」
初めて、頼寿とキスをした。
「ふ、ぁ……」
無意識に舌を絡ませて、無意識に頼寿のシャツを掴んでいて、無意識に……もっと欲しくなっていて。
「……は」
顔を離した頼寿が、さっきと同じように唾液で濡れてしまっていた俺の口元を指で拭った。
「もっと欲しいか?」
「……ん」
「どこに欲しい」
「どこって……?」
口元に触れていた頼寿の指が、今度はゆっくりと俺の体に下りてくる。胸元、腹、そして──
「どこでも。好きな所にディープなヤツしてやるよ」
「あ、あ……」
指先が押し付けられた下半身から、ビリビリとした刺激が広がっていく。
「頼、寿……」
欲しい。疼いて堪らない俺のここに、エロくてディープなキス、して欲しい……。
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