1 / 1
1.
しおりを挟む
私たちは幸せだった。あんな事が起こらなければ……
私の名前は幸。普通の大学生だ
私には彼氏がいる、とっても優しい彼
困った人をいち早く見つけは助け、ある時には捨て猫を拾い里親が見つかるまでお世話したり、私が作ったボロボロの黄色いハンカチをずっと大切に使ってくれたり
そんな彼が私の最大の自慢だ。
今日だって彼と会う約束をしている
この先を曲がればつく……と、そのときスマホからメッセージの着信音が聞こえた
ポケットからスマホを取り出し、誰からのメッセージかを見ると。待ち合わせをしている彼氏の倖希からだった。
何かあったのだろかと心配になり、急いで読むと『ごめん、幸。ちょっと待ち合わせの時間に間に合わなくなった。本当にごめん!!』と書かれていた。
良かった事故でもあったかと思ったじゃないとほっとし、すぐさま『了解! でも、あんまり待たせちゃうと帰るよ~』と、いつもの冗談をいれて返信
倖希が来るまでの間暇だから音楽を聴くためにポケットからイヤホンを取り出し、耳につけて音楽を聴く。曲を聴きながらも、大好きな彼を想いながら塀に背をつけて待っている
ある程度時間が経ち、音楽に浸っていた
ふと顔をあげてみると、こっちに走って向かってくる彼が大きく手を振っているのが見えた。だから、私も彼に手を振りかえした
だが、彼の顔の様子がおかしい。焦っているような感じがする。そして、口が動いている。なにを言っているのか聞こえないのでイヤホンを外した――その瞬間彼が何を伝えたかったのかがわかった
だって暴走してるトラックが私に向かって猛スピードで走ってくる。トラックの運転手も、必死にクラクションを鳴らしているのがここからでも見えるし聞こえる。私死ぬんだなって思った。それと同時に、彼とのたくさんの思い出が涙と共に溢れ出て、まだ生きたいという感情もでてくる
ここから先の記憶は無い、でも死んだことに変わりはないだろう。だって、視界が真っ暗だから。
あれ? でもなんか、声が聞こえる。誰かがわたしを呼んでいる声。
声が聞こえるところに向かって走り続けた。その先には一つの明かりがある。その光に触れてみると、視界
が明るくなった
そう私は生きていて、目を開けていたのだ
目の前には母が居る事に気づいて、我に返った。
「私死んだんじゃ……」
「何を言ってるのよ、貴女は倖希さんに助けられて軽傷で済んだのよ! 本当によかったわ」
母が目に涙を浮かべながら、説明してくれた。
倖希が、私を庇って代わりに轢かれた事、そしてこの病院で入院していることを。
私はひと目でもいいから彼に会いたくて、母に病室ま
で案内してもらい、部屋に入ることにした。
でも、そこに居た彼は私を見ると頭を抱え苦しみだした。私は急いで彼に近寄り、大丈夫? まってね、今医者を呼ぶから、と言いながら背をさすった。
医者が急いで来てくれたが、私を病室から追い出した。
なぜ? と疑問はあるけども、彼の痛みを和らげるのが大事だったので、私はドアの前で彼が落ち着くのを待った。
何時間経ったのだろうか。実際には2、3分だろうけど、私にはそれ以上に感じる。
やっと医者が出てきた、彼とまた話せる。そう思ったのもつかの間、医者からこう告げられた
「倖希さんは、解離性健忘です。そして、幸さんの事を死なせないと言う思いが強すぎて、今までの貴女がいた記憶を覚えていませんし、貴女の事を忘れています。ですので、倖希さんが 幸さんを見てしまうと、無理にでも記憶を戻そうと脳が働いて、酷い頭痛を引き寄せます。ですので、合わないようにしてください。我々も記憶を戻すために、努力をしますので。」
私は何も言えない。足にも力が入らずそのまま座り込んでしまった。
いまは、誰とも話したくない。顔を合わせたくない……ただ、1人の時間が欲しい。
足に無理やり力を入れ、「誰も、来ないで!」とさけび自分の病室に戻った。
あの時、私がイヤホンをつけてなかったら、クラクションの音が聞こえて、逃げれたのかもしれない。
あの時、わたしが彼を迎えに行ってたら助かった。
病室にもどり、過去の私を責め続けていた。
もう、起きたことなんだから、責め続けても意味ないのに……
意味の無い事の自覚はあるが、やはり辞められない。
だって、大切な人との思い出を自分だけしか覚えてないのが、こんなに辛いのだから。
私は決意した……彼のために、彼と合わないために、彼との思い出を封印し、彼の世界から消えるということを
家族は私のこの思いを聞いて、最初は反対していた。でも、私の強い意志を感じたのか最後には『貴女の人生だしね』って言ってくれた。
本当はね、私ずっと彼の世界で生き続けたい。でも、彼が苦しむくらいなら、私を一生忘れたっていい。
最後くらいは話したかったけどね。
この想いを胸に潜めちょっとずつ、ちょっとずつ彼から離れていった。
通っていた大学を辞めたり、県を出たり。
時には彼に会いたいと思うこともあった。でも、それは無理。わかっていてもやっぱり会いたい……
あれから何年も経っているのだから、私の事を完全に忘れているだろうから、ちょっとだけ、本当にほんの少しだけ彼が私を見ても平気だろう。彼を見るのはこれで最後。
最後か……泣けてくる。遠くに離れて、彼への想いも封印したはずなのに。やっぱり、好きな人との想いは消せないんだなと実感する。
戻ってきたんだ、彼との思い出の場所に。
ここでよくピクニックしたな、あ、あっちの木の下で座った時に、上から虫が降ってきたっけ。
記憶が蘇り、くすくすと笑った。でも、涙も溢れ出てくる。
やっぱり寂しいな。彼が居ないと。
「えーっと、大丈夫ですか?」
誰かの声が聞こえた……
「ご迷惑でなければ、このハンカチで涙拭いてください。」
彼の声だ……そう、私が心から愛した彼の優しい声。誰でも助けてしまう、お人好しな彼。
でも、彼は私の事を覚えてないのだから、私は素知らぬ素振りをする。
「昔の事を思い出して、涙が出ただけです。気遣いありがとうございます。」と言い。お辞儀をした
彼は何かを察したのか、それともただの気まぐれか、静かに隣に居てくれた
顔が見れたし声が聞けた、それだけでも嬉しいのに……
何も喋らず、ただ静かな時間が過ぎた。
「パパぁ~」
その声が聞こえ、静かな時間が消え去った。
「遅かったね~パパは1番に着いたぞぉ」
「パパが早すぎるんだもん! 私遅くないもん!」
「パパったら、早すぎ。ほら ちゃんも怒ってるじゃないの」
私は一瞬にして理解した、彼の奥さんと娘さん、新しい家族だと。幸せに生きているんだね。良かったよ
でも、一刻も彼から離れないと……私泣いちゃうもの。私も彼と幸せになりたかったと。
「あの、私そろそろ行きますね。ハンカチありがとうございました。」そう言ってハンカチを返そうとした、そしたら彼は
「そのハンカチあげますよ。また、涙が出たら大変でしょ? それに、なんだか遠い昔、あなたに似た人からハンカチを貰ったような記憶があるんです。その方が、『黄色いハンカチはね、幸せを願うって意味が込められている』と、言ったんです。ちょうどこのハンカチも黄色いですし、幸せになってと言う意味も込めて。」
あの言葉、覚えていたんだね。嬉しいような、悲しいような。何にも言えない感情が込み上げる
「本当にありがとうございます。じゃあ、もらっていきますね。また、どこかで会えたらご馳走しますね。では、さようなら。」もう、一生会えない彼への最後の別れの言葉だ。
最後だ、最後なんだ。もう、新しい家庭も築いている。もしかすると、私の事を思い出していて、私の事をもう一度愛してくれるって期待してた。
馬鹿だな私……彼には彼の人生があるのに。
私は、これから新しい人生を歩めるのだろうか……でも、彼が言ってくれた、『幸せになって』と。
そうだよ! 私も幸せにならないと。今から恋をして、家族になって、子供も沢山出来て……
でも、最後のわがままを言わせて。今日だけは、貴方の事を想わせて。
今までの想いが、涙になって出てくる。止めようとしても止まらない。最後には笑って『新しい幸せをみつけるね! ありがとう』と言えた。もう充分だ
月日が流れ、私の寿命も尽きる時がきた。
私には素敵な旦那さんができ、子供が4人生まれ、孫もいる
幸せだ、本当に幸せだ。あの時、彼が幸せになってと言ってくれたから前に進めた。
だから、言わせて……
『次は貴方と一緒に幸せになりたい』
END
私の名前は幸。普通の大学生だ
私には彼氏がいる、とっても優しい彼
困った人をいち早く見つけは助け、ある時には捨て猫を拾い里親が見つかるまでお世話したり、私が作ったボロボロの黄色いハンカチをずっと大切に使ってくれたり
そんな彼が私の最大の自慢だ。
今日だって彼と会う約束をしている
この先を曲がればつく……と、そのときスマホからメッセージの着信音が聞こえた
ポケットからスマホを取り出し、誰からのメッセージかを見ると。待ち合わせをしている彼氏の倖希からだった。
何かあったのだろかと心配になり、急いで読むと『ごめん、幸。ちょっと待ち合わせの時間に間に合わなくなった。本当にごめん!!』と書かれていた。
良かった事故でもあったかと思ったじゃないとほっとし、すぐさま『了解! でも、あんまり待たせちゃうと帰るよ~』と、いつもの冗談をいれて返信
倖希が来るまでの間暇だから音楽を聴くためにポケットからイヤホンを取り出し、耳につけて音楽を聴く。曲を聴きながらも、大好きな彼を想いながら塀に背をつけて待っている
ある程度時間が経ち、音楽に浸っていた
ふと顔をあげてみると、こっちに走って向かってくる彼が大きく手を振っているのが見えた。だから、私も彼に手を振りかえした
だが、彼の顔の様子がおかしい。焦っているような感じがする。そして、口が動いている。なにを言っているのか聞こえないのでイヤホンを外した――その瞬間彼が何を伝えたかったのかがわかった
だって暴走してるトラックが私に向かって猛スピードで走ってくる。トラックの運転手も、必死にクラクションを鳴らしているのがここからでも見えるし聞こえる。私死ぬんだなって思った。それと同時に、彼とのたくさんの思い出が涙と共に溢れ出て、まだ生きたいという感情もでてくる
ここから先の記憶は無い、でも死んだことに変わりはないだろう。だって、視界が真っ暗だから。
あれ? でもなんか、声が聞こえる。誰かがわたしを呼んでいる声。
声が聞こえるところに向かって走り続けた。その先には一つの明かりがある。その光に触れてみると、視界
が明るくなった
そう私は生きていて、目を開けていたのだ
目の前には母が居る事に気づいて、我に返った。
「私死んだんじゃ……」
「何を言ってるのよ、貴女は倖希さんに助けられて軽傷で済んだのよ! 本当によかったわ」
母が目に涙を浮かべながら、説明してくれた。
倖希が、私を庇って代わりに轢かれた事、そしてこの病院で入院していることを。
私はひと目でもいいから彼に会いたくて、母に病室ま
で案内してもらい、部屋に入ることにした。
でも、そこに居た彼は私を見ると頭を抱え苦しみだした。私は急いで彼に近寄り、大丈夫? まってね、今医者を呼ぶから、と言いながら背をさすった。
医者が急いで来てくれたが、私を病室から追い出した。
なぜ? と疑問はあるけども、彼の痛みを和らげるのが大事だったので、私はドアの前で彼が落ち着くのを待った。
何時間経ったのだろうか。実際には2、3分だろうけど、私にはそれ以上に感じる。
やっと医者が出てきた、彼とまた話せる。そう思ったのもつかの間、医者からこう告げられた
「倖希さんは、解離性健忘です。そして、幸さんの事を死なせないと言う思いが強すぎて、今までの貴女がいた記憶を覚えていませんし、貴女の事を忘れています。ですので、倖希さんが 幸さんを見てしまうと、無理にでも記憶を戻そうと脳が働いて、酷い頭痛を引き寄せます。ですので、合わないようにしてください。我々も記憶を戻すために、努力をしますので。」
私は何も言えない。足にも力が入らずそのまま座り込んでしまった。
いまは、誰とも話したくない。顔を合わせたくない……ただ、1人の時間が欲しい。
足に無理やり力を入れ、「誰も、来ないで!」とさけび自分の病室に戻った。
あの時、私がイヤホンをつけてなかったら、クラクションの音が聞こえて、逃げれたのかもしれない。
あの時、わたしが彼を迎えに行ってたら助かった。
病室にもどり、過去の私を責め続けていた。
もう、起きたことなんだから、責め続けても意味ないのに……
意味の無い事の自覚はあるが、やはり辞められない。
だって、大切な人との思い出を自分だけしか覚えてないのが、こんなに辛いのだから。
私は決意した……彼のために、彼と合わないために、彼との思い出を封印し、彼の世界から消えるということを
家族は私のこの思いを聞いて、最初は反対していた。でも、私の強い意志を感じたのか最後には『貴女の人生だしね』って言ってくれた。
本当はね、私ずっと彼の世界で生き続けたい。でも、彼が苦しむくらいなら、私を一生忘れたっていい。
最後くらいは話したかったけどね。
この想いを胸に潜めちょっとずつ、ちょっとずつ彼から離れていった。
通っていた大学を辞めたり、県を出たり。
時には彼に会いたいと思うこともあった。でも、それは無理。わかっていてもやっぱり会いたい……
あれから何年も経っているのだから、私の事を完全に忘れているだろうから、ちょっとだけ、本当にほんの少しだけ彼が私を見ても平気だろう。彼を見るのはこれで最後。
最後か……泣けてくる。遠くに離れて、彼への想いも封印したはずなのに。やっぱり、好きな人との想いは消せないんだなと実感する。
戻ってきたんだ、彼との思い出の場所に。
ここでよくピクニックしたな、あ、あっちの木の下で座った時に、上から虫が降ってきたっけ。
記憶が蘇り、くすくすと笑った。でも、涙も溢れ出てくる。
やっぱり寂しいな。彼が居ないと。
「えーっと、大丈夫ですか?」
誰かの声が聞こえた……
「ご迷惑でなければ、このハンカチで涙拭いてください。」
彼の声だ……そう、私が心から愛した彼の優しい声。誰でも助けてしまう、お人好しな彼。
でも、彼は私の事を覚えてないのだから、私は素知らぬ素振りをする。
「昔の事を思い出して、涙が出ただけです。気遣いありがとうございます。」と言い。お辞儀をした
彼は何かを察したのか、それともただの気まぐれか、静かに隣に居てくれた
顔が見れたし声が聞けた、それだけでも嬉しいのに……
何も喋らず、ただ静かな時間が過ぎた。
「パパぁ~」
その声が聞こえ、静かな時間が消え去った。
「遅かったね~パパは1番に着いたぞぉ」
「パパが早すぎるんだもん! 私遅くないもん!」
「パパったら、早すぎ。ほら ちゃんも怒ってるじゃないの」
私は一瞬にして理解した、彼の奥さんと娘さん、新しい家族だと。幸せに生きているんだね。良かったよ
でも、一刻も彼から離れないと……私泣いちゃうもの。私も彼と幸せになりたかったと。
「あの、私そろそろ行きますね。ハンカチありがとうございました。」そう言ってハンカチを返そうとした、そしたら彼は
「そのハンカチあげますよ。また、涙が出たら大変でしょ? それに、なんだか遠い昔、あなたに似た人からハンカチを貰ったような記憶があるんです。その方が、『黄色いハンカチはね、幸せを願うって意味が込められている』と、言ったんです。ちょうどこのハンカチも黄色いですし、幸せになってと言う意味も込めて。」
あの言葉、覚えていたんだね。嬉しいような、悲しいような。何にも言えない感情が込み上げる
「本当にありがとうございます。じゃあ、もらっていきますね。また、どこかで会えたらご馳走しますね。では、さようなら。」もう、一生会えない彼への最後の別れの言葉だ。
最後だ、最後なんだ。もう、新しい家庭も築いている。もしかすると、私の事を思い出していて、私の事をもう一度愛してくれるって期待してた。
馬鹿だな私……彼には彼の人生があるのに。
私は、これから新しい人生を歩めるのだろうか……でも、彼が言ってくれた、『幸せになって』と。
そうだよ! 私も幸せにならないと。今から恋をして、家族になって、子供も沢山出来て……
でも、最後のわがままを言わせて。今日だけは、貴方の事を想わせて。
今までの想いが、涙になって出てくる。止めようとしても止まらない。最後には笑って『新しい幸せをみつけるね! ありがとう』と言えた。もう充分だ
月日が流れ、私の寿命も尽きる時がきた。
私には素敵な旦那さんができ、子供が4人生まれ、孫もいる
幸せだ、本当に幸せだ。あの時、彼が幸せになってと言ってくれたから前に進めた。
だから、言わせて……
『次は貴方と一緒に幸せになりたい』
END
133
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
婚約破棄ですか、では死にますね【完結】
砂礫レキ
恋愛
自分を物語の主役だと思い込んでいる夢見がちな妹、アンジェラの社交界デビューの日。
私伯爵令嬢エレオノーラはなぜか婚約者のギースに絶縁宣言をされていた。
場所は舞踏会場、周囲が困惑する中芝居がかった喋りでギースはどんどん墓穴を掘っていく。
氷の女である私より花の妖精のようなアンジェラと永遠の愛を誓いたいと。
そして肝心のアンジェラはうっとりと得意げな顔をしていた。まるで王子に愛を誓われる姫君のように。
私が冷たいのではなく二人の脳みそが茹っているだけでは?
婚約破棄は承ります。但し、今夜の主役は奪わせて貰うわよアンジェラ。
婚約者が他の令嬢に微笑む時、私は惚れ薬を使った
葵 すみれ
恋愛
ポリーヌはある日、婚約者が見知らぬ令嬢と二人きりでいるところを見てしまう。
しかも、彼は見たことがないような微笑みを令嬢に向けていた。
いつも自分には冷たい彼の柔らかい態度に、ポリーヌは愕然とする。
そして、親が決めた婚約ではあったが、いつの間にか彼に恋心を抱いていたことに気づく。
落ち込むポリーヌに、妹がこれを使えと惚れ薬を渡してきた。
迷ったあげく、婚約者に惚れ薬を使うと、彼の態度は一転して溺愛してくるように。
偽りの愛とは知りながらも、ポリーヌは幸福に酔う。
しかし幸せの狭間で、惚れ薬で彼の心を縛っているのだと罪悪感を抱くポリーヌ。
悩んだ末に、惚れ薬の効果を打ち消す薬をもらうことを決意するが……。
※小説家になろうにも掲載しています
【完結】手紙
325号室の住人
恋愛
☆全3話 完結済
俺は今、大事な手紙を探している。
婚約者…いや、元婚約者の兄から預かった、《確かに婚約解消を認める》という内容の手紙だ。
アレがなければ、俺の婚約はきちんと解消されないだろう。
父に言われたのだ。
「あちらの当主が認めたのなら、こちらもお前の主張を聞いてやろう。」
と。
※当主を《兄》で統一しました。紛らわしくて申し訳ありませんでした。
あなたに何されたって驚かない
こもろう
恋愛
相手の方が爵位が下で、幼馴染で、気心が知れている。
そりゃあ、愛のない結婚相手には申し分ないわよね。
そんな訳で、私ことサラ・リーンシー男爵令嬢はブレンダン・カモローノ伯爵子息の婚約者になった。
カメリア――彷徨う夫の恋心
来住野つかさ
恋愛
ロジャーとイリーナは和やかとはいえない雰囲気の中で話をしていた。結婚して子供もいる二人だが、学生時代にロジャーが恋をした『彼女』をいつまでも忘れていないことが、夫婦に亀裂を生んでいるのだ。その『彼女』はカメリア(椿)がよく似合う娘で、多くの男性の初恋の人だったが、なせが卒業式の後から行方不明になっているのだ。ロジャーにとっては不毛な会話が続くと思われたその時、イリーナが言った。「『彼女』が初恋だった人がまた一人いなくなった」と――。
※この作品は他サイト様にも掲載しています。
【完結】遅いのですなにもかも
砂礫レキ
恋愛
昔森の奥でやさしい魔女は一人の王子さまを助けました。
王子さまは魔女に恋をして自分の城につれかえりました。
数年後、王子さまは隣国のお姫さまを好きになってしまいました。
【完結】愛しい人、妹が好きなら私は身を引きます。
王冠
恋愛
幼馴染のリュダールと八年前に婚約したティアラ。
友達の延長線だと思っていたけど、それは恋に変化した。
仲睦まじく過ごし、未来を描いて日々幸せに暮らしていた矢先、リュダールと妹のアリーシャの密会現場を発見してしまい…。
書きながらなので、亀更新です。
どうにか完結に持って行きたい。
ゆるふわ設定につき、我慢がならない場合はそっとページをお閉じ下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる