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64:これからの永遠を二人で
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「ジュノ、本当にお母様と来なくていいの?」
プリシラが問えば、クローディアの腕の中でジュノがキュッと高い声をあげた。
場所はクローディアの屋敷の門。
あれからしばらく話し、そろそろお開きとなった頃、プリシラはジュノに一緒に来ないかと尋ねていた。
今、プリシラはとある町に家を構えてオリバーと共に生活している。クローディアの住む森から馬車で少し走ったところだ。
フィンスター家の騒動も届いてくるのだが、誰もプリシラが『ダレン・フィンスターを呪った妻』だとは気付きも考えもしない。これはきっと魔女ゆえなのだろう。
おかげで二人静かにのんびりと、世間の目も互いの身分も気にせず、誰もが微笑ましく見守る極平凡な夫婦として愛を囁き合って生活出来ている。
そこにジュノが居てくれればより幸せに……と考えて何度か提案してみたのだが、ジュノは応じなかった。キュウと高い声でこの屋敷に残ると返してくる。
別れ際になってもその意志は変わらないようで、ジュノはクローディアの腕から離れようとしない。
それでいて、プリシラが手を伸ばせば頭を擦り寄せたり身を乗り出して頬に擦り寄ってくる。
そこには確かには母への愛があり、ならばクローディアのもとに残るのは使い魔としての責任感からだろう。ジュノはまだ年若い少年だ、それでも立派な少年なのだ。
「それならまた会いに来るわ。明日にでも。そうだわ、明日はジュノが好きだったタルトを買って来るわね。明後日はお母様がクリームシチューを作って持ってきてあげる。今は私が料理を作っているのよ。ジュノも食べて」
プリシラの提案にジュノが嬉しそうに鳴き声をあげた。
その愛おしさに思わず「毎日会いにくるわ」と宣言すれば、よりジュノが嬉しそうに反応する。プリシラの手を前足と羽できゅうと掴んでくるのは、握手か、もしくは指切りか。どちらにせよ愛おしい。
ちなみにその傍らでは、クローディアとオリバーが、
「毎日来るの?」
「プリシラ様が望んでいらっしゃるので、どうぞよろしくお願い致します」
と話しているのだが、それはしれっと聞かないことにした。
◆◆◆
そうしてジュノと別れてクローディアの屋敷を後にし、プリシラはオリバーと共に自宅に戻ってきた。
フィンスター家の屋敷と比べると小さな家だ。あちらは貴族の豪邸、対してこちらは一般家屋なのだから比べられるわけがない。部屋数も少なく天井も低い、庭も無い。使用人も居ない。
だがプリシラにとってはどこより心落ち着く場所である。
この家にしようと二人で決めた。カーテンとラグを選び、ソファやテーブルセットをどこに置くかを話し合った。
最初こそオリバーは「プリシラ様が望むものを」と言ってきたのだが、そこはプリシラが「二人で棲む家だから二人で選びたいの」と言って話し合うことになったのだ。そんなやりとりも家具を見ると思い出され、自然と胸が温かくなる。
「今日はなんだか驚きすぎて疲れちゃったわ。でも、ジュノにまた会えてよかった」
プリシラが安堵の息を吐いたのは、夜、寝室のベッドの中。
大きなベッドにオリバーと並んで布団に入り、どちらかが眠くなるまで他愛もない話をする。寝る前の穏やかで心地良い時間。
今夜の話題はもちろんジュノについてだ。
まさか、クローディアの使い魔として紹介されたあの不思議な生き物がジュノだったなんて……。
己を否定し尽くした挙げ句にあの姿になったと考えれば罪悪感が胸に湧く。だがそれと同時に、再び出会えた喜び、そしてこれからも親子として居られる喜びも湧いてくる。
そんなプリシラの胸中を察したのか、オリバーがそっと肩に手を置いて自分の方へと引き寄せてきた。
彼の逞しい体に身を寄せ、頭を肩に乗せる。男らしい手がゆっくりと優しく髪を掬ってきた。プリシラの銀の髪がするりと彼の指を滑る。
その感触を楽しむように数度掬い、次いでオリバーの手はプリシラの頬へと触れてきた。髪を掬うよりももっと丁寧に、優しく、頬を撫でてくる。
「ジュノ様もプリシラ様にお会い出来て嬉しそうでしたよ。いずれうちに招待しましょう」
「そうね。一緒に暮らさなくてもいつだって会えるものね」
「えぇ、いつだって会えますよ。これからはずっと。何を気にするでもなく」
オリバーの声には落ち着きがある。そんな彼の言葉にプリシラもまた頷いて返した。
胸に湧いていた罪悪感がスゥと静かに薄れていく。
そうだ。自分は魔女になり、ジュノはクローディアの使い魔になった。
既にどちらも人間ではなく、人間の時間では生きていない。数十年経ってもプリシラは老いることなく二十一歳のままで、ジュノも同じだ。
これからずっと一緒にいられる。果ての無い『ずっと』。
そんな安堵と喜びが胸に湧いた。……本来ならばジュノを巻き込んだ罪悪感や、人間だった頃の家族とは別の道を歩むことへの悲しさも抱くべきなのだが、そういったものは湧いてこない。
もう感覚が人間ではないのかもしれないけれど、今のプリシラにはそれすらも気付かなかった。
「でも、私が魔女になるなんてね」
驚いたとプリシラがクスクスと笑いながら話せば、オリバーも苦笑を浮かべた。彼からしたら、自分の方が驚いたと言いたいのだろう。
だが事実、プリシラは魔女になった。
もとよりクローディアに薦められ、選択肢の一つとして考えていたのだ。その最後の決断を下させたのは他でもないダレンである。
彼がプリシラを殺さずあくまで冷害に留めておいたなら、プリシラはフィンスター家夫人として出来得る範囲で復讐していたのに……。
だがダレンはプリシラを殺した。妻を殺した先に魔女がいるとも知らず。
馬鹿な男、とプリシラは心の中でダレンを笑った。
今ではこうやってあの男の事を思い出すのも稀である。これもまた魔女ゆえか、あるいは幸せだからか。
「伯爵夫人だった時も、魔女になった今も、プリシラ様は変わらず魅力的です。もちろん、ジュノ様の母親としてのプリシラ様も」
「ありがとう、オリバー。昔も今も、私ってば貴方の言葉に支えられてばかりだわ」
「俺にはそれしか出来ませんから。それでプリシラ様の気が晴れたのなら何よりです。……ですが」
ふと、呟いてオリバーが話を止めた。
何か言いたいことがあるのだろうかとプリシラが彼を見上げる。
色濃い彼の瞳は今も昔も変わらない。互いの立場が変わり、それどころか人間ですら無くなっても、今でも瞳の奥に『愛おしい』という気持ちを込めて見つめてくれる。真っすぐに向けられるその視線は熱く、プリシラの胸にも熱が灯る。
オリバーと出会ったのは七年前、しがらみから解放されて互いの気持ちを言葉にしあえるようになってからは三年だが、それでも未だにプリシラは彼の瞳に胸を高鳴らせてしまう。
どうやらそれはオリバーも同じなようで、プリシラが見つめ返すと彼の瞳が嬉しそうに細められた。ほんのりと頬が赤くなっている。
次いでオリバーはゆっくりとプリシラに顔を寄せてきた。
「心配事が無くなったのなら、今は俺のことを見て、俺のことだけを考えてください」
まるで子供の我が儘のようなことを、だが子供とは思えない熱っぽい声でオリバーが告げてくる。口付けと共に。
プリシラは彼からの口付けを受け入れ、そして一度離れると今度は自ら彼の唇に自分の唇を重ねた。
「自分のことって……、もしかして私がジュノの話をしたから嫉妬したの?」
「そんな、ジュノ様に嫉妬なんて。……ただ、ようやく愛を伝え合えるようになったから、出来る限り俺の事を考えて俺を見つめて欲しいんです」
「意外と独占欲が強いのね」
「えぇ、そうです。独占欲が強いんです。そんな俺が、『愛してる』の言葉を口にせずに何年も待ち続けていた……」
過去を思い出したのか、オリバーの瞳に僅かに切なげな色が宿った。
言葉に出来ず、言葉にしない事で愛を訴えていた数年間を思い出したのだろう。まだプリシラとオリバーが『伯爵夫人』と『御者』でしかなかった頃だ。
互いの気持ちは分かり合っていたし、『言葉にしない』という事こそが愛情表現だと思い、それを相手が受け入れることもまた愛情表現だと理解していた。それで十分だとオリバーもまた自分に言い聞かせていたという。
だがそれで満たされていたわけではない。苦しかったのも事実だ。
そんな苦しさを彼の瞳から見て取り、プリシラは宥めるように再びキスをした。
今度は先程のキスよりも深く、想いを伝えるように。
「独占欲が強いところもそれを耐えて私を支えていてくれたところもすべて愛してるわ。これから何回でも、何千回でも、愛してるって伝えてあげる」
「俺も貴女を愛しています。ずっと、永遠に、たとえ貴女が時を戻しても、変わらず愛し続けます」
プリシラが愛を伝えればオリバーもまた愛を返してくる。彼の手が肩に置かれ、再びキスを贈られた。もちろんプリシラからもキスを返す。
その応酬が心地良く、プリシラは促されるまま彼の腕の中に身を寄せた。
プリシラ・フィンスターの六年と時を戻した六年と七時間は終わった。
これから先にあるのはプリシラの永遠だ。
…end…
・・・・・・・・・・・
『殺された伯爵夫人の六年と七時間のやりなおし』
これにて完結です。
完全シリアス長編は初でしたが、いかがでしたでしょうか。
楽しんで頂けたら幸いです。
プリシラが問えば、クローディアの腕の中でジュノがキュッと高い声をあげた。
場所はクローディアの屋敷の門。
あれからしばらく話し、そろそろお開きとなった頃、プリシラはジュノに一緒に来ないかと尋ねていた。
今、プリシラはとある町に家を構えてオリバーと共に生活している。クローディアの住む森から馬車で少し走ったところだ。
フィンスター家の騒動も届いてくるのだが、誰もプリシラが『ダレン・フィンスターを呪った妻』だとは気付きも考えもしない。これはきっと魔女ゆえなのだろう。
おかげで二人静かにのんびりと、世間の目も互いの身分も気にせず、誰もが微笑ましく見守る極平凡な夫婦として愛を囁き合って生活出来ている。
そこにジュノが居てくれればより幸せに……と考えて何度か提案してみたのだが、ジュノは応じなかった。キュウと高い声でこの屋敷に残ると返してくる。
別れ際になってもその意志は変わらないようで、ジュノはクローディアの腕から離れようとしない。
それでいて、プリシラが手を伸ばせば頭を擦り寄せたり身を乗り出して頬に擦り寄ってくる。
そこには確かには母への愛があり、ならばクローディアのもとに残るのは使い魔としての責任感からだろう。ジュノはまだ年若い少年だ、それでも立派な少年なのだ。
「それならまた会いに来るわ。明日にでも。そうだわ、明日はジュノが好きだったタルトを買って来るわね。明後日はお母様がクリームシチューを作って持ってきてあげる。今は私が料理を作っているのよ。ジュノも食べて」
プリシラの提案にジュノが嬉しそうに鳴き声をあげた。
その愛おしさに思わず「毎日会いにくるわ」と宣言すれば、よりジュノが嬉しそうに反応する。プリシラの手を前足と羽できゅうと掴んでくるのは、握手か、もしくは指切りか。どちらにせよ愛おしい。
ちなみにその傍らでは、クローディアとオリバーが、
「毎日来るの?」
「プリシラ様が望んでいらっしゃるので、どうぞよろしくお願い致します」
と話しているのだが、それはしれっと聞かないことにした。
◆◆◆
そうしてジュノと別れてクローディアの屋敷を後にし、プリシラはオリバーと共に自宅に戻ってきた。
フィンスター家の屋敷と比べると小さな家だ。あちらは貴族の豪邸、対してこちらは一般家屋なのだから比べられるわけがない。部屋数も少なく天井も低い、庭も無い。使用人も居ない。
だがプリシラにとってはどこより心落ち着く場所である。
この家にしようと二人で決めた。カーテンとラグを選び、ソファやテーブルセットをどこに置くかを話し合った。
最初こそオリバーは「プリシラ様が望むものを」と言ってきたのだが、そこはプリシラが「二人で棲む家だから二人で選びたいの」と言って話し合うことになったのだ。そんなやりとりも家具を見ると思い出され、自然と胸が温かくなる。
「今日はなんだか驚きすぎて疲れちゃったわ。でも、ジュノにまた会えてよかった」
プリシラが安堵の息を吐いたのは、夜、寝室のベッドの中。
大きなベッドにオリバーと並んで布団に入り、どちらかが眠くなるまで他愛もない話をする。寝る前の穏やかで心地良い時間。
今夜の話題はもちろんジュノについてだ。
まさか、クローディアの使い魔として紹介されたあの不思議な生き物がジュノだったなんて……。
己を否定し尽くした挙げ句にあの姿になったと考えれば罪悪感が胸に湧く。だがそれと同時に、再び出会えた喜び、そしてこれからも親子として居られる喜びも湧いてくる。
そんなプリシラの胸中を察したのか、オリバーがそっと肩に手を置いて自分の方へと引き寄せてきた。
彼の逞しい体に身を寄せ、頭を肩に乗せる。男らしい手がゆっくりと優しく髪を掬ってきた。プリシラの銀の髪がするりと彼の指を滑る。
その感触を楽しむように数度掬い、次いでオリバーの手はプリシラの頬へと触れてきた。髪を掬うよりももっと丁寧に、優しく、頬を撫でてくる。
「ジュノ様もプリシラ様にお会い出来て嬉しそうでしたよ。いずれうちに招待しましょう」
「そうね。一緒に暮らさなくてもいつだって会えるものね」
「えぇ、いつだって会えますよ。これからはずっと。何を気にするでもなく」
オリバーの声には落ち着きがある。そんな彼の言葉にプリシラもまた頷いて返した。
胸に湧いていた罪悪感がスゥと静かに薄れていく。
そうだ。自分は魔女になり、ジュノはクローディアの使い魔になった。
既にどちらも人間ではなく、人間の時間では生きていない。数十年経ってもプリシラは老いることなく二十一歳のままで、ジュノも同じだ。
これからずっと一緒にいられる。果ての無い『ずっと』。
そんな安堵と喜びが胸に湧いた。……本来ならばジュノを巻き込んだ罪悪感や、人間だった頃の家族とは別の道を歩むことへの悲しさも抱くべきなのだが、そういったものは湧いてこない。
もう感覚が人間ではないのかもしれないけれど、今のプリシラにはそれすらも気付かなかった。
「でも、私が魔女になるなんてね」
驚いたとプリシラがクスクスと笑いながら話せば、オリバーも苦笑を浮かべた。彼からしたら、自分の方が驚いたと言いたいのだろう。
だが事実、プリシラは魔女になった。
もとよりクローディアに薦められ、選択肢の一つとして考えていたのだ。その最後の決断を下させたのは他でもないダレンである。
彼がプリシラを殺さずあくまで冷害に留めておいたなら、プリシラはフィンスター家夫人として出来得る範囲で復讐していたのに……。
だがダレンはプリシラを殺した。妻を殺した先に魔女がいるとも知らず。
馬鹿な男、とプリシラは心の中でダレンを笑った。
今ではこうやってあの男の事を思い出すのも稀である。これもまた魔女ゆえか、あるいは幸せだからか。
「伯爵夫人だった時も、魔女になった今も、プリシラ様は変わらず魅力的です。もちろん、ジュノ様の母親としてのプリシラ様も」
「ありがとう、オリバー。昔も今も、私ってば貴方の言葉に支えられてばかりだわ」
「俺にはそれしか出来ませんから。それでプリシラ様の気が晴れたのなら何よりです。……ですが」
ふと、呟いてオリバーが話を止めた。
何か言いたいことがあるのだろうかとプリシラが彼を見上げる。
色濃い彼の瞳は今も昔も変わらない。互いの立場が変わり、それどころか人間ですら無くなっても、今でも瞳の奥に『愛おしい』という気持ちを込めて見つめてくれる。真っすぐに向けられるその視線は熱く、プリシラの胸にも熱が灯る。
オリバーと出会ったのは七年前、しがらみから解放されて互いの気持ちを言葉にしあえるようになってからは三年だが、それでも未だにプリシラは彼の瞳に胸を高鳴らせてしまう。
どうやらそれはオリバーも同じなようで、プリシラが見つめ返すと彼の瞳が嬉しそうに細められた。ほんのりと頬が赤くなっている。
次いでオリバーはゆっくりとプリシラに顔を寄せてきた。
「心配事が無くなったのなら、今は俺のことを見て、俺のことだけを考えてください」
まるで子供の我が儘のようなことを、だが子供とは思えない熱っぽい声でオリバーが告げてくる。口付けと共に。
プリシラは彼からの口付けを受け入れ、そして一度離れると今度は自ら彼の唇に自分の唇を重ねた。
「自分のことって……、もしかして私がジュノの話をしたから嫉妬したの?」
「そんな、ジュノ様に嫉妬なんて。……ただ、ようやく愛を伝え合えるようになったから、出来る限り俺の事を考えて俺を見つめて欲しいんです」
「意外と独占欲が強いのね」
「えぇ、そうです。独占欲が強いんです。そんな俺が、『愛してる』の言葉を口にせずに何年も待ち続けていた……」
過去を思い出したのか、オリバーの瞳に僅かに切なげな色が宿った。
言葉に出来ず、言葉にしない事で愛を訴えていた数年間を思い出したのだろう。まだプリシラとオリバーが『伯爵夫人』と『御者』でしかなかった頃だ。
互いの気持ちは分かり合っていたし、『言葉にしない』という事こそが愛情表現だと思い、それを相手が受け入れることもまた愛情表現だと理解していた。それで十分だとオリバーもまた自分に言い聞かせていたという。
だがそれで満たされていたわけではない。苦しかったのも事実だ。
そんな苦しさを彼の瞳から見て取り、プリシラは宥めるように再びキスをした。
今度は先程のキスよりも深く、想いを伝えるように。
「独占欲が強いところもそれを耐えて私を支えていてくれたところもすべて愛してるわ。これから何回でも、何千回でも、愛してるって伝えてあげる」
「俺も貴女を愛しています。ずっと、永遠に、たとえ貴女が時を戻しても、変わらず愛し続けます」
プリシラが愛を伝えればオリバーもまた愛を返してくる。彼の手が肩に置かれ、再びキスを贈られた。もちろんプリシラからもキスを返す。
その応酬が心地良く、プリシラは促されるまま彼の腕の中に身を寄せた。
プリシラ・フィンスターの六年と時を戻した六年と七時間は終わった。
これから先にあるのはプリシラの永遠だ。
…end…
・・・・・・・・・・・
『殺された伯爵夫人の六年と七時間のやりなおし』
これにて完結です。
完全シリアス長編は初でしたが、いかがでしたでしょうか。
楽しんで頂けたら幸いです。
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