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八
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副会長の指示で親衛隊が動いていたことは明確なのだ。しかしながら副会長が凛を害する動機は分からなかった。
「ではさっきの凛が虐められている話についてですがその約半数が貴方の親衛隊が関係していることは知っていますか?」
知晴がそう言うと凛は「え?」と声を漏らし、会長は「は?」と素っ頓狂な声を上げた。
「いいえ、親衛隊なんて勝手に動くものでしょう。私は感知していませんが?」
副会長は堂々という。それが嘘だと知っていてもさもそれが本当だと思ってしまう自然さだった。だから知晴は会話の主導権を向こうに握られまいとする。
会長の場合は今までの会長が分かっていなかったことを説明して分かってもらえれば罪の意識が芽生え、一押しで凛に謝らせることが出来た。しかしながら副会長の場合、しっかりとした動機があるのかも不明。自分のしている事は自覚しながら隠している。そして、転入生の事が本気で好きなのか不明。
こちらの持っている手札が少なすぎた。無知は罪と言うが、知を持ちながら罪を犯す奴はたちが悪すぎる。
本気で転入生が好きなのか分からない…分からないが、賭けてみる価値はあるだろう。実は途中たが、親衛隊の行動が副会長の命令だという証拠を集めた資料とボイスレコーダーが風紀室の自分の机に入っている。
それを知晴は取りに行き、戻ると今迄ずっと黙って俯いていた転校生に視線を向ける。
「転校生?」
知晴の呼び掛けに顔をゆっくりと上げた転入生の瞳は雫が今にも溢れだしそうだった。
「お、俺!そ、そんなこと…知らなくて……………。俺がなく資格なんか、ないのに……。」
震えた声でそんな要領得ないことを言うと涙のダムは決壊した。
「陽太?」
副会長がそんな転校生を見て心配したのか手を伸ばす。
「触るな!」
転校生は副会長を拒絶して、向かいに座る知晴の方に来た。拒絶された副会長は伸ばした手を引き戻しその手を呆然と見ている。副会長が本気で誰かを好きになることなんかないだろうと転校生への気持ちを疑っていたがその表情を見るに本気のようだ。
それなら今手持ちにある証拠達も役に立ちそうだ。最悪俺が恨みを買えばればいい。そうすれば虐めのターゲティングが凛から俺へずらせる可能性が高い。
「知晴……さん。さっきの話は本当か?ですか?」
「敬語はいらないよ。」
「分かった、それで?」
知晴は何も悪くないのに凛のことを思って泣いている転校生に好感を持った。本来はこの場は彼が被害者で加害者の犯行を明確にする場所だというのに気分を害した素振りもない。彼が使えない敬語を使おうとする姿に知晴は気づけば笑みを浮かべていた。可愛い。
────やばい、推しが増える。
知晴は危機感を覚えた。
浮気はダメだ。いや、でも推しは増えてもよくない?恋人なわけじゃないんだし。いやでも………。
「ゴホン。」
知晴は咳払いをして気を取り直す。
「え、えっと、俺が言ったことは全部本当で一応途中だけれど裏も取ってある。しかし、ここまで情報が出揃っていたら黒と判断していいだろう。副会長親衛隊長も口を割っていたし。」
知晴はそう言いながら資料とボイスレコーダーを陽太に渡した。
静観していた副会長はそれを見た瞬間立ちった。
「ボイスレコーダー!?な、何を録っているんですか?」
「何って証拠だよ。」
「陽太!そんなのは嘘です。騙されては行けません。今の時代編集して私の声に似せることなど容易です。」
陽太はそんな副会長の声を無視してボイスレコーダーをイヤホンで再生し始めた。中身は副会長が親衛隊に命令する所や知晴が親衛隊に事情聴取をした時の録音だ。
それを大体聴き終わった陽太の顔にはありありと副会長への失望の表情が浮かんでいた。
「俺、お前がそんなやつだなんて知らなかった。もう話しかけないでくれ。」
そう言ってソファから立ち上がり、ドアへ向かう。途中会長と会計にも暫く一人になりたいから話しかけないでくれと言って走って出ていってしまった。
それを見た副会長は信じられないと呆然としたあと、ハッとして立ち上がり陽太を追いかけて行った。途中「貴方のせいで!貴方のせいで陽太が私から離れるんだ!許しませんからね!」と、もの怒りの形相で知晴に怒鳴った。そして出ていった。
「上手くいって良かった。」
当初の目的通りヘイトを買うことが出来たので知晴はほっと一息ついた 。
「ではさっきの凛が虐められている話についてですがその約半数が貴方の親衛隊が関係していることは知っていますか?」
知晴がそう言うと凛は「え?」と声を漏らし、会長は「は?」と素っ頓狂な声を上げた。
「いいえ、親衛隊なんて勝手に動くものでしょう。私は感知していませんが?」
副会長は堂々という。それが嘘だと知っていてもさもそれが本当だと思ってしまう自然さだった。だから知晴は会話の主導権を向こうに握られまいとする。
会長の場合は今までの会長が分かっていなかったことを説明して分かってもらえれば罪の意識が芽生え、一押しで凛に謝らせることが出来た。しかしながら副会長の場合、しっかりとした動機があるのかも不明。自分のしている事は自覚しながら隠している。そして、転入生の事が本気で好きなのか不明。
こちらの持っている手札が少なすぎた。無知は罪と言うが、知を持ちながら罪を犯す奴はたちが悪すぎる。
本気で転入生が好きなのか分からない…分からないが、賭けてみる価値はあるだろう。実は途中たが、親衛隊の行動が副会長の命令だという証拠を集めた資料とボイスレコーダーが風紀室の自分の机に入っている。
それを知晴は取りに行き、戻ると今迄ずっと黙って俯いていた転校生に視線を向ける。
「転校生?」
知晴の呼び掛けに顔をゆっくりと上げた転入生の瞳は雫が今にも溢れだしそうだった。
「お、俺!そ、そんなこと…知らなくて……………。俺がなく資格なんか、ないのに……。」
震えた声でそんな要領得ないことを言うと涙のダムは決壊した。
「陽太?」
副会長がそんな転校生を見て心配したのか手を伸ばす。
「触るな!」
転校生は副会長を拒絶して、向かいに座る知晴の方に来た。拒絶された副会長は伸ばした手を引き戻しその手を呆然と見ている。副会長が本気で誰かを好きになることなんかないだろうと転校生への気持ちを疑っていたがその表情を見るに本気のようだ。
それなら今手持ちにある証拠達も役に立ちそうだ。最悪俺が恨みを買えばればいい。そうすれば虐めのターゲティングが凛から俺へずらせる可能性が高い。
「知晴……さん。さっきの話は本当か?ですか?」
「敬語はいらないよ。」
「分かった、それで?」
知晴は何も悪くないのに凛のことを思って泣いている転校生に好感を持った。本来はこの場は彼が被害者で加害者の犯行を明確にする場所だというのに気分を害した素振りもない。彼が使えない敬語を使おうとする姿に知晴は気づけば笑みを浮かべていた。可愛い。
────やばい、推しが増える。
知晴は危機感を覚えた。
浮気はダメだ。いや、でも推しは増えてもよくない?恋人なわけじゃないんだし。いやでも………。
「ゴホン。」
知晴は咳払いをして気を取り直す。
「え、えっと、俺が言ったことは全部本当で一応途中だけれど裏も取ってある。しかし、ここまで情報が出揃っていたら黒と判断していいだろう。副会長親衛隊長も口を割っていたし。」
知晴はそう言いながら資料とボイスレコーダーを陽太に渡した。
静観していた副会長はそれを見た瞬間立ちった。
「ボイスレコーダー!?な、何を録っているんですか?」
「何って証拠だよ。」
「陽太!そんなのは嘘です。騙されては行けません。今の時代編集して私の声に似せることなど容易です。」
陽太はそんな副会長の声を無視してボイスレコーダーをイヤホンで再生し始めた。中身は副会長が親衛隊に命令する所や知晴が親衛隊に事情聴取をした時の録音だ。
それを大体聴き終わった陽太の顔にはありありと副会長への失望の表情が浮かんでいた。
「俺、お前がそんなやつだなんて知らなかった。もう話しかけないでくれ。」
そう言ってソファから立ち上がり、ドアへ向かう。途中会長と会計にも暫く一人になりたいから話しかけないでくれと言って走って出ていってしまった。
それを見た副会長は信じられないと呆然としたあと、ハッとして立ち上がり陽太を追いかけて行った。途中「貴方のせいで!貴方のせいで陽太が私から離れるんだ!許しませんからね!」と、もの怒りの形相で知晴に怒鳴った。そして出ていった。
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