【BL】Real Kiss

狗嵜ネムリ

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第14話 サルベージの一夜

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「よ、頼寿。起きろ馬鹿っ……」
 ピンマイクを手で塞ぎ小声で呼びかけたが、頼寿が目を覚ます気配はない。涎も垂れているし、今にも大いびきをかき始めてそれがマイクを通しフロア中に響いてしまいそうだ。

 ──全く、どこが「プロ」なんだ。

 依然として頼寿のそれを尻に入れたまま、俺は頬を膨らませて頼寿の胸をトンと叩いた。
 しかし、寝ていてもペニスは勃起状態を保っていられるものなんだろうか。まさか萎えて終了なんてことになったらテレビじゃないけど放送事故だ。……いや、演者が寝ている時点で充分に放送事故なんだけど。

「ん、んぁ……気持ちいい、頼寿様……!」
 何とかバレないように喘ぎながら、尻をくねらせて頼寿のそれを圧迫する。
「頼寿、様……。大好き、あっ……死ぬほど好き……」
 漫画にあった台詞を言っても何だか虚しい。それでも頭からスポットを浴びて歓声を肌で感じれば、頼寿とのセックスを見られているという妙な高揚感を得ることができた。

 大丈夫、俺はこのままでも全然いける。むしろ頼寿に聞かれていない分、恥ずかしい言葉だって言えてしまう。

「か、かっこよくて、背が高くて、性格悪いのに皆からモテて、……エロくて、ムカつくけど優しくて──うあ、あぁっ……大好き、愛してる、頼寿……!」
「んん……うるせえな……」

 頼寿が小さく呻き、無意識なのか俺の腰をがっしりと押さえ付けて下から思い切り突き上げてきた。ガクンと上体が揺れ、目の奥に火花が散る。

「あっ、あ! 駄目っ、ちょ、やあぁっ……!」

 それ一度きりじゃない。何度も何度も、身体が揺れるほど──ただの騎乗位なのに客のボルテージがぐんぐん上がるほど、激しく。

「よ、頼寿様っ……頼寿、ちょっと待って! 一旦止め……てか起きろっ、寝ぼけて腰振んなってばあぁ、あっ、あんっ……!」
「るっせえ……俺を騎乗位でイかそうなんて百年早ぇぞ……」
「はっ、激しすぎ、ぃ……! 駄目だって、んあっ、あ、うぅ……!」

 腹の奥をゴリゴリ擦られる感覚。繰り返し突かれるたびに汗が飛び散り、段々と意識がとろけだす──これはヤバい兆候だ。でも、もう遅い。

「あ、あぁ、んっ……! 頼寿、頼寿っ……そこ擦られると、ふあっ、あ……チンコじんじんするっ、イきそう、頼寿、イくっ、イく──!」
「あー……暑い。ていうか何だこの服、……ステージか?」
「ふ、あっ、頼寿ぁ……! 俺の中、頼寿でいっぱいになってる……熱いの注いで……! 我慢できない、イッちゃう、ぅ……!」
「玉雪──?」

 身体中からぶわっと汗が噴き出た瞬間、俺は頼寿の王子様衣装の上へ豪快に精液を飛ばしていた。

 *

 閉店後、スタッフルーム。

 客も、俺達も、今夜のステージが無料で良かった。こんなんでギャラを貰うことなんて出来ないし、衣装も汚してしまっているし。

「途中から二人とも訳わかんない状態でヤッてたでしょ。俺はめちゃくちゃ興奮したけどね、お客さんから言われちゃったよ。『まさかだけど変なクスリ使ってるのか』って」
「ご、ごめんなさいロッソ君……でも元はと言えば、頼寿が酔っ払ったせいで!」

 その頼寿はまだ酔いが残っているらしく、冷たいおしぼりを顔にあててソファに倒れている。

「まあしかし、テキーラも大量に出せたし売上もステージの反応も良かったからヨシとしよう! 協力ありがとうな、頼寿に玉雪くん!」
 ローゼオさんの言葉で場はまとまったが、俺はソファで唸る頼寿に視線を向けて溜息をついた。

 大好き。愛してる。

 どうか俺が口走った台詞の数々を、この酔っ払いが覚えていませんように……。



 つづく!
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