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第15話 プール合宿開始!
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頼寿の兄貴。頼寿の実のお兄ちゃん。
いるのは知っていたけれど、まさか会うことになるなんて。しかも郊外のプール付き一軒家とな……? 確かシェパードも飼ったとか言ってたっけ。まさかのセレブなんだろうか、頼寿のお兄様は。
「よ、頼寿のお兄さんちで合宿? もしかしてお兄さんこそ旅行でいないとか?」
「……いいや、普通にいる。だが俺達には関わらせないようにするつもりだ」
「そっか。一般の人だもんな、こんな仕事してる連中に関わりたくないだろうし……」
頼寿が顔を顰めて下唇を尖らせる。身内の家を借りてショーセックスの練習なんて誰だって嫌に決まっている、そんな顔になるのも当たり前だ。
「取り敢えずお兄さんに迷惑かからないようにしないとだな……。俺達がやってること見たらショックだろうし」
すると、頼寿が煙草を処理して溜息をついた。俺の隣では快晴も苦笑している。
「……いや、俺の兄貴も一応はコッチの世界の男なんだが……」
「へ? よ、頼寿みたいにお兄さんも調教師とかパフォーマーとかやってるってこと?」
「若い頃はそうだったんだが、今はスポンサー側に回っている。ちなみに本業は絵描きだ」
「何その謎の経歴」
全くどんな人なのか想像がつかないけれど、頼寿のお兄さんならぜひ会ってみたい。きっと弟同様イケメンなんだろうなと思う。スポンサーということは金持ちだろうし、その上で絵描きという芸術の才能もあるなんて人として羨ましすぎる。
「明日から行くんだな。楽しみになってきた!」
「訓練頑張ってくださいね、坊ちゃん。たくさん写真撮って後で見せてください」
「任せろ!」
少し苦笑気味の快晴に拳を握ってみせ、俺は明日から始まる合宿に胸を踊らせた。……頼寿が物凄く嫌そうな顔をしているのが気になるところではあるが。
*
そんなわけで翌日。
頼寿の運転で車に揺られること約一時間。同じ都内でもこんなに自然豊かで静かな場所があるのかと驚いてしまうほどのどかな場所に、頼寿のお兄さんの家はあった。
「……えっと、デカいし立派な家だけど……想像してたような豪邸って感じではないね」
キラキラなお城を思い描いていた俺の前に建っているのは、若干ボロくて暗い雰囲気で洋風な「ザ・お化け屋敷」という感じの家だった。
確かに庭付き、プール付き。そこだけは綺麗なんだけど……どうにも家の方が古い洋館なせいで、ゾンビとか幽霊とか殺人鬼が出てくるホラー映画を連想してしまう。
「兄貴は昔から部屋にはこだわらねえタイプなモンで、安くて静かって理由だけでこの家を買ったらしい」
「そうなんだ。金持ちが全員豪邸住みってわけじゃないんだなぁ……いや、古い家なだけで豪邸には変わりないのかな?」
「はあ、俺には理解できねえ。さっさとプール借りて一日でも早く帰るぞ」
鉄の門を勝手に開けて庭に入り、お屋敷の玄関まで歩いて行く。庭は芝生で凄く綺麗だ。スプリンクラーにひょうたん型の真っ青なプール。小鳥もいて、蝉も鳴いていて、ここだけ見るとキラキラの夏景色。
「兄貴、いるか」
頼寿が重厚なドアを開けて、中へと声をかける。驚くことに玄関のドアは鍵がかかっていなかった。俺達が来ることを知っていたとしても、これだけ広い家なのだからちょっと不用心な気がする。
「おう、来たな」
薄暗い廊下の奥から声がして、俺は思わず姿勢を正した。
いよいよだ。頼寿のお兄さんと初対面。
いるのは知っていたけれど、まさか会うことになるなんて。しかも郊外のプール付き一軒家とな……? 確かシェパードも飼ったとか言ってたっけ。まさかのセレブなんだろうか、頼寿のお兄様は。
「よ、頼寿のお兄さんちで合宿? もしかしてお兄さんこそ旅行でいないとか?」
「……いいや、普通にいる。だが俺達には関わらせないようにするつもりだ」
「そっか。一般の人だもんな、こんな仕事してる連中に関わりたくないだろうし……」
頼寿が顔を顰めて下唇を尖らせる。身内の家を借りてショーセックスの練習なんて誰だって嫌に決まっている、そんな顔になるのも当たり前だ。
「取り敢えずお兄さんに迷惑かからないようにしないとだな……。俺達がやってること見たらショックだろうし」
すると、頼寿が煙草を処理して溜息をついた。俺の隣では快晴も苦笑している。
「……いや、俺の兄貴も一応はコッチの世界の男なんだが……」
「へ? よ、頼寿みたいにお兄さんも調教師とかパフォーマーとかやってるってこと?」
「若い頃はそうだったんだが、今はスポンサー側に回っている。ちなみに本業は絵描きだ」
「何その謎の経歴」
全くどんな人なのか想像がつかないけれど、頼寿のお兄さんならぜひ会ってみたい。きっと弟同様イケメンなんだろうなと思う。スポンサーということは金持ちだろうし、その上で絵描きという芸術の才能もあるなんて人として羨ましすぎる。
「明日から行くんだな。楽しみになってきた!」
「訓練頑張ってくださいね、坊ちゃん。たくさん写真撮って後で見せてください」
「任せろ!」
少し苦笑気味の快晴に拳を握ってみせ、俺は明日から始まる合宿に胸を踊らせた。……頼寿が物凄く嫌そうな顔をしているのが気になるところではあるが。
*
そんなわけで翌日。
頼寿の運転で車に揺られること約一時間。同じ都内でもこんなに自然豊かで静かな場所があるのかと驚いてしまうほどのどかな場所に、頼寿のお兄さんの家はあった。
「……えっと、デカいし立派な家だけど……想像してたような豪邸って感じではないね」
キラキラなお城を思い描いていた俺の前に建っているのは、若干ボロくて暗い雰囲気で洋風な「ザ・お化け屋敷」という感じの家だった。
確かに庭付き、プール付き。そこだけは綺麗なんだけど……どうにも家の方が古い洋館なせいで、ゾンビとか幽霊とか殺人鬼が出てくるホラー映画を連想してしまう。
「兄貴は昔から部屋にはこだわらねえタイプなモンで、安くて静かって理由だけでこの家を買ったらしい」
「そうなんだ。金持ちが全員豪邸住みってわけじゃないんだなぁ……いや、古い家なだけで豪邸には変わりないのかな?」
「はあ、俺には理解できねえ。さっさとプール借りて一日でも早く帰るぞ」
鉄の門を勝手に開けて庭に入り、お屋敷の玄関まで歩いて行く。庭は芝生で凄く綺麗だ。スプリンクラーにひょうたん型の真っ青なプール。小鳥もいて、蝉も鳴いていて、ここだけ見るとキラキラの夏景色。
「兄貴、いるか」
頼寿が重厚なドアを開けて、中へと声をかける。驚くことに玄関のドアは鍵がかかっていなかった。俺達が来ることを知っていたとしても、これだけ広い家なのだからちょっと不用心な気がする。
「おう、来たな」
薄暗い廊下の奥から声がして、俺は思わず姿勢を正した。
いよいよだ。頼寿のお兄さんと初対面。
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